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第3戦バーレーンGP、初日の結果と各チームの状況
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インテリワン編集部
  2008年4月5日

2008年度のF1第3戦目となるバーレーン・グランプリが、4月4日にレースウイークの初日を迎えている。ここでは、砂漠に位置する事からアスファルト上に砂が多く、ストレートから低速コーナーにかけてのブレーキング性能が重要視されるバーレーン国際サーキットにて行われた初日の2回のフリー・プラクティスの結果と総合順位、ならびに各チームの1日目の作業状況やチーム関係者のコメントなどを紹介する。
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■例年通り砂に覆われた1日目のアスファルト

初日のバーレーン国際サーキットは例年通り過去数日間に巻き上がった砂に路面が覆われており、午前中はリスクを避けて路面状況が改善されるまで走行を見合わせるチームも少なくなかったようだが、この日は比較的に早いタイミングでアスファルト上の砂は少なくなった事から、午後には多くのドライバーが精力的に走り込んで車両のセッティングやタイヤの評価作業を予定通りに進める事ができた様子だ。
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■午後の終盤にハミルトンがクラッシュ

この日の午後には大きなクラッシュが発生している。セッション終盤に攻め込んで走っていたマクラーレンのルイス・ハミルトンは高速コーナリング中にタイヤを縁石に接触、7コーナー脇の壁に衝突した。幸いハミルトンに怪我はなかったが、その後は大事を取って医療センターでの検査を受けている。
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■バーレーン1日目の走行結果

バーレーンGP初日に行われた午前のプラクティス1(P1)と午後のプラクティス2(P2)の走行結果はそれぞれ以下の通り。
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初日午前(P1) 気温28〜30度、路面温度35〜39度、ドライ・コンディション

1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分32秒233(20周)
2) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分32秒350(15周)
3) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分32秒415(23周)
4) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分32秒705(21周)
5) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分32秒868(20周)
6) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分33秒121(24周)
7) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分33秒333(16周)
8) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分33秒539(27周)
9) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分33秒788(20周)
10) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分33秒815(19周)
11) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分33秒929(28周)
12) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分33秒950(20周)
13) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分33秒981(24周)
14) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分34秒106(17周)
15) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR2B 1分34秒235(27周)
16) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR2B 1分34秒321(32周)
17) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分34秒892(20周)
18) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分34秒915(16周)
19) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分35秒174(12周)
20) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分35秒429(22周)
21) アンソニー・デビッドソン GBR スーパーアグリF1 SA08A 1分36秒145(6周)
22) 佐藤琢磨 JPN スーパーアグリF1 SA08A 1分36秒536(6周)
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初日午前(P2) 気温31〜32度、路面温度39〜44度、ドライ・コンディション

1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分31秒420(30周)
2) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分32秒327(30周)
3) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分32秒752(30周)
4) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分32秒847(26周)
5) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分32秒915(29周)
6) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分33秒022(34周)
7) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分33秒048(27周)
8) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分33秒098(33周)
9) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR2B 1分33秒197(37周)
10) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分33秒247(37周)
11) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分33秒710(33周)
12) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分33秒755(26周)
13) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分33秒782(34周)
14) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分33秒822(38周)
15) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分33秒856(30周)
16) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分33秒966(35周)
17) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分34秒023(36周)
18) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分34秒388(35周)
19) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分34秒405(34周)
20) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR2B 1分34秒787(30周)
21) 佐藤琢磨 JPN スーパーアグリF1 SA08A 1分35秒288(24周)
22) アンソニー・デビッドソン GBR スーパーアグリF1 SA08A 1分35秒712(25周)


■初日のフリー・プラクティス総合結果

P1とP2を通しての1日目の総合順位を以下に示す。
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1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分31秒420
2) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分32秒327
3) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分32秒415
4) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分32秒705
5) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分32秒752
6) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分32秒915
7) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分33秒048
8) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分33秒098
9) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR2B 1分33秒197
10) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分33秒247
11) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分33秒539
12) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分33秒710
13) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分33秒755
14) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分33秒782
15) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分33秒856
16) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分33秒966
17) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分34秒023
18) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR2B 1分34秒321
19) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分34秒388
20) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分34秒405
21) 佐藤琢磨 JPN スーパーアグリF1 SA08A 1分35秒288
22) アンソニー・デビッドソン GBR スーパーアグリF1 SA08A 1分35秒712


