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スペインGP翌日のヘレス合同テスト、ストーナーは自信を回復
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インテリマーク編集部
  2008年4月3日

ダニ・ペドロサが地元での独走優勝を飾り、後続のライダーが最後まで激しいデッドヒートを繰り広げた白熱のスペインGPの翌日以降も、MotoGPクラスの多くのチームはそのままヘレス・サーキットに残り、開幕後初となる2日間の合同テストを実施している。
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ここでは、次戦となるポルトガルGP以降の戦いに向けて、MotoGPクラスの各チームがマシンやタイヤの事前準備を進めたヘレス合同テスト2日間の走行結果、ならびに各チームの作業状況などを紹介する。


■TECH3を除き全レギュラー・ライダーが参加したヘレス合同テスト
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今回のヘレス合同テスト1日目となった3月31日の月曜日、晴天に恵まれて良好のテスト日和となったこの日は、TECH3ヤマハの1チームを除く全チームが再び朝からヘレス・サーキットに集結し、スペインGP3日間における反省点の検証や次戦以降に向けてのセッティングのテスト、ならびに新型タイヤのテストなどを行っている。
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■レプソル・ホンダとリズラ・スズキのレギュラーは2日間

その翌日のテスト2日目、晴天には恵まれたものの若干風が強く路面上に砂が目立った4月1日の火曜日は、レギュラー・ライダーではレプソル・ホンダとリズラ・スズキの2チームのライダーのみがテストを継続し、その他のレギュラー勢は初日のみの走行で全てのテスト作業を終えている。
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■カワサキとミシュランの開発ライダーも2日間を通して参加

また、レギュラー・ライダー以外では2日間を通して、カワサキの開発ライダーを務めるオリビエ・ジャックと、ミシュラン・タイヤの開発ライダーを担当するフランス人耐久レース・ライダーのウィリアム・コステスという、2名のテスト専任ライダーも参加している。

■コステスはTECH3のマシンを使用

ちなみにミシュラン開発ライダーのコステスは、TECH3ヤマハのジェームス・トーズランドが前日のレースで使用していたYZR-M1を今回使用しているが、ワークス・ヤマハと同じニューマチック・バルブ・エンジンがTECH3のマシンに搭載されるのは次戦のエストリルからだ。


■カワサキは開発中のスクリーマー・エンジンをテスト
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今回の2日間のヘレス合同テストには、特に新型シャシーを持ち込んでいる様子のチームはなく、どのチームも基本的にはスペインGPで使用したものと同仕様のマシンで終日の走行テストを実施したが、その中でカワサキ・レーシング・チームだけは、今シーズン後半からの実戦投入も検討していると言われる開発中のスクリーマー・エンジン(等間隔爆発エンジン)を、冬季テストのマレーシアに引き続き今回のヘレス合同テストにも持ち込んでおり、ジョン・ホプキンスはスクリーマー独特のエンジン音を響かせて走行、今後の開発に向けての感触をカワサキのエンジニアやオリビエ・ジャックに伝えた様子だ。


■2日間を通して目立った転倒者はメランドリの1名
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今回のテスト初日、ドゥカティーのマルコ・メランドリは最終コーナーでフロントを失い転倒、左手の中指の爪が真ん中から割れるという怪我を負っているが、特に骨などへの深刻なダメージはなく、次戦以降の走りに影響するような深刻な怪我は負っていない。


■ヘレス合同テスト1日目の走行結果

以下に、気温21度、路面温度24度、湿度30%のドライ・コンディションの中で行われた3月31日(月)のヘレス合同テスト初日の走行結果を示す。
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1) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分38秒679(94周)
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分39秒117(85周)
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分39秒218(59周)
4) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分39秒484(97周)
5) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分39秒569(66周)
6) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分39秒747(65周)
7) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分40秒034(78周)
8) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分40秒166(69周)
9) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分40秒389(80周)
10) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分40秒394(55周)
11) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分40秒534(81周)
12) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分41秒308(78周)
13) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分41秒396(32周)
14) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分42秒132(51周)
15) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分42秒240(65周)
16) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分42秒562(53周)
17) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分42秒624(67周)

