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SBK第4戦バレンシア予選、速さと小指は無関係
インテリマーク編集部
2007年4月15日

4月13日より、スペインのバレンシアサーキットでSBK(世界スーパーバイク選手権)の第4ラウンドが行われている。決勝のレース1とレース2は本日の4月15日(日本時間の晩)に開催されるが、ここでは、決勝前日までの2日間の予選とスーパーポールの状況を紹介する。
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■ベイリスは第3戦での大怪我からいきなり復帰

今回のバレンシアで初日から多くの注目を集めているのが、2週間前に行われた前回のドニントンパーク戦のレース1で右手の小指を第2関節から失うという大怪我を負った昨年度チャンピオン、ドゥカティーのトロイ・ベイリスの走りだ。

写真■股間の痛みの方が激しかったベイリス

なお、ベイリスはドニントンでの激しい転倒の瞬間、右手の小指をマシンに叩きつぶされた痛みは、同時に強打して負傷した股間の痛みで全く気がつかなかったという。

■医療検査を通ったベイリス「走ってみない事には何とも言えない」

ベイリスは今週の木曜日の4月12日に、今回のバレンシア戦出場に向けての最終的な医療検査を受け、術後の経過が順調である事を確認されている。この結果、無事に今回の4月13日からのレースウイークへの参加を認められたベイリスだが、セッションへの参加の前にベイリスは「20年間を通して小指のある状態でしか走った事がないので、実際にどうなるかは初日の結果を見ない事には分からない。」と、今後の自身の走りについての不安を示すコメントを残した。

また、この時にベイリスは「この手を知らない人が見たら、マフィアに金を払えなくて落とし前をつけさせられたと思うだろうね!」と明るくつけ加えている。

■バレンシアはMotoGPスポット参戦時に優勝したサーキット

ちなみに、ベイリスは昨年のMotoGPバレンシア戦にスポット参戦し、強豪MotoGPレギュラーライダーの全員を抑えて見事に優勝を果たしている。この事からも、バレンシアはベイリスにとって相性の良いサーキットであり、大怪我からの復帰戦としては彼にとって最高の場所だと言えるだろう。
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■ベイリスの速さと小指は無関係

今回ベイリスは、負傷した股間を保護するプロテクタをレザースーツの中に仕込み、2日間の予選に参加している。右手小指のない状態でのアクセルワークとフロントブレーキレバーの操作を初めて経験する事になり、ライディングの仕方を若干変更する必要性があるのかどうか不安だった様子のベイリスだが、この心配が全くの杞憂にすぎなかった事は、以下に示す予選結果が証明する通りだ。


■悪天候となった予選の2日目

バレンシア初日の4月13日には第1予選、翌日の2日目には第2予選が行われたが、この2日間は全く異なる路面状況となり、悪天候となった第2予選は滑りやすい路面に苦しむライダーがほとんどだった。
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■初日の第1予選結果が2日目の総合予選順位に

初日の4月13日、バレンシアは陽射しの降り注ぐ好天に恵まれ、この日は気温24度、路面温度34度、湿度45%のドライ・セッションの中で第1予選が行われている。

しかしながら、2日目の4月14日は雨が降ったりやんだりの不安定な天候となり、気温15度、路面温度15度、湿度74%のウェット・セッションとなった第2予選で第1予選時の自己ベストを上回るライダーは最終的に1人も現れず、2日目午後のスーパーポールを前にした予選の総合結果は、好天で行われた第1予選の順位がそのまま引き継がれる事になった。
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■SBKバレンシア、2日間の予選の総合順位

