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サンマリノGP、初日の順位をあまり気にしないレプソル勢
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  2008年8月30日

2008年MotoGPの第13目となるサンマリノGPが、8月29日(金)にイタリアのミサノ・サーキットにおいてグランプリ初日を迎えている。ここでは、この日のMotoGPクラスのフリー・プラクティス総合順位、ミサノでの1日目の作業を終えた各チームの概況、ならびにMotoGPクラス全ライダーのコメントなどを紹介する。
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■怪我人の情報、ジョン・ホプキンスが初日の走行を断念

速報でも報じた通り、カワサキのジョン・ホプキンスはサンマリノGPの前日となる8月28日(木)の晩に軽いトレーニングを行っていたところ、前回のチェコGPのフリー・プラクティス中に負傷した胸の筋肉をひねって痛めた事から、大事を取ってミサノ初日の走行は全て見合わせている。
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■グランプリ復帰直後のヘイデンが転倒、幸い新たなダメージはなし

ミサノ初日のMotoGPクラスにおける目立った転倒者は、夏季休暇中に右足のかかとを負傷して今回のミサノから走行に復帰したばかりのニッキー・ヘイデンのみだった。午後のセッション終了直前に最終コーナーで転倒したレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは、このアクシデントによりこの日の自己ベストをコンマ5秒と大幅に更新していたラップ周回を無駄にする事にはなったが、幸い無傷であり、転倒時に負傷中の右足をかばった事から怪我に新たなダメージを受ける事もなかった。
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■ストーナーは左手首の古傷が突然悪化、2日目以降も欠場の予定はなし

こちらも既に報じた通りだが、ドゥカティーのケーシー・ストーナーは2003年に手術を受けた左手首の骨折箇所が初日午後のフリー・プラクティス2の開始直前に突然剥離している。午後のセッションを通して痛みが悪化したストーナーは夕方にはクリニカ・モバイルでの診察を受けており、今後も痛みを抑える治療を受けながら2日目以降のセッションにも全て参加する予定だ。
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■サンマリノGP初日のフリー・プラクティス総合順位

以下に、サンマリノGP初日となる8月29日(金)に行われたMotoGPクラスの2回のフリー・プラクティス(FP1/FP2)を通しての総合順位を示す。この日は終日の晴天とドライ路面に恵まれており、午前のFP1開始時の気温は29度、路面温度は38度、湿度は30%、午後のFP2開始時の気温は32度、路面温度は45度、湿度は37%だった(各セッションそれぞれの結果はこちらのフリー・プラクティス一覧を参照)。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分34秒806
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒224
3) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分35秒377
4) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分35秒424
5) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分35秒620
6) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分35秒743
7) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒766
8) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分35秒861
9) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分36秒100
10) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分36秒105
11) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分36秒189
12) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分36秒219
13) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分36秒356
14) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分36秒425
15) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分36秒619
16) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分37秒096
17) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分37秒929
-) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR -分-秒-

2008年に入りコース全長が46メートル拡張されたため、ミサノのコースレコードなどの記録は昨年に引き続き今年も白紙に戻されているが、参考までに記すと昨年のサーキットレコード(レース中)はケーシー・ストーナーが記録した1分34秒649、昨年のベストラップレコード(予選タイヤ)は同じくケーシー・ストーナーが記録した1分33秒918。


■各チームの概況と全ライダーのコメント
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以下に、ミサノ初日のMotoGPクラス各チームの概況と、1日目の作業を終えた直後の全ライダーのコメントを紹介する。


■ドゥカティーの地元で初日の総合トップに立ったストーナー
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サンマリノGP初日のフリー・プラクティスにおいて総合トップタイムの1分34秒806を記録したのは、昨年のミサノの覇者であるドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。この日2回のセッションを通してタイムシート上のトップに立ったストーナーは、昨年のサーキット・レコードを上回る事はなかったものの、今年は3コーナーがやや低速寄りに改修され、サーキットの全長が46メートル延長されている事から、実質的にはそれに匹敵する好タイムを記録している事になる。チームメイトのマルコ・メランドリの初日の総合順位は16番手、タイムは1分37秒096だった。

