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アメリカGP初日、予想外の低温路面を制したのはストーナー
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インテリマーク編集部
  2008年7月20日

2008年MotoGPシーズンの第11戦目となるアメリカGPが、カリフォルニアのラグナ・セカ・サーキットにて7月18日(日本時間の7月19日早朝)に初日の2回のフリー・プラクティス・セッションを終えている。
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ここでは、この日のフリー・プラクティス総合結果と各チームの状況ならびに全ライダーのコメント、他の新着トピックなどを紹介する。


■アメリカGP初日にヤマハがロッシとの2年間の契約延長を公式発表

初日のフリー・プラクティス概況を紹介する前に、まずはこの日の新着トピックを紹介する。
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アメリカGP初日のフリー・プラクティス終了直後、ヤマハ・ワークスはバレンティーノ・ロッシとの契約を2年間延長した事を正式に発表している。昨シーズンに2年連続して年間タイトル奪還を逃した際のロッシには、ヤマハからの離脱やドゥカティーへの移籍説などが浮上していたが、今期に入ってからのヤマハは全体的に好調であり、今年はブリヂストンタイヤへのスイッチも叶った上に現時点のポイントリーダーにも返り咲いたロッシが、特に来期にヤマハを離れる理由はなかった模様だ。これでロッシは2010年シーズンまではヤマハからMotoGPに出場する事となった。
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なお先日はTECH3チームもコーリン・エドワーズとの1年間の契約延長を発表したばかりだが、今回のロッシの契約延長の発表により、ホルヘ・ロレンソとジェームス・トーズランドが現在の所属チームとの2009年シーズンの契約をすでに済ませている事から、来期となる2009年のヤマハライダー4名の顔ぶれは今年と全く同じになる事が判明している。


■例年よりも予想外に路面温度が低くなった初日のラグナ・セカ
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路面温度が午後には60度近くまで上昇する事も毎年珍しくないラグナ・セカだが、今年のアメリカGP初日の午前中は雲と霧に包まれており、朝の路面温度は22度と予想以上に低かった。なお、陽射しと青空が戻った午後に路面温度は40度を越えたが、例年の午後に比べれば全体的にアスファルトの温度は低く、高温の路面温度のみを想定してタイヤを持ち込んだいくつかのチームは最適なセッティングが見つからずに初日から苦戦を強いられた様子だ。

■朝は霧のためにセッション開始が10分遅れに

なお、朝は霧のためにコースの見通しが悪かった事から、午前のフリー・プラクティス1は開始時刻を予定のスケジュールよりも10分遅らせて行われている。



■負傷者の情報、ペドロサのレース出場は現在も未定
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ドイツGPで左手を骨折し、今週の月曜日に手術を受けたばかりのレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、この日の午前のセッションは体調を確認するために鎮痛剤を使用せずに走行したが、あまりの痛みの激しさから午後には痛み止めの注射を打ってセッションに参加している。

なお、ペドロサは本人の強い希望により初日の2回のセッションには参加したが、大きなリスクを冒してまで2日目以降もセッションに参加する意味が本当に得られるのかをチームとペドロサはこの日の晩にも再び検討する予定だとしており、まだ今後の予選とレースへの出場が決定している訳ではない。

■ドイツGPの転倒時に首を痛めていたエドワーズ
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母国GPを今回迎えたTECH3ヤマハのコーリン・エドワーズは、先週行われたドイツGPの決勝レース中の転倒時に首を痛めていた事をこの日に初めて明かしており、現在は首が左右にまわりにくく、ブレーキング時にはヘルメットの重さが辛く、やせ我慢ができない状態になったと述べている。エドワーズはこの日の晩にはニッキー・ヘイデンやジョン・ホプキンスの主治医としても知られるアート・ティン医師の診察を受ける予定だ。


■この日の転倒者の情報、デ・アンジェリスは小指の骨に軽度のひび
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この日の目立った転倒者は4名。リズラ・スズキからのワイルド・カード参戦を今回果たしているベン・スピーズは午前中に転倒したが無傷。午後にはサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスが転倒して小指の骨に軽度のひびが生じる怪我を負ったが、クリニカ・モバイルの発表によれば2日目以降の走行には問題のないレベルだとしている。