ヘレスのサーキットレコードは日曜日にダニ・ペドロサが記録した1分40秒116、ベストラップレコードは土曜日の予選においてホルヘ・ロレンソが記録した1分38秒189。


■トップタイムはフィアット・ヤマハの2名
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テスト1日目のタイムシート上のトップタイムを記録したのは、ミシュランの予選タイヤを使用して1分38秒679を記録したフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソ。ロレンソに次ぐこの日の2番手は同じくフィアット・ヤマハのチームメイトでありブリヂストンの予選タイヤで1分39秒117を記録したバレンティーノ・ロッシだった。

■上位7名のタイムは予選タイヤ

なお、フィアット・ヤマハの2名以外に、今回予選タイヤを装着して自己ベストを記録した事が判明しているライダーは、各チームやメーカーの公式発表によれば、3番手タイムの1分39秒218を記録したドゥカティーのケーシー・ストーナー(ブリヂストン)、4番手タイムの1分39秒484を記録したホンダLCRのランディ・ド・プニエ(ミシュラン)、5番手タイムの1分39秒569を記録したカワサキのジョン・ホプキンス(ブリヂストン)、6番手タイムの1分39秒747を記録したリズラ・スズキのロリス・カピロッシ(ブリヂストン)、7番手タイムの1分40秒034を記録したサンカルロ・ホンダ・グレッシーニの中野真矢選手(ブリヂストン)。
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レースタイヤにて自己ベストを記録した事が判明しているのは8番手タイムの1分40秒166を記録したレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ(ミシュラン)、9番手タイムの1分40秒389を記録したニッキー・ヘイデン(ミシュラン)、13番手タイムの1分41秒396を記録したドゥカティーのマルコ・メランドリ(ブリヂストン)。その他のライダーについてはどちらのタイヤを使用して自己ベストを記録したかは不明だ。

■ロレンソはレースタイヤでも1分39秒中盤の好タイム

ちなみに、この日にロレンソが記録したレースタイヤでの自己ベストは1分39秒59、ストーナーのレースタイヤでの自己ベストは1分40秒588だった。


■1日目の各チームの状況
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以下に、1日目のテスト内容を公式発表している各チームの合同テスト初日の概況や関係者のコメントなどを紹介する。

■テストでもさらに好調なミシュラン・フィアット・ヤマハのロレンソ

開幕して初のテストとなるヘレス合同テストの1日目をトップタイムで飾ったのは、先週のレースウイーク初日のフリー・プラクティスにおける総合トップタイム、2日目の予選では開幕から2戦連続のポールポジション、最終日の決勝では2戦連続の表彰台となる3位を獲得したフィアット・ヤマハのMotoGPルーキーであるホルヘ・ロレンソだった。

この日にロレンソはミシュランのタイヤテストと並行してマシンの一般的なセッティング作業に取り組み、チームとミシュランに貴重なデータを提供する事ができた様子だ。
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■ペドロサのサーキット・レコードを上回ったレースタイヤでのタイム

この日に1分38秒台に突入したライダーはロレンソの1名のみだが、この予選タイヤでのトップタイム記録時だけではなく、レースタイヤでも終始安定した速いペースでロレンソは走行しており、この中でスペインGPのレース中にレプソル・ホンダのダニ・ペドロサが記録したサーキット・レコードである1分40秒116よりもコンマ5秒速い1分39秒59をレースタイヤで刻んでいる。