■左手首の古傷に苦しんだストーナー「レントゲンを見て驚いた」

記事の冒頭にも記した通り、この日の午後にストーナーは2003年に手術を受けた左手首の痛みに苦しんでおり、フリー・プラクティス2が終了した直後に受けたレントゲン検査の結果、接合してあった骨折部分が数ヶ所もろくなり剥離している事が判明している。ストーナーはその左手首の痛みを抱えながらも、2日目以降のセッションにも通常通り全て参加する予定だ。
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「特に衝撃が加わった覚えもないので、今回の手首の件は本当に奇妙に思える。午後の走行前に背中のプロテクターを調整しようとした途端、少し痛みが走った」とストーナー。

「痛みがセッションを通して悪化したのでクリニカ・モバイルで診察を受ける事にしたが、そこで2003年に骨折した部分が再び開いてしまったのをレントゲンで見せられた時には信じられない気分だった。あまり安心できる状態じゃないので、これ以上悪化しないように注意していく必要はあるが、明日も全てのセッションには参加する予定。それ以外は全て順調に進んでいたので今回の件は本当に残念」

「このサーキットで順調に初日を過ごせた事はとても嬉しい。去年はここで好調だったが、今回のバイクとタイヤからもすでに好感触が得られていると思う」

「一部のコースレイアウトが変わった事についてはあまり嬉しくない。去年の2コーナーと3コーナーはすごく面白かったが、今年はちょっとカーブがきつすぎる。その影響で流れが悪くなったし、グリップもあまり良くない感じになったので少し残念」

「ただ、それでもこのサーキットには他にも面白い部分がたくさんあるので、全体的には楽しんで走る事ができている。明日も今日の好調さをそのまま維持していきたい」

■ホームGPを迎えたメランドリ「フロントが改善できれば明日は期待できる」
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自身にとってホームとなるミサノ初日のセッションを16番手で終えたマルコ・メランドリは、この日は2回のセッションを通してリアのセッティングが改善できたとしており、2日目に入りフロントの改善も進める事ができれば大きな進歩が期待できると述べている。
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「今シーズンの中では今日が一番温度が高く路面がすごく滑りやすかったが、セッティングでそれを解消できるように頑張り、最終的にリアのグリップは改善する事ができた。ただ、フロントの感触はリアほど良くないのでライン取りが悪くなり速く走れていない。ただ、今の問題はフロントだけなので、その部分を解決できれば明日は大きな進歩が得られる筈」とメランドリ。

「コースレイアウトが変わった部分は走る上でより面白くなったとは思うが、その区間の追い抜きが難しくなったので残念に思う」


■フィアット・ヤマハ、ロッシはストーナーからコンマ4秒差の2番手
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ストーナーに次ぐ初日の総合2番手タイムとなる1分35秒224を記録したのは、今期2度目の母国グランプリを迎えたフィアット・ヤマハ(BS)のバレンティーノ・ロッシだった。また、チームメイトであるフィアット・ヤマハ(MI)のホルヘ・ロレンソは初日の総合7番手となる1分35秒766を記録している。

■地元での戦いに闘志を見せるロッシ「ケーシーとの差をもっと縮める必要がある」
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昨年は出身地であるタブリアの街から北に15kmしか離れていない真の地元であるミサノでのレース中、エンジンが故障してリタイアに終わるという悔しい経験し、今年はその雪辱を果たす構えのロッシは、この日の午前中はタイムシート上の5番手だったが、その後にセッティングを変更してからはマシンの調子を上げる事に成功、午後にはブリヂストンタイヤのテストを行う中でトップのストーナーから0.418秒差の2番手につけた。

「今回は初日からいいスタートを切る事はできたが、予想以上にいい結果だったとは言えないし、ケーシーとの差を縮めるためにもまだいくつかの作業を進めていく必要がある」とロッシ。

「現時点の大きな課題は第4区間。すごく遅くしか走れていないので、これからデータをしっかり確認して原因を探らなければならない」
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「いずれにしても2番手のポジションは僅差の中で確保できているが、ここでは全員が速そうなので、明日はもっとトップとの差を縮めておきたい。まだ相当に頑張る必要はあるが、いくつかすでに案はあるので、色々やれる事を試していきたいと思う」