■午後にウエストが激しく転倒、セッションは一時赤旗中断
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カワサキのアンソニー・ウエストは午後のセッション残り20分のところで2コーナーでのブレーキング時にフロントを失い激しく転倒。幸い本人は無傷であり、ドイツGPで負った背骨のほねのひびが悪化するような事は一切なかったが、バリア周辺に接地されていた衝撃緩和用のエアクッションが壊れた事から、新たなエアクッションが2コーナー脇に取り付けられるまでの数分間はセッションが赤旗中断した。

午後のセッション終了間際にはTECH3ヤマハのジェームス・トーズランドが転倒したが、幸い無傷だった。


■初日フリー・プラクティス総合結果
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以下に、ドライ・コンディションに恵まれたアメリカGP初日の2回のフリー・プラクティス(FP1/FP2)の総合順位を示す。午前のFP1開始時の気温は19度、路面温度は22度、湿度は56%、午後のFP2開始時の気温は22度、路面温度は公式発表上は30度(53度にまで達したとの報告もあり)湿度は42%だった。

1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分21秒826
2) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分22秒634
3) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分22秒679
4) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分22秒808
5) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分22秒847
6) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分22秒924
7) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分23秒077
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分23秒097
9) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分23秒114
10) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分23秒185
11) ベン・スピーズ USA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分23秒244
12) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分23秒317
13) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分23秒415
14) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分23秒495
15) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分23秒707
16) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分23秒943
17) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分23秒955
18) ジェイミー・ハッキング GBR カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分24秒050
19) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分24秒483

ラグナセカのサーキットレコード(レース中)は2007年にケーシー・ストーナーが記録した1分22秒542、ベストラップレコードは今回ケーシー・ストーナーがFP2で記録した1分21秒826。2007年のポールポジションレコード(予選タイヤ)はケーシー・ストーナーが記録した1分22秒292。

旧ベストラップレコードは2007年にケーシー・ストーナーがウォームアップで記録した1分21秒975。


■アメリカGP初日の各チームの概況と全ライダーのコメント
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アメリカGP初日のフリー・プラクティス総合トップに立ったのは、後続を寄せ付けない圧倒的な強さをこの日にも示したドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。以下に初日の各チームの概況とライダーのコメントなどを紹介する。


■ドゥカティー、好調ストーナーがまたも初日からベストラップを更新
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アメリカGP初日の2回のフリー・プラクティスを制したのは、午前のFP1においていきなりラグナ・セカのベストラップ・レコードを0.06秒更新したドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。

■ストーナー「午前中にはもっと速く走る事もできた」

写真午前中に新ベストラップの1分21秒915を記録し、午後にはさらにそれを更新する1分21秒826をもって初日の総合トップに立ったストーナーは、コースが混雑していなかったら午前中にもっとタイムを縮める事ができたとコメントしている。

「午前は路面温度が少し低かったがグリップはそれほど悪くなく、2〜3周走行したら通常のグリップレベルになった」とストーナー。

「昨年に増えてしまった路面のでこぼこに慣れるのには数周かかったが、全体的に見ればコースのコンディションは良かったので楽しむ事ができた。また、去年のセッティングをベースにする事で短時間のうちに速く走れるようになった。午前中はセッションが進むにつれてタイムを改善できたし、終盤にコースが混雑していなければもっと速いタイムが出せたと思う。午後には路面温度がかなり上昇したので朝よりも硬めのタイヤを装着したらさらに少しタイムを削る事ができた。1日目の作業内容としてはとても満足している」

