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バレンシアGP初日、低温路面に苦しむ各チーム
インテリマーク編集部
2007年11月3日

MotoGPの2007年シーズンが、ついに最終戦となる第18戦バレンシアGPの初日を11月2日にスペインのバレンシア・サーキットで迎えた。この日は朝から好天に恵まれ、暖かい陽射しにサーキットは包まれたが、午前のフリー・プラクティス開始時の路面温度は14度と例年よりも低く、今回のレースウイークに向けて持ち込んだハードコンパウンドのタイヤではグリップが十分に得られなかった事から、マシンのセッティングに苦しむチームも多く見られたようだ。
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ここでは、MotoGP最終戦の初日に行われたMotoGPクラスの午前と午後のフリー・プラクティスの状況を、各ライダーのコメントなどと合わせて紹介する。


■今回ドゥカティーはタイトル奪還記念カラー

すでに今年は圧倒的な強さでライダーズ部門、チーム部門、コンストラクターズ部門の年間タイトルを総なめにしているドゥカティー・マルボロ・チームは、この三冠達成と30年ぶり以上となる日本メーカーからのタイトル奪還を記念し、イタリアン・トリコロール(3色:赤、白、緑)のスペシャル・カラーのマシンを今回のバレンシアには持ち込んでいる。
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ただし、スペシャル・カラーとは言っても、今期のフィアット・ヤマハ・チームが2回のグランプリで見せたような通常のカラーリングとは全く異なるド派手なデザインではなく、マルボロ・ロゴを隠したいつもの白いストロボラインを3色に塗り分けたやや控えめなものだ。


■怪我人の情報、デイビスが最終コーナー立ち上がりで激しく転倒

なお、今回は午前の低い路面温度の影響もあり、1名怪我人が発生している。プラマック・ダンティーン・チームのチャズ・デイビスは午前のフリープラクティス中、タイムアタックに向けての準備周回の速度を低くしすぎた事からタイヤの温度が低くなり、それが原因でメインストレートに向けてスロットルを大きく開けたところでグリップを失ったマシンから投げ出されて背中と右足を強打、右手の中指、薬指、および小指の骨にひびが入るという重傷を負っており、デイビスはこの日の午後のセッションへの参加は断念している。
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■右手3本の指のダメージ以外に深刻な怪我はなし

クリニカ・モバイルの公式ページによれば、背中に激しい痛みを訴えたチャズ・デイビスはバレンシアの病院に搬送されてCTの検査を受けているが、幸い背中には打撲以外に深刻なダメージは見つかっていないという。

■デイビス「2日目の走行にも参加したい」

写真残りのセッションへの参加を希望しているデイビスは、予選当日となる2日目は午前中に医療検診を受け、その結果によりフリー・プラクティス3および午後の予選への出場可否を決定するようだ。痛みに苦しむデイビスは以下の通りコメントしている。

「バイクにいい感触が得られていた午前中に転倒してしまい、とても残念です。転んだのは自分のミスです。準備周回で少しスピードを落としすぎたためにタイヤの温度を冷やしすぎてしまい、ストレートでペースを上げる時にトラクション・コントロールが正しく機能せずに宙に打ち上げられました」とデイビス。

「明日は走りたいと思いますが、今は手と背中がものすごく痛いので、明日は痛みが和らいでくれる事を祈っています」


■MotoGPクラスの初日フリー・プラクティス総合順位

以下に、気温17度、路面温度18度、湿度49%のドライ・セッションとなった午前のフリー・プラクティス1と、気温22度、路面温度30度、湿度42%のドライ・セッションとなった午後のフリー・プラクティス2のタイムを合わせたMotoGPクラス初日の総合順位を以下に示す。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分32秒968
2) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分33秒084
3) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分33秒150
4) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分33秒319
5) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分33秒501
6) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分33秒519
7) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分33秒541
8) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分33秒620
9) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分33秒650
10) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分33秒680
11) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分33秒831
12) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分33秒899
13) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分33秒972
14) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分34秒000
15) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分34秒218
16) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分34秒352
17) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分34秒413
18) チャズ・デイビス GBR プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分35秒029
19) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 1分35秒335


バレンシアのサーキットレコード(990cc)は2006年にロリス・カピロッシが記録した1分32秒924、ベストラップレコード(990cc)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分31秒002。
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■今シーズン最後のレースウイーク初日もストーナー