「太陽の光を浴びながら、自分がサーキット走行を初めて経験した実家のすぐ近くにあるミサノのコースでレースができるなんて本当に最高。地元のファンのためにも素晴らしいレースウイークになって欲しい」

■ロレンソ「レース内容に関する予想はまだ一切したくない」
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写真中国GP以降の度重なる転倒と怪我により、今期中盤はその走りにやや自信を失いかけていたホルヘ・ロレンソだが、今回のミサノでは初日から自信を回復しており、午前中には4番手タイム、午後には自己ベストをさらにコンマ4秒更新して初日の総合7番手タイムにつけている。

「今日の内容には本当に満足。ブルノでもいいテストはできたが、今日のタイヤはその時よりもさらに感触がここでは上がっているので、より自信が持てるようになった」とロレンソ。

「レース内容の予想は一切したくないし、成績目標についても話したくはない。何よりも明日になってから今日の好調さを維持できているのか確認する事が先だが、もっと調子を上げていく事はできると筈なので、2日目も今日と同じ流れで作業を続けていきたい」

「ここのアスファルトはブルノの時のようには新しくはないし、ミシュランとの相性はこっちの方がいいと思うが、自分が望むレベルで走れるようにするには、もっと大きく改善を進めていく必要がある」


■新型シャシーの性能に歓喜するリズラ・スズキ勢、カピロッシは初日総合3番手
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前回のチェコGPでは今期リズラ・スズキに移籍して初となる表彰台を獲得、来期に向けての契約更新もほぼ確定した様子のロリス・カピロッシは、今回の地元イタリアでの初日にはストーナーとロッシに次ぐ総合3番手タイムの1分35秒377を記録し、その好調さを地元ファンに向けてもアピールした。また、チームメイトのクリス・バーミューレンも初日のフリー・プラクティス総合6番手となる1分35秒743を記録しており、リズラ・スズキ勢は揃って順調なミサノでの1日目を過ごす事ができたようだ。

この日にカピロッシとバーミューレンの2名は、今回のミサノからスズキが実戦投入を決めた新型シャシーの調整に時間を費やしており、揃ってマシンからは好感触が得られた様子だ。

■GP最多出場記録を塗り替えるカピロッシ「ベストなセッティングを見つけた!」
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終日をかけてGSV-Rのセッティング改善に取り組み、初日2回のセッションの総合3番手につけたロリス・カピロッシは、2日目以降はさらにマシンと本人の調子を上げる事ができるとしている。なお、今週末のサンマリノGPがグランプリ277戦目となるカピロッシは、ホンダ時代のチームメイトであるアレックス・バロスが保持していたグランプリ最多出場記録を日曜日に塗り替える事になる。

「午前中はバイクを正しく機能させる事ができず、あまり順調とは言えなかったので、今日の午後に入ってからの作業内容には本当に満足できた」とカピロッシ。
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「新しいシャシーに変えてからはすぐに調子が良くなった。できるの限りベストな形でセッティングを仕上げる事ができたのは間違いないし、すごくうまく機能してくれているので本当に嬉しい!」

「ブルノでの好調な走りを今回も再現したいので、今日は作業の方向性を一切見失う事がなくて本当に良かった。チームは本当に頑張ってくれていると思う」

「明日も全てにおいて改善が進む事は間違いないし、レースでもチームの持つ実力を出し切れるように今の調子をそのまま維持していきたい」

■バーミューレン「新型シャシーはいきなり好調」
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この日はチームメイトと同様にGSV-Rのセッティング調整に時間を費やし、新型シャシーとブリヂストンタイヤとの相性を探ったクリス・バーミューレンは、やはり今回のレースウイークを通してさらにマシンの改善を進める事ができると実感した様子だ。

「バイクは木枠の梱包から取り出した瞬間からものすごく調子が良かった。ブルノ合同テストの時に試した新型パーツ類もここでは好調に機能している」とバーミューレン。
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「スズキが頑張ってバイクの性能をさらに強化してくれた事を本当に嬉しく思う。今日はものすごく大きな進歩が得られた気分。タイヤをうまく機能させるためにシャシーの一部のセッティングを変更したおかげでマシンの一体感はより高まった」

