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イタリアGP初日、豪雨に襲われたムジェロ
インテリマーク編集部
2007年6月2日

イタリアのムジェロ・サーキットにおいて、昨日の6月1日よりMotoGPのイタリア・グランプリが初日を迎えたが、この日の午後は晴天に恵まれる事の多いムジェロでは珍しい大豪雨に襲われている。
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■激しい雨となった初日午後のムジェロ

MotoGPクラス初日午前のセッションは分厚い雲に覆われ、時折雷はなったものの路面はドライに保たれ、2005年の990cc時代にマックス・ビアッジが記録したサーキット・レコードに0.6秒差まで迫る好タイムが生まれたが、125ccクラスの予選1が行われていた午後のムジェロ・サーキットは、MotoGPクラスのセッションが開始される30分前から走行が困難なほどの豪雨に見舞われた。
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■気象条件の大変動により125ccクラスの第1予選通過者は10名

この結果、セッションの途中で豪雨となった125ccクラスは、前半にタイムアタックを行ったライダーと雨が強く降り出してからタイムアタックを開始したライダーのタイム差が大きく開く結果となり、予選通過者が僅か10名のみとなる異例の事態が発生している。
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■セッション開始が10分遅れとなったMotoGPクラス

MotoGPクラスの開始予定時刻になっても激しい雨と雷は収まらず、午後のフリー・プラクティス2は路面の安全が確認されてから予定より10分遅れて開始されたが、雨脚が少し弱まるまではほとんどのチームは走行を見合わせるか、非常の遅いペースでの周回を重ねていた。
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セッションの中盤に多くのライダーがコースに出てからもメインストレートには水が多く溜まっており、ギアを6速に入れて加速しようとするライダーはリアをスピンさせたり、時速200キロ近い速度でフロントが急にハイドロプレーニング現象を起こしてコントロールがきかなくなるなど、非常に怖い思いをライダーはしたようだ。


■MotoGPクラス午前フリー・プラクティス1の走行結果

以下に、良好なドライ路面に恵まれたMotoGPクラスの午前のフリー・プラクティス1の走行結果を示す。この時の気温は16度、路面温度は17度、湿度は59%だった。
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1) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分50秒743
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分50秒901
3) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分51秒022
4) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分51秒356
5) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分51秒414
6) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分51秒553
7) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分51秒621
8) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分51秒720
9) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分51秒803
10) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分51秒823
11) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分51秒982
12) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分52秒057
13) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分52秒125
14) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分52秒361
15) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分52秒396
16) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分52秒630
17) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分52秒726
18) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分53秒411
19) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分53秒541
20) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 1分55秒286


ムジェロのサーキットレコードは2005年にマックス・ビアッジが記録した1分50秒117、ベストラップは2006年にポールポジションを獲得したセテ・ジベルナウが記録した1分48秒969。トップスピードの最高記録である時速342.966はアレックス・バロスが2004年に記録している。
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午前のダニ・ペドロサの1分50秒743は、午後がフルウェットとなったために初日総合トップタイムであり、マックス・ビアッジの990cc時代の記録に約0.6秒差まで迫る好タイムとなっている。


■MotoGPクラス午後フリー・プラクティス2の走行結果

以下に、セッション開始時は走行が危険なほどの洪水状態の路面となり、終了間際の5分間だけは通常レベルのウェット路面となった午後のフリー・プラクティス2の走行結果を示す。
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この午後のセッション開始時の気温は13度、路面温度は12度と非常に低く、湿度は89%だった。

1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 2分07秒107
2) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分07秒125
3) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分07秒209
4) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分08秒453
5) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 2分08秒802
6) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分09秒195
7) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分10秒039
8) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 2分10秒220
9) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分10秒228
10) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分10秒312
11) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分10秒413
12) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 2分10秒943
13) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分12秒279
14) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分12秒466
15) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 2分14秒479
16) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分16秒857
17) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 2分17秒161
18) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 2分19秒873
19) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 2分23秒432
20) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分36秒112


ダンロップTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリは2周回のみの走行となっているが、これは彼には前戦のルマンでの転倒の影響が残っているため、危険な豪雨での走行における転倒のリスクをあえて避けたためのようだ。
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なお、雨が弱まってからのセッション終盤に午後のトップタイムを記録したドゥカティーのケーシー・ストーナーや、午前にドライでのトップタイムを記録したダニ・ペドロサなどは、「あの豪雨の中で攻めて走るのは正直賢い行為とは言えない」とコメントしている。
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■豪雨の中で再び好調な走りを見せたバーミューレン

午後の雨のセッションは、午前のドライの時から好調にタイムを伸ばしていたホンダLCRのカルロス・チェカと、前回の豪雨のルマンで優勝したばかりであるリズラ・スズキのクリス・バーミューレンが、まだ雨脚の強かったセッション前半から安定した走行を見せてタイムテーブル上のトップを争っていた。
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■セッティングに大きな自信を示すチェカ

ウェットセッティングは完璧と自信を示すチェカは、雨が弱まるのをまたずして走行を早めに終了しており、その後に若干雨脚が弱まったセッションの終盤はバーミューレンとジョン・ホプキンスのリズラ・スズキ勢がトップタイムと2番手タイムを独占している。
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■ロッシは午後のセッション終了直前に痛恨のミス

フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが最後のアタック中にミスをして転倒したセッション終了間際、ドゥカティーのケーシー・ストーナーが午後のウェットでの最速タイムを叩き出し、そこでフリー・プラクティス2は終了した。
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順調に区間タイムを更新していたバレンティーノ・ロッシが転倒していなければ、恐らくロッシがこの日のウェットでの最速タイムを記録していたが、結果として午後のセッションのトップ3を独占したのはストーナー、ホプキンス、バーミューレンの3名のブリヂストンユーザーだった。
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■若干改善に向かう事が予想されるムジェロの天気

本日2日目の天候は不安定な曇り空が予想されており、ウェットになってドライになっても不思議ではない状態だという。なお、決勝レースが行われる日曜日の午後には晴れ間がのぞく可能性も少し出てきているようだ。
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■各チームの状況やコメント

以下に、各チームの初日の調整内容やコメントなどを紹介する。

■新型マシンの調整を急ぐドゥカティー
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現在のポイントリーダーであるケーシー・ストーナーが午後の雨のセッションでトップタイムを記録し、ロリス・カピロッシは新型デスモセディチGP7で走行するなど、何かと話題の多いムジェロでのドゥカティー・マルボロ・チームだが、悪天候の影響により、カピロッシの新型マシンが日曜日のレースに投入できるかどうかは微妙な状態になっているようだ。

■ストーナー「あの豪雨で走ってもあまり意味がない」

ケーシー・ストーナーは、「雨だからと言ってそれほど悪い日ではなかった。ルマンではウェット用のセッティングが完璧じゃなかったので今回はそれに変更を加え、よりウェットでの走行に自信が持てるようになった」とコメントし、午後の雨のセッションをウェットマシンのセッティング改善に有効活用する事ができたとしている。
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さらにストーナーは「走れる程度で安全とは言えない状態のコースを走っても何の役にも立たないので、ピットに戻って雨が少し弱くなるのを待っていた」とコメントし、セッション終盤になるまでタイムアタックはあまり行っていなかった事を強調した。
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ストーナーはドライのセッティングに関しては、「もっと改善ができるのは明らかだし、もっとトラクションを向上させたい。他のコースで得られているようなハンドリング精度が得られていないのでもっとコーナリング時の性能を上げ、より激しいコーナリングにも耐えられるようにする必要があるが、ウェットでもドライでも課題は解決できる筈。」と述べ、2日目以降の作業への自信も示している。