写真今回のレースウイーク初日も、今シーズンの恒例通りブリヂストンを履くドゥカティーのケーシー・ストーナーが総合トップタイムを記録している。初日の総合2番手につけたダンロップTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリは予選タイヤを使用して今回のタイムを記録しているが、他のチームのメンバーは全員がレースタイヤを使用している。

■異なるタイヤメーカーが占めたトップ3

3番手タイムはシーズン終盤に入り3連続でポールポジションを決めている例外的に好調なミシュラン・ユーザー、レプソル・ホンダのダニ・ペドロサが記録しており、2番手タイムのダンロップは予選タイヤではあるものの、初日のトップ3を異なるタイヤ・メーカー3社が占めている。

■今回も僅差のバトル、レースに向けては2日目の予選が重要

多くの予想通り、マシン性能差がタイムにあまり反映されにくいバレンシアでは14名のライダーがほぼ1秒以内の僅差につけており、日曜日のレースは混戦のバトルになる事が予想される。また、追い抜き個所があまりないバレンシアでは、2日目の予選結果もレースの勝敗に大きな影響を与えそうだ。
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なお、ブリヂストンの好調さばかりが目立った今シーズンだが、シルバン・ギュントーリや玉田選手の今期の状況を見る限り、来期はまだ各チームから指名のかからないダンロップだが、予選タイヤとレースタイヤの両面で性能を上げている事は見逃せない部分だろう。


■各チームのバレンシア初日の状況

以下に、予想外の低温路面に苦しむ事が多かったという初日の各チームの状況を紹介する。

■ドゥカティー、最終戦にきても順調なストーナー
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今期最後のレースウイーク初日のトップを飾ったのも、2007年度のMotoGP最高峰クラス・ワールド・チャンピオンに輝いたドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。

■ストーナー「今回も全て順調」

写真ストーナーは午後にダンロップの予選タイヤを使用したTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリのタイムをブリヂストンのレースタイヤで0.116秒上回っている。

「今回も全てが順調でした」とストーナー。

「硬めのリアのコンパウンドでもうまく走れるように午後は色んな種類のセッティングを試してみました。気温が予想よりも今日は少し低かったですからね。もう少し高い温度を想定してタイヤを選んでいたので、もうあと少しタイヤの感触を上げたいんです」

「今日は何回か新しいタイヤに履き替えて走りましたが、その時はまだセッティングがあまりいい状態ではなかったので速いラップタイムは出せていません。でも、その後は古いタイヤを使ってセッティングを改善できたので、速く走れるようになりました」

「セッティングにはもう少し調整作業が必要ですが、今回はかなりの接近戦にはなるでしょうね」

■カピロッシ「リアのトラクションが不足」
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ストーナーのチームメイトのカピロッシは、ドゥカティーでの最後のレースウイーク初日はリアのトラクション不足に苦しみ、総合14番手と低迷したが、2日目にはこの問題を改善してコンマ5秒ほどタイムを上げたいとしている。

「リアのトラクションがもっと得られるようにチームで必死に頑張っています」とカピロッシ。

「リアには3種類のタイヤを用意していますが、今回の条件には少し硬すぎた感じですので、セッティングを調整してもっと重量配分をリア側にふる必要があります」
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「去年はここに合ったいいセッティングを見つけましたが、今とはバイクがかなり異なります。800ccマシンはタイヤのエッジを多用しますから、自分のライディング・スタイルでは難しい面が出てきているんです」

「いずれにしても、セッティングでどこまれやれるか様子を見ます。トラクションがさらに得られるようならばコンマ5秒かコンマ6秒は速く走れるようになる筈ですよ」


■レプソル・ホンダ、シーズン終盤を通して好調なペドロサ
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ここまでの3戦でポールポジションを獲得しているレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは今回も好調な様子だ。初日から非常に順調だったと述べるペドロサは、1日目の総合3番手タイム、ストーナーに次ぐレースタイヤでの総合2番手タイムを記録している。

■ペドロサ「いい結果を残す最後のチャンス」

写真早期にセッティングから好感触が得られたペドロサは、日曜日のレースに向けてのタイヤ選択に多くの時間をこの日は費やしている。

「今日はすごく順調なレースウイーク初日でした。自分の最後のラップタイムもすごく良かったです。両方のセッションで安定したペースで走れましたし、午後に路面温度が上がってからはタイムもすごく縮んでいます」とペドロサ。

「いずれにしても、まだセッティングとタイヤ選びに課題は残っていますし、本当に勝利を狙って戦えるようにするには、もう少し何かを見つけていく必要があります。全員のタイムがすごく接近していますから、ほんのちょっとの差がここでは大きく響きますからね」

