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SBK第7戦 豪雨のシルバーストーン決勝 レース2は中止
インテリマーク編集部
2007年5月29日

SBK(世界スーパーバイク選手権)の第7ラウンドが、5月27日にイギリスのシルバーストーン・サーキットにおいて決勝レースの日を迎えた。
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■豪雨に見舞われたシルバーストーン

昨年のSBKシルバーストーン戦はスーパーポールが開催された2日目が豪雨となり、ワイルドカード参戦していた現役BSBライダーがポールポジションを獲得するという波乱の展開になったが、今年もこの時期のシルバーストーンの天候は、3日間のレースウイークを通してドライ路面を維持する事はできなかった。
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今年は決勝前日までの2日間は第1予選のセッション前半を除いてほぼドライ・コンディションに恵まれたものの、最終的にはこの日のレース当日のみが豪雨に見舞われるという、2日間のドライ路面で調整を続けてきたライダーたちにとっては難しい展開のレースウイークとなった。

■前日までに調整したドライ用セッティングは台無し
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こうして各ライダーは朝のウォームアップ・セッションの20分間という短い時間を使って、慌ただしくウェット用セッティングの調整に取りかかる事になった。この時にレースを2番グリッドからスタートするヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が雨の路面でハイサイドを起こして転倒しているが、幸い芳賀選手にもマシンにも大きなダメージはなかった様子だ。

■洪水状態のレース1は13人のみ完走のサバイバルレースに

正午からスタートした洪水状態のレース1は、9人のライダーが転倒して13人のみが完走、周回遅れにならなかったのは僅か7名という、最悪の走行条件におけるサバイバルレースに発展している。最後尾のライダーはレース中に2回トップ集団に交わされており、どのライダーにとってもペースの維持が難しい滑りやすく危険な路面状況だったという。
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■レース2は悪天候のためSBK史上3度目の中止が決定

また、午後3時30分からの開始が予定されていたレース2は、各ライダーがスターティング・グリッドに着くまでのサイティング・ラップ中にコース上に溜まった水にタイヤを奪われて転倒しそうになる場面が相継ぎ、バイザーに絶え間なく付着する水しぶきにより視界も悪かった事から、主催者側はレースの開始を30分遅らせてコース上に何台もの清掃車を送り出し、水の掃き出し作業を行っている。

しかしながら、コース上の水は多くの泥を含んでいて作業は難航し、雨が強まった場合にはすぐに路面が危険な状態に逆戻りすると判断したレース審議委員会は、レースの開始5分前にはレース2の中止を宣言しており、SBK史上3度目の悪天候によるレースキャンセルという最悪の結果に終わった(下の写真2枚は2005年のイモラ)。
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ちなみに、過去2回のレース中止の1回目は2001年のフィリップ・アイランド、2回目は当時アルスター・スズキだったトロイ・コーサーが年間タイトルを決める事になった2005年のイモラだった。
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ここでは、この日に行われた豪雨のレース1の走行内容と結果を紹介する。


■豪雨のレース1
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伝統あるイギリスのシルバーストーンサーキットには、レースウイークを通して5万5千人の熱心な2輪ロードレースファンが訪れたが、決勝当日は生憎の豪雨となり、気温は10度、路面温度は12度と低く、現場の観戦者にもライダーにとっても厳しい気象条件となった。

■ホールショットを奪ったのはベイリス
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シグナルが消えて水しぶきをあげて各ライダーが1コーナーに向かう中、好スタートを決めたのはポールポジションからスタートしたドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。各ライダーはレースウイーク中の走行ペースから約20秒以上遅いスローモーションのような慎重な走りを見せている。

ベイリスはそのままホールショットを奪い、それを2番グリッドスタートの芳賀紀行選手と5番グリッドスタートのトロイ・コーサーというヤマハ・イタリアペアが追い、その後ろには4番手につけたテンケイト・ホンダのジェームス・トスランド、5番手にはアルト・エボリューション・ホンダのカール・マガリッジが続いた。

■ウェットに自信を示していたランチはスタートに失敗
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ベイリスのチームメイトであり、前日は「ウェットセッティングの準備も進めていた」とコメントし、雨のレースにも自信を示していた1列目4番グリッドスタートのロレンツォ・ランチはスタートに失敗し、一気に後続のライダーたちに飲み込まれて順位を16番手まで落としている。