■カピロッシ「新エンジンをレースで使えるかは明日の天気次第」

今回から本人専用に改良されたと言われる新しいエンジンを搭載した改良型デスモセディチで戦う事になったロリス・カピロッシは、この日の午前は古いマシンと新型マシンの比較検証を行い、午後には新しいマシンのみで走行しているが、悪天候のために予定通りに調整作業を進める事はできなかったようだ。
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「乗り始めてすぐにエンジン出力が低回転でもスムーズになった事が理解できた。ただ、今回の作業に今日の走行条件が適していないのは明らかだし、洪水状態のメインストレートで6速ギアに入れた時にはリアがスピンしてしまった。」とカピロッシは述べ、レースで新型マシンを使用するかどうかについては、「明日がドライなら新型マシンの調整を進められるが、もし雨なら日曜日のレースで新しい方に乗るの事は難しいだろう」とコメントしている。


■転倒のリスクを避けたレプソル・ホンダ勢

レプソル・ホンダ勢の2名も、ウェットでトップタイムを記録したストーナーと同様に、午後の豪雨のセッションでは無理をしてリスクを冒すような行為は避けたとしている。
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■ペドロサ「あの状況で攻めるのは賢くない」

午前のドライ・セッションでは初日から好タイムを記録したダニ・ペドロサは、午前中は普段通りマシンのセッティング調整とタイヤの選択を行い、短時間にいいベースセッティングが見つかったようだ。
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「もっと改善を進める上で色々なアイデアがあったのに、午後が雨でそれを試す事ができなくて残念」と述べるペドロサは、「正直言って、あのひどいウェットの路面を激しく攻めて走るのは賢い行為とは思えない」と、午後のセッションはあまり攻めの走りをしていない事を明かした。

「天気予報を見る限り、明日もどんな天気なのか良く分かりませんね」とペドロサ。

■大きめのカウルでムジェロのロングストレートに挑むヘイデン
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ペドロサのチームメイトのニッキー・ヘイデンは「午後が水が溜まっていて本当に危険な状態だった」とコメントしているものの、この日に行った作業内容については満足している。

「午前はいい路面コンディションが得られたしセッティングはいい方向に進んだ。午後は激しくは攻めてみたが、ルマンでウェットの感触があまり良くなかったので、マシンの限界点を把握するのに今回は時間がかかってしまった。でも、明日に向けての改善案はいくつかある」とヘイデン。
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また、今回からヘイデンは、以前からトップスピードを気にしているカルロス・チェカが試しているような面積の広いカウルを導入しており、ムジェロのロングストレートで乱気流を抑えるのに若干効果が得られたとしている。


■イタリアらしい天候への回復を望むフィアット・ヤマハ

ルマンでは悪天候に計画を台無しにされた事から、ムジェロでの晴天のレースウイークを待ち望んでいたフィアット・ヤマハ・チームだが、初日に彼らを待っていたのはコース上の大量の水だった。
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■ロッシ「ミスしなければ午後はトップだった」

この日の午前中に2番手タイムを記録していたバレンティーノ・ロッシは、午後のウェットのセッションでは最後のタイムアタックでミスして4番手に後退したが、初日の作業内容とバイクの調子には好感触が得られているという。

「今日の天気はムジェロに期待していたものと全然違う!」と述べ、この日の雨へのフラストレーションを顕わにしているが、「今日の作業内容には満足。午前は最初からドライで速く走れて2番手タイムを記録できた。セッティングについてはまだ改善の余地はあるが、正しい方向性が得られている。」とドライの内容についてはほぼ納得が得られたとしている。
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午後にトップタイムを逃した事については「すごく速く走れていたから午後のウェットの内容にも満足している。もしあそこで転んでなければ午後のトップになっていた筈なのでそれはすごく残念。ミスの原因はブレーキングポイントに高い速度で進入しすぎた事だが、怪我もしなかったしバイクのダメージも少なかったので良かった」と述べた。

また、ブリヂストンに先行されがちなタイヤについては「タイヤのライバルたちとは互角に戦えそうな感触がつかめているし、選択を間違えなければウェットでも大丈夫。明日は陽射しが得られる事を祈りたい」とコメントしている。