「今シーズン最後のレースですし、いい結果を残す最後のチャンスですから、今回のレースは自分とチームにとってすごく重要です。それに自分にとってはホームですから意欲も高まりますし、ここでは勝ちたいので、それを目標に作業を進めていきたいです」

■ヘイデン「明日の2時間が重要」
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ナンバーワンのバイクで走る最後のレースとなったレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは、初日の低い路面温度に苦しみトラクションが得られず苦しんだという。午前の7番手だったヘイデンは午後の大半を15番手付近で過ごしたが、最終的にはマシンに改善の兆しが見えた事から、最終的には総合9番手で1日目の走行を終えた。

写真「正直、自分の思っていたようなレースウイーク初日とはいきませんでした。出だしかららもっと高い位置を狙いたかったです」とヘイデン。

「今日は路面温度が低くてタイヤを思い通りに正しく機能させるのに苦労しましたね。ただ、今日は改善はそれなりに進んだので、明日はもっといい走りがしたいですね。もっとタイヤの性能を引き出せるようなセッティングを明日には見つけたいです」

「あんまりグリップが得られないですね。今はそれを改善しなきゃいけないので、ミシュランが他にどんなタイヤを選んでいるのか確認して、セッティングも調整していくつもりです。今週はまだ多くの作業が残っていますし、明日の2時間の調整がすごく重要になりそうです」


■グレッシーニ・ホンダ、セパンの勢いを最終戦に持ち込むメランドリ
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前回のセパンで2位表彰台を獲得して自信をつけたというマルコ・メランドリは、ドゥカティーに移籍する前の最後のホンダでのレースウイーク初日を総合4番手という好調な出だしで飾っている。

■メランドリ「最初からいいベースセッティングを見つけた」

写真メランドリは今回のために用意していたベースセッティングに最初から好感触を示しており、バレンシアはホンダのマシンと非常に相性が良いという印象を抱いた様子だ。

「最初から調子が良かったので、今日は満足と言わなきゃいけないでしょうね」とメランドリ。

「バイクは本当に乗りやすいし、このサーキットにものすごく合っていると思いました。今日はいくつかタイヤの組み合わせを試して、どれが一番ここに適しているのかを確認しましたが、路面温度の変化が激しかったので結論を出すのは難しい状態でした」

「最初からいいベースセッティングを見つけたので今回は自信があります。これからサスペンションまわりの作業に取りかかりますが、もっとペースが上げられるように全体のセッティングも見直していきます」

■エリアス「まだ初日」

写真バレンシアはあまり得意なサーキットではないものの、地元のレースなので高い結果を残したいと述べていたメランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、初日の順位は総合15番手と低迷気味だが、2日目以降もセッティング作業を進めてホンダでの最後のレースをいい結果で締めくくりたいとコメントしている。

「この結果には満足できませんが、まだ初日ですから自信はありますし、このままバイクのセッティングとタイヤ選びの作業を続けていきます」とエリアス。

「ここは変わったサーキットですから正しいセッティングを見つけるのは簡単ではありませんが、ここはスペインですしホームのグランプリですから、シーズンをいい結果で終えたいと思っています」


■僅差のバトルに備えるリズラ・スズキ
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初日のフリー・プラクティスの総合5番手は、バレンシアが大好きだというリズラ・スズキのクリス・バーミューレンが獲得している。また、スズキでの5年間を高い結果で締めくくりたいチームメイトのジョン・ホプキンスは、初日はバーミューレンからコンマ2秒遅れの総合10番手だった。

リズラ・スズキのチーム監督であるポール・デニングは、2名のライダーが初日のトップ10に入った事は満足しているものの「ラップタイムが接近しているのでセッティングに妥協は許されない状態です。それにバレンシアは追い抜きが難しいので予選がすごく重要になりそうですから、そこまでに最高の仕事ができるようにしたいですね」と述べ、僅差の戦いに向けて気を許さない構えを示している。

■バーミューレン「バレンシアは楽しい」
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午後のセッションの大半をタイムシート上のトップ3以内で過ごしたバーミューレンは、初日から非常に楽しんで走れており、日曜日のレースが楽しみだとしている。

「バレンシアに戻ってこれて嬉しいです。すごく楽しめるコースですし、それに去年はここで速く走れました。レースでは運がなくて完走はしませんでしたけどね」とバーミューレン。
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「今日はチームが頑張ってすごく順調に作業を進めてくれました。バイクはいい仕上がりですし、同じタイヤで多くの周回を走り込んだのでレースに向けてのタイヤの耐久性も問題なさそうです」