■各チームのバーレーン1日目の状況やコメント

バーレーンでの初日の作業を終えた各チームの概況、ならびに全ドライバーやチーム関係者のコメントを以下に紹介する。

■フェラーリは初日の総合トップ2を独占
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2月初旬に冬季テストを行ったバーレーン国際サーキットに2ヶ月ぶりに戻ったフェラーリ勢は、バーレーンGP初日となるこの日に行われた午前と午後の2回のフリー・プラクティスを通して、タイムシートの総合トップ2を独占している。初日の総合トップタイムはフェリペ・マッサの1分31秒420、総合2番手タイムはキミ・ライコネンの1分32秒327だった。

グランプリ初日の作業として、フェラーリの2名は2月のバーレーンでのテストの時に使用したF2008のセッティングを再調整すると同時に、今回ブリヂストンから提供された2種類のタイヤの比較検証テストを実施している。

■マッサ「残りの2日間にも自信」
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初日の2回のセッションを通してタイムシート上のトップの座を維持したフェリペ・マッサは「今日は午前の最初からいきなり車のいいセッティングを見つける事ができたし、午後には路面のコンディションも良くなってくれた。セッティングに関しては正しい方向性を持って作業を進める事ができているので、今週の残りの作業にも自信がある。このサーキットは好きだし、高いレベルで戦える筈。明日と日曜日も風は強くなるだろうし、そのせいでドライビングはさらに難しくなるだろうが、その一方でグリップはもっと良くなると思う」と述べ、2日目以降に向けても自信の程を示した。

■ライコネン「2種類のタイヤに大きな性能の違いはない」
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マッサに次ぐ総合2番手タイムを初日に記録したキミ・ライコネンは、「午前の作業状況にはとても満足できていたが、午後はさらに好調だった。今日は2月のテストの時のセッティングから開始し、その後は様々な種類のセッティングを試したが、予選とレースに向けて多くのデータを収集する事ができた。車の調子はいいので、ライバルたちが強くともいい戦いができると思う。2種類のタイヤの性能に大きな差はない」と、1日目のマシンの仕上がりに好感触を示している。
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■ドメニカリ代表「1日目は良好。マシンにはさらなる微調整を加える予定」

チーム代表のステファノ・ドメニカリは「今日は好調な1日だったが、まだ今週全体の展望を述べるのは時期尚早。今後は仕上がりの細かな点を見直し、予選とレースに向けての準備に集中する」と1日目の作業を終えてコメント。
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■ルカ・バルディセッリ「マシンとタイヤの両面について満足」

フェラーリのトラック・オペレーション責任者を務めるルカ・バルディセッリは初日の作業内容について「全ての作業項目を終える事ができた。最良のセッティングを探す中で今回使用できる2種類のタイヤの比較テストを行ったが、セッティングとタイヤの両方の分野で満足のいく結果が得られている。2月のテストの時のデータも有効に活用できているが、気象条件があの時とは異なる事を常に念頭に入れて作業を進めなければいけない」と説明。


■マレーシアで苦しんだウィリアムズはバーレーンに好感触
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フェラーリ勢に次ぐこの日の総合3番手タイムを記録したのは、午前中にこの日の自己ベストタイムである1分32秒415を記録したウィリアムズのニコ・ロズベルグだった。チームメイトの中嶋一貴選手は初日の総合8番手タイムとなる1分33秒098を記録している。
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レースウイークを通して苦しんだ前回のマレーシア戦とは異なり、このバーレーンでの初日に2台のマシンは大きなトラブルに一切見舞われる事なく順調に全ての作業を終えており、セッティングの変更を何度も繰り返す中でエンジニアとドライバーの両方が満足のいくデータを1日目から収集する事ができた様子だ。