■メランドリ「やっとまともなフリー・プラクティスを経験できた」

また、今期は不振にあえぐチームメイトのマルコ・メランドリも、昨年は予選中に負傷した身体で3位表彰台を獲得した得意のアメリカでは好調な走りを見せている。ザクセンリンクの時に使用したセッティングでこの日の作業を開始したメランドリは順調にタイムを改善、午前中はタイムシート上の5番手に立ち、最終的にはこの日の総合12番手となる1分23秒317を記録して1日目の作業を終えた。
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「やっとフリー・プラクティスを正常に終える事ができて嬉しい。セッション序盤の路面はやや難しく感じたが、すぐにグリップが良くなったので、おそらく路面温度が低かったせいだと思う」とメランドリ。

「走り始めた時からバイクの感触は良く、今回は正しく走行時に得た情報を作業に反映できたが、今年はなかなかそれができていなかった。調子よく走れるし、いいライン取りができている。今日は安定してタイムを改善しながら、ザクセンリンクの時のベースセッティングを洗練する事ができた。ここではいいレースがしたいので、残りの2日間も今の調子をそのまま維持していきたい」


■レプソル・ホンダ、タイヤに不満の2番手ヘイデン、激痛に苦しむペドロサ
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アメリカGP初日にストーナーに次ぐ総合2番手につけたのは、午後に1分22秒634のタイムを記録した地元出身ライダー、ラグナ・セカがMotoGPに復帰してからの過去3年間のうちに、オープニングラップ中の接触事故に泣いた昨年のみを除く2回の勝利を記録しているニッキー・ヘイデンだった。

■まだレース出場を決断していないペドロサ
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また、先週のドイツGPで骨折した左手の手術を4日前に受けたばかりのダニ・ペドロサは、午前中は激痛に苦しみながら怪我の具合を確認するために走行、タイムシート上の最後尾となったが、午後には痛み止めの注射をうってこの日の19人中の総合15番手タイムとなる1分23秒707を記録している。しかしながら、ペドロサのこの日の苦痛があまりに大きい事から、チームは2日目以降のセッションをキャンセルすべきかどうか、再び審議する予定だという。

■ヘイデン「今週のタイヤ選択肢の多くに不満」
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今回のホームGP用にオリンピックをテーマとしたヘルメットとレザー・スーツを着用しているヘイデンは、初日午前はバイクのセッティング調整を繰り返し、午後にはグリップを改善する事ができた様子だが、今週末用に持ち込んだミシュランのレースタイヤの多くに満足できていないという。

「今日は正直言って厳しい1日だった。いくつかの問題点を解消する事に全力を尽くしている。今週のタイヤの選択肢については完全に納得できない状況なので、レースのために何本かいいものを残すのさえ辛い状態。この関係からも厳しいレースウイークになる事は間違いないだろう」とヘイデン。
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「このサーキットでは過去にはうまくいっていたが、今は安心できる状況ではないので再びいい結果が狙えるようにしていく必要がある。午後にはチームが頑張ってマシンの調整を加えてくれたおかげでタイヤがよりうまく機能するようになった。終盤には少し調子が良くなったが、ストーナーとの差はいまだに大きいので、全ての時間を最大限に活用して作業を進める必要がある」

「ここのファンの応援はとにかく素晴らしい。ファンの自分への気遣いは信じられないほどにすごい。このまま頑張り続けて彼らが喜べるようにしたいと思う。レースの5ラップ目にみんなが出口のゲートに向かうような事がないようにね!」

■ペドロサ「信じられない痛さ」

先週のドイツGP決勝レース中に左手の人さし指と左手首を骨折、右足首には強度の捻挫を負ったダニ・ペドロサは、左手を保護する特別製のグローブを着用し、痛みを抑えるための治療を受けながら今回のアメリカGPに出場しているが、体力への負担が厳しい事でも知られるラグナ・セカは、まだ手術を受けてから1週間もたたないペドロサの身体には辛いようだ。
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「痛みがすごく激しい。今回のレースは長くて厳しいものになるので、出場する意味があるのかどうか、チームと一緒に今後も検討していく必要はある」とペドロサ。