「1列目を狙うにはもうコンマ5秒縮めなきゃいけないので、いくつかの点でまだ作業を進める必要はありますが、とにかくベストを尽くしますし、すでに今から日曜日に向けて自信が持てる状態ですよ」

■ホプキンス「スズキでの最後のレースは上位グリッドから」

初日はまだいくつかの課題が残ったままだというジョン・ホプキンスは、この日の晩にはそれらの問題解決に着手し、予選でいい結果を狙いたいとしている。
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「順位的に見れば満足できる結果ではありませんが、今日は作業的に見れば大きく改善は進みました。今の段階では全員のタイムがすごく接近していますし、コンマ数秒の違いでトップ5に入れたでしょうね」とホプキンス。

「今晩はいくつかの課題に着手したいと思います。今週中に自分のライディング・スタイルを数点見直したい部分がありますし、メカニックと作業を進める部分もいくつかあります。ブリヂストンはすごく調子がいいので、明日は耐久性を中心にテストを行います」

「明日は予選でいい結果を出したいです。スズキでの最後のレースを上位のグリッドからスタートしたいですからね」


■初日午前はややセッティングに苦しんだカワサキ勢
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カワサキ勢は初日のバレンシアの午前のセッションでは2名のライダーが15番手と17番手という予想外の低迷を見せたが、午後にはランディー・ド・ピュニエが大きくマシンの改善に成功して総合6番手の好位置で1日目の走行を終えている。その一方でアンソニー・ウエストは午後にも午前と同じ17番手と低迷しており、フロントとリアの両方のグリップが得られずに1日目は苦しんだ様子だ。

■ド・ピュニエ「1日でセッティングは大きく改善された」

カワサキでの最後のレースで表彰台を狙うというド・ピュニエは、最初はリアのグリップはあまり良くなかったものの、セッティングの改善が大きく進んで最終的にはマシンのコーナリング性能が大きく上がったと述べている。

「バイクの改善がすごく進みました。特にコーナーの進入と脱出の調子がどんどん良くなりましたね」とド・ピュニエ。
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「リアのグリップがあまり良くなかったので、今日はそれを調整しようと多くのセッティングを1日かけて試しました。リアにはハードコンパウンドを使いましたが、そのせいで今日は横滑りが激しかったです。柔らかめのものも試して、その時にはグリップが良くなりましたが、レースの長距離を走りきれるかどうかにはまだ疑問が残ります。ただ、フロントの調子はとても良かったですよ」

「ここ数戦で走ったサーキットとは異なるきついレイアウトのサーキットなので、最初は変な感じがしましたね。マレーシアと比べるとグリップが良くありませんが、明日がどうなるかはまだ分かりませんので様子を見るつもりです」

「今回のタイムは決して悪くはありませんが、いいタイヤが見つかればもっとタイムが上がるのは間違いありません。順位をもっと上げられるでしょうし、後続のライダーとの差も広げられるでしょうね」

■ウエスト「今日はフロントにもリアにも自信が持てなかった」
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最後までフロントとリアの両方に好感触が得られなかったというウエストは、この日はサスペンションまわりの調整はうまく進んだので、2日目以降は自信が得られるようにしたいとコメントした。

「今日はフロントとリアの両方にあまり自信が持てていません。加速とブレーキングの時に、コーナーの進入と脱出の両方でマシンが振られていました。現時点では、まだグリップが自分にとっては十分ではなく、思い通りに激しく攻める事ができないんです」とウエスト。

「ただ、今日はいくつかの事を試し、特にサスペンションまわりには大きな進展が得られています。さらに検討を進めていく必要はありますが、いい作戦を練って明日はもっと自信を持って速く走れるようにしたいです」

■金子直也氏「問題を明日には解決できる」
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カワサキのテクニカル・マネージャーである金子直也氏は、初日はセッティング上の課題が多く工夫が必要だったが、1日目のデータを翌日までに検証してさらにマシンの仕上がりを高めたいとしている。

「アンソニーがコーナーで自信が持てないのでサスペンションのセッティング改善に集中しました。まだ彼はグリップの課題をフロントとリアの両方に持っているので、これからデータをチェックしてパッケージの改善を進めていくつもりです」と金子氏。