以下に、2日間総合の予選結果を示す。2日間を通して圧倒的な速さを誇ったのは小指を失った最年長ライダーだ。

1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分34秒599
2) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分35秒023
3) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分35秒147
4) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分35秒440
5) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分35秒453
6) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分35秒483
7) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分35秒709
8) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 1分35秒767
9) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分35秒804
10) カール・マガリッジ AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分35秒814
11) ジョシュア・ブルックス AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分35秒856
12) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分36秒012
13) ジョバンニ・ブッセイ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分36秒016
14) Carmelo Morales SPA Team Laglisse Yamaha YZF R1 1分36秒032
15) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分36秒094
16) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分36秒231
(以下はスーパーポール出場圏外)
17) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分36秒455
18) 中冨伸一 JPN チームYZFヤマハ Yamaha YZF R1 1分36秒755
19) クリスチャン・ザイサー AUT LBR・レーシング・チーム MV Agusta F4 312R 1分36秒757
20) ヤコブ・シュムルツ CZE チーム・カラッチ・ドゥカティ・SC Ducati 999 F05 1分37秒344
21) スティーブ・マーチン AUS D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分37秒403
22) ルカ・モレリ ITA チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 1分37秒653
23) ディーン・エリソン GBR チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 1分39秒434


■周囲の心配を吹き飛ばすベイリスの豪快な走り
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小指を失ってから初の予選を迎えたバレンシア初日のベイリスは、2003年にニール・ホジソンが記録していたバレンシアのサーキット・レコード(レースタイヤ)である1分35秒007と、やはり同年にホジソンが記録したベストラップ(予選タイヤ)の1分34秒633をいきなり上回る1分34秒599を記録し、小指の怪我の影響を心配するチームやファン、および本人の憂いを吹き飛ばした。

なお、2003年当時はスーパーポール以外の予選中にもスーパーソフトタイヤ(予選専用スリックタイヤ)の着用が許可されていたが、現在のSBKのルールではスーパーポール以外にその使用が許可されていないため、今回ベイリスはレース用のソフトタイヤでホジソンの当時の予選タイヤでの記録を上回った事になる。


■ベイリス「乗り方は何一つ変えてない!」
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トロイ・ベイリスの今回の記録は、今回のバレンシア戦に参加している他のライダーのタイムを0.5秒近く引き離す好タイムであり、ベイリスの走りは何一つ変わっていなかった。

「正直言うと手のせいで少し苦しんでいますが、それが何一つ悪影響として現れなかったので本当に嬉しいですね。まだ身体は完全だとは言えませんが、先月まではずっと体力的に好調だったので、それが回復を早めるのに役立ったんだと思います。」とベイリス

「乗り方は以前と全く同じですよ。何も変わってません!」

■やはり安心はできないトスランドやビアッジ

ドニントンの2レースをノーポイントに終え、今後の走りにとって致命的な怪我を負った可能性が心配され、年間タイトル争いへの危機もこの数週の間に囁かれたベイリスだが、現在のランキングトップを争っているジェームス・トスランやマックス・ビアッジにとって、ベイリスの存在は以前と変わらず圧倒的な脅威のままだ。

■地元の声援に応えたザウスは予選総合2番手

地元スペインの熱狂的な声援に結果で応えたのが、チーム・ステリルガルダに所属し、1年落ちのドゥカティー・ワークスマシンに乗るルーベン・ザウスだった。今回のバレンシアでの予選はドゥカティーの2気筒マシンがワンツーを制した事になり、ベイリスの無事な復帰と合わせてドゥカティーにとっては嬉しい結果となっている。

■4気筒マシンのトップはトスランド
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見事に復帰を遂げたベイリスと、地元で勢いに乗るザウスに続く予選総合3番手は、現在ランキングトップにつけるテンケイト・ホンダのジェームス・トスランド。4番手につけたのは前回のドニントン戦のレース2で優勝したばかりのヤマア・イタリアの芳賀紀行選手。

5番手にはトスランドと5ポイント差のランキング2位につけるSBKでの初レースを優勝で飾ったアルスター・スズキのマックス・ビアッジ、6番手には今期からアルスター・スズキを離れ、芳賀紀行選手のチームメイトとなったヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーがつけた。

■3月のバレンシアテスト時と同じ問題に苦しむビアッジ
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ビアッジとコーサーは、それぞれに今期から初めて経験するマシンに乗り換えての参戦となっているが、先月の3月に行われた合同テストでは、両者揃って新型マシンで走行をバレンシアで経験済みだ。なお、ビアッジはそのテスト当時からスズキのマシンのセッティングとバレンシアとの相性に苦しんでおり、今回も初日から同じ問題に苦しんでタイムを上げる事ができなかったとしている。今後の調整方針は2日目の天候次第だとビアッジは初日に述べた。
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2気筒マシンでの3番手となる予選総合7番手につけたのは、2日目の雨を見越し、3日目のレースがドライになると信じて初日の好天を利用してのレース用セッティングに集中したドゥカティー・ワークスのロレンツォ・ランチ。