「午前中はバイクで走った時の具合を確認する事と、本当に走れるのかどうかを判断するためだけに参加したが、信じられないほどの痛みだったので、午後は痛み止めの注射を受ける事にした。その後はタイムを2秒縮める事はできたが、このサーキットは身体への負担が大きく、左カーブや上り下りが多いので、少しの走り込みでも痛みはかなり激しかった。下り坂の区間は手に荷重が普段よりもかかるので特に厳しく、走るのが辛い。右足首の痛みはバイクに乗っている時なら我慢できるが、歩くときには松葉杖が必要な状態」


■フィアット・ヤマハ、ロッシは好調だったセッティングを午後にあえて変更

前回のドイツGPにてポイントリーダーに復帰したフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、まだ一度も優勝を経験した事のないラグナ・セカでのグランプリ初日を総合3番手で終えている。ロッシは午前とは異なるセッティングを試した午後にはタイムを更新できておらず、FP1における2番手タイムの1分22秒679がこの日の自己ベストとなった。
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また、ブリヂストンを履くチームメイトのロッシとは異なりミシュランタイヤを履くMotoGPルーキーのホルヘ・ロレンソにとって、ラグナ・セカは初めて経験するサーキットだ。ロレンソのこの日のタイムは総合13番手となる1分23秒415だった。

■ロッシ「ラグナ・セカに最適なセッティングを探り続けたかった」

路面温度の低かった午前中にはヤマハM1の調子が良く、昨年のサーキットレコードから0.1秒落ちのタイムをいきなり記録したロッシだが、この時点からトップのストーナーとのタイム差は0.764秒差と大きかった。また、タイムの改善に自信を持ってセッティングの変更に挑んだ午後には路面温度の上昇に苦しみ、結局的に大きな進展をFP2では得る事ができなかったという。
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「午前中の調子はものすごく良かったし、最初からとても速く走る事ができた。今日は標準的なベース・セッティングから作業を開始したが、ここではうまく機能している感じだった。実際、午前中はもっと速く走る事だってできたが、最後の周回はグリップが完璧ではなかったのでスローダウンする事にした」とロッシ。

「だから午前はすごく満足していたが、このサーキットに最適なセッティングをもっと探りたかったので、午後にはバイクのセッティングを変更する事にした。でも、それは結局思い通りにはいかなかった」

「今日の両方のセッションで経験したいい部分をこれから組み合わせれば、明日はコンマ何秒かはタイムを更新できる筈。ここでは高い性能を発揮していけると思うが、今はまだそこまでに到達してはいない状態だからね。サスペンションの調整をまだ続ける必要はあるが、ブリヂストンの調子がいい事については期待が持てる。明日はもっと大きな改善を狙い、ストーナーとのタイム差を縮められる事を楽しみにしている」

■ロレンソ「今日の自分のタイムはAMAスーパーバイクのタイムと変わらない」
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ラグナ・セカでの走行を楽しみにしていたというロレンソは、午前中は初めてのコースレイアウトに慣れる事に集中し、特に有名な8コーナーのコークスクリュー攻略に時間を使った様子だ。午後に入るとロレンソは十分な自信を持ってバイクのセッティングに着手し、リアのグリップ不足が完全には解消できずにタイムシート上の順位は午前と同じ13番手となったものの、タイム的には1秒の改善を見せている。

「午前の最初にラグナ・セカを走った時には素晴らしい気分だった。また、ここのコースを学ぶ事は本当に楽しい。1周目にコークスクリューを通った時にはラッキーだった。このコースを知り尽くしているニッキー・ヘイデンが前にいたので、そのまま彼の後ろにつけて走ったが、そのまま生きて帰ってこれた!」とロレンソ。
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「ここのレイアウトはどのサーキットよりも難しいし複雑だから、自分の走行ラインが定まるまでは無理をしないつもり。自分にとって一番難しいのは1コーナーだが、午後にはだいぶ調子良く走れるようになった。ただ、今はリアタイヤには若干問題を抱えておりグリップが十分に得られていない。またフロントについても、もっと自信が持てるようにする必要がある」

