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MotoGP第2戦、ストレート加速では勝てないヘレス
インテリマーク編集部
2007年3月20日

今週末の3月23日より開催されるスペインGPに向けて、3週間前にIRTAテスト最終日のBMWアワードでにぎわったばかりのヘレス・サーキットに、MotoGPライダーたちが再び戻ってくる。
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■ライダーと観客の両方が熱狂するスペイン・グランプリ

スペインでのMotoGP人気の高さもあり、現在のスペインGPは年間シーズンの中でも最も華やかなグランプリとなる事でも有名だ。昨年のレースウイーク中のヘレスの観客動員数が延べ24万2千人という膨大な数である事からも、その人気の高さがうかがえる。

また、スペインのファンだけではなく、熱心な観客の情熱的な応援が醸し出す白熱したグランプリ会場の雰囲気は、多くのライダーたちにとっても一年のうちの楽しみの1つとなっており、否が応でも彼らの走りや勝利への熱意を引き出すもののようだ。
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ちなみに、開幕戦のカタールは例年通り3日間のレースウイークを通しても観客数が1万人に達しておらず、バレンティーノ・ロッシの言う「静かな会場」という言葉が適切にロサイルのレースウイーク中の雰囲気を表現していた。


■ロサイルとヘレスの比較

その開幕戦が行われた超高速サーキットである前回のカタールと、年間カレンダーの中では中高速サーキットに分類されやすい今回のヘレスでは、当然ながら、レースの内容も大きく変わってくる可能性が高い。以下が、そのコースレイアウトの違いを示した図だ。
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開幕戦ではドゥカティーのケーシー・ストーナーが、デスモセディチGP7の加速力を有効に活用してカタールの約1100メートルのストレートで圧倒的とも言える強さを示したが、今週末にスペインGPが開催されるヘレスのストレートの最長距離は、その約半分の600メートル程度だ。

■エンジンパワーの差が前回ほど極端には現れないヘレス

ヘレスは、短い直線をいくつもの曲線がつなぐというコースレイアウトから成っており、フィリップ・アイランドやラグナ・セカほどに曲線の占める割合が多い訳ではなく、カタールと大きく特性の異なるサーキットとは明言できないが、少なくとも開幕戦でロッシがストーナーを追い詰めた場所に近い低速カーブがコーナーの大半を占めており、エンジンパワーの差により各メーカーの優劣が極端に反映されるような直線距離も、他の多くの近代サーキットと比較して短めと言える。
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また、アンダルシアの丘の自然の地形を利用したコースレイアウトには起伏の激しい部分やコーナーのバンク角もあり、砂漠の平面上に傾斜がほとんどない特殊とも言えるフラットなアスファルトを敷き詰めたカタールとでは、ブレーキング時に要求されるマシン性能は大きく異なる。

■レイアウトの見た目以上に特性は異なる

従って、カタールに適したセッティングが他のサーキットでそのまま通用する事は少ないようだ。IRTAテスト中は多くのライダーがカタールのテストでは好調だったセッティングに、その後のヘレスのテストでは何からの調整が必要だったと述べている事からも、実際にコースを走るライダーにとっては、見た目以上にカタールとは走りの印象が異なるサーキットである事は確かであり、開幕戦とは異なる傾向のレースが、今週末のヘレスでは展開されると思ってほぼ間違いはないだろう。
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■ヘレスの歴史と特徴

ヘレスは1986年にスペイン南部のアンダルシア州に設立された全長4.423キロメートルのサーキットであり、5年前にはアスファルトが全て改修されている。施設のインフラが現在の状態になったのはその時の事だ。

コースの特徴は2本のロングストレートと、機敏なハンドリングが要求される多くのテクニカルな低速カーブだ。また、迫力のある高速カーブもある事から、走る側にとっても見る側にとっても非常に人気のあるサーキットとして位置づけられている。マシンの総合的なバランスセッティングが必要とされる事から、オフシーズン中のテストに使用される事も少なくない。
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■勝利を狙う上で必要とされるセッティング

ヘレスで勝利を狙う上で必要とされるのは、低速カーブへの飛び込みを重視した激しいブレーキングに耐えるフロントタイヤの耐久性、および深いリーンアングルから加速していくのに必要なタイヤ側面のグリップ力、およびトラクション性能だと言われる。低速域と高速域の両面でバランスのとれたマシンのセッティングと、急激な方向転換を可能とする機敏なハンドリングとスロットルレスポンスも不可欠だ。

また、ストレートが短い事もあり、MotoGPクラスのライダーがスロットルを全開にするチャンスはヘレスを走行する上でほとんどないという。走行ラインの自由度は少なく、常に最適なライン取りが要求される。


■昨年の状況
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昨年は開幕レースの会場となったヘレスだが、まさに波乱の2006年シーズンを象徴するようなオープニングゲームだった。オープニングラップの1コーナーでヤマハのバレンティーノ・ロッシにグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスが追突し、それを避ける形でロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズもグラベルを走行するという、ヤマハ勢の苦難の1年はこの開幕レースから始まっていた。

■ヘレスでも強かったドゥカティー勢

この波乱の開幕レースを制したのは、レースウイーク中から好調な走りを見せ、ポールポジションからスタートしたドゥカティーのロリス・カピロッシだった。当時のチームメイトのセテ・ジベルナウも2番グリッドからスタートしていた事からも、カタールと同様に、決してヘレスがドゥカティーのマシンにとって、相性の悪いサーキットではない事が分かる。
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■ホンダ・ワークスの2名も昨年の開幕レースでは表彰台を獲得

カピロッシに次ぐ2位を獲得したのは、MotoGPクラスデビューを表彰台の上で飾った地元レプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、3位はそのチームメイトであり、この年に年間タイトルを獲得したニッキー・ヘイデンだった。
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■因縁のヘレスに執念を燃やすヤマハ・ワークス

写真ロッシの序盤の転倒だけではなく、ヘレスでは2006年シーズンを通して苦しむ事になったYZR-M1のチャタリング問題が発覚したりと散々だった昨年のヤマハ・ワークス勢だが、今年2月のヘレスでのIRTAテストでは昨年のトラブルが嘘のようにトップタイムを連発している。

また、ロッシは今年のIRTAテスト最終日の公式タイムアタックのセッションでは990cc時代のカピロッシのポールポジション・レコードである1分39秒064を大幅に上回る1分38秒394のヘレスにおけるベストラップを記録するなど、ヤマハ勢のヘレスにかける意気込みは尋常ではない。

■今年はペドロサとロッシの新旧バトルにも期待

昨年はヤマハのマシンの不調により実現はしなかったが、惜しくも今年のBMWを逃した地元のダニ・ペドロサと、バレンティーノ・ロッシの白熱したバトルが、今週末のヘレスでは前回のヘレスIRTAテストに続き決勝レースで実現するのかもしれない。


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