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レプソル・ホンダ、タイトル防衛に向けての意気込み
インテリマーク編集部
2007年3月7日

昨シーズンの覇者であるホンダ陣営が、明日3月8日にカタールのロサイル国際サーキットで開幕を迎える800ccMotoGPクラス初のレースウイークに向けて一斉に戻ってくる。
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■話題のチームがひしめく2007年のホンダ勢

今年のホンダ陣営は、昨年度MotoGP最高峰クラスチャンピオンのニッキー・ヘイデンと、そのチームメイトであり800ccクラス初年度のチャンピオン候補としての呼び声も高いMotoGPクラス2年目のダニ・ペドロサという、2名のレプソル・ホンダの強豪ワークスコンビを筆頭に、カルロス・チェカを迎えたホンダLCR、全日本時代からホンダの好敵手として名高かった中野真矢選手にチームの未来を今年から託すコニカミノルタ・ホンダ、並びに今年はミシュランではなくブリヂストン・タイヤで戦うグレッシーニ・ホンダやホンダエンジンの供給を受けて2年目となるチーム・ロバーツの躍進など、何かと話題の多いチームやライダーばかりだ。
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ここでは、2名のチャンピオン候補を抱え、今シーズンのタイトル防衛に意欲を燃やすホンダ・ワークス、レプソル・ホンダチームのプレシーズン中の状況や、開幕に向けての2名のワークスライダーのコメントを紹介する。


■高速サーキットでは押され気味だったRC212V

今年からホンダはV型4気筒800ccとなった新型エンジンを搭載するRC212VでMotoGPクラスを戦う事になったが、この冬季シーズンの序盤は、好調だったリズラ・スズキや、現在も絶好調を誇るヤマハ・ワークスには高速サーキットでのタイムが押され気味だった。
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ダニ・ペドロサをはじめとする小柄なライダーの多いホンダ勢がコンパクトになった車体を歓迎する一方で、中にはRC212Vのサイズと体格が簡単には合わず、ポジション設定に苦しむライダーも数名見られたようだ。まだ、小排気量化に伴うエンジンパワーの低下が小柄なライダーにのみ有利に働く事を懸念する一部のライダーは、2キロから3キロの厳しい減量をしてこの冬季を過ごしてきた。

■ホンダの新マシン開発面では悪くない冬季シーズン

このように、プレシーズン序盤には勝手の分からない新型マシンの調整に苦しむ姿を見せるチームも少なくなかったホンダ勢だが、シーズン開幕を前に、ホンダ・ワークスのRC212Vは順調に仕上がりを高め、ついにヤマハと互角かそれ以上の仕上がりを最後のIRTAテストでは見せるようになった。レプソル・ホンダ勢を見る限り、この冬季シーズンは総合的に見ると、ホンダの新型マシン開発という面では、それほど悪い準備期間ではなかったのかもしれない。


■レプソル・ホンダチームの冬季シーズン中の動向

冬季テスト中のレプソル勢の実績を簡単に振り返ってみよう。昨シーズンのポルトガル戦で肩を骨折していたのにもかかわらず、ニッキー・ヘイデンはシーズン終了直後の冬季テストにはそのまま参加している。

■ロングストレート以外では最初から高い仕上がりだったRC212V
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年末の2度目のメーカー合同テストが行われたセパンでは、ホンダのトップタイムを記録したヘイデンが全参加ライダーの中では中間付近に位置するという、高速サーキットでは他のワークス勢に若干押され気味の成績だった。しかしながら、年末最後のテストとなったヘレスのメーカー合同テストでは、ダニ・ペドロサがヤマハ・ワークスのバレンティーノ・ロッシを抑えてトップタイムを記録し、ホンダのマシンがロングストレートでの加速以外では高いレベルにある事を証明している。

ちなみに、ペドロサは腕上がりの手術を受けた直後のために年末のセパンは欠席、ヘイデンは右肩の骨折が判明して母国に手術を受けに戻った事から、年末最後のヘレスには参加できていない。

■手術の影響を感じさせなかったオーストラリアのヘイデン

まだ腕に力が入らない状態でヘイデンがテストに復帰した年明けのセパンでは、ホンダは高速サーキットでも仕上がりを若干高めてきており、ダニ・ペドロサが最終日の4番手タイム、ニッキー・ヘイデンが7番手タイムを記録している。
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ヤマハ勢が参加しなかった2月のフィリップ・アイランドでは、ヘイデンがトップタイム、ダニが2番手タイムを記録し、マシンに改めて好感触を得たレプソル・ホンダは、RC212Vの仕上がりに自信を持って、年末は苦手だった高速サーキットの1つに分類されるカタールでのIRTAテストに臨んだようだ。

■カタールIRTAテスト、ついに高速サーキットでもペドロサがトップに

ホンダの希望に沿うかのように、この2月中旬のカタールではペドロサがRC212Vの性能をいかんなく発揮している。冬季テストを通して高速サーキットで好タイムを記録していたスズキのジョン・ホプキンスとヤマハ・ワークスの2名を抑え、ダニ・ペドロサは総合トップタイムを最終日にマークし、開幕戦に向けてホンダの新型マシンの準備が整ったのを他のメーカーに見せつける事に成功した。
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■開発の方向性に苦しみだした2月中旬のヘイデン