■ドライでのタイヤまわりのセッティングに問題を抱えたエドワーズ

写真ドライ用のタイヤにはほぼ納得しているロッシとは異なり、チームメイトのコーリン・エドワーズはルマンでテストしたタイヤが全く思い通りに機能せずに、午前のドライ・セッションを16位で終えている。

午後のウェット・セッションではマシンに好感触が得られて7番手タイムを記録したエドワーズは「午前のタイヤの問題をあれこれ究明するのに時間を使わなくて済んだので午後は雨が降ってラッキーだった。やるべき作業は見えているので明日は大丈夫だと思う。」と述べ、翌日以降のドライでの作業には自信を示している。

豪雨の中、エドワーズは時速180キロで走行中にハイドロプレーニング現象が発生して怖い思いをしたようだが、今回の雨はルマンの決勝当日に抱えたレインでの問題を究明するのには好都合だったといいう。


■リズラ・スズキ、ウェットとドライの両方に自信

午前のドライ・セッションではジョン・ホプキンスが3番手タイムを記録し、午後のウェットのセッション後半にはルマンでのレース中と同様にホプキンスとクリス・バーミューレンがワンツー体制を築くという好調さをムジェロでも見せたリズラ・スズキ勢は、今週のレースにも自信があるようだ。
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■ホプキンス「クリスの後ろを走ってウェットに自信」

午前のドライ・セッション中、ジョン・ホプキンスはレースの距離を走り込んだタイヤで自己ベストを記録しており、レースに向けての走行ペースにはすでに今回も自信があるようだ。
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またホプキンスは、前回のルマンの豪雨の決勝レースで優勝したチームメイトのクリス・バーミューレンの後ろを走って今回の午後の2番手タイムを記録しており、ウェットでの走行にも自信が持てるようになったという。

「雨の中で2台のバイクに異なるセッティングを試したがどちらにも好感触が得られた。ムジェロでもブリヂストンタイヤはすごく乗りやすいし、一貫していいグリップが得られている。週末の残りがどんな天候になっても、ウェットでもドライでも大丈夫」とホプキンスは語る。

写真■バーミューレン「ドライの時から調子が良かった」

クリス・バーミューレンはムジェロでは内心苦しむ事を想定していたようだが、「午前のドライの時にも最初から調子が良かった」と述べており、前回の雨のルマンでの好調さを今回の豪雨のムジェロにもそのまま持ち込んでいる。

豪雨が収まらないセッション中盤には他を圧倒する安定した走りでタイムシート上のトップに立っていたバーミューレンは、今回はルマンで少し不安のあったウェット用セッティングを見直し、レイン用のパーツを導入するなどしてさらに好感触を得る事ができたという。




■マシンの高い仕上がりに自信を示すホンダLCR

午前と午後のドライとウェットの両方を通じてタイムテーブル上のトップを奪い合い、自他共に認める高いマシンの仕上がりを見せたのは、ホンダLCRのカルロス・チェカだった。

写真■満足したチェカは午後のセッションを早めに切り上げ

チェカの午後のタイムは最終的には12番手とそれほど高くないが、これはチェカがマシンのセッティングは完璧と言えるほどの満足ぶりを豪雨の中で示し、早くから作業を切り上げ、多くのライダーがタイムをあげた雨が弱まってからのセッション終盤には走行を行わなかったためだ。

「雨の中ですごい好感触が得られた。特にフルウェットの時が素晴らしい。ドライとウェットの両方にいいベースセッティングが見つかったので、明日は天気の様子を見ながらレースに向けてのタイヤ選択を行うつもり」とチェカ。


■グレッシーニ、やり残し感の強いメランドリと満足するエリアス

グレッシーニ・ホンダの2名のライダは、揃って今回のムジェロ初日の走行には概ね好感触を得る事ができたようだ。
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なお、地元イタリア出身のライダーであるマルコ・メランドリのところには、イタリアのスポーツ大臣であるジョバンナ・メランドリさんが訪れ、お互いのファミリー・ネームが同じメランドリである事などについて親しみのある会話がなされたようだ。