「ランディーもマシンが横滑りする課題を抱えているので、エンジン・マネージメントを調整して問題を解決できるようにしたいと思います」

「タイヤに関しては、いい組み合わせが見つかるとは思っていますが、もう少し路面温度の状態を様子を見て、それから最終決定を下す必要があるでしょう。ただ、明日には今日の課題を解決できる筈です」


■プラマック・ダンティーン、好調のバロスが初日7番手
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チャズ・デイビスが午前の転倒で負傷したために、午後のプラマック・ダンティーンのライダーはアレックス・バロスの1名のみとなったが、この日にバロスは総合7番手の好位置で全てのセッションを終えている。

■バロス「新品のエンジンが楽しみ」

写真1日目の走行で自信を持つ事ができたというバロスは、2日目から使用する新品のエンジンに期待を寄せているようだ。

「午後のフリー・プラクティス中にフロントとリアの改善が大きく進み、明日に向けて大きく自信を持つ事ができました。タイヤについては日曜日のレースで耐久性を発揮できるものを探しています」とバロス。

「エンジンのメリットをさらに活かすには出力配分の調整作業を少し続ける必要がありますが、明日は朝から新品のエンジンが使えるのでちょっと楽しみですし、タイムを縮めるのにも効果が得られそうなので、予選でいいグリッドを確保できると思います」


■またも初日から低迷するフィアット・ヤマハ

シーズン終盤はマシンとタイヤの両面で苦しみ、なかなか順位を上げる事ができないフィアット・ヤマハ・チームだが、この最終戦でも初日はここ数戦と同様に不本意な低いポジションで全ての作業を終えたようだ。思い通りに走れないというバレンティーノ・ロッシは総合8番手、全く解決の糸口が見えないというコーリン・エドワーズはこの日の総合13番手だった。
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今回もグリップが得られずに苦しむフィアット・ヤマハのチーム監督であるダビデ・ブリビオは、「まだかなりの作業が必要といった感じです。2名のライダーに正しいセッティングを提供できるよう全力をつくし、タイヤの性能が引き出せるように多くの作業を試みています。今回は若干苦しみましたが、明日は全てのデータを活用して正しい方向性を見出したいと思っています。大きな改善が必要なのは間違いありませんが、まだ時間はありますし、両方のライダーと必死に頑張っていいマシンに仕上げるつもりです」と述べ、2日目以降に望みをつなぎたいとしている。

■ロッシ「あまり大きな進展が得られていない」

初日の順位を総合8番手で追えたバレンティーノ・ロッシは、この日はグリップの問題が深刻だったために、マシンの改善作業が思い通りに進まなかった様子だ。

写真「今日はすごく難しかったです。ここではもっといい形でレースウイークのスタートが切りたかったんですけどね!」とロッシ。

「最大限に攻めては走りましたが、今の段階では思い通りにバイクを操るのが難しい状態です。一番の問題はグリップが得られない事です。いくつかのタイヤとセッティングで状況は良くなりましたが、それでもまだひどく横滑りしますね」

「今日は今までと全然違うようなセッティングも試しましたが、ここまでにあまり大きな進展は得られていませんし、まだこのまま作業を続ける必要があります」

「自分たちのバイクは速くないので、セッティングをもっと改善しなければいけませんが、今の問題はタイヤの使い方の方にあるので、まだ戦えるような状況に辿り着けていません」

「全員がシーズンをいい形で終えたいと思っていますから、データを今晩しっかり検証しますし、明日の改善に備えるつもりです」

■エドワーズ「うまく言えないので問題を箇条書きにしたい」
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ロッシと同様に限界まで攻めて走ってはいるものの、どうにもタイムが上げられずに苦しんだというコーリン・エドワーズは、2日目に向けては抜本的な解決策が必要だと述べている。

写真「どれだけここで頑張ってるかは言葉ではいいつくせないので、まずは赤インクで箇条書きにでもしてみる必要があるかもしれませんね!」とエドワーズ。

「限界状態で頑張っていますが、今の段階では解決の糸口が全く見つかっていません。今日はずっと転倒のリスクを冒して走っていたような感じですが、それしか解決の手段はないのでずっと激しく攻め続けましたが、今のところ運に恵まれていません」

「左側がいいタイヤと右側がいいタイヤをそれぞれに見つけてはいますが、それをうまく活用できるような組み合わせが見つかりません」

「今朝は調子よく作業を開始できませんでしたし、午後に進展も得られていませんから、明日に問題を解決するには相当な荒療治が必要ですよ!」


■初日はリアタイヤに好感触を示すホンダLCR

来期のSBK行きを前に、MotoGPでの最後のレースウイークとなる地元バレンシアでの初日を、ホンダLCRのカルロス・チェカは総合11番手で終えている。この日に使用したリアタイヤにチェカは満足しており、日曜日のレースで使用するリアタイヤも初日の内に決定する事ができたようだ。

