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SBK第8戦ミサノ決勝 ビアッジからの挨拶なし
インテリマーク編集部
2007年6月20日

SBK(世界スーパーバイク選手権)の第8ラウンドが、今年のMotoGPカレンダーに復帰を遂げると同時にコースが全面的に改修された新生ミサノ・サーキットにて、6月17日に決勝ラウンドを迎えた。
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ここではSBKミサノ戦のレース1とレース2の結果に加え、ミサノサーキットの主な改修内容、およびカール・マガリッジとジョシュア・ブルックスをレース欠場に追い込んだ輸送トラックの乗っ取り事件、ならびに今回のレースウイーク2日目の6月16日に発表された来期SBKのツインエンジン1200cc化の決定に関する概要などを併せて紹介する。


■来期から2気筒エンジンは1200ccまで可能

今回のミサノ2日目の6月16日に、SBKの運営委員会は来シーズンに向けてのマシン・レギュレーションの変更内容を発表している(写真下はドゥカティーの1098とベイリス)。
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SBKカテゴリーにおける変更内容の中心的な項目は、2気筒エンジンを搭載したマシンの排気量を現在の上限である1000ccから1200ccに引き上げる部分だ。

4気筒マシンの上限排気量が1000ccに引き上げられて以来、2気筒マシンの排気量引き上げはドゥカティーなどからの強い要望により数年間に渡り審議されていた事だが、SBKカテゴリーで2気筒マシンの1200cc化が正式に決定したのは今回が初めてだ。

なお、1200cc化は許可されるものの、来期以降は2気筒マシンにのみ直径50mmの吸気リストリクタの装着が義務づけられ、最低重量は4気筒マシンの162kgよりも6kg重い168kgとなる。


■MotoGPカレンダーへの復帰に向けて生まれ変わったミサノ
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イタリアに位置するミサノ・サーキットは、今期からMotoGPの年間カレンダーに復帰する関係から、大規模な安全面の見直しと改修工事が行われている。
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1993年のウェイン・レイニーの事故から、今年のMotoGPカレンダーへの復帰までに14年という長い歳月が経過したが、サーキット周辺のストリートの1つにイタリアのファンからも特に愛された加藤大治郎選手の名前が2004年につけられた事からも、いかに国際的な2輪ロードレースとの関連が深く、イタリアのファンが深い親しみを持つサーキットであるかが分かる。

■ドゥカティーは昨年までの過去15年間に23勝

写真MotoGPとはしばらく縁遠かったミサノだが、SBKの舞台としては今なお健在であり、93年のレイニーの事故後もカレンダーから外される事はなかった。SBKの過去15年間における30戦の中で地元ドゥカティーが23勝をあげているコースであり、ドゥカティーにとっては非常に相性の良いサーキットだ。

■コースレコードは全て白紙に

記念すべき今年のMotoGPへの復帰を可能にした改修工事により、かつての全ての選手権の過去のコースレコードなどの記録は全て白紙に戻され、全く新しいサーキットとして生まれ変わっている。これは毎年レースを行ってきたSBKにとっても例外ではなく、今後も過去の常識がそのまま通用するかどうかは、今年のレース内容を見てみればはっきりするだろう。

■ライダーにとっては新サーキットも同然の逆周回

コースレイアウトの外見上は、アスファルトが全面的に再舗装された事以外に昨年までと大きな違いはないが、コースの周回方向は昨年までの反時計まわりではなく、逆方向の時計まわりに変更されている。従って、ミサノを愛する地元の観客にとっては見慣れたサーキットのままだが、コースを走るライダーにとっては全く新しい新生ミサノ・サーキットに変貌を遂げたと考えて間違いはない。

■アルスターとテンケイトを除く有力チームは既に走行経験有り
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写真新生ミサノで国際的なレースイベントが行われるのは今回のSBKが初めての事だが、今年の5月には改修後のコースを使ったSBK合同テストが行われており、その時にはドゥカティー・ゼロックスのトロイ・ベイリスとロレンツォ・ランチ、ステリルガルダのルーベン・ザウスとマルコ・ボルチアーニ、ヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーと芳賀紀行選手、カワサキのフォンシ・ニエトとレジス・ラコーニとマウロ・サンチーニ、DFXコルセのミッシェル・ファブリツィオなどの有力ライダーが、事前のコース学習を兼ねたテスト走行を行っている。