ここで唯一レプソル・ホンダにとって残念だったのは、ペドロサが好調な走りを見せる一方で、カタール2日目にニッキー・ヘイデンが2回の転倒を喫し、その後はセッティングの方向性を見失って最後まで低迷を続けた事だろう。ヘイデンのカタールIRTAテスト最終日のタイムは、全レギュラー・ライダー中の14番手だった。

開幕を前にした最後のヘレスでのIRTAテスト初日、ニッキー・ヘイデンはカタールでの不調をそのままこの時も引きずっていたが、2日目に入ると、順位は11番手だったものの、マシンのセッティングの方向性は取り戻したとヘイデンは断言するようになった。その言葉通り、最終日の公式タイムアタック合戦までにヘイデンはすっかり復調し、BMWをかけてレプソル・ホンダの2名は宿敵ヤマハ・ワークスの2名と熾烈なポジション争いを繰り広げる事になった。

■プレシーズン最後は2名揃ってヤマハ・ワークスと互角に

最終的に、プレシーズン最後のタイムアタック合戦はヤマハ・ワークスのバレンティーノ・ロッシが制し、0.13秒差でダニ・ペドロサが惜しくも2番手、3番手にはロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズがつけ、復調したニッキー・ヘイデンはエドワーズと僅差の4番手だった。


■ヘイデン「今年は最初から速さを見せる」

プレシーズン中は開幕戦の舞台となるカタールで最も苦しんだニッキー・ヘイデンだが、だからこそ今年はカタールから勢いをつけたいと、ディフェンディング・チャンピオンとして臨む事になった2007年シーズンに向けての熱い意気込みを彼は語っている。

写真「待ちに待ったって感じですが、これでやっとレースが再開ですね」とヘイデン

「バイクのフロントカウルにナンバー1をつけて誇らしく登場する時がきますね。これには子供の時からずっと憧れていたんです。」

「ただ、これはあくまで昨年の実績に過ぎない事は分かっています。今年のMotoGPはものすごく激しい争いになりますから、一番最初のセッションから速く走ってタイトル防衛を狙わないとね。栄光に酔いしれて油断しているような暇はもうないんです。」

「冬季テスト中には何回か速く走れていますし、新型バイクの改善も進みましたが、カタールのテストだけは本当にうまくいきませんでした。だからなおさら、今回は最初の試合から調子を上げていく必要があるんです。」

「そうは言ってもここのコースは本当に大好きですよ。去年もすごくいいレースができましたしね。2つの長い右コーナーがあって、あそこは走っていてすごく楽しいんです。1コーナーからの流れもいいですよ。2コーナーから3コーナーにかけて倒し込んで走るんです。」

「ここでは3位を獲得して、その次の去年は2位でしたから、今週の日曜日はその上の成績を狙っています。こっちには信頼できるチームのメンバーがいますし、ピート・ベンソンや他のスタッフとの仕事もはかどっています。それにホンダも王者の地位を維持するのに全力を尽くしてくる事は間違いありませんから、躊躇する事なんて何もありませんね。」

「今は肩の調子もすごく良くなっています。まだ完璧に動かせる状態じゃりませんが、バイクに乗る上では十分な力が入るようになりました。手術をしてから相当な距離を走り込んできましたが、マシンに乗る度に力が回復するのを感じていたんです。」

「舞台に飛び出す自分の準備はもうできていますから、またチームのメンバーと激しくやり合いますよ。」


■ペドロサ「IRTAテストの時と同じ気象条件だと嬉しい」

カタールのIRTAテストでは総合トップタイムをマークし、開幕直前のヘレスでは昨年までの990ccマシンにおけるポールポジションレコードを大きく上回る1分38秒台前半に迫るバレンティーノ・ロッシとの異次元とも言えるマッチバトルを見せたダニ・ペドロサは、今年は開幕戦から接戦が予想されるとコメントした。

「なんだかあっと言う間に開幕戦が迫ってきたって印象がありますね。冬季テストを全部終えて、またレースができるのをすごく楽しみにしています。」とペドロサ
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「800ccマシンがレース中にどんな挙動を見せるかやっと確認できますが、きっと面白いと思いますよ。テストの間はRC212Vに乗るのが楽しかったです。サイズが小さくなったおかげで自分にとっては990ccの時よりもバイクの小回りが楽になりましたしね。」

「去年のここでのレース内容にはあんまり満足していません。スタートに失敗してレースの間中その影響に苦しむ事になりました。かなり長い時間メランドリと戦う事になり、それはそれで面白かったんですが、そのせいで先頭集団から引き離される結果になったので、かなりフラストレーションのたまるレースでした。」

「このコースの走行条件は難しくなる事が多いですね。いつも強風ですから、突風に吹き飛ばされてコースの外に飛び出さないように常に注意して走らなきゃいけません。それに砂のせいでグリップレベルも落ちやすいんです。」

「2月のテストでは高い結果が得られましたし、バイクのいいセッティングも見つかりましたから、今週末の走行条件があの時に近くなってくれる事を祈っています。」

「新シーズンに向けての準備は整ったと思っていますが、冬季のテストを通して他のチームも速かったので、レースは接戦が予想されますね。」


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