「もっと感覚をしっかりつかんで、このサーキット全体と正しい走行ラインについて理解するには、さらに多くの走り込みが必要なんだと思う。AMAスーパーバイクの時間が今回は楽しみだが、彼らは今の自分とほとんど同じラップタイムで走っているので、もっと作業が必要なのは明らか。今は問題点をいくつか抱えているが、明日はもっと速く走れるように作業を進めたい。今日のここでの初日は楽しかった」


■アメリカでも順調な初日を過ごしたサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ
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シーズンが中盤に入ってからは各レースウイークの序盤から好調な走りを見せるようになったサンカルロ・ホンダ・グレッシーニの2名だが、今回のラグナ・セカでもそれは例外ではなかったようだ。

今回ラグナ・セカを初めて経験するMotoGPルーキーのアレックス・デ・アンジェリスは、コースレイアウトの学習に集中した午前中には10番手だったが、午後には総合4番手タイムとなる1分22秒808を記録。中野真矢選手は午前中には3番手タイム、午後には総合6番手となる1分22秒924を記録した。

■デ・アンジェリス「得意なザクセンリンクに似てる!」
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ラグナ・セカを初めて経験するMotoGPルーキーの中では最も速いタイムを午後に記録する事に成功したアレックス・デ・アンジェリスは「忘れられない日になりそう!午前中はバイクの横滑りが激しく、チャタリングのせいで正しい走行ラインを走る事ができない状態だったが、午後にその問題を解消してからは何回もかなりいいペースで走る事ができるようになった。コースレイアウトが独特なのは間違いないが、他のライダーの後をつける事で学習はできるし、自分が得意なザクセンリンクにいくつかの点で似ていると思った」とコメント。

■中野選手「課題は最終区間」
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終日をかけて日曜日のレースに向けてのセッティングに取り組んだ中野真矢選手は「午前の時よりも最終的には少し順位を落としてしまったが、上位のライダーとのタイム差は大きくないので嬉しい。午前の目標は第1区間でバイクをうまく機能させる事だったがそれはうまくいった。ただ、コークスクリュー以降のダウンヒルにある第4区間ではまだタイムを少しロスしているので、明日はその部分を改善できるようにセッティングを続けたい。今日の気温はそれほど高くなかったが路面温度は上昇したので、明日は正しいタイヤ選択が重要になりそう」


■アメリカでは3名体制のリズラ・スズキ
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AMAヨシムラ・スズキのライダーであり、先のイギリスGPではカピロッシの代役を務めたAMA Superbikeチャンピオンのベン・スピーズをワイルドカードライダーとして迎え、今週末のリズラ・スズキ・チームはアメリカGPを3名ライダー体制で戦っている。
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ラグナ・セカでは雨が降らなくても好調な走りを見せ続けるクリス・バーミューレンの初日のタイムは総合5番手となる1分22秒847、オランダGPのレースウイーク中に負傷した右腕の痛みに現在も苦しむロリス・カピロッシは総合10番手タイムの1分23秒185。良く知るラグナ・セカをMotoGPバイクで戦う事になったAMAライダー、ベン・スピーズのこの日のタイムは総合11番手となる1分23秒244だった。

■バーミューレン「今日はかなり苦戦したが午後に大きく改善」
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昨年は2位表彰台を獲得し、この日の走りでも総合5番手につけてラグナ・セカでの実力を示したクリス・バーミューレンは「リズラ・スズキと共に好成績を残してきたサーキットなので、ここに戻ってくるのが楽しみだった。ヨーロッパのサーキットとはかなり特性が違うが、自分はとても楽しんで走れる。ただ、今日はかなり苦労した。バイクから好感触を得るまでにものすごく苦戦している。午後には大きな進歩が得られて速く走れるようになり、上位のライダーたちとのタイム差を縮めたが、明日は早いうちから同様の改善を進めなければいけない。日曜日には表彰台を狙えるところまでいけるといいね」とコメント。