なお、アルスター・スズキのマックス・ビアッジと加賀山就臣選手、およびテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドとロベルト・ロルフォはこのミサノ合同テストには参加しなかったため、新生ミサノで走行するのは今回のレースウイークが初めてであり、この2チームは他の有力チームよりも若干不利な状況と見られていた。


■スーパーポールの結果(決勝グリッド)
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レースウイーク中の状況としては、第1予選が行われた初日と、第2予選とスーパーポールが行われた2日目のミサノサーキットはイタリアらしい青空と明るい陽射しに恵まれており、両日ともに午後には路面温度が50度近くまで上昇した事から、各ライダーは慣れない逆回りのコースレウアイトに併せて、タイヤに厳しい高温のアスファルトにも苦しめられたようだ。

以下に、レースウイーク2日目に行われたスーパーポールの結果(決勝グリッド順)を示す。2日間を通してトップタイムを争い続けたのはヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーとドゥカティーのトロイ・ベイリスであり、2回の予選中は僅差でベイリスが暫定ポールを確保していたが、スーパーポールで最終的にポールポジションを獲得したのはコーサーの方だった。
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1) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分34秒948
2) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 999 F07 1分35秒104
3) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分35秒458
4) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分35秒572
5) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分35秒578
6) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 999 F07 1分36秒026
7) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分36秒131
8) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分36秒206
9) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分36秒489
10) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 1分36秒548
11) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分36秒661
12) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分37秒141
13) マルコ・ボルチアーニ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分37秒535
14) 中冨伸一 JPN チームYZFヤマハ Yamaha YZF R1 1分37秒646
15) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分37秒914
16) ヤコブ・シュムルツ CZE チーム・カラッチ・ドゥカティ・SC Ducati 999 F05 1分38秒010



■レース前日までの2日間を通しての怪我人など

決勝前日までの2日間を通しての目立った転倒者は、初日午前のフリー・プラクティス1で転倒したヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手と、2日目午後のフリー・プラクティス2で転倒したLBRレーシングのクリスチャン・ザイサーの2名だが、幸いどちらのライダーにも怪我はなく、その他に大きなアクシデントは発生していない。


■異例の事態に巻き込まれたアルト・エボリューション・ホンダ
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上記のスーパーポールの結果には、アルト・エボリューション・ホンダの2名、カール・マガリッジとジョシュア・ブルックスの名前がないが、これは転倒や怪我などではなく、同チームはある特殊な理由により今週のミサノ戦への出場を断念している。

■トラックの乗っ取りと運転手の誘拐事件

レースウイークの前日までに、ホンダは「アルト・エボリューションはチームの内部事情により今回のレースを欠場する」と発表していたが、実は同チームはシルバーストーン戦の翌日の5月28日に、全てのバイクや機材を輸送中のトラックを何人かの犯行グループに乗っ取られるという事件に巻き込まれていた。
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トラックはシルバーストーンを離れてから給油のために停車していたところを犯行グループに乗っ取られており、トラックや機材と一緒に誘拐されたチームの運転手は犯人の指示通りに進路を取らされて6時間以上走行したが、幸いベルギーのブリュッセル市内で自力の脱出に成功したようだ。

その後も犯行グループはチームのトラックで移動し、イタリアのトリエステ市内のサービス・エリアでトラックを乗り捨てた後、別のバンを盗んで逃走している。

■法的理由によりバイクはいまだ手元に戻らず

盗まれたトラックは6月8日に現地で発見されているが、法的理由により今なお全てのバイクや機材を積んだまま警察に保管されており、今週中にチームに戻る可能性はなく、アルト・エボリューション・ホンダの2名がミサノでレースに参加できる見込みは全くない事から、チームはミサノ欠場をレースウイークの初日を待たずして発表するに至ったという。


■レース1の内容
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9月のMotoGP戦のコース下見を兼ねて忍び込んだバレンティーノ・ロッシを含む6万8千人の観客が見守る中、気温31度、路面温度48度、湿度38%のドライ・セッションとなったレース1が正午に開始された。周回数は24ラップ。

イタリアを拠点とするカワサキPSG-1は従来のライムグリーンではなく、白を基調としながらサン・マリノの国旗と水色を所々に配したカラーリングのマシンで今回のミサノ戦に出場している。同じくイタリアを拠点とするドゥカティー・ゼロックスやヤマハ・イタリアは特に専用カラーや模様をマシンに設けてはおらず、従来の赤いマシンで登場。