■ロマノーリ監督「エストリルに向けての準備は万端」

ミシュランを履くフィアット・ヤマハのチーム監督を務めるダニエーレ・ロマノーリは、この日のテスト内容について以下の通り説明している。

「今日はフロントの接地感を改善するための作業をレースウイークに引き続き行いましたが、新しいフロントフォークのセッティング調整により、ホルヘは非常に安定して速いタイムをレースタイヤで記録する事ができていまし、他にもエンジン・マッピングを再調整した事でタイヤの消耗を抑える事ができた様子です」とロマノーリ監督。

「ミシュランが今日のタイヤテストに用意した計画は次戦のエストリルを考慮した非常に興味深い内容でした。おかげで特にリアタイヤに関していい兆候が何点か得られています」

「ホルヘは僅か2戦目にして素晴らしい結果を残していますし、今回は次戦のエストリルに向けて必要となる色々な検証作業を行う事もできました。次のレースが今から楽しみですが、今はチームとヤマハのここまでの頑張りに感謝したいと思います。ポルトガルまでは彼らにしっかり休息して欲しいですね」


■ブリヂストン・フィアット・ヤマハのロッシは2番手タイム
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グランプリ最高峰クラスでの自身100回目の表彰台を、ブリヂストンにスイッチしてから初となる表彰台で飾ったばかりのバレンティーノ・ロッシは、その翌日となった今回のテストではブリヂストンの新しいコンパウンドの何種類かをフロントとリアの両方に試し、好感触を得る事ができたようだ。この日のロッシの記録はミシュランを履くチームメイトのロレンソに次ぐ2番手タイムの1分39秒117だった。

■ブリビオ監督「やっとリラックスして作業ができた」

この日もブリヂストンタイヤとヤマハYZR-M1の最良の組み合わせ方を探ったと述べるフィアット・ヤマハのダビデ・ブリビオ監督は、セッティングの作業内容とここまでの感触を以下の通り説明した。
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「今日はチームとブリヂストンのエンジニアが共同で密接にタイヤとバイクのセッティング作業に終日取り組む事ができました」とブリビオ監督。

「ブリヂストンとヤマハが共同作業を行うようになってからまだ日が浅いので、今回もそれぞれ2つの要素の組み合わせが最高のパッケージとして機能するようにするための作業に集中しましたが、今日は両方の分野において感触が改善されており、いい結果が得られています」

「ここまでの2レースは誰にとっても非常に緊張感のあるものでしたから、今回のように余分な1日を取って、レースウイーク中のプレッシャーを感じずにリラックスしながら作業ができるのは大変にいい事です。ゆっくりと着実に細かな分析作業を進める事でエストリルに向けての有益なデータをいくつか収集する事ができました」

「今日はフロントとリアに今までとは異なるコンパウンドを試し、何本か予選タイヤもテストしました。もちろんセッティングの改善作業も常時進めており、特に今日は高速コーナーでのバイクの安定性強化にも着手しています」

「バレンティーノも今日の作業内容には満足していますので、今から次戦までのしばらくの間は、ここまで頑張ってきたチームもしっかり休息できる事でしょう」


■レース翌日に調子を取り戻すドゥカティー
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テスト前日までのスペインGPレースウイーク中は、ドゥカティーが特に昨年から大の苦手とするヘレス・サーキット攻略に苦しみ、レース後には落胆の姿を見せていたドゥカティー勢だが、今回のテスト内容にはケーシー・ストーナーとメルコ・メランドリの2名のドゥカティー・ワークス・ライダーは揃って好感触を示している様子だ。

■ストーナー「今回のセッティングがレースの時にできていれば・・・」

前日のレースでは2回のコースアウトを喫して11位に終わり、落ち込んでいたストーナーだが、この日の作業ではレースウイーク中に問題を抱えていたフロントの感触を改善する事に成功しており、次戦のポルトガルGPに向けての自信を回復する事ができたとしている。この日のストーナーのタイムはフィアット・ヤマハの2名に次ぐ3番手タイムの1分39秒218。
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「今日はセッティングを何点か変えてタイヤも何本かテストしましたが、内容にはとても満足できました」とストーナー。