■カピロッシ「走る度に怪我を消毒しなきゃいけないのが面倒」
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回復中の右腕の痛みに苦しみながらもこの日の10番手タイムを記録したロリス・カピロッシは「体力的にきついサーキットなので今の自分には前回のザクセンリンクよりも厳しい。ただ、クルーたちがバイクをこのサーキットにうまく合わせてくれたので状況はそれほど悪くはない。明日は正しい方向性を得るために頑張る必要がある。今週は高温路面を予想してハードタイヤをたくさん持ち込んだが、今日は路面温度が低かったしあまりいい条件とは言えなかった。3週間の休みに入る前に最大限のいい走りがしておきたいので、明日はもっといい天気になって欲しい。走るたびに患部の消毒を受けなければいけないので毎回スーツを脱がなきゃ行けないので大変だが、それでも全力で頑張るつもり」と述べている。

■AMAにも並行出場しているスピーズ「午前の転倒が少し自信に影響」
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今週末はMotoGPと同時にAMAにも参戦しているベン・スピーズは、MotoGPクラスにおける午前のフリー・プラクティス中に激しい転倒を喫しているが幸い怪我はなく、AMA Superbikeカテゴリーのこの日のフリー・プラクティスでは総合2番手タイムを記録している。
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「午前中の転倒で少し自信を失ったのは間違いないが、午後はずっと速いペースで走れたし、タイムも午前の時よりもコンマ何秒か縮める事ができたので、すぐに調子は取り戻していける。今週末を通してどんどん速くなる筈だから楽しみ」とスピーズ。


■TECH3ヤマハ、首が痛いエドワーズと低迷に苦しむトーズランド
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来期の2009年シーズンも今年と同じライダー体制となる事を正式に発表したTECH3ヤマハ・チームのアメリカGP初日の順位とタイムは、地元グランプリを迎えたコーリン・エドワーズが総合7番手の1分23秒077、今年のMotoGPルーキーの中では唯一ラグナ・セカでの走行経験を持つジェームス・トーズランドは総合16番手の1分23秒943だった。

■エドワーズ「ヘルメットが重い」

初日はミシュランタイヤの性能を使い切れずに苦戦したというエドワーズは、前回のドイツGP決勝レース中の転倒により首を痛めており、この日の晩には現在カワサキのジョン・ホプキンスの治療を担当しているアート・ティン医師による診察を受けたようだ。
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「思い通りには進まない初日だった。今は厳しい週末になりそうな予感もしている。まず何よりも問題は自分の首。平気な素振りを続けようと思っていたが、首を回して周りを見る事すらできない状態に陥ってしまった」とエドワーズ。

「なにかひっかかって擦れているような感触なので、ティン医師にレントゲンで検査してもらって大丈夫かどうか確認する予定。厳しいのはダウンフォースがかかる時にヘルメットの重みが頭にのしかかる事で、誰かに焼け火箸かナイフを首に差し込まれているような感じになる。原因はドイツGPの時の転倒」

「それ以外にも今回はいくつか問題点がある。今日はタイヤに熱がうまく入らず苦しんだ。最後には何とかうまく走れて、連続して18周を走った時に今回の自己ベストを記録したので、もっと使い込めば調子は上がるとは思うが、いずれにしても低温の路面で序盤に必要なペースを維持できない事は問題になる筈。明日以降はもっと温度が上がってくれる事を祈るしかないね」

■トーズランド「転んでなくても結果に大差はなかった」

また、午前中は18番手、総合では16番手と初日の2回のフリー・プラクティスを通して苦戦したジェームス・トーズランドは、午後のセッション終了間近の段階で転倒を喫しているが、幸い怪我はなかった。
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「全く満足できない。セッティングとタイヤにいくつか問題を抱えており、期待したようなタイムが出せなかった。いい感触を得られず本当に苦戦しているので少し焦っている」とトーズランド。

「セッションの終盤に激しく攻め込んだら3コーナーで転倒してしまった。ただ、それがなくてもコンマ1秒程度の改善と、順位をひとつ上げて15番手になった程度の事なので、期待する結果には及ばなかった筈」