■ホールショットはベイリス

スタートラインから1コーナーまでの距離が殆どない新生ミサノサーキットでホールショットを奪ったのは2番グリッドから好スタートを決めたドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。
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ポールポジションからスタートしたヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーはベイリスの背後の2番手につけ、その真後ろではアスルター・スズキのマックス・ビアッジとヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が激しく順位を入れ替えながら3番手を争っている。

■ベイリスを追う芳賀選手、コーサー、ビアッジの3台

ビアッジから3番手を奪った芳賀選手は続けてコーサーから2番手も奪い取り、先頭で飛ばすベイリスの追撃態勢に入る。4番グリッドからスタートし、クラッチに不調を抱えるテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドは6番手付近に後退。
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2ラップ目に突入したホームストレート、先頭からベイリス、2番手に芳賀選手、3番手にコーサー、4番手にビアッジ、5番手にカワサキのレジス・ラコーニ、6番手にトスランド、7番手にアスルスター・スズキの加賀山就臣選手、8番手につけるドゥカティーのロレンツォ・ランチが長い1列となって通り過ぎる。
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■クラッチの不調により遅れるトスランド

スタートに出遅れたトスランドはラコーニを交わして5番手につけるが、前方を行くビアッジからはすでに1.5秒の差が開いており、その後もペースはあまり上がらずトップの4台から徐々に引き離されていく。
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■コーサーが芳賀選手を交わして2番手に再浮上

3ラップ目以降、先頭集団はベイリス、芳賀選手、コーサー、ビアッジの4台に絞られ、トップを行くベイリスの背後では激しい2番手争いが繰り広げられる。DFXコルセのミッシェル・ファブリツィオがオルタネータの故障でリタイアした6ラップ目、コーサーは芳賀選手を交わして2番手に浮上し、4番手のビアッジは前方の芳賀選手のインを何度も奪いにかかっている。
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■再びベイリスの追撃に入る芳賀選手

2番手争いが激化してトップのベイリスが悠々と後続を引き離しにかかろうとする7ラップ目、芳賀選手はコーサーを交わして2番手に再浮上し、ベイリスとの差を詰め始める。その遙か後方となった第2集団では、5番手を走るトスランドの背後にラコーニを交わした加賀山選手が迫っている。


■中冨選手はエンジントラブルによりリタイア
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エンジンに不調を抱えていたチームYZFヤマハの中冨伸一選手はマシンが走行不能となり無念のリタイア。「すごくフラストレーションのたまるレースだった。リタイアにはがっかり」と中冨選手。


■芳賀選手がベイリスを交わしトップに

優勝争いが完全に4台に絞り込まれたレース中盤、9ラップ目に芳賀選手は左コーナーでベイリスを捕らえてトップに浮上しレースをリード。芳賀選手の背後には2番手となったベイリス、3番手のコーサーが続く。
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4番手のビアッジは10ラップ目の右高速コーナーで大回りを喫し、少しトップの3名に距離を空けられたが、11ラップ目にはコーサーの真後ろに復帰している。

レースが後半に入り調子を上げるビアッジは、14ラップ目にコーサーから左コーナーのインを奪い3番手に浮上。トップの座を芳賀選手とベイリス、少し距離をおいて3番手をビアッジとコーサーが激しく奪い合う。

■ベイリスに隙を与えない芳賀選手
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17ラップ目の高速コーナーで一瞬ベイリスが芳賀選手の前に出るが、芳賀選手は続くコーナーですぐにベイリスから前を奪いトップのポジションを死守。ひるんだベイリスはやや遅れ気味となり、抜け出した芳賀選手の背後の集団はベイリス、ビアッジ、コーサーの3台体制となった。

■コーサーが先頭集団から脱落
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リアのグリップ不足に苦しむコーサーはやがてトップ集団についていけなくなり、先頭は芳賀選手、2番手争いはベイリスとビアッジに絞られ、コーサーは単独4番手を走行。

■再びトップに立つが逃げの体制に入れないベイリス
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4番手に後退したコーサーの遙か後方の5番手を加賀山選手がトスランドから奪った19ラップ目、2番手のベイリスは再び芳賀選手の真後ろに迫り、21ラップ目には芳賀選手のインを奪って再びトップに浮上したが、それを必死に追う芳賀選手との距離を開くには至らない。