■最初の転倒者はファブリツィオ、続いてマガリッジ
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ここでDFXトリームのミッシェル・ファブリツィオは1コーナーを通過中にいきなり横滑りして濁流の中に転倒。続いてスタートでは元チームメイトのトスランドの真後ろの5番手という好位置につけたマガリッジも、オープニングラップを走りきる前に水しぶきを上げながら左コーナーでハイサイドを喫して転倒、2名は揃ってリタイアした。
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■先頭のベイリスを追うヤマハ・イタリアの2台

オープニングラップの序盤に2番手を走行していた芳賀選手は、トップのベイリスに並びかけるがライン取りがうまくいかずに結局チームメイトのコーサーに交わされて3番手に後退。
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2ラップ目開始時の順位は先頭からベイリス、2番手にコーサー、3番手に芳賀選手、4番手にトスランド、5番手にはレインマスターと呼ばれるカワサキのレジス・ラコーニ、6番手にテンケイト・ホンダのロベルト・ロルフォ、7番手にはアルスター・スズキの加賀山就臣選手。8番手にはそのチームメイトのマックス・ビアッジが続いた。

■今回もセッティングに問題を抱える加賀山選手
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なお、加賀山選手のマシンは加速の度にマシンが斜めに進むという問題を抱えており、この周回に後続のビアッジに交わされた後は順位を次々と落としていった。ロルフォはラコーニを交わして5番手に浮上。
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■地元期待のトスランドがまさかの転倒

3ラップ目に入り、トップのベイリスから前を奪おうとコーサーが必死の追撃を開始し、芳賀選手がやや遅れてそのトップ2名の争いを3番手から観察する中、コース後半の鋭角左コーナーで4番手を走行していたトスランドが突然ハイサイドを起こし、マシンは右側につまずくように倒れ込んだ。

■壊れたマシンで意地の走行再開
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トスランドは水の中でマシンを自力で起こしたが、この時に彼のバイクのエンジン右側付近のカウルは大破しており、冷却水用のパイプが破損した事からクーラントは全て流れ出てしまったようだ。ハンドルの右側も固定軸が緩みぐらついていたが、トスランドは意を決してバイクにまたがると、18番手に後退したポジションからの走行を再開した。

■コーサーがベイリスを交わしてトップに
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4ラップ目に入るとトップの3台は、転ばないようにゆっくりとした雨の走行を続ける4番手のロルフォ、5番手のラコーニ、6番手のビアッジ以下の後続集団を大きく引き離してトップ集団を形成する。ここでコーサーはベイリスを交わしてトップに浮上。5ラップ目にコーサーは2番手のベイリスを引き離そうと激しい加速を見せるが、無理のできない洪水状態の各コーナーではベイリスとその背後の芳賀選手に追いつかれてしまう。

■次々と後続に前を奪われる加賀山選手

6ラップ目までに加賀山選手はアルト・エボルーション・ホンダのジョシュア・ブルックスと、1週間前にはMotoGPのフランスGPにスポット参戦をしていたカワサキのフォンシ・ニエトに交わされて9番手に後退。7ラップ目にブルックスはビアッジも交わして6番手に浮上した。
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2番手のベイリスは何度も先頭のコーサーに並びかけるが、前を奪い返す事はできない。

3番手の芳賀選手が安定した走行でトップの2名を追う中、9ラップ目に加賀山選手はスズキ・ジャーマニーのマックス・ノイキルヒナー、チェラーニ・チーム・スズキ・イタリアのアレッサンドロ・ポリータ、チーム・カラッチ・ドゥカティ・SCのヤコブ・シュムルツに交わされ12番手に後退。

■ベイリスが再びトップに
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10ラップ目、ついにベイリスは右コーナーでコーサーのインを奪って再び先頭に立ち、2番手となったコーサーのインを芳賀選手が背後から狙う。11ラップ目にチーム・ステリルガルダのルーベン・ザウスが加賀山選手を交わし、13番手となった加賀山選手の背後にはスタートに失敗したランチが迫っている。