「何種類かのフロントタイヤを試しましたが、どれも昨日のレースの時よりもいい感触が得られました。特にブレーキングの時の感じが良くなりましたから、今回はとてもいいテストだったと言えますね」

「あと少しだけセッティングに手を入れれば、昨日でも大きく状況を改善できた筈なのでそれが残念です。最初から今回のように作業を進めていれば、もっといいレースができたと思います」

「今日のテストでは予選タイヤの結果があまり良くありませんでした。一番いい走りができていた時にあるコーナーで大回りをしてしまい、そこでコンマ何秒かをロスしています。ただ、今日はここまでのヘレスで一番好調な1日を過ごす事ができましたから、好感触を持ってエストリルには向かう事ができますね」

■メランドリ「爪が割れて痛い!」

写真予選では転倒により最後尾となったものの、スペインGP決勝レースではバイクからいい感触が得られるようになり、12位までポジションを挽回する事に成功したマルコ・メランドリは、この日のテストでは最終コーナーのヘアピンを走行中にフロントを失い転倒、左手の中指の爪が割れた事で激しい痛みを訴えており、この事からこの日に予定していたセッティング作業を全て終える事はできなかった様子だが、そこまでの作業内容には満足できていたという。この日のメランドリのタイムは13番手の1分41秒396だった。

「今日は最初から調子が良く、リアのグリップを高める事にも成功しました。ただ、その後で最終コーナーへの進入時に突然フロントを失って転倒してしまい、手がハンドルバーの下敷きになりました」とメランドリ。

「指の骨が折れなかったのは幸いでしたが、中指の爪が真ん中から割れてしまったのでものすごく痛いですよ。エストリルに影響する程の怪我ではないと思っていますが、今日はすごく重要なテストを順調に進める事ができていただけに、それを中断する事になってしまい本当に残念でした。ケーシーが気に入っていたタイヤなど、まだいくつか試したい事が残っていましたからね」

「今回のテストで加えた調整はとてもうまくいっていたので、相性のいいサーキットならもっとデスモセディチの感触を上げられるのは間違いないと思います」


■ホンダLCRはリアのトラクションを改善

今回のテスト初日におけるホンダ勢のトップは、4番手タイムの1分39秒484を記録したホンダLCRのランディ・ド・プニエだった。
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■ド・プニエ「エストリルに向けてのベースは仕上がった」

この日にド・プニエは多くのミシュラン・タイヤのテストと並行してサスペンションのセッティングに集中、RC212Vのフロントの感触改善にとリアのトラクション向上に取り組む中、次戦のエストリルに向けて有益なデータを収集する事ができたとしている。

「今日は自分たちにとってはすごく長く感じる1日でしたね。88周回の走行の中ですごくたくさんの事をテストしました」とド・プニエ。

「午前中はフロントに抱えていた問題を修復するためにコースに出る時間をロスしましたが、その後は主にサスペンションとタイヤのテストに集中していいセッティングを見つける事ができました。ただ、大きな進歩を得るにはもう少し調整が必要ですけどね」

「いずれにしても、リアのトラクションは今回改善されましたし、今日の最後の数周を使ってスタートの練習を何度もする事ができました。次戦のエストリルのコースに向けてのいいベースセッティングは仕上がったと思っています」


■ホンダ・グレッシーニはブリヂストンのタイヤテストに集中
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サンカルロ・グレッシーニ・ホンダの中野真矢選手とアレックス・デ・アンジェリスは、この日のテストの大半の時間をブリヂストンのタイヤテストに費やし、次戦のエストリルを念頭に入れたタイヤの評価を、データの比較検証を繰り返し行いながら休みなく実施している。

■中野選手「レースタイヤでの走行ペースを改善」
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ホンダ勢の中では2番手となるこの日の7番手タイム、1分40秒034を記録した中野真矢選手は、ブリヂストンとの共同作業を進める中で、レースタイヤにおける走行ペースも今回のテストの中で大きく改善できたとしている。