■ベイリスの前に出るタイミングをうかがう芳賀選手

残り3周の22ラップ目、先頭のベイリスから0.1秒の真後ろには2番手の芳賀選手、その0.5秒後方には3番手のビアッジ、さらにその3秒後方にはトップ集団から脱落したコーサーが走行している。


■ビアッジの追い抜きによりアクシデントが発生
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優勝争いがベイリスと芳賀選手の間で始まるかに見えた残り2周の23ラップ目、2番手の芳賀選手とのギャップを強引に縮めようとしたビアッジの追い抜き行為が原因となり、大きなアクシデントが発生する。

■ロッシの前を飛んでいく芳賀選手とビアッジ
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右コーナーに進入した芳賀選手のイン側に飛び込んだビアッジは、そのまま芳賀選手の右イン側を直線的にすり抜けようとしたが芳賀選手の右ひざをひっかけて2台は転倒。コーナーの左外側に激しく吹っ飛んだ2名は追い抜きポイントを視察中のバレンティーノ・ロッシの目の前を舞い、マシンと共に何度も転がりながらグラベルに埋まって停止した。

■深刻な怪我には至らなかったが2名は共に負傷

この転倒により、芳賀選手は右のひじと手首、ビアッジは右足と左手を負傷している。幸いどちらもレース2を欠場するほどの大怪我には至らなかったが、2名には大きな見解の相違があるようだ。

■不快感を示す芳賀選手と、「どちらも被害者」を強調するビアッジ
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芳賀選手はレースの終了後に「運がなかった。ミスは誰でもする事だから今回のアクシデントについては怒っていないが、(ビアッジから)謝罪的な言葉が何一つなかった事に関しては大変に残念だった。自分の流儀からすればだが、プロとしての配慮に欠けていると思う」と、ビアッジのその後の態度に不快感を表すコメントを残しているが、ビアッジは「ノリ(芳賀選手)と自分がお互いに接触し、それぞれに転んでしまった。自分にとっても彼にとっても残念な結果だった」と、あくまで両者ともに被害者であるという姿勢を崩さなかった。
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■トスランド「ビアッジが芳賀を押し出してラッキー」

ちなみに、今回の2名の事故によりレース1の最終的な順位を2つ得する事になり、この時点でランキング2位だった芳賀選手がノーポイントに終わった事について、ポイントリーダーであるジェームス・トスランドは「ビアッジが芳賀選手を押し出した事は自分にとっては幸運だったと言えるでしょう。でも、今後の戦いは運に頼るような事ではいけないね」とコメントしている。
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写真■2名の脱落により悠々とベイリスが優勝

芳賀選手とビアッジのレース1脱落により、残り1周のレースを悠々とトップで走りきり、嬉しそうにチェッカーを受けたのはドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。「希望通りの結果が得られて嬉しい。ここはイタリアの人たちのために勝たなければならない特別な場所」とベイリス。

■コーサーは突如2位に浮上

4位のポジションからいきなり2位に浮上し、表彰台に有り付いたヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーは「リアのグリップに問題があり、スタートからうまくいかなかったので厳しいレースだった」とコメント。

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■3位の加賀山選手「運に恵まれるのも悪くはない」

また、コーサーに続いて3位でチェッカーを受けたのは、トスランドを交わして5番手を走行していたアルスター・スズキの加賀山就臣選手だった。不調のシーズン序盤を経て嬉しい表彰台獲得となった加賀山選手は、「表彰台に戻ってこれて嬉しい。自分の前で2名のライダーが転ぶという運はあったが、それもレースではある事だし、運に恵まれるのは悪い事じゃないと思う」と素直に喜びのコメントを残している。
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なお、ポイントリーダーであるテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドは、加賀山選手から2秒遅れの4位でレース1を終えた。


以下にSBKミサノ戦レース1の全走行結果を示す。
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1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 38分52秒856(24周)
2) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 38分55秒230(24周)
3) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 39分01秒821(24周)
4) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 39分03秒966(24周)
5) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 39分11秒565(24周)
6) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 39分13秒323(24周)
7) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 39分14秒928(24周)
8) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 39分18秒280(24周)
9) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 39分23秒747(24周)
10) ヤコブ・シュムルツ CZE チーム・カラッチ・ドゥカティ・SC Ducati 999 F05 39分30秒580(24周)
11) マルコ・ボルチアーニ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 39分37秒754(24周)
12) マウロ・サンチーニ ITA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 39分54秒394(24周)
13) ルカ・モレリ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 40分30秒637(24周)
14) ディーン・エリソン GBR チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 39分25秒479(23周)
15) クリスチャン・ザイサー AUT LBR・レーシング・チーム MV Agusta F4 312R 39分32秒622(23周)
-) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 33分58秒160(21周)
-) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 33分58秒690(21周)
-) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 23分45秒406(14周)
-) Luca Conforti ITA Emmebi Team Honda CBR 1000RR 16分43秒564(10周)
-) 中冨伸一 JPN チームYZFヤマハ Yamaha YZF R1 9分58秒084(6周)
-) アレッサンドロ・ポリータ ITA チェラーニ・チーム・スズキ・イタリア Suzuki GSX-R 1000 K6 8分26秒296(5周)
-) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 6分50秒779(4周)