■ロズベルグ「やっと正常な状態に戻った」

初日の総合3番手タイムを記録したニコ・ロズベルグは、「前回のマレーシアのレースの時と比較して車の状態には満足できている。やっと正常な状況に戻った気がするので期待が持てる。このサーキットの路面は自分たちの車との相性が悪くないので走っていて楽しい。今日は2回のセッションを通してセッションに色々大きな変更を加えたが、いい作業の方向性が得られたと思う。中間グループのタイムがすごく接近しているが、今週は自分たちがうまくやれるチャンス。車の信頼性が高かったおかげで走行時間を有効に活用する事もできている」と述べ、チームの車との相性が悪かった前回のマレーシアから一転して今回のバーレーンでは良好な状況にある事をアピールしている。
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■中嶋選手「午後にマシンの調子を大幅に改善」

バーレーンでの初日の作業を終えた中嶋一貴選手は、「今日は何もトラブルが発生しなかったので、プラクティスの時間を最大限に活用する事ができた。午前のセッション中は若干苦労したが、午後にはセッティングに大きな変更を加えて良好な結果が得られた。明日も作業を続ける必要はあるが、いい初日を終える事ができた」とコメントし、チームメイトのロズベルグと同様に好感触を示した。
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■サム・マイケル「初日はトラブルフリー」

ウィリアムズのテクニカル・ディレクターを務めるサム・マイケルは「信頼性の観点から見て何も問題のない順調な1日だった。セッティングの変更作業を一通り行う中、タイヤや冷却システム、ブレーキなど、全ての検証を行う事ができたので、今後は予選に向けての作業を開始する予定」と1日目の作業が何の障害もなく順調に進んだ事を説明した。


■マクラーレン、セッション終盤にハミルトンが壁に衝突
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午後のセッションのタイムシート上では好調のフェラーリ勢に続く3番手と4番手タイムを記録したマクラーレン勢のバーレーン初日の総合順位は、1分32秒705を記録したルイス・ハミルトンが総合4番手、1分32秒752のヘイキ・コバライネンはそれに次ぐ総合5番手だった。

この日の午後のセッション終盤にハミルトンは縁石に接触、制御を失って壁に激突している。幸いハミルトンに深刻な怪我は無かったが、大事を取ってその後は作業を中断、医療センターにて検査を受ける事となった。

■ハミルトン「ガレージのスタッフが怒っていない事を祈る」
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この日のセッション終盤の事故を残念がるハミルトンは、チームのスタッフが夜に行うマシン修復作業が大変にならない事を願っている様子だ。

「順調だった1日目の作業を7コーナーの壁にぶつかって終える事になり残念。激しく攻めている最中だったが、時としてこういう事は起こるもの。身体の方は大丈夫なので、車のダメージもあまりひどくないと嬉しい。いずれにしても最初からエンジンとギアボックスの載せ替え作業は予定していたので、ガレージの作業スタッフにそれほど恨まれていない事を祈りたい。」とハミルトン。
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「午前のセッションはタイヤを変えずにそのまま走り続けた。序盤からタイヤの一部分が削れてしまっていたが、まだプラクティス1だったのでタイヤをセーブする事を決めて交換しなかった。ただ、その振動が車に悪影響を及ぼさないようにチームは常時モニターで状態を監視していた。路面はひどく汚れていたが、2回のセッションを通してアスファルトの状態は改善されていった」

■コバライネン「車の調子はいいので2日目以降が楽しみ」
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ヘイキ・コバライネンは、今回のバーレーンではブレーキまわりのセッティング調整とそのデータ収集から作業を開始したとしている。また、午後に比較した2種類のタイヤの性能については、他のチームと同じくあまり大差がないと感じた様子だ。