「今の一番の問題点はタイヤが全然温まってくれない事。今回持ち込んでいるほとんどのタイヤは硬めのコンパウンドばかりだから。柔らかめのタイヤも2本持ち込んではいるが、1本は明日の午後に作業の方向性を再確認する時に使いたいし、もう1本はレース用に取っておく必要がある」

「今晩はスタッフと一緒にセッティングをどう調整すれば改善を進められるか検討したいが、今日は自分が走れる最大限の速さを出したつもりだったし、改善の余地がそれほど多く残っているとは思えない状態だった。なんとか頑張って明日は改善を進め、いつも通り前向きにレースには挑みたい」


■JiRチーム・スコット、ラグナ・セカへの高い順応性を示すドヴィツィオーゾ
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アメリカGPを今回初めて経験し、この日にラグナ・セカを初めて走ったJiRチーム・スコットのMotoGPルーキーであるアンドレア・ドヴィツィオーゾは、コースレイアウトを学習していた午前中から7番手の好位置につけ、午後のセッション終了時には初日の総合8番手タイムとなる1分23秒097を記録している。

■ドヴィツィオーゾ「しばらくはロッシの走りを後ろから観察した」
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この日はコースレイアウトの学習に時間を費やしたというドヴィツィオーゾは、十分に目的は果たす事ができた様子だ。しばらくはロッシの走行ラインを観察したとドヴィツィオーゾは以下の通りコメントしている。

「ラグナはいい意味でも悪い意味でも荒っぽいサーキット。安全面はおそらく最高レベルとは言えないが、カーブと丘の上り下りが多くて、実際に走ってみて面白いサーキットだと思った」とドヴィツィオーゾ。

「コークスクリューは左に下がっていく部分が視界に入らないので最初はとても怖かった。あそこに進入する前にはできる限りスロットルを開けっ放しにしておいて、カーブに差し掛かったところでアクセルを離さなければいけない」

「コーナーの正しい走行ラインと速く走るコツを学ぶために、しばらくロッシの背後について走ったが、時間が経過するにつれて自分でも学習を深める事ができるようになってタイムを改善できた。すごく楽しかった」


■アリーチェ・チーム、エリアスは初めて健康な身体でラグナ・セカに到着
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アリーチェ・チームの2名のライダーのアメリカGP初日の結果は、今年は無傷のままアメリカに来る事ができたトニ・エリアスが総合9番手の1分23秒114、シルバン・ギントーリが総合14番手タイムの1分23秒495だった。

■エリアス「やっと健康な身体でラグナに来た!」
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午前からタイムシート上の8番手につけ、順調な初日を過ごたトニ・エリアスは「去年まではいつも怪我の治療中だったから、万全な体調でここに来るのは今回が初めて。もう少し改善作業を続ける必要はあるが、午前よりもラップタイムが良くなったし、最終的に初日をトップ10圏内で終える事ができて本当に嬉しい。今日は多くのタイヤを試したが、レースで使うタイヤを決めるにはもう少し時間が必要」とコメント。

■体調不良のギントーリ「午前中はまだ目が覚めてなかったのかも」
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また、午前は17番手に落ち込んだが、午後に入ってからは自己ベストを1秒以上更新したシルバン・ギントーリは「午前中は何一つ正しい方向性が得られなかったが、おそらくあの時はまだ頭が寝ていたんだと思う。最終的な順位は嬉しくないにしても、午後にはギアボックスに多くの調整を加え、シャシーとブレーキを調整する中でいいバランスを見つけたので状況はだいぶ良くなった。明日はもっと改善が進む筈。今日は少し体調が悪いので、明日は気分が回復する事を祈っている」と、2日目以降の走りには期待を示すコメントを残した。


■リアのグリップ不足に苦しむホンダLCR

ホンダLCRのランディ・ドプニエは、アメリカGPの初日はミシュランタイヤのテストに集中したが、2回のセッションを通してペースを思い通りに改善する事ができず、1分23秒955の総合17番手を記録してこの日の作業を終えている。
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■ド・プニエ「深刻なリアのグリップ不足」

この日はリアのグリップが得られず、思い通りにセッティング作業を進める事ができなかった様子のド・プニエは、初日の2回のセッションを終えて以下の通りコメントしている。