また、ジョバンナさんは、同じくイタリア人ライダーのロリス・カピロッシのところにも、激励の面会に訪れている。

■メランドリ「セッティングの検証作業は明日に持ち越し」

初日の午前にメランドリは、コーナー進入時の速度をより高められるようバイクのセッティングに集中したが、午後の雨により作業は中断し、翌日にこの作業の仕上げは持ち越されたようだ。メランドリの午前のドライでのタイムは12番手、午後のウェットでは6番手だった。

「午前はシャシーの調整を行い、コーナリング性能の改善に努めた。午後に雨が降ってきて午前のデータを検証する時間がなくなったので、明日には作業を再開したい」とメランドリ。

■エリアス「目標には近いところまできている」
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メランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、ルマン翌日に仕上げたセッティングのおかげで、この日は終日納得のいく作業ができたと喜んでいる。エリアスの午前のドライでのタイムは6番手、午後のウェットでは11番手だった。

「初日の内容には満足できた。まだセッティングに残作業はあるが、今でもそんなに目標からは遠くないところまで来ている。ウェットについてはどこを改善すればいいか把握できているし、午前のドライではすでに好感触が得られている。天気予報は今も不安定だからタイヤ選択は難しいが、今回のレースはそれが重要になりそう。」とエリアス。


■ミス・イタリアを投入するプラマック・ダンティーン
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プラマック・ダンティーンの2名、アレックス・バロスとアレックス・ホフマンは、初日午前の作業内容には満足しているものの、午後のウェット路面では揃って問題を抱えており、結果としてあまりタイムを伸ばす事ができなかったが、現在のチームの作業の方向性については自信が持てるようだ。

なお、決勝当日のプラマック・ダンティーンチームのグリッドには、2006年度ミス・イタリアのクラウディア・アンドレアッティさんが登場する。

プロポーションの良さで定評のあるアンドレアッティさんはレース開始直前のプラマック・ダンティーンチームのピットを訪れ、そのままバロスとホフマンのスターティング・グリッドを行き来する予定だ。

■バロス「タイヤトラブルで作業時間をロスした」
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午前のドライ・セッションでは7番手タイムを記録したものの、午後のウェット路面ではフロントまわりの感触に問題を抱えて18番手に順位を落としたアレックス・バロスは、「午後はブリヂストンタイヤに問題が見つかり、ピットに戻ってセッティングの調整作業をやり直した。コースに戻ってからすぐにマシンの改善状況を体感する事ができたが、すでに時間をロスしていたので思い通りに作業を進める事ができなかった」としている。

しかしながら、バロスはこの日の午前に見つけたドライ用のセッティングには満足しており、「全体的には自信が持てるし、作業の方向性も正しかった。まだ改善の余地はたくさんあるので、明日はレース用のセッティングに時間を費やしたい。」と翌日に向けての方針を語った。

■ホフマンはマシントラブルのためスペアマシンを使用
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午前は11番手タイム、午後にはチームメイトのバロスの手前の17番手タイムを記録したアレックス・ホフマンは、この日の作業には満足しているものの、午後の雨により午前中の成果がタイムに反映できなくなった事が残念だとしている。
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なお、ホフマンは午後のウェットでの走行中にメカニカル・トラブルが発生し、スペアマシンへの乗り換えを余儀なくされた。


■初日の順位に苦しむコニカミノルタ・ホンダ

最近はレースウイーク初日の順位に苦しむ傾向があるコニカミノルタ・ホンダチームの中野真矢選手は、この日の午前のドライ・セッションを14番手、午後のウェット・セッションを15番手で終えた。
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■モンティロン「今日のタイムは重要視しない」