■2戦(4レース)ぶりの出場となった加賀山選手は予選総合12番手

第2戦目のフィリップ・アイランドでは初日の第1予選中に転倒して肺を損傷、第3戦目となる前回のドニントンパークでも初日の予選中に転倒して背中側から転落して脳震盪を起こし、医師から出場許可をもらう事ができずに過去4レースを欠場する事になったアルスター・スズキの加賀山就臣選手は、今回のバレンシアからは良好な体調で無事に出場を果たし、転倒する事なく予選を総合12番手で終えている。
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加賀山選手は今回の2日間の予選では、さらなる転倒を避ける事に重点を置いて安定した走行を心がけている。「今日は安定した走りに徹しました。もう事故は起こしたくありませんからね。でもまだ肋骨と肩が痛むので方向転換が少し大変です。バレンシアは細かく方向を変えなきゃいけないサーキットですから、今はそれがちょっと厳しいですね。でも明日はもっと激しく攻めますよ!」と初日の走行を終えた直後の加賀山選手は語った。

ちなみに、加賀山選手は昨年のバレンシア戦では予選中に転倒して脳震盪を起こし、スーパーポールを欠場するという苦い経験をしている。


■スーパーポールの出場を逃した中冨選手。

SBK参戦2年目となるチームYZFヤマハの中冨伸一選手は、予選総合順位を18位で終え、前回のドニントンに引き続き今回もスーパーポール出場を逃している。第2予選終了後、本日の決勝レースを5列目18番グリッドからスタートする事になった中冨選手は以下の通りコメントした。
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「去年は雨で嫌な転倒の経験があるので、今回はあまり自信を持って走れていませんが、レースに向けていいセッティングを見つる事はできています。明日はできたら晴れて欲しいですね。少なくともポイントは獲得したいです。」と中冨選手


■スーパーポールはレインルールに

2日目の4月14日に路面が乾く事はなく、全てのチームは終日雨に悩まされる結果となったようだ。午後のスーパーポールでも天候は改善される事はなく、この日の上位16名のライダーは、通常のスーパーポールの1名ずつのタイムアタック形式ではなく、レインルールに従って雨の中のサーキットを通常の予選に近い形式で走行している。
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なお、SBKのスーパーポールのレインルールは、セッション中に走行した12周の中での自己ベストタイムが採用されるというシステムだ。

■滑る路面で転倒者が続出

この日の滑りやすい路面の影響により、カワサキのレジス・ラコーニ、チーム・ステリルガルダのジョバンニ・ブッセイ、スズキ・ジャーマニーのマックス・ノイキルヒナーなどが転倒しているが、特に深刻な怪我人は発生していない。

なお、予選総合1位のトロイ・ベイリスもグラベルに突入しているが、幸い転倒は免れている。


■SBKバレンシア2日目、スーパーポールの結果

以下に、2日間の予選総合順位の上位16名により争われたスーパーポールの結果を示す。ウェットセッションとなったスーパーポール開催時の気温は17度、路面温度は22度、湿度は79%だった。
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1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分51秒982
2) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分52秒085
3) ジョシュア・ブルックス AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分52秒199
4) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分52秒733
5) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分52秒801
6) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分52秒942
7) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分52秒961
8) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分53秒634
9) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分53秒750
10) カール・マガリッジ AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分54秒108
11) ジョバンニ・ブッセイ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分54秒972
12) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分55秒196
13) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 1分55秒965
14) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分56秒275
15) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分56秒332
16) Carmelo Morales SPA Team Laglisse Yamaha YZF R1 1分57秒498



■雨のスーパーポールでも健在のベイリス

写真レインルールが適用された雨のスーパーポールを制したのも、小指を失ったハンデや負傷した股間に着用した保護ケースをものともしないドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。周囲の心配を嬉しい驚きに変えたベイリスは、本日のバレンシア戦を自身15回目のポールポジションからスタートする。