■トスランドがポイント圏内に復帰し、ブルックスが転倒

ランチが加賀山選手を交わし、壊れたマシンを必死に操るトスランドがポイント圏内15番手への復帰を果たして加賀山選手の後ろにつけた13ラップ目、ビアッジの前の6番手を走行していたブルックスが単独転倒を喫してレースの継続を断念。

■中冨選手が周回遅れに

ここでチームYZFヤマハの中冨伸一選手はベイリスに交わされて周回遅れに。

一度は間隔を開いたトップの3台、ベイリス、コーサー、芳賀選手が再び団子状態の僅差となった14ラップ目、トスランドは加賀山選手とランチをコース終盤のシケインで続け様に交わして12番手に浮上。
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16名のライダーがコースに残っている16ラップ目、順位は先頭からベイリス、2番手にコーサー、3番手に芳賀選手、4番手にロルフォ、5番手にラコーニ、6番手にビアッジ、7番手にニエト、8番手にザウス、9番手にシュムルツ、10番手にランチ、11番手にノイキルヒナー、12番手にトスランド、13番手にDFXコルセのルカ・モレリ、14番手にカワサキのビットリオ・イアンヌッツォ、15番手に加賀山選手、16番手に中冨選手。
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■シュムルツが転倒し、加賀山選手は周回遅れに

18ラップ目にシュムルツは直角左コーナーでハイサイドを起こしてリタイアし、ライダー数が15名となった事から完走すればポイント獲得が望めるようになった19ラップ目、抜き所の少ない狭い最終コーナーの複合シケインでついに周回遅れとなった加賀山選手がトップのベイリス、コーサー、芳賀選手の3台に取り囲まれてしまう。
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■加賀山選手を使ってコーサーから前を奪う2番手の芳賀選手

先頭のベイリスが加賀山選手を交わした後、逃げ場を失った加賀山選手のイン側を鋭く縫うように3番手だった芳賀選手がコーサーを出し抜いて2番手に浮上し、ここで若干ミスをして出遅れたコーサーは3番手に後退した。これによりトップ集団の順位はベイリス、芳賀選手、コーサーの順に。
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■あわや転倒のビアッジ

トスランドがノイキルヒナーを交わし、10秒先を走るランチの追撃態勢に入った21ラップ目、6番手を走行中のビアッジが軽くハイサイドを起こしかけたが、運良くマシンは転倒する事なくビアッジはそのまま自分のマシンの上に着地した。ビアッジはこの時に自分の体重で右側のステップ(足のせ)を壊したが、そのまま走行を継続。
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ランチはザウスを交わして8番手に浮上。

■加賀山選手がハイサイドを喫してリタイア

イアンヌッツォとモレリが周回遅れとなった22ラップ目、ここで加賀山選手が突然大きなハイサイドを喫し、洪水となった地面に投げ出された。背中の腰あたりを強打した加賀山選手は痛みのために走行を断念、無念のリタイアとなった。

■フォンシ・ニエトもレースから脱落
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先頭のベイリスを2番手の芳賀選手と3番手のコーサーが追う中、7番手を走行していたニエトが転倒し、走行しているライダーが13名となった24ラップ目、トスランドは9番手となり、そのまま前方のザウスも交わして8番手に浮上した。
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■中冨選手が1レースで2度目のバックマーカーに

25ラップ目、前回のモンツァ戦で足のつま先を骨折し、痛み止めを打って戦う最後尾の中冨選手は、先頭のベイリスにここで再び交わされ、2周回遅れのバックマーカーにされてしまう。続けてトップの3台は9番手のザウスと10番手のノイキルヒナーをも周回遅れに追いやり、27ラップ目に入ると先頭のベイリスの目前には8番手を行くトスランドの姿が現れた。
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■屈辱の周回遅れにされるポイントリーダー
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最終ラップの28ラップ目、コースの前半で先頭のベイリスはポイントリーダーのトスランドを屈辱の周回遅れにすると最後の加速を開始。その後も必死にペースを上げていたトスランドは、やがて諦めるようにコース中盤で2番手の芳賀選手にも前を譲ったが、トップの2台から遅れ始めた3番手のコーサーに交わされる事はなかった。
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■優勝はトロイ・ベイリス