「ここはブレーキに厳しいコースなので、最初のセッションはその部分の作業に集中し、全てが正しく機能しているのを確認するために、可能な限り多くのデータを収集した。それに最初は路面がとても汚れていてグリップを得るのが難しかったので、プライムタイヤを1セット以上使っても無駄だと判断した」とコバライネン。
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「午後のセッションでは通常のセッティング作業とタイヤの評価に着手したが、ここではオプションとプライムに大きな性能の違いは見られていない。車の調子はいいので、レースウイークの残りが楽しみ」

■ロン・デニス代表「ブレーキに厳しいサーキットだが現状特に問題なし」
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マクラーレンのチーム代表を務めるロン・デニスは、この日の作業内容について「バーレーンはブレーキの負担が激しいサーキットの1つなので、今日はブレーキの性能を終日モニターしながら評価したが、特に問題は発生していない」とコメント。


■BMWザウバーはレースに向けてのセッティング作業に集中
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日曜日のレースに向けて、マシンのセッティングとタイヤの評価という通常のレースウイーク初日の作業を大きなトラブルなく終える事ができたとするBMWザウバー・チームの2名のバーレーン初日の総合順位とタイムは、ロバート・クビサが1分32秒915の6番手タイム、ニック・ハイドフェルドが1分34秒023の17番手タイムだった。

■クビサ「初日はエアロの調整を行い全体的に好調」
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この日の総合6番手タイムを記録したクビサは、「今日の作業内容には満足。多くの周回を走り込んでF1.08のエアロ関係のセッティングを行ったが、車のバランスは順調に改善されていった。全体的に非常に作業のはかどる1日だった」と述べ、1日目の作業には全体的に満足できている事を示した。
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■ハイドフェルド「ロングランは問題ないが・・・」
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初日のタイムは総合17番手という低い位置に終わったハイドフェルドは、「今日はテクニカル面での問題は一切発生する事なく、予定の作業項目を全て終えている。砂による悪影響もそれほど問題なかった。ロングランの時の車のバランスには今でも満足できているが、1周回きりのタイムアタックを前提とした時の車のバランスには若干問題を抱えている。これからデータを分析して明日の予選に向けての改善を進めたい」とコメントしており、レースに向けてはあまり問題はないものの、2日目の予選に向けてはさらなるセッティングの改善が必要な事を明かしている。
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■ウィリー・ランプ「クビサは好調、ハイドフェルドはバランス調整に課題」

BMWザウバーのテクニカル・ディレクターを務めるウィリー・ランプは、バーレーンでの初日の作業状況について「1日目のプラクティスの内容には満足できている。今日はレースに向けての準備とタイヤの比較評価を行った。ロバートはセッション序盤から車に好感触を得た様子だが、ニックの方はまだ車のバランスに納得ができていない。今後はデータを分析して結果を車に反映していく予定。テクニカル面での問題は何も発生しなかった」と説明。


■レッドブルの課題はリアのトラクション向上
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バーレーン初日は若干リアのトラクション不足に苦しんだものの、車の信頼性には自信を示すレッドブル勢のこの日のタイムと総合順位は、デビッド・クルサードが総合7番手タイムの1分33秒048、マーク・ウェバーは総合14番手タイムの1分33秒782だった。

■クルサード「バーレーンは好みのサーキット」
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バーレーンは好みのサーキットだと語るデビッド・クルサードは、「今日は作業が順調に進みいいデータを集める事はできたが、明日に向けてはまだトラクションとリアの安定性を向上させる必要がある」と初日の感想をコメント。
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■ウェバー「2日目以降に向けてタイヤへの理解を深めたい」
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初日の2回のフリー・プラクティスを通しての結果を総合14番手で終えたマーク・ウェバーは、「午後は非常に順調だったし車の信頼性も高かった。今晩は多くのデータを分析してタイヤへの理解を深めるつもり。明日もいい走りをして好調なまま日曜日を迎えたい」と述べた。
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■トロ・ロッソ、好感触のブルデーと解決の糸口が見つからないベッテル