「十分なタイムを記録する事ができたので、怪我の影響と格闘する必要もありませんでした。」とベイリス

「かなりいい気分でここまで来る事ができました。自分の体調を考えれば、かなりいい感触がバイクからすぐに得られましたからね。状況的には以前と同じ状態に戻れたと思いますよ。チームも自分もここまでの結果には大満足です。」

また、ベイリスは自分の復帰のみではなく、かつてのチームメイトであるザウスが2番グリッドの好位置を獲得した事を喜んでいる。

「雨でここを走るのは誰にとっても危険ですが、ルーベン(ザウス)のラップタイムを見たらすごく速かったので、彼を破る事だけを真剣に考えました。とにかく今回のスーパーポールでは身体が1つのままで終わる事ができましたから、明日はドライのレースを望むだけです。」

「また、ルーベンが上位のポジションに復帰してきた事を嬉しく思います。彼はかつてのチームメイトですからね。ルーベンができるライダーなのは分かっていますし、明日の彼が全力でレースに挑む事は間違いありませんよ。」


■SBK復帰以来初となる1列目の2番グリッドを獲得したザウス

MotoGPを経て昨年の2006年からSBKに復帰したルーベン・ザウスは、復帰直前のトレーニング中に負った足の怪我の影響もあり2006年シーズンはランキング14位と低迷していたが、前回のドニントンパーク戦のレース2では4位を獲得しており、その好調な走りで復調の兆しを見せていた。
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今回、熱烈なる地元スペインの声援を受け、SBKに復帰して以来初の1列目を獲得したザウスは、1年落ちのワークス・マシンとなる999F06を駆り、最新マシンの999F07で戦うドゥカティー・ゼロックスのロレンツォ・ランチを上回る2番グリッドを獲得している。今年は好調にマシンを仕上げてきているザウスは、今回のレースウイーク中は電気系統のセッティングに集中したようだ。

ちなみに、ザウスのSBKでの勝利記録は過去9回だ。


■ホンダに乗り換えて初の上位3番グリッドを獲得したブルックス

写真雨のスーパーポールで3番グリッドを獲得したのは、昨年まではカワサキのマシンでSBKを戦っていた元WSSライダーであるアルト・エボリューション・ホンダのジョシュア・ブルックスだ。

彼の所属するアルト・エボリューション・ホンダのチーム母体は昨年のベルトッチ・カワサキと同じだが、今期からはライダーに元テンケイト・ホンダのカール・マガリッジを迎え、マシンをカワサキからホンダに変更した事から、現在のチーム名に変わっている。

ドライ用のセッティングにはまだ課題が多いとするブルックスだが、今回は不安定な天候を最大限に利用して1列目を確保する事に成功したようだ。

「雨が降ってきた時にはチャンスだと思いましたね!ドニントンは一度も経験した事がなかったのに雨の時はすごく速く走れたんです。」とブルックス

「ここで1列目を確保できたのはチームの全員にとって素晴らしい経験でした。ドライではまだ自分たちの希望からはほど遠い状態ですけど、1列目はみんなの目標でしたからね。」


■1列目最後の4番グリッドはトロイ・コーサー
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写真悪天候でもいつもと変わらず1列目に食い込んだのは、SBKの年間タイトルを2回制覇した経験を持つベテラン、ヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーだ。コーサーはスーパーポールで自己ベストを記録した周回中に大きくマシンを滑らせているが、転倒やコースアウトなどの事態は免れている。

「今日は厳しい日でしたね。一日中エンジンの特性に苦しみました。」とコーサー

「先月のここでのテストとドニントンの後にエンジンのセッティングを変更したんですが、その関係でバイクの感触が大きく変わったんです。それにエンジンの特性は自分のメインバイクとスペアバイクでも違ったんですよ。」

「今日はその問題を解消する方法を見つけたので嬉しいです。明日には全て解決して、それからレースに挑めると思います。改善作業にはすでに取り組んでいるので、明日の朝には一度テストする予定です。」