豪雨の28周という長く辛いレースで最初のチェッカーを受けたのは、10ラップ目から最後までトップの座を誰にも渡さなかったドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。
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■ヤマハ・イタリアペアが揃って表彰台を獲得

ヤマハ・イタリアの芳賀選手は過去8回のレースのうち6回の表彰台を獲得していたシルバー・ストーンで今年も2位表彰台を獲得し、ポイントリーダーであるトスランドとのポイント差を縮める事に成功。チームメイトのトロイ・コーサーも今シーズン序盤のやや不調の中での嬉しい3位表彰台を獲得した。

なお、チームYZFヤマハの中冨伸一選手が13位で完走した事により、メーカー単位ではヤマハ勢のみが今回のサバイバルレースで全員が完走を遂げる事に成功している。
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■トスランドにとっては貴重な8ポイント

テンケイト・ホンダのロベルト・ロルフォはSBKにおける自己最高位の4位を獲得。そのチームメイトのジェームス・トスランドは屈辱の周回遅れとはなったものの、壊れたマシンでの最後尾からの果敢な追い上げを見せ、8位完走を果たしてシーズン後半戦に向けての貴重な8ポイントを獲得した。


以下にSBKシルバーストーン戦レース1の全走行結果を示す。

1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 46分02秒875(28周)
2) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 46分04秒910(28周)
3) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 46分07秒443(28周)
4) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 46分52秒914(28周)
5) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 47分12秒509(28周)
6) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 47分23秒857(28周)
7) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 47分35秒936(28周)
8) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 46分06秒015(27周)
9) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 46分15秒898(27周)
10) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 46分20秒019(27周)
11) ビットリオ・イアンヌッツォ ITA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 46分34秒206(27周)
12) ルカ・モレリ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 46分34秒786(27周)
13) 中冨伸一 JPN チームYZFヤマハ Yamaha YZF R1 46分40秒240(26周)
-) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 35分51秒190(21周)
-) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 35分57秒266(20周)
-) ヤコブ・シュムルツ CZE チーム・カラッチ・ドゥカティ・SC Ducati 999 F05 29分14秒648(17周)
-) ジョシュア・ブルックス AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 23分03秒272(13周)
-) アレッサンドロ・ポリータ ITA チェラーニ・チーム・スズキ・イタリア Suzuki GSX-R 1000 K6 20分43秒649(12周)
-) ディーン・エリソン GBR チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 11分21秒173(6周)
-) カール・マガリッジ AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 2分59秒260(1周)
-) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR -分-秒-(0周)



■SBKシルバーストーン戦終了時点のポイントランキング

以下に、シルバーストーンでのレース1終了時点のポイントランキングを示す。
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1) ジェームス・トスランド [GBR] [ホンダ] 237
2) 芳賀紀行 [JPN] [ヤマハ] 214
3) マックス・ビアッジ [ITA] [スズキ] 201
4) トロイ・ベイリス [AUS] [ドゥカティ] 189
5) トロイ・コーサー [AUS] [ヤマハ] 151
6) ロレンツォ・ランチ [ITA] [ドゥカティ] 116
7) ルーベン・ザウス [ESP] [ドゥカティ] 113
8) ロベルト・ロルフォ [ITA] [ホンダ] 90
9) マックス・ノイキルヒナー [GER] [スズキ] 87
10) レジス・ラコーニ [FRA] [カワサキ] 62
11) 加賀山就臣 [JPN] [スズキ] 60
12) ミッシェル・ファブリツィオ [ITA] [ホンダ] 59
13) フォンシ・ニエト [ESP] [カワサキ] 46
14) ヤコブ・シュムルツ [CZE] [ドゥカティ] 44
15) ジョシュア・ブルックス [AUS] [ホンダ] 40
16) カール・マガリッジ [AUS] [ホンダ] 28
17) 中冨伸一 [JPN] [ヤマハ] 22
18) スティーブ・マーチン [AUS] [ホンダ] 14
19) ジョバンニ・ブッセイ [ITA] [ドゥカティ] 11
20) アレッサンドロ・ポリータ [ITA] [スズキ] 8
21) ルカ・モレリ [ITA] [ホンダ] 6
22) ビットリオ・イアンヌッツォ [ITA] [カワサキ] 5
23) ディーン・エリソン [GBR] [ドゥカティ] 5
24) マルコ・ボルチアーニ [ITA] [ドゥカティ] 3
25) ロベルティーノ・ピエトリ [ITA] [ヤマハ] 2
26) Carmelo Morales [ESP] [ヤマハ] 2
27) Marek Svoboda [CZE] [ヤマハ] 2