■チェカ「今回はトップスピードが速い」
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まだフロントタイヤの選択には多くのテストが必要だとするものの、ライバルたちのマシンと比較してストレートの弱さに苦しんだ今期のRC212Vが、この最終戦ではトップスピードのトップ3に入った事をチェカは喜んでいる。

「今日はタイヤまわりの作業を多く行い、レースに向けてのリアタイヤの選択はすでに確定済みです」とチェカ。

「ただ、フロントタイヤを選ぶにはまだ多くのテストが必要です。明日はセッティングの変更を加えながら、ハンドリングとフロントタイヤの最良な組み合わせを見つける作業を行うつもりです」

「ここではコンマ2秒の改善でも重要です。サーキットの全長が短いし、タイムもすごく接近していますからね。今回自分のホンダのマシンは速いですよ。トップスピードではトップ3に入っていますから、自分のMotoGPでの最後のレースに向けて、明るい兆候が得られたと思います」


■予選に期待するコニカミノルタ・ホンダ
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例年よりも低い路面温度に苦しみ初日の順位は16位に終わったものの、マシンのバランス配分を見直し、今回はセッティングに大きな問題は発生していないというコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は、2日目の予選は大きくポジションを挽回したいとしている。

■モンティロン「2日目には大きく順位を上げる」

コニカミノルタ・ホンダのオーナーであるジャンルカ・モンティロンは、中野選手が予選では初日の順位を大きく上回るだろうとコメントした。
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「今はまだ快適に乗れるマシンにはなっていませんから、シンヤのためにセッティングを完璧にする必要があるのは明白です。チャタリングも少し発生していますから、レースに向けてのタイヤ選択をしっかり行う必要もあります」とモンティロン。

「明日は大きな進展があると期待しています。シンヤは予選タイヤで確実に今日のレースタイヤでのタイムを大きく上回る筈ですよ!」

「今日もライダーのタイム差は非常に小さいので、今年のバレンシアも接近戦のレースが予想されますね」

■中野選手「今日は大きなトラブルがなく、マシンも悪くない感触」
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初日は順位ほどに作業内容は悪くないと述べる中野選手は、2日目以降はコーナリング速度を上げられるようにリアのグリップの強化に努め、日曜日のレースに向けて予選ではいい順位を獲得したいとコメントしている。

写真「午後には若干温度が上がり状況は改善されましたが、今回も初日のフリー・プラクティスは低い路面温度になりました。今日は4種類のタイヤを試しましたが、総合順位は16位とあまり良くないにしても、1〜2本のタイヤはそれほど悪くなかったですね。今回もすごく全体のタイムが接近しています」と中野選手。

「今日の良かった点は大きなトラブルが1つもなかった事です。今日は何人かのライダーの後ろにつけて走ってみて、どこで自分がタイムをロスしているのかを確認しましたが、それがコーナーの出口である事が良くわかりました」

「明日はさらにいくつかの調整を加えて、リアのグリップを強化できるようにしたいと思っています。ここみたいなテクニカル・サーキットではコーナーから脱出していかに素速く次のコーナーを狙えるかが重要になりますからね」

「このサーキットは特に250cc時代のいい思い出もありますし、楽しんで走れていますから、明日は今日よりもずっと上のポジションが狙いたいと思っています」

■ベルナルデッレ「路面温度が高くなって欲しい」
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コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、1日目の結果により作業の方向性は把握できており、順位には反映されなかったもののマシンの改善は進んだと述べている。

「2007年の最終戦についに突入しましたね。今回のバレンシアも過去の数戦と同じく、例年よりも路面温度がかなり低い状況でしたし、最初の路面温度は14度しかありませんでした。これがグリップ不足の問題につながっていますし、特にフロントまわりの感触がシンヤにとってあまり良くなかったようです」とベルナルデッレ。

「今日は何本かのタイヤを試しましたが、どちらの方向性に進むべきかは理解できたと思います。午後には重量配分をフロント寄りにするなど、セッティングを大きく変更しましたが、ラップタイムに結果が大きく反映されていないにしても状況は大きく改善されています」

「今回重要なのはシンヤがバイクからいい感触を得られている事です。明日はもっと高い温度になる事を願っています」


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