「今回のヘレスでの作業はとても有益だったと思います。レースタイヤでの走行ペースに進歩が得られました」と中野選手。
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「今日はベースセティングの作業から開始しましたが、段階的に調整を加えていく中でさらに攻め込んで走れるようになりました。その調整が仕上がってからは、セッションの終盤までブリヂストンと一緒に何本かタイヤのテストも行っています」

「ここでの作業はうまく進みましたから、ポルトガルに向けての準備は整ったと思いますし、いい結果を狙っていく自信もつきました」

■デ・アンジェリス「ヘレスはホンダのサテライトと相性が良くない」
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前日のレースでは、トラクション・コントロールが自身の走りに合わなかったとコメントしていたアレックス・デ・アンジェリスは、この日はブリヂストンから提供された新しいタイヤを試し、レース当日に使用したタイヤとの比較検証を行う中で、バイク全体のセッティングを調整しながら解決の糸口を探ったようだ。この日のデ・アンジェリスのタイムは12番手となる1分41秒308だった。

「今日は主にタイヤのテストに集中し、先週を通して苦しんだリアのトラクション不足を解消できるように作業を進めました」とデ・アンジェリス。
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「若干進歩は得られていますが、まだ多くの作業が今後も必要です。いずれにしても今回のテストはチームにとっても、自分たちのエンジニアと一緒に作業を密接に進めているブリヂストンの技術者にとっても重要でした」

「何本か新しいタイヤを試す中で、今回はレースで使用したのと同じタイヤでも走りながらセッティングを調整しています。タイヤが同じならバイクのセッティング面での解決策を探りやすくなりますからね」

「恐らくヘレスはサテライトのホンダ勢とブリヂストンにとってはあまり相性が良くないサーキットだと思いますが、他のサーキットならカタールの時のようにもっと速く走る自信はあります」


■レプソル・ホンダ、1日目はバイクの基本セッティングに集中
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予選タイヤを使用したタイムシートの上位7名とは異なり、テスト初日は最後までレースタイヤしか使用しなかったレプソル・ホンダの2名のこの日のタイムは、ダニ・ペドロサが8番手タイムの1分40秒166、ニッキー・ヘイデンはそれに次ぐ9番手タイムの1分40秒389だった。

■ペドロサ「本来ならプレシーズン中に行う作業を実施」

前日の地元スペインでの決勝レースを独走優勝で飾ったダニ・ペドロサだが、冬季シーズン中は年始のマレーシア合同テスト初日に骨折した事から新型マシンについての学習が思うように進んでいなかった事から、この日はRC212Vのベース・セッティングから見直し、新マシンのセッティングについての理解を深める事に終日を費やしたという。
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「今日はバイクへの理解がもっと深まるように基本的なセッティング作業を行いました。パッケージをより良く理解して正しい作業の方向性がつかめれば、もっと改善は進む筈ですからね」とペドロサ。

「これは通常ならプレシーズン中に行う内容ですが、今年は怪我のせいであまりその作業ができていなかったんです。ピットに戻っての作業が何度も必要でしたが、とても役立つ内容でした」

「今日はミシュランと一緒にタイヤの作業にも着手しましたが、明日は終日タイヤのテストに集中する事になると思います」

■ヘイデン「特に変わった事はしていない」
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また、開幕戦は2007年型マシンで走行し、先週のスペインGPから新型シャシーを初めて実戦で使用したニッキー・ヘイデンは、この日はHRCから提供された新型パーツのセッティングに取り組みながら、コーナー進入時の速度を上げられるようにクラッチまわりの調整を行い、その後はミシュランがテストに持ち込んだ新型タイヤのテストを行っている。