「今日のセッションの終盤には新しいリアタイヤを試したが、その一貫した性能とグリップの良さにはとても満足している。明日もシャシーのセッティング調整を続けて、予選では最低でも2列目を確保できるようにしたい!」


■レースタイヤの耐久性能を重点チェックするTECH3ヤマハ

TECH3ヤマハのコーリン・エドワーズは、ミサノ初日の午前中にはストーナーに次ぐタイムシート上の2番手タイムとなる1分35秒424を記録、午後にはそのタイムを更新できなかったものの1日目の総合4番手という好位置につけた。また、チームメイトのジェームス・トーズランドは、昨年はSBKで走行した新生ミサノにおいて、この日は新品のタイヤに一切履き替える事なく1セットのタイヤを使用して走り続け、初日の10番手タイムとなる1分36秒105を記録している。

■午前中は2番手だったエドワーズ「午後はリアタイヤの耐久性に問題」
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現時点のランキング6位につけ、シーズン終了までにランキング4位に浮上する事を目標としているコーリン・エドワーズは、午前中にはミシュランタイヤとマシンの感触に満足していたものの、ロングランを試した午後には路面温度が上昇した影響から耐久性の面で課題を抱えた様子だ。

「今朝は本当に絶好調だった。すごく自然な感触で走れたし、バイクの調子はものすごく良かった」とエドワーズ。

「ただ、10周程度を走った時にはタイヤの調子は素晴らしく思えたが、午後に耐久性を確認した時にはそれほどいい感触が得られなかった。走り出した時には分からなかったが、おそらく今日の午後は気温が少し高くなっていたので路面温度が影響したんだと思う」

「午後も調子良く走れると思っていたのに実際にはペースが上がらず、午前中の好感触は見つからなかった。また、午後はセカンドバイクで走ったが、どんなにもう1台と同じ状態にセッティングしたつもりでも小さな感触の違いは出てしまう。実際、シャシーの感触が午前の時よりも少し硬めに感じたが、それが今回のタイムに影響したのかどうかは分からない」

「明日は2台のマシンを交互に乗り換えて試してみる必要がありそう。今はリアタイヤの消耗に関してブルノの時と同様の問題を若干抱えているので、どっちのマシンをレースで使うべきか見極めておきたいと思う。今回のようなタイヤの消耗の仕方は以前に経験した事がないので、今晩はミシュランやチームのスタッフと一緒に検討して何か解決策がないか探ってみるつもり」

「まだやるべき事は何点か残っているが、ここまでの過去数戦と比べれば今回は自信が持てる状況なので、ランキング4位への再浮上を狙って戦いたい」

■自信を回復したトーズランド「表彰台を狙えるチャンスは僅かながらある」
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好調だったシーズン序盤とは異なり、中盤戦のイギリスGP以降はレースタイヤに問題を抱えてトップ10圏内を狙う事が精一杯という苦しい戦いを続けてきたジェームス・トーズランドは、今回のミサノ初日は終日履き続けて耐久性を確認したミシュラン・タイヤに好感触を示しており、久しぶりにレースで上位を狙うための自信を回復した様子だ。

「またトップ10圏内に戻ってこれてとても嬉しい。今日はレースに向けてのセッティングに取り組み、セッションを通してタイヤは1セットしか使わなかったが、23周回を走り込んでも一貫して36秒台の前半が記録できている」とトーズランド。

「ここまでにタイヤに関してはずっと問題を抱えてきたので、レースを通しての耐久性に問題が生じないかを今日は確かめておきたかった。もし新品のタイヤを装着していればセッションの最後には35秒台に突入する事もできたと思うので、今日が10番手でもあまり心配はしていない。もっと大きく改善が進む雰囲気もしている」

「無理する事なくいいペースを維持できたのはいい兆候だと思う。過去3戦では12個か13個のコーナーで気分良く走れなかったが、ここで苦手に感じるコーナーはたったの2個だからね!」

「初日の作業としては順調だったのでミシュランには深く感謝している。彼らに実力があるのは間違いないし、必死に頑張ってくれている。まだ課題は多く残っているが、少なくとも彼らが大変な努力を続けてくれている事は明白」