ポイントリーダーは、依然として今回貴重な8ポイントを加算したジェームス・トスランド。2位表彰台を獲得した芳賀紀行選手はトスランドと23ポイント差のランキング2位。今回6位に終わったビアッジは芳賀選手から13ポイント差のランキング3位。レースで勝利を飾ったトロイ・ベイリスはポイントリーダーのトスランドとの差を前戦から17ポイント縮める事に成功しランキングは4位。


■各ライダーのコメント

以下に、SBKシルバーストーン戦での主要ライダーのコメントを紹介する。

●トロイ・ベイリス(RACE1:優勝)

もちろんチームやゼロックス(Xerox)、シェル(Shell)や全てのスポンサーのためにも今回の勝利は嬉しいですよ。今日のレース1は本当に全てがうまくいきましたからね。
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レース2については残念でした。走行条件は少し良くなっていた様子でしたが、それでもコース上にはたくさん水が溜まっていましたし、あちこちのコーナーは泥だらけでした。

コースの清掃は続けられていましたが、水がすぐに押し戻されてくる感じでした。今日レースを見にここに来てくれた方々はさぞがっかりされている事と思いますし、みなさんには本当に申し訳なく思います。ただ、レースには時々こういう場面もあるんです。

コース最初の区間はものすごい水の量で、最初のシケインには5速ギアで向かうんですがハイドロプレーニング現象が起きてしまい、全くバイクをコントロールできなくなるんです。本当にひどい状態ですよ!

いずれにしても、これで今回のレースは優勝できて、ジェームスとのポイント差を少し縮める事ができたのは嬉しいです。ただ、今日はバイクの感触が良くて走りに自信が持てていたので同時にがっかりもしています。もう1勝できるかもしれないと思っていましたからね。実際どうなっていたかは誰にも分かりませんが、年間シーズンの形勢が大きく変動したりするチャンスは時々こういう場面だったりもするんですよ・・・。


●芳賀紀行(RACE1:2位)

もっとポイントを稼げるチャンスでしたから、レース2が中止になってちょっとがっかりです。
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ひどいコンディションでしたが、それでもレースはしたかったんです。危険を承知した上での自分の仕事ですし、少なくとも年間ポイントが減る事はありませんからね。

午前のウォームアップでは軽いハイサイドを起こして転びましたが、レースの出場に影響はありませんでした。完璧じゃなかったサスペンションのセッティングがかなり不安でしたし、午前の20分間のセッションは今回のウェット用のセッティングを見つけるのには十分な時間ではなかったので、必死にできる限りの作業をする事になりました。

そんな状況でしたから、今回のレースの結果やファーステストを記録した事には自分でも驚いていますし、いい成績が残せたと思っています。ランキングトップ(トスランド)とのポイント差を縮める事もできました。

今は次のミサノが楽しみです。少なくともあそこは滅多に雨が降りませんしね!


●トロイ・コーサー(RACE1:3位)

今日はウェットでの調子が良かったのでレース2が中止になり残念です。もう1回表彰台に乗れたと思いますよ。
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ヤマハのマシンでフルウェットを走ったのは今回が初めてですから、レース1の結果にはとても満足しています。トップを走行できましたが、路面状況と自分のミスによりそのままのポジションをキープする事はできませんでした。今回のようなコンディションでミスを犯すと、その後の挽回はすごく大変なんです。

バイクの状態には満足ですし、これでウェットとドライの両方のセッティングが仕上がりました。

レース2の時はひどい水の量でしたね。サイティングラップ(ピットを出てグリッドにつくまでの走行)では2回ほど転びそうになりました。でも、レースができなかったのは非常に残念です。


●ロベルト・ロルフォ(RACE1:4位)