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■レース2の内容

15時30分から行われたレース2開始直後の気温は27度。路面温度はレース1の時よりも若干下がり46度、湿度は46%だった。
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ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手はレース1の転倒で負傷した右手の痛みが激しいため、痛み止めの注射を打ってからスターティング・グリッドに並んでいる。
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■レース2のホールショットもベイリス

シグナルが消えると同時に好スタートを見せたドゥカティーのトロイ・ベイリスは、レース1に引き続きレース2でもホールショットを奪うとそのままオープニングラップをリード。
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■またも先頭集団はベイリス、ビアッジ、コーサー、芳賀選手の4名

ベイリスの背後の2番手にはアルスター・スズキのマックス・ビアッジ、3番手にはヤマハ・イタリアのトロイ・コーサー、そのチームメイトの芳賀紀行選手が4番手につけ、レース1と同じ顔ぶれの4台がトップ集団の形成に入った。1コーナーを抜けるとすぐに、芳賀選手はコーサーとビアッジの2台を交わして2番手に浮上。
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■ミサノでは浮上できないトスランド

トップ4台の後方5番手にはテンケイト・ホンダのジェームス・トスランド、6番手にはアルスター・スズキの加賀山就臣選手、7番手にテンケイト・ホンダのロベルト・ロルフォ、8番手にはドゥカティーのロレンツォ・ランチが続いた。
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■ミスして後退するビアッジ「痛くて集中力を欠いた」

2ラップ目に芳賀選手はコーサーに交わされるが、すぐに半ば強引にコーサーのインに潜り込んで2番手のポジションに復帰。同じ頃、2番手を争うヤマハ・イタリアコンビの後方のビアッジは右コーナーで大回りを喫してポジションを2つほど落とし、すぐに走行ラインを取り戻そうとするが、加賀山選手を交わして6番手に浮上してきたステリルガルダ・ベリックのルーベン・ザウスの左側に接触。ひるんだビアッジはザウスと加賀山選手に交わされて7番手に後退した。
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「レース1で負傷した右手と左手の痛みがひどくて、レース2の序盤は走りに集中できなかった」とビアッジ。


■ファブリツィオは2戦連続のメカニカルトラブル

3ラップ目にDFXコルセのミッシェル・ファブリツィオはアクセルが閉じなくなるというトラブルに見舞われ、レース1に引き続きメカニカルトラブルでリタイア。
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■トップ集団は3台に

ビアッジの脱落により4ラップ目までに先頭集団は3台に絞られ、トップのベイリスに2番手の芳賀選手と3番手のコーサーが続き、その1.5秒後方にはペースの上がらない4番手のトスランド、さらに後方には5番手のザウス、6番手の加賀山選手、7番手のロルフォ、8番手のビアッジ、9番手にはドゥカティーのロレンツォ・ランチが続いた。

■コーサーが後退し、ベイリスと芳賀選手のマッチレースに
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8ラップ目に入ると、レース2に向けて乗り換えたセカンドバイクのセッティングが外れ、滑るフロントタイヤと格闘しながら3番手を走行していたコーサーがトップ集団から脱落し、この結果、トップ争いは先頭のベイリスと2番手の芳賀選手の2台に絞られた。


■コーサー「なんとも残念な週末」
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コーサーは「ポールポジションを獲得して好調だったレースウイークを考えればなんとも期待外れな週末になってしまった。乗り換えたセカンドバイクはエンジンの調子は良かったが、セッティングが正しくできていなくてフロントのグリップを何度も失った」と落胆のコメントをレース後に残している。