「まさか初日の結果を総合17番手で終えるとは思っていなかった。今日はリアのグリップが得られず苦しみ、多くのタイヤを試したが1本しか正常に機能するものが見つからなかった。午前中はそのタイヤを使うのをやめて午後のために残しておいたので、午後のセッションに入ってからタイムを改善する事はできている」とドプニエ。

「コーナーへの進入が楽になるようにバイクのセッティングを改善する必要もあるが、何よりも今優先すべき事はリアのグリップを取り戻す事。このままでは思い通りにスロットルが開けられないので改善は試みているが、まだあまりいい感触は得られていない」


■2台揃ってフロントの接地感が得られなかったカワサキ

オランダGPの予選で左足に大怪我を負ったジョン・ホプキンスが、夏休み明けのチェコGPまで復帰目処がたたない事から、今回のラグナ・セカにはホプキンスの代役としてAMAカワサキのライダーであるジェイミー・ハッキングがMotoGPカワサキからグランプリ初出場を果たしている。
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久しぶりに2名体制となったカワサキ勢のアメリカGP初日の結果は、そのジェイミー・ハッキングが1分24秒050の総合18番手、記事の冒頭に記した通り午後に赤旗中断を誘発する激しい転倒を喫したアンソニー・ウエストは1分24秒483の総合19番手だった。

この日のカワサキ勢は2名が揃ってフロントの接地感が得られないままセッティングに苦戦しており、マシンの感触が良くなかった結果としてウエストは午後のセッション残り20分のところで2コーナーに向けてのブレーキング時にフロントを失い転倒したが、バリア周辺に接地してあったクッションの効果もあり怪我は全くなかった。

■ハッキング「日本で乗った時とマシンの印象が大きく異なる」

チーム全体としてこの日はフロントの接地感が不足する問題に苦しむ中で、ジェイミー・ハッキングは日本のオートポリスで数週間前に初めて経験したばかりのNinja ZX-RRのセッティング改善に取り組んだが、初日は最後まで期待したほどの改善効果は得られず、午後には午前中のタイムを更新する事ができなかった。
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「今回最も重要だったのは初日の2回のフリー・プラクティスを無事に最後まで終えた事。日本でこのバイクに初めて乗った時にはすぐに好感触が得られたが、ラグナはオートポリスとはかなり特性が異なるサーキットなので印象はだいぶ違った」とハッキング。

「午後の2度目のセッションでは少しセッティングを変更したが、期待ほどの効果は得られなかった。その影響もあり午前中のタイムを更新する事が結局できていない。少しだけ激しく攻め込めるようにはなったが、フロントの感触がなかったので少し危険な状態だったと思う。今晩はフロントの接地感を改善できるように調査したいが、明日の目標は単純にこのままバイクのセッティングを向上させていく事だけ。予選でも無茶はしないつもり。各セッション毎に進歩が得られれば自分は満足できると思う」

■ウエスト「とにかく激しく攻めてみようと決心した時に転んだ」

午後には激しい転倒を喫したにもかかわらず、幸い深刻な怪我を免れたウエストは、先週のドイツGPで負った背骨のひびに新たな悪影響が生じなかった事に安堵している。
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「午前のセッションはいくつかの区間に霧が残っていてすごく難しい走行条件だった。午前中のバイクは正しい走行ラインを保ちながらのコーナリングが難しい状態だったが、午後に入りこの問題は大きく改善された」とウエスト。

「ただ、フロントの接地感については今も問題を抱えており、コース内のいくつかの部分ではフロントの感触が散漫になってしまう。午後のセッションが半分過ぎたところで、とにかく激しく攻め込んでみようと決心したが、このために2コーナーに向けてのブレーキング時にフロントを失う事になった。本当に激しい転倒だったが、幸いすでに負傷している背中に新たなダメージを受ける事は免れた」

「チームはフロントの問題を解消しようと今も必死に頑張っているので、明日のプラクティスと予選の前までには解決策が見つかると信じている」

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