■今年初の2列目スタートとなったトスランド

前回の地元イギリスのレース1では勝利を獲得し、現在のランキングトップにつけるテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドは、悪天候となった今回のバレンシアでのスーパーポールでは1列目を惜しくも逃し、2列目となる5番グリッドから本日のレースをスタートする事になった。トスランドが1列目スタートを逃したのは今年では今回が初めてだ。
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トスランドは他の主要ライダーと同様に、3月にもバレンシアでテスト走行を行っているが、その時には今回のレースウイークで使用している新型の電気系システムは導入していなかったようだ。

「今日はチームにとって終日いらいらさせられる日でしたね。」とトスランド

「路面状況は常に変わりっぱなしですし、スーパーポールの時もずっとそんな感じでした。今年に入って1列目スタートを逃したのは今回が初めてですよ。嬉しくない結果でしたが、明日は今日とは違う内容を期待したいですね!」


■マックス・ビアッジは失意の12番グリッド

ポイントリーダーであるジェームス・トスランドは1列目を逃して不機嫌だが、それを5ポイント差で追うランキング2位のマックス・ビアッジはさらに機嫌を損ねている。ビアッジは本日のレースを3列目の最後尾となる12番グリッドからスタートする事になった。
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ビアッジはマシンのフロントまわりの感触が得られずに苦しんでおり、思い通りにセッティングを改善する事が第2予選からスーパーポールを通してもできなかったという。

「まだベストと言えるセッティングにバイクが仕上がっていません。ですからリラックスできませんし、思い通りに乗れていません。」とビアッジ

「ウェットでもドライでもフロントまわりの感触に問題があり、そのせいで激しく攻める事ができません。最近のここでのテストでも同じ問題を抱えていましたが、未だに解消できていないんです。」

「過去にはウェットの時はいつもいい走りができたんです。だいたいトップ4には入ったもんですけどね。だから今回の低い順位に関してはあんまり気分が良くないんです。ただ、明日の天気がどうなるかは分かりませんが、両方のレースを全力で激しく走り切る事だけは間違いないですよ。」


■芳賀選手と加賀山選手は揃って2列目スタート
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スーパーポール出場を逃した中冨選手以外の日本勢では、ヤマハ・イタリアの芳賀選手が7番グリッド、2ラウンドぶりにレースへの復帰を果たしたアルスター・スズキの加賀山選手がその隣の8番グリッドを獲得している。2名は揃って2列目から、本日のバレンシア戦の決勝レースをスタートする。

芳賀選手「課題はタイヤの寿命」

雨のスーパーポールで7番グリッドを獲得した芳賀紀行選手は、マシンの全体的なセッティング状況においてグリップは問題なく得られているものの、今回のバレンシアでもレース距離走行時のタイヤの消耗量に課題を抱えている様子だ。
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「今日はレイン用のセッティングを何種類か試しましたが、まだ最良といえるセッティングには到達していません。グリップは得られていますが全く寿命が持たないので、リアタイヤの選択はこれからも続ける必要があります。」と芳賀選手

「予選結果が2列目になれて良かったです。ウェットでも転びませんでしたしね!今日の路面コンディションではどこを走っても全然グリップがないんでちょっと参りました。明日は天気がどうあれ最低でも表彰台を狙って激しくいくつもりです。」

■加賀山選手「恐怖で白髪になるかと思った」
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今回のバレンシアにでは、今期の目標通り1回も転倒する事がなかった加賀山就臣選手は、滑りやすい2日目の路面には非常に神経質だった様子だ。

写真「今日のコンディションはすごく難しかったので簡単に転びそうでした。」と加賀山選手

「全てのコーナーで意識をとがらせなければいけませんでした。そうしないと、まず大変な事になりそうでしたからね。コースのどの部分を走っていても滑りますから、どのくらいグリップするのか全然わからないんです。コーナーで何が起きるかは殆ど運次第って感じでしたから、最後にピットに戻ってからは、自分の髪の毛が恐怖で真っ白になってないかチェックしたくらいですよ!」

「明日はドライになって欲しいです。ただ、その場合はあんまりドライのセッティングを探る時間が今回なかった事が問題になるかもしれませんね。」


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