■コーサーの背後に迫る加賀山選手

トップのベイリスと2番手の芳賀選手が接近戦を演じて各コーナーの進入を奪い合う10ラップ目、3番手のコーサーはペースを落としながら芳賀選手の3.5秒後ろに後退し、そのコーサーの3秒後方にはトスランドを交わして4番手に浮上した加賀山選手が迫っている。
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■痛み止めの悪影響、芳賀選手「気持ち悪い」

レース中盤の11ラップ目、芳賀選手はレース2開始直前に注射した痛み止めの影響で気分が悪くなっており、ベイリスのハイペースについて行く事が困難になっていたようだ。また、芳賀選手のマシンはレース序盤にブレーキペダルが折れて無くなっており、リアブレーキを一切かける事ができない状態になっている。
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■加賀山選手が表彰台圏内に突入

ベイリスが芳賀選手との距離を徐々に開き始めた12ラップ目、ついにコーサーの真後ろに迫っていた加賀山選手がコーサーからインを奪って表彰台圏内の3番手に浮上。4番手に後退したコーサーは加賀山選手に追いすがるが、その背後には激しく5番手のポジションを奪い合うトスランドとビアッジの姿も迫っている。
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上位の順位変動が大きく起きないままレースは20ラップ目に突入。順位は先頭がベイリス、その3.5秒後方から2番手の芳賀選手が追い、さらに大きく遅れて3番手に加賀山選手、4番手には加賀山選手の追撃を諦めたコーサー、コーサーの真後ろの5番手にはビアッジ、6番手にトスランド、7番手にザウス、8番手にロルフォ、9番手にランチが続いた。

■加賀山選手のポジションを奪うビアッジ
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21ラップ目にビアッジはコーサーのインを奪って加賀山選手の背後につけると、続く右高速コーナーで加賀山選手から表彰台圏内となる3番手のポジションを奪い取った。
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先頭のベイリスが2番手の芳賀選手との距離を5秒近く確保した24周目の最終ラップ、3番手を走行するビアッジの背後では、加賀山選手から4番手のポジションを奪い返すべくコーサーが捨て身のコーナー外側からのアタックを試みるが大回りとなり失敗。


■ドゥカティーの地元でベイリスがダブルウインを達成
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ベイリスはレース2でも最後まで逃げ切る事に成功し、余裕のダブルウインをドゥカティーの地元であるイタリアのファンの前で達成した。「レース2ではマシンを乗りやすくするためにセッティングをほんの少し変更しただけ。ペースをあげた時にノリ(芳賀選手)がついてこない事に気がついた。彼を前に出す作戦も考えたが、以前にそれをやってもうまくいかなかったので、今回はひたすら頑張って前を走り続けて彼との距離を開く事ができた」とベイリス。
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■2位表彰台の芳賀選手「不運な1日だった」

レース2ではベイリスに続いてチェッカーを受け、2位表彰台を獲得したヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は「レース1で右ひじと手首を痛めたのでレース2には痛み止めの注射を打ってから出場したが、レース中盤にその薬の影響で気分が悪くなり、スローダウンせざるを得なくなった。おまけに数ラップ走っただけでブレーキペダルが壊れてなくなってしまったので、リアブレーキが全く使えない状態だった。色々あっただけに、レース2の結果にはすごく満足している。ただ、いずれにしても不運な日だった」と、ビアッジとのレース1でのアクシデントの影響に最後まで苦しんだ事をコメントしている。
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■3位表彰台を獲得して笑顔のビアッジ

写真また、後半の追い上げで3位表彰台を獲得したアルスター・スズキのマックス・ビアッジは、表彰台に上るとすぐに、憮然としていた芳賀選手に歩み寄り笑顔で握手を求め、シャンパンファイトが始まるとすぐに芳賀選手に一生懸命シャンパンシャワーを浴びせかけていたが、芳賀選手は無表情のままだ。

■ビアッジ「レース2では表彰台に乗れたから嬉しい」

「レース1で負った怪我の痛みでレース2の序盤は集中力を切らしてしまい、大回りをしたりしてポジションを最初に下げてしまった。でも、徐々に走りに集中できるようになり、最後には上位集団を捕らえる事ができた。トスランドとコーサー、それにユキオを交わして残り3周か4周の時点で3番手につけたが、芳賀とベイリスからは大きく離されていたのでそれ以上はどうしようもなかった。レース1での出来事は残念だったが、レース2で表彰台に上れた事は嬉しい」とビアッジ。