「ここでは頑張れば表彰台を狙って戦うチャンスも僅かながらある事を実感しているし、自分がここで戦う理由はそれしかない。過去3戦では全くその望みすら感じられなかったが、今回は金曜日の午後にそのチャンスを感じる事ができたので気分がいい」

「ミシュランの作業を進めやすくするには、安定したグリップを得る上で有益な情報を彼らに提供していく必要があるが、今日の自分たちにはそれができたと思う」


■ホンダ勢がやや低迷する中、ホンダLCRは5番手タイムを記録
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昨年と同様にミサノ初日はホンダ全体が揃ってやや低迷する中、ホンダLCRのランディ・ド・プニエはホンダ勢の中のトップとなる初日総合5番手タイムの1分35秒620を記録している。

■ド・プニエ「午後はもっと速く走る事もできた」

写真午前中はミサノで使用するベースセッティングを探りながらミシュランタイヤのテストを行い、タイムシート上の12番手につけていたド・プニエは、午後にはミシュランとオーリンズのエンジニアと一緒にマシンを再調整、最終的に順位を7つ上げる事に成功した。

「今日は自分とチームの両方にとっていい1日目になった。ここは自分の好きなサーキットでもある。今日は朝から路面温度が高かったので午前中からタイヤに関する作業に着手したが、正直言ってあの走行条件に適したタイヤ選択はできなかった」とド・プニエ。

「午後はタイヤがうまく機能するようにエンジン・ブレーキングやトラクション・コントロールなどマシン全体の調整を行い、その後は自分の思い通りに快適に走れるマシンに仕上がった」

「チームの全員が本当に頑張ってくれたおかげで、セッションの終盤にはタイムシート上の4番手にまでポジションを上げる事ができていた。多分もっとタイムを縮める事もできたが、今の状況には十分満足できているので、明日もこのままの調子が続く事を願っている」


■ホンダ・グレッシーニ、自信のデ・アンジェリスと初日は苦戦気味の中野選手
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サンマリノGP初日のホンダ勢の中の2番手はサンマリノ共和国出身のライダー、1日目の総合8番手タイムとなる1分35秒861を記録したサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスだった。また、そのチームメイトであり、前回のチェコGPではホンダにとって今期3台目のワークスマシンを手に入れ、ホンダでの自己最高位となる4位を得意のブルノでは獲得した中野真矢選手は、今回のミサノ初日は新マシンのセッティング探しに終日費やし、総合9番手タイムの1分36秒100を記録して1日目の走行を終えている。

■デ・アンジェリス「午前中はミサノのシークレットラインを探した」
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今年もイタリアのミサノ・サーキットでホームとなるサンマリノGPを迎えたアレックス・デ・アンジェリスは、ホームGP初日のマシンからはすぐに好感触が得ることができたと以下の通りコメントしている。

「MotoGPバイクでミサノを走るのは今日が初めてだが、午前中からとても速く走る事ができた」とデ・アンジェリス。

「午前中はセッティングを本格的に開始する前に、まずはこのコースのシークレットラインがどこにあるのか見つけようと頑張ってみた。午後に入りフロントサスペンションを調整してからはすぐにバイクの感触がさらに良くなった。自信があるので明日のセッションが楽しみ」

■中野選手は新マシンのセッティングに苦戦「安定性をさらに高めていく必要がある」
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自身のライディング・スタイルとミサノのコースレイアウトに合うマシン・セッティングをこの日は探った中野真矢選手は、午前中はブルノで使用したセッティングがミサノには合わず、いくつかの問題を抱えて苦戦したものの、午後にはマシンバランスの改善がうまく進み全体の感触を上げる事に成功している。

「今日はブルノの時に使用したベースセッティングから作業を開始したが、ミサノとブルノでは全くコース特性が異なるし、ここはよりテクニカルなサーキットと言える」と中野選手。

「バイクのバランス改善に取り組み、午後に入ってからは感触が大きく良くなりラップタイムを縮める事もできた。もう少しマシンの安定性を高めていく必要があるのは確実なので、明日はそれを目標にしながらフロントまわりの調整作業も進めていきたい」