写真バイクにはすごくいい感触が得られましたし、レース1の結果にもすごく満足しています。

レースの最後の10周で大きくタイムをロスしてしまい、トップ集団に追いつく事はでなかったので、残念ながら表彰台を争う事はできていません。

レース2の中止はもちろん残念ですが、こういう場面で自分たちにできる事はありません。

いずれにしても、今回は悪い結果ではありませんでした。みんなでよく頑張ったと思いますし、難しいコースで大きく順位を挽回する事になりましたから、チームには本当に感謝しています。

モンツァで見つけた自分の通常のライディング・スタイルを、早くミサノに行って試したいですね。


●マックス・ビアッジ(RACE1:6位)

レース2の中止は正しい判断だったと思います。コース上にすごい量の水が溜まっていましたし、水しぶきが視界を遮って自分がどこを走っているのかさえ良くわからない状態でした。
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レース1の開始時はユキオ(加賀山選手)の後ろにつけていましたが、ユキオがスロットルを開ける度に彼のマシンが大きな問題を抱えているのが見てとれました。他のライダーと比べてバイクの向きが斜めになり続けるような感じでしたからね。

自分はもうちょっとで転ぶところでしたが、なんとかそれは免れて運が良かったと思います。ハイサイドを起こしてバイクがある方角に向いたかと思うと、突然それとは別の方向を向いて進んだんです。バイクに着地したときには右足に体重をかけてフットペダルを壊してしまいました。

今日は無事に最後まで走り切れた事だけでも自分にとっては十分な結果です。


●ロレンツォ・ランチ(RACE1:7位)

スタートに大失敗してしまい、1コーナーでは誰かと接触しました。5〜6人に交わされて前が全く見えない状態だったんです。
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レースの中盤には16位だったポジションを7位にまで挽回する事はできました。

レース2の路面は難しいコンディションでしたね。2005年のイモラの時ほどひどい状態だったとは言いませんがそれに近いものがあり、レース審議委員会の中止の決断は正しかったと思います。確かにレース中止の宣言の直後に路面コンディションは急激に良くなりましたが、もしあそこで再び雨が降り始めていたら、数分で前と同じ状態に戻っていたでしょうからね。

ここにはレースをしに来ている訳ですし、全てのライダーは走りたかった筈ですが、今回の決断は自分たちの安全を考えてくれての事ですから仕方ありません。


●ジェームス・トスランド(RACE1:8位)

レース1ではミスをしてしまいましたが、できる限り多くのポイントを獲得する決心をして再びバイクにまたがりました。
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ハンドルバーはぐらぐらしていましたし、パイプが外れたのでエンジンの冷却水は全て漏れて無くなっていました。かなり厳しい状況でしたが、最終的には貴重な8ポイントを獲得できましたし、まだポイントリーダーのままです。

レース2についてはもちろんとても残念です。自分はレーサーですので戦う覚悟でしたし、レース1で失ったポイントを挽回する気でいました。ただ、安全面の問題は何よりも先に配慮されるべき事ですので、主催者側の決定を尊重します。


写真●中冨伸一(RACE1:13位)

怪我と天候の両面で難しいレースウイークでしたね。

前回のモンツァで怪我した時から今回のレースまでに回復の時間はほとんど取れていません。

痛みがひどくてレース中はフットペダルを強く踏み込んで走るのが厳しい状況でした。

ただ、今週はいいセッティングを見つける事ができましたし、バイクの横滑りが激しい雨の中のレースを13位で完走できたのは嬉しかったです。


●加賀山就臣(RACE1:DNF)

今日は本当に残念な1日に終わりました。結果はノーポイントですし、すごく背中も痛くていいとこ無しです。自分の運はどこにいっちゃったんでしょうね?
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今日のバイクは感触が変で何回も滑りましたし、転んだ時も普通の感じじゃなかったんです。

原因が何かをしっかり把握しておきたかったので、自分の乗り方を変えて何度もスムーズに走ろうと頑張りました。激しく攻めたら転ぶ事は分かっていたので、さらにゆっくり走るようにした途端、突然ハイサイドを起こしたんです!

速く走っていたのなら理解もできますが、実際そうではありませんでしたからね。背中の腰の辺りから激しく地面に打ちつけられてすごく痛かったので、それ以上はレースを続ける事ができなくなりました。

続いてレース2が中止になったので、今日は1点もポイントが得られずに終わってしまいました。これにはすごくがっかりですし、少しフラストレーションを感じています。


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