今シーズンへの実戦投入が遅れているチームの2008年型マシンであるSTR3のシェイクダウンをイタリアのヴァイラーノ・サーキットで先週やっと済ませたばかりのトロ・ロッソだが、彼らは今回のバーレーンGPにも、前回までの過去2戦と同様に2007年型シャシーをベースとしたSTR2Bで挑む。
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2名が揃ってあまり走行を経験した事のないバーレーンでの初日のトロ・ロッソ勢の順位とタイムは、初のバーレーンを大変に気に入ったというセバスチャン・ブルデーが9番手タイムの1分33秒197、終日グリップを得られず苦戦を強いられたというセバスチャン・ベッテルが18番手タイムの1分34秒321だった。

■ブルデー「バーレーンが気に入った」
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この日に初めて走行したバーレーンに好感触を示すセバスチャン・ブルデーは、「午前から好感触がつかめており、午後に入っても好調だった。金曜日のセッションでここまで多くの走り込みができたのは自分にとっては今回が初めての事だし、とても嬉しい。このサーキットを走るのは初めてだがすごく気に入った。3つの低速コーナーは本当にものすごく低速なので、どの車にとっても走りにくい筈だが、砂で路面が汚れている割に路面の状態が想像以上に良かったし、すぐにきれいになった。風が弱い時は本当に走りやすいが、明日と日曜日はまた風がぶり返すと思うし、走るたびに状況が変わるので毎回ちょっとしたチャレンジになりそう」とコメントしており、高い順応力をアピールしている。
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■ベッテル「どこから改善して良いのか分からない状態」
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ブルデーとは異なり、この日は最後まで苦戦したというセバスチャン・ベッテルは、1日目の走行を終えて「厳しい1日だった。このコースは1年間のうちに使用される機会が少ないので、初日はグリップが得られず、午前中は大変な思いをした。午後に入り状況は少し改善されたが、まだ希望とはほど遠い状態にある。今の状況をまとめると、グリップが不足していてすごく遅いペースでしか走れていない。正直、どうやって改善を進めていいのか分からない状況だが、明日の朝のセッションまでにデータを分析すれば状況は変わる筈」と述べており、2日目以降に解決の糸口が見つかる事を祈っている様子だ。
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■初日は燃料を多く搭載してブレーキ性能を検証したルノー勢

ルノーF1チームは、風が強く砂の多い初日の2回のセッションではあったが、予定通りに車のセッティング作業と2種類のタイヤの比較検証作業を完了させる事ができたとしている。この日にルノーの2台は燃料を多く搭載しての走行を繰り返しており、バーレーンのコースレイアウトの特性上、最も負担が大きくかかるとされるブレーキの性能検証に作業の焦点をあてた様子だ。
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2日目の予選と日曜日のレースに向けて多くの情報を収集する事ができたとするルノー勢の初日の総合順位とタイムは、ネルソン・ピケが10番手タイムの1分33秒247、フェルナンド・アロンソは13番手タイムの1分33秒755だった。

■ピケ「予選に期待が持てる」
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初日の総合10番手タイムを記録したネルソン・ピケは「今日は朝から多くの時間をブレーキまわりの作業に費やしたが、午後のセッションまでに車の挙動が良くなり、より快適に走れるようになった。走行ペースをもっと改善する必要はあるが、明日になれば大丈夫だと思うし、予選にも期待が持てそう」とコメントしており、1日目の作業内容には好感触を示している様子だ。
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■アロンソ「トラクションが得られない」
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タイムシート上の13番手で初日の作業を終えたフェルナンド・アロンソは、「今日は楽とは言えない1日だった。レースに使えるセッティング探しに集中したが、それほど速くは走れていない。今日はトラクションを得るのが難しかったので、明日もその部分に集中して作業を進めたい。もっとスピードが改善できるように今晩はしっかりデータを分析する予定」と述べ、1日目を終えた段階では、まだトラクションやグリップ面での課題が大きい事を説明している。
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■パット・シモンズ「グリップとバランスの向上に課題」