■初日の順位は低迷したが気にする様子のないレプソル・ホンダ勢
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ミサノ初日はRC212Vのセッティング探しと日曜日のレースに向けてのタイヤ選びを行ったホンダ・ワークス勢は、2名のライダーが揃って振るわず、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは総合11番手の1分36秒189、チームメイトのダニ・ペドロサはそれに次ぐ総合12番手となる1分36秒219を記録して1日目の2回のセッションを終えている。

■最後のタイムアタック中に転倒したヘイデン「それほど驚かなかった」
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MotoGPが夏休み中だった8月1日、ロサンゼルスで行われたスーパーモタードのレースイベントに参加、そのプラクティス中に右足のかかとを負傷して前回のチェコGPを欠場したニッキー・ヘイデンは、右足にプロテクターをつけて走行に復帰を遂げたこの日、午前中はタイムシート上の6番手につける好調な走りを見せ、午後の最後のタイムアタックにおいても今回の自己ベストをさらにコンマ5秒削る中間タイムを記録していたが、その最終コーナーで転倒、結果として総合11番手のポジションで初日のセッションを終える事になった。幸いヘイデンは無傷だった。

「振り返って見れば状況はそれほど悪くない。素晴らしいと言えるレベルのものではないが、バイクの調子はすごくいいし、タイヤの調子も過去の数戦に比べれば大幅に良くなっているので、ここでのミシュランの仕事ぶりには感謝したい」とヘイデン。
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「最高に走りが楽しめるという感じではないが、それは最初から予想していた事。いくつかの右コーナーでは本来の速さでは走れない状態だが、第2区間と第4区間は左コーナーが多いので、その部分の区間タイムに関して言えばかなり上位につけている」

「いくつかの右コーナーでは怪我の影響が少し出てしまうが、それほど大げさに言うレベルでもない。怪我を負って走るのは自分が最初でもないし、こういう状況に自己陶酔する気もないしね。仕方のない事だし、何より一番良かったのはこうして走行に復帰できた事」

「最後の左コーナーで転倒してしまったが、軽い転び方だった。右足だけは上げたままにして地面につかないように気をつけたけどね。激しく攻め込んでいたし、今日のベストラップになる筈だったが、縁石に接触してフロントを失ってしまった。ただ、今日はかなりフロントが押される感じだったので、転んでもそれほどびっくりはしなかったけどね」

■痛みなく走れた事を喜ぶペドロサ「今日は明るい気分」
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ミサノ初日のダニ・ペドロサは、今回の総合12番手タイムという結果にはそれほど満足していないものの、ドイツGPで骨折した左手首と人さし指に大きな痛みを感じる事なくレーシングペースで走行できた事を喜んでいる。2日目以降のセッションに関してもペドロサはあまり心配していない様子だ。

「今日は難しかったが重要な1日になった。順位には満足できていないが、ラグナ・セカ以降に失っていた自分のリズムを取り戻す事ができたので今日の内容には満足している。夏休み中にトレーニングができなかった事で、前回のブルノでは多くの問題に苦しむ事になった」とペドロサ。
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「今日は多くのデータを収集する事ができたので、それらを全て分析すれば、間違いなく明日はタイムを改善する事ができると思う」

「今日の気象条件は極端に暑かった。何本か新しいタイヤをテストしているが、レース当日の気象条件がどう変わるか今後も確認しながら明日もさらに作業を続けていく必要がある」

「ここはグリッドから1コーナーまでの距離が短いので予選がものすごく重要になる。去年は他のライダーに1コーナーで押し出されてしまったので、今回は日曜日に同じ目に会う事がないように、可能な限り高いグリッド位置を確保しておきたい。通常のリズムを取り戻してきたので今は気分的には明るい」


■マシン・セッティングに苦戦するJiRチームスコット
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チームと自身にとっての母国グランプリ初日、JiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、この日のフリー・プラクティス総合13番手となる1分36秒356を記録して初日2回のセッションを終えている。