■加賀山選手「もっと表彰台に乗りたい」
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ビアッジに続き4位でチェッカーを受けたアルスター・スズキの加賀山就臣選手は、「レース2ではリアが暴れるという問題をマシンに抱えてしまった。もう一回表彰台に乗りたかったが、マシンが揺れるのでペースを落とさなければならなくなった。レース1で久しぶりに表彰台のいい気分を味わえたので、もっと乗りたくなった」とコメント。


以下にSBKミサノ戦レース2の全走行結果を示す。
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1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 999 F07 38分43秒506(24周)
2) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 38分46秒043(24周)
3) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 38分49秒892(24周)
4) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 38分52秒411(24周)
5) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 38分52秒636(24周)
6) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 38分57秒473(24周)
7) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 39分00秒214(24周)
8) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 39分00秒287(24周)
9) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 999 F07 39分00秒818(24周)
10) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 39分16秒571(24周)
11) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 39分17秒111(24周)
12) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 39分24秒757(24周)
13) ヤコブ・シュムルツ CZE チーム・カラッチ・ドゥカティ・SC Ducati 999 F05 39分26秒229(24周)
14) 中冨伸一 JPN チームYZFヤマハ Yamaha YZF R1 39分40秒150(24周)
15) マウロ・サンチーニ ITA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 39分44秒245(24周)
16) Luca Conforti ITA Emmebi Team Honda CBR 1000RR 40分00秒147(24周)
17) アレッサンドロ・ポリータ ITA チェラーニ・チーム・スズキ・イタリア Suzuki GSX-R 1000 K6 40分01秒220(24周)
18) ルカ・モレリ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 40分18秒392(24周)
19) ディーン・エリソン GBR チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 38分47秒134(23周)
-) マルコ・ボルチアーニ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 24分54秒004(15周)
-) クリスチャン・ザイサー AUT LBR・レーシング・チーム MV Agusta F4 312R 18分37秒167(11周)
-) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 3分36秒222(2周)



■SBKミサノ戦終了時点のポイントランキング

以下に、ミサノでのレース2終了時点のポイントランキングを示す。
写真
1) ジェームス・トスランド [GBR] [ホンダ] 260
2) トロイ・ベイリス [AUS] [ドゥカティ] 239
3) 芳賀紀行 [JPN] [ヤマハ] 234
4) マックス・ビアッジ [ITA] [スズキ] 217
5) トロイ・コーサー [AUS] [ヤマハ] 182
6) ロレンツォ・ランチ [ITA] [ドゥカティ] 133
7) ルーベン・ザウス [ESP] [ドゥカティ] 130
8) ロベルト・ロルフォ [ITA] [ホンダ] 109
9) マックス・ノイキルヒナー [GER] [スズキ] 100
10) 加賀山就臣 [JPN] [スズキ] 89
11) レジス・ラコーニ [FRA] [カワサキ] 76
12) ミッシェル・ファブリツィオ [ITA] [ホンダ] 59
13) ヤコブ・シュムルツ [CZE] [ドゥカティ] 53
14) フォンシ・ニエト [ESP] [カワサキ] 50
15) ジョシュア・ブルックス [AUS] [ホンダ] 40
16) カール・マガリッジ [AUS] [ホンダ] 28
17) 中冨伸一 [JPN] [ヤマハ] 24
18) スティーブ・マーチン [AUS] [ホンダ] 14
19) ジョバンニ・ブッセイ [ITA] [ドゥカティ] 11
20) ルカ・モレリ [ITA] [ホンダ] 9
21) マルコ・ボルチアーニ [ITA] [ドゥカティ] 8
22) アレッサンドロ・ポリータ [ITA] [スズキ] 8
23) ディーン・エリソン [GBR] [ドゥカティ] 7
24) ビットリオ・イアンヌッツォ [ITA] [カワサキ] 5
25) マウロ・サンチーニ [ITA] [カワサキ] 5
26) ロベルティーノ・ピエトリ [ITA] [ヤマハ] 2
27) Carmelo Morales [ESP] [ヤマハ] 2
28) Marek Svoboda [CZE] [ヤマハ] 2
29) クリスチャン・ザイサー [AUT] [アグスタ] 1


今回のダブルウインにより50ポイントを獲得したトロイ・ベイリスは、ポイントリーダーのジェームス・トスランドと21ポイント差のランキング2位に浮上。芳賀紀行選手はレース1での転倒ノーポイントが響き、ランキングはトスランドから26ポイント差、ペイリスからは5ポイント差の3位に後退している。


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