「今日はいくつか新しい事を学びながら、標準タイヤで安定してすごく速いラップタイムを記録する事ができましたし、いいデータを収集する事もできましたから、全体を通してとても好調な1日だったと言えます」とヘイデン。
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「特に変わった事は行わずに、もう少しコーナーへの進入速度が上げられるようにクラッチの部品をいくつか試したくらいです。他には一般的なセッティングの調整を行いながら、フルレース周回を走行した時にもっとタイヤの消耗を抑えられるように、エッジ部分のトラクション向上を狙いました」

「明日も終日テストができますから、さらにもっと多くの事が試せると思います」


■カタールでの好調ムードを忘れ、気を引き締め直すJiRチーム・スコット
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前日のレースではオープニングラップの1コーナーで最後尾付近にまで順位を落とし、その後は怒濤の挽回劇を見せて5位にまでポジションを上げたものの、最終ラップの最終コーナーでポジションを3つ落として8位という結果に終わったJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、前回は予選の順位がレースの結果に悪影響を及ぼした事から、この日のテストでは主に予選タイヤ装着時のセッティング改善と、自身のライティング・スタイルの改造に徹底的に取り組んでいる。

■ドヴィツィオーゾ「ライディング・スタイルの徹底改善に挑戦」
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チームが様々なセッティングをサテライト仕様のRC212Vに忙しく試す中、レースタイヤと予選タイヤの両方においてライディング・スタイルの改造を試みたアンドレア・ドヴィツィオーゾのこの日のタイムは、全体の10番手となる1分40秒394だった。

「昨日のレースではMotoGPクラスを戦う上での厳しい現実に引き戻されましたね。カタールの後に幻想を抱いていた訳ではありませんが、ヘレスのレース後はプラクティス中のセッティングに関する技術的な要素やレース中の様々な側面に着目して分析を進める事になりました。チームと自分の一番の課題は、レースとプラクティスの時のデータをもっと厳密にしっかりと分析する事です」

「今回はデータを確認しながら自分のライディング・スタイルをしっかり見直し、レースでどのような効果が得られるかに着目しました。今のレース用のセッティングでは1周回きりのラップタイムを狙うのなら速く走れますが、もっとフルレース周回を通して安定した速さとリズムが得られるようにしていく必要があります」

「予選用のセッティングについては大きく改善を進める事ができましたので、後は自分が予選タイヤの性能を最大限に発揮する方法を学ぶ事だと思います」

■ムラローニ監督「チームは学習能力をさらに高める必要がある」
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JiRチーム・スコットのチーム監督を務めるチラーノ・ムラローニは、前日のレース結果を受け、チーム全体の学習能力と分析力の向上を大きな課題として掲げた様子だ。

「昨日のレースが終わってから、わたしたちは全ての技術的な側面からバイクとデータを分析しました」とムラローニ監督。

「昨日のレース結果は満足のいくものではありませんでしたが、アンドレアの走り自体は大変に良かったと思います。スタートでは大変な状況に陥りましたが、その後はレース終盤まで激しい追い上げを見せてくれましたからね」

「今後は全てのセッションを通してもっと素早く知識を蓄えられるようにしていく必要はありますが、今回のレース結果が良くなかったにしても、わたしたちはアンドレアの意欲の高さを良く理解していますし、チームの努力を結果に素早く反映してくれる事も分かっていますから、将来のレースに向けては楽観的ですよ」

■ジャンニ・ベルティ「最大の課題は予選タイヤ」
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JiRチーム・スコットのテクニカル・コーディネーターを務めるジャンニ・ベルティは、この日はドヴィツィオーゾが必死にライディング・スタイルを何度も変更しながらデータの検証をしていた事を明かしている。

「今日はガレージ内での作業を多く行い、RC212Vの性能をアンドレアの走りにより最大限に引き出せる方法を分析しました」とベルティ。

「今日はアンドレアがライディング・スタイルの変更から得られる効果を比較検証していたので、今回サスペンションのセッティングには手を触れていませんが、他の部分には若干の調整を加えています」