ルノーのエンジニアリング責任者を務めるパット・シモンズは、「強風にもかかわらず今日の走行条件はそれほど悪くなかった。このサーキットはブレーキに厳しいコースなので、今回は燃料を多く搭載して走行する事に終始したが、グリップと車のバランスの向上に向けては今後も作業を続ける必要がある。いずれにしても大量のデータを収集する事はできたので、今晩はこのデータを分析することでセッティングの最適化を進めたい」と、初日の状況について説明した。
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■デニス・シュヴリエ「2日目以降はライバルたちも速くなる筈」

ルノーのエンジン・トラック・オペレーション責任者を務めるデニス・シュヴリエは「今日は特に作業が中断するような事態もなく、順調に通常通りの初日の作業を進める事ができた。夕方は今日のデータを活用し、特にタイヤへの理解を深めてトラクションを向上できるようにする必要がある。明日に向けての改善余地はまだ大きいが、ライバルたちも同様に大きく改善を進めてくる筈なので油断はできない」とコメント。


■2月のデータを活かして作業を進めるパナソニック・トヨタ
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2月の初旬にフェラーリ・チームと一緒に冬季テストを実施したバーレーンに2ヶ月ぶりに戻ったパナソニック・トヨタF1チームは、この日の午前中は砂と強風によりややセッティングには苦しんだものの、午後に走行条件が改善されてからは計画通りに作業を進める事ができたとしている。この日のトヨタ勢の総合順位とタイムは、ヤルノ・トゥルーリが総合11番手の1分33秒539、ティモ・グロックは総合15番手タイムとなる1分33秒856だった。

■トゥルーリ「初日の内容は想定通り」
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初日の作業を11番手で終えたトゥルーリは、「今日はまあまあのプラクティスだった。コースの路面が砂で汚れていて午前中はすごく滑りやすかったし、2回のセッションそれぞれに風向きが全く異なった。終日を通して強い風との戦いになり、全体的にはまだ車の改善が必要だが、ここでは2月にもテストをしているので今日の内容はほぼ予想通りだったと言える。ここは挑戦しがいのあるサーキットだし、常にここでは速く走れているので今週末が楽しみ」とコメントし、バーレーンとの相性の良さをアピールした。
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■グロック「午後にブレーキング時の安定性を解消」
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2月のテストではバーレーンに好感触を示し、初日の午後は順調にセッティングを進める事ができたとするグロックは「今日は作業がはかどる1日だった。午後のプラクティスは最初の時よりも調子が良かったと思う。午前中はブレーキング時の安定性に問題を抱えていたが、路面がきれいになってからはセッティングをうまく進める事ができた。2月のテストの時は好調だったが、今後の事は風がこれからどうなるかにかかっている。風が強くなれば最悪だが、条件は誰にとっても同じなので仕方がない」と、2日目以降の風の状態を心配している。
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■ディーター・ガス「タイヤ戦略の見通しは立っている」

トヨタのチーフ・エンジニアを務めるディーター・ガスは「今日の作業内容には全体的には満足できている。午後のセッション序盤はティモの車に小さな問題が発生したが、この問題はすぐに解消できたし、それを除けば予定通りに作業は進んだ。冬季のテストの時のここではオプションタイヤのコンパウンドを供給されていなかったが、それでもタイヤについてはほぼ見通しが立っている。明日と日曜日も強風が問題になると思うし、全体に影響が出ると思うが、いずれにしても全力で頑張り続けて今回もいい結果を狙いたい」
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■予選ではトップ10入りを狙うホンダ勢