なお、コニカミノルタ・ホンダのチームオーナーであるジャンルカ・モンティロンは、「午前の最初の状況はそれほど悪い状況ではなかったが、最終的に不安定な天候の影響を大きく受ける事になった。午前は新しいタイヤのテストから開始したがシンヤ(中野選手)は新しい素材に好感触を示している。今日のコンディションは理想的なものだったとは言えないので、今日のタイムについてはあまり重要視していない。全体的に自分たちのセッティングを評価するのには適した日だったとは言えない。」とコメントし、「翌日以降は天候は良くなる」として、2日目以降の改善に期待を示した。
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■スペアマシンへの乗り換えを余儀なくされた中野選手

写真洪水状態の豪雨となったこの日の午後、コニカミノルタ・ホンダチームはウェット用とドライ用の2台のマシンを準備していたという。午後の最初に使用したマシンが膨大な雨量の路面に適さないというセッティング上の問題を抱えたために中野選手はピットに戻り、チームは問題の改善に全力をつくしたが作業は難航、結局雨が弱くなったセッションの終盤になってもう1台のバイクにウェット用の調整を施して走行を再開したが、この時には数周回するだけの時間しか残っていなかったようだ。

中野選手は、「午前中はサスペンションのバランスを変更してマシンの感触はすごく良くなった。午後に向けていくらか調整を進めたが、雨と小さなトラブルに見舞われてピット内でしばらく待つ事になり、その間にチームは問題解決に向けて真剣に取り組んでくれたが、最終的にはセカンドバイクにレインタイヤを装着して走る事になった」と、この状況について説明している。
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「ドライ用にも、ウェット用にもいいセッティングを探さなければいけない。だから明日は天気がどうなろうとすごく忙しくなる」と中野選手。


■ライダーの体調不良に苦しむカワサキ

怪我から復帰したばかりの2名のカワサキのライダーにとって、初日のムジェロは体力的に厳しい1日だったようだ。
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ランディー・ド・ピュニエは前回のルマンのレース中の転倒で右肩を負傷したが、この日は右コーナーへの進入時にその影響が出てしまい、この結果、ド・ピュニエはタイムをあまり伸ばす事ができずに午前のセッションを15番手、午後のセッションを13番手で終えている。

また、中国での右腕の負傷により前回のルマンを欠場したオリビエ・ジャックは、この日のムジェロから走行に復帰しているが、何周か走っているうちに右腕に力が入らなくなるという問題に苛まれ、肩の力でそれを補いながらの走行になったようだ。
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しかしながら、2名ともにこの日の走行を終えるまでには体力的な回復が見られたため、翌日以降のセッションではさらなる改善に向けての努力を続けるとしている。

■ド・ピュニエ「新しいエンジンはウェットだと過激」

ランディー・ド・ピュニエにとって、今回の午後の豪雨は新しいエンジンをウェットで試すいい機会になったようだ。雨の中では出力特性にまだ調整が必要だとド・ピュニエは語る。
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「ひどい土砂降りのセッションになったが、新しいエンジン特性をウェットで試すいい機会になった。雨の中では少し出力が過激すぎるのでまだ調整は必要。この影響もあり、今日はいいタイムを出せなかったが、進むべき方向性は見えているので明日には期待できる。」とド・ピュニエ。

■ジャック「雨は体力的に楽だった」

1戦のみの欠場でグランプリに復帰できた事を喜ぶオリビエ・ジャックは、午前はパワーサーキットのムジェロでのドライ走行に腕力の問題を感じたようだ。しかしながら、午後は雨になったせいもあり比較的楽に走れたとしており、体力的な問題はすぐに解決するだとうとコメントしている。
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「腕力を補うのに肩の力を使ったが、このために方向転換の精度が失われた。ピットに戻って何回か休む必要があったが、体力はすぐに戻るので心配はしていない。雨の中で走る場合は身体への負担が若干少ないので、午後はバイクを洪水のような路面上でコントロールするのは難しかったが体力的には楽だった。終盤には雨が弱まったのでタイムを上げる事はできたが、まだリアのトラクションがあまり得られていないので明日はそれを改善する必要がある。」とジャック。


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