■ドヴィツィオーゾ「高速コーナーでバイクが安定しない」

初日はミサノのコースレイアウトに関する多くのデータを収集したというドヴィツィオーゾは、今回試したミシュランタイヤの性能にはほぼ満足する事ができている様子だが、マシンのバランス・セッティングに関してはまだ多くの課題が残るとしている。
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「今日の2回のフリー・プラクティスを通して、高速コーナーでスロットルを開ける時にバイクがあまり安定しなかった。この影響で走行ラインが狂ってしまい、ライディング・スタイルを変更しなければうまく走れないので、今の段階では自分の思い通りにマシンを操る事ができていない」とドヴィツィオーゾ。

「ただ、1回だけ速く走れた周回があるので、その時のデータを参考に明日はパッケージ全体の改善を進めていきたい。今日の順位には自分たちの実力を反映する事ができなかったが、いつも通り自分たちに与えられたパッケージの性能を最大限に引き出せるように明日以降も頑張りたい」

「しばらく苦戦していたミシュランが、本来の調子をここでは取り戻しているので、今回はそれが明るい兆しだった」
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■ミサノとの相性に苦しむアリーチェ・チーム

アリーチェ・チームのトニ・エリアスとシルバン・ギントーリの両ライダーは揃ってセッティングの調整に苦しむ初日となった。トニ・エリアスは、総合14番手となる1分36秒425、シルバン・ギントーリは総合15番手となる1分36秒619で初日を終えており、テクニカル・ディレクターを務めるファビアーノ・ステルラッキーニは、「ミサノは自分たちのマシンがあまり得意としないサーキット」と述べ、土曜日も引き続き多くの改善作業が必要だとしている。

■エリアス「諦めない」
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前回のブルノでは2位表彰台に上り、今後は上位を狙って戦えると自信を持ってミサノに臨んだエリアスだが、初日はセッティングを終日模索することになった様子だ。

「このサーキットは簡単にはいかないと分かっていたので、もちろん諦めない」とエリアス。

「テクニカルコースに合ったセッティングを探って多くの周回を走行したが、まだまだ辛抱強く取り組むことが必要。午後のセッションではうまく改善を進めることができたが、満足できる順位には至らなかった」

■ギントーリ「午後の最後にいいセッティングを見つけた」
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午後にはタイムを1秒縮めたものの不本意な15番手の結果で初日を終えたギントーリだが、午後の最後にいいセッティングを見つけられたと土曜日に向けては自信を見せている。

「午前に比べればタイムを1秒縮められたが、順位としては良くない結果に終わった」とギントーリ。

「午後のセッション終盤にいいセッティングは見つけられたので、明日は自信があるし正しい方向に進めると思うが、コースの第3区間でまだかなりのタイムをロスしているので、その部分が少し改善できればタイムはかなり良くなるはず」


■初日はウエストのみの走行となったカワサキ・レーシング・チーム
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記事の冒頭の通りジョン・ホプキンスが初日の走行を体調不良によりキャンセルしたため、ミサノ初日のカワサキ・レーシング・チームはアンソニー・ウエストの一名が走行を行っている。ウエストのタイムは総合17番手となる1分37秒929だった。

■ウエスト「セッティングを一から見直し」

前回のチェコGPでは過去最高位となる5位を獲得し、今週末の戦いに向けて自信を高めてミサノ入りしたカワサキのアンソニー・ウエストだが、初日はフロントの感触不足に苦しみ、午前に記録したタイムを午後に上回ることができずにこの日の最後尾となる総合17番手で一日の作業を終えた。ブルノで使用したセッティングがうまく機能しなかったというウエストは、問題解決に向けてセッティングの見直しが必要だと次のように述べている。
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「前回のレースの後で気持ちよくここにやってきたが、苦しい一日になった」とウエスト。

「午前と午後のセッションでは、フロントタイヤの感触を高めるためにブリヂストンのエンジニアと密接に連携して作業を行ったが、今日は17位に終わってしまった。バイクの感触はとても過敏だし、路面のがたつく区間では特にその傾向があるので、ハードブレーキングやコーナー侵入が難しい。ブルノで使用したセッティングはここではうまく機能していないので、このサーキットに合った方向に見直す必要があるが、前回のようにうまくいけば明日は大きく改善を進められると思う」

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