午前中はコース上に砂が多かった事からセッション終盤まで作業を見合わせていたホンダ勢は、午後に入ってからは走行ライン上の砂が消えてアスファルトがきれいになった部分を有効活用し、日曜日のレースに向けてのセッティング作業とタイヤの比較検証作業を進めている。この日のホンダ勢の順位とタイムは、ジェンソン・バトンが12番手タイムの1分33秒710、ルーベンス・バリチェロは16番手タイムの1分33秒966だった。
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■バトン「予選ではトップ10入りを狙いたい」
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この日の12番手タイムを記録したジェンソン・バトンは、「走行ライン上に何日分もの砂が今日は積もっていたので、午前のセッションの半分は路面が改善されるのを待ってガレージ内で過ごし、大半の周回は午後に行ったが、午後に何人かがコースアウトした後は路面が一気にきれいになり走りやすくなった。今日はタイヤの比較テストが順調に進んだので、週末の残りの作業はスムーズに進みそう。車のバランス改善についてはまだ多くの作業が残っているが、いいスタートは切れたと思うし、今週は予選でトップ10を狙いたいところ」と1日目の内容には満足できたとコメントしている。
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■バリチェロ「ブレーキの調整がまだ完璧とは言えない」
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初日はブレーキまわりの調整に焦点をあてたとするルーベンス・バリチェロは、「オーストラリアとマレーシアでの2戦は連続して暑かったので、ここの高温にも驚かないし慣れてしまった。それにここは乾燥しているので体力的に厳しすぎる事もない。個人的には体調もいいし、たった1ヶ月間に3回のレースはトレーニングとして見れば最高。過去2戦を通してマシンの信頼性は高かったので、この温度条件でも特にその点について心配はしていない。このサーキットはブレーキへの負担が大きいので、今日のセッティング作業で最も重点を置いたのはブレーキの調整。残念ながら今日は最後までブレーキングに満足のいく結果が得られず新品タイヤで走行する時間が削られたので、明日も調整作業を続ける予定」と述べ、1日目の終了時点ではまだ納得のいく形にマシンが仕上がっていない事を明かした。
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■スティーブ・クラーク「風の強さがトップスピードに影響」

ホンダのレース・エンジニアリング責任者を務めるスティーブ・クラークは「P1の時はグリップが非常に得にくく、午前中は基本的な作業にしか集中できなかったが、午後は路面状況が改善されたので作業は進んだ。砂の多い環境は車の部品内部に悪影響を及ぼすので、特にエンジンにとって辛い状況。天気予報によれば、予選とレースの時も風は強く、トップスピードなどの車の性能面に大きな影響を及ぼす筈なので、これを考慮した上でギア比とエアロパーツのセッティングを決めなければならない。今日は両方の車のレース用セッティングは順調に進んだので、予選ではトップ10が狙えると思っている」とコメントしており、1日目は午後の作業が順調に進んだ事を説明した。


■新品タイヤでのタイムアタックができなかったフォース・インディア
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フォース・インディアのジャンカルロ・フィジケラとエイドリアン・スーティルの2名のドライバーは、この日の朝から日曜日のレースに向けてのセッティング探しと2種類のタイヤの比較評価を開始し、午後には車のバランスとレース中の信頼性の確認を目的としたロングランを実施している。

なお、この日のフォース・インディアはほぼトラブルなく予定の作業を終えているが、午後のセッション終盤は新品のタイヤでタイムアタックする時間を2名のドライバーが揃って失った様子だ。この日の最後にリア・ウイングに問題が発生したフィジケラのこの日の総合順位とタイムは19番手となる1分34秒388、午後の最終コーナーでフェルナンド・アロンソとの軽い事故に遭遇したスーティルは20番手の1分34秒405だった。

■フィジケラ「セッティングが簡単には決まらない1日」
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初日のバーレーンでのセッティング作業は思い通りに進まなかったというジャンカルロ・フィジケラは、「今日は正しいセッティングが簡単に見つけられる日ではなかった。あるコーナーではアンダーステアが出て、その他のコーナーではオーバーステアに悩まされた。また、午後のセッション終盤に新品のタイヤでタイムアタックする準備ができた所でリアウイングに問題が発生してしまい、タイムを改善する事ができなかった。新型パーツのおかげでいくつか車の改善は進んでいるが、まだ今晩中に行う作業は残っている」とコメント。
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■スーティル「車の改善状況には大満足、アロンソとの事故は残念」
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この日はタイヤ関係の作業が大きく進んだ事を喜ぶエイドリアン・スーティルは、「午前中はハードタイヤが硬すぎる感じがして、さらに路面も汚れていたので車のバランスを調整するのに苦戦した。午後はソフトタイヤを履いてからだいぶ状態が改善され、2種類のコンパウンドの違いを初めて大きく体感できるようになった。これは大きな進歩だったと思うし、タイヤまわりの作業が順調に進んで本当にうれしい。明日はさらに改善が進む筈。最終コーナーでのアロンソとの事故は本当に残念だったが、こういう事も時には起こるもの。彼はブレーキング中のダウンフォースが少し不足気味だったように見えたし、それでリアがロックしたんだと思うが、別に大した事故ではなかった」と、この日の作業内容とアロンソとの軽い事故について説明した。
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■マイク・ガスコイン「スーティルが調子を上げて嬉しい」