「現時点におけるチームの最大の課題は予選タイヤですが、今後はテクニカル・パートナーたちとの協力を進める事で、高いグリッド位置からレースをスタートできるようにしたいと考えています」


■ヘレス合同テスト2日目の走行結果

以下に、晴天に恵まれドライ・コンディションとはなったものの、風が強く路面に砂が巻き上がる事の多かった4月1日(火)のヘレス合同テスト2日目最終日の走行結果を示す。
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1) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分38秒940(86周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分40秒099(41周)
3) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分40秒184(44周)
4) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分40秒776(24周)
5) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分41秒852(47周)
6) ウィリアム・コステス FRA ミシュラン YZR-M1 1分42秒581(72周)

この2日目に予選タイヤを装着した事が判明しているライダーはレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンの1名のみ。


■テスト2日目の状況
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ヘレス合同テスト最終日の2日目にレギュラー・ライダーが参加したのはレプソル・ホンダとリズラ・スズキの2チームのみだが、レプソル・ホンダはこの日の作業状況も公開しているので以下にその内容を紹介する。

■レプソル・ホンダは2日目からタイヤテストに集中

1日目は2名のライダーが揃って2008年型マシンの基本的なセッティングに取り組んだレプソル・ホンダ・チームだが、テスト最終日のこの日はミシュランと共に新型タイヤのテストに終日を費やしたようだ。

テスト2日目のニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサは、ミシュランが今回のテストに持ち込んだ様々な種類のコンパウンドと16.5インチの新型リアタイヤを試し、その結果には高い満足度が得られたとしている。

■ヘイデン「新型シャシーは好調、今後はエンジンの改善が必要」
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ニッキー・ヘイデンはこの日にレースタイヤの耐久性検証を行う中で39秒後半の好タイムを記録し、セッション終了時刻までには予選タイヤも試して2日目のベストタイムとなる1分38秒940を記録した。

「今日は全てが順調でした。ミシュランと一緒に多くの作業をこなしながら、何本かのタイヤの耐久性検証も行いましたが、その中でレースタイヤを履いて39秒台後半に突入する事ができたのでとても満足でしたね」とヘイデン。
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「バイクの方のチューニングも若干行いました。ライダーのチューニングも含めてですけどね。色々いくつかの事を試しましたが、全体としてはすごく良好な1日だったと思います」

「シャシーの調子はとてもいいので、今後はエンジンの改善作業に取り組む必要があります。すごく長いストレートのある大きなサーキットでの戦いを近々迎える事になりますからね」

■ペドロサ「今後のセッティング作業が進めやすくなった」

ここまでの2回のレースを通してダニ・ペドロサは、フロントに標準仕様のプロファイルを持つミシュランタイヤを使用してきたが、冬季テスト中は怪我のために試す事ができていなかった新しいプロファイルのフロントタイヤを数種類この日に初めて試しており、好感触を持って全ての作業を終える事ができた様子だ。このレースタイヤを使用してのペドロサのこの日のタイムは1分40秒099だった。
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なお、夕方近くには風が強くなり路面上に砂が増えた事から、ペドロサはセッションの終了時刻を待たずにこの日は午後3時30分の段階で早めにテストを切り上げている。

「今日はミシュランの技術者と一緒にタイヤ関連の作業に取り組みましたが、すごく有益な1日になりました」とペドロサ。
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「特にフロントタイヤの作業に集中し、色んな種類のものをテストしました。ここまでに自分はミシュランの標準プロファイルしか使用していなかったんですが、今回のテストでは興味深い結論が得らています」

「他にはミシュランが今回のテスト用に持ち込んだリアタイヤを何本か試しましたが、今日も予選タイヤは使用していません」

「ここでのテストは今のバイクを深く知る上で非常に重要な2日間になりましたし、今後のセッティング作業を進めやすくなりましたね。午後は風が強くなり、砂がたくさん舞い上がってあまりいい路面状態じゃなくなったので、今日は早めに作業を終えています」

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