フォース・インディアのチーフ・テクニカル・オフィサーを務めるマイク・ガスコインは「タイヤ評価とレース用のセッティング作業が今日ははかどった。セッション序盤の車のバランスはあまり良くなかったが、午後には大きく改善が進み、タイヤに関する作業の見通しも立った。新型パーツの導入により性能改善が一歩進んだ事もあり、両方のドライバーがロングランでいいペースを記録している。どちらのドライバーもこの日の最後に新品のタイヤでタイムアタックができなくなったのは残念だったが、いずれにしても車は高いレベルに仕上がりつつあるので、明日はいい1日を過ごせると思う。どちらのドライバーもいい仕事を進めてくれたが、今回エイドリアンはシーズン開幕時と比較して車から大きく好感触を得られるようになった様子なので、彼とチームの両方にとってこれは喜ばしい事と言える」と、最終的なラップタイムについては残念とするものの、初日の全体的な作業内容には満足できたとするコメントを残している。


■スーパーアグリ、初日はバランス・セッティングに苦戦

前回までの2戦に引き続き、冬季シーズン中にはできなかったSA08Aの基本的な調整作業をこの日の2回のプラクティスという限られた時間内に実施したスーパーアグリF1チームだが、初日はあまり車両のセッティングを思い通りに進める事ができなかった様子だ。この日の佐藤琢磨選手の総合順位とタイムは21番手の1分35秒288、アンソニー・デビッドソンは1分35秒712の22番手タイムだった。

■佐藤選手「セッティングに十分な時間が取れなかった」
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初日の走行を終えた佐藤琢磨選手は、「車のバランス調整に苦しんだ難しい1日だった。ラップ周回ごとにバランスが大きく変わり、セッティングの評価や開発作業を進める上で十分な時間は取れていない。去年よりもソフトタイヤが1段階柔らかいので、今日はミディアムとソフトの違いを比較するのが面白かった。タイヤは両方ともうまく機能しているが、明日に向けて車のバランスをもっと正しくできるように頑張る必要がある」とコメントし、1日目は車のセッティングが思うように進まなかった事を明かしている。

■デビッドソン「クリーン・ラップを取れなかった」
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レース用のバランス調整は比較的に進んだとするアンソニー・デビッドソンは「今日は風が強くて誰にとっても厳しい1日だった筈。レースに向けてはいいバランス調整ができたとは思うが、明日の予選に向けてはもっと車のバランスを改善しなければいけない。今日は新品のタイヤを履いてからはコースが混雑してクリーン・ラップを取る事ができなかったが、今の段階では特に問題にはならない」とコメント。

■グラハム・テイラー「全体の仕上がりは理想からほど遠い状態」

スーパーアグリF1チームのスポーティング・ディレクターを務めるグラハム・テイラーは「今週は作業手順を厳密にこなしていく予定なので、この事からフリー・プラクティスでの走行時間は最小限となってしまった。午後のセッションではロングランを実施する中でタイヤまわりの調整を進める事はできたが、車全体の仕上がりとしては理想とはほど遠い状態。まだ夜通しの作業がこれから必要だが、明日はもっとタイムが縮まる事に期待している。ここでドライバーたちは2008年レギュレーションに本当の意味で挑戦する事になると思う」と1日目の感想を語った。

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