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第4戦中国GP、初日の総合トップはロッシ
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インテリマーク編集部
  2008年5月3日

MotoGPの第4戦目となる中国GPが、5月2日の上海サーキットにて1日目のセッションを終えている。ここでは、中国GP初日のMotoGPクラス2回のフリー・プラクティスにおける総合順位、ならびに各チームの仕上がり状況とMotoGPクラス全ライダーの1日目の作業を終えてのコメントなどを紹介する。


■初日は晴天のドライ・コンディションに恵まれた中国GP初日
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決勝レース当日の5月4日(日)には雨天が予想されている上海サーキットだが、グランプリ初日となるこの日の5月2日(金)は終日晴天のドライ・コンディションに恵まれており、午後には路面温度が50度前後にまで急上昇した事から、この温度変化に対応しきれなかった一部のチームは午前のタイムを更新する事ができなかったようだ。


■転倒者は2名、ロレンソは左足のくるぶしの骨を骨折

1日目のMotoGPクラスの目立った転倒者は、現在のポイントリーダーであるフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソと、この日に初めて上海サーキットでの走行を経験したTECH3ヤマハのジェームス・トーズランドの2名。トーズランドの方は特に怪我も無くこの日の作業に大きな影響は出ていないが、今回深刻なのはロレンソの方だ。
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■万全な体調で中国に挑んだ筈のロレンソだが・・・

前回のポルトガルGP翌日の4月14日に開幕以後苦しんでいた腕上がり症(アーム・パンプ)の手術を受け、計画通りに今回の中国GP初日にはほぼ万全な体調で挑んだホルヘ・ロレンソだが、この日午前のフリー・プラクティス1の中盤に2コーナーから3コーナーにかけての切り返しでハイサイドを起こし激しく空中に放り出されて落下、左足首のくるぶしの骨の先端部分を骨折する大怪我を負っている(転倒の状況や怪我についての詳細はこちらの記事を参照)。

■ロレンソは2日目のセッションにも参加

なお、骨折した左のくるぶし以外にも、右足首周辺などに深刻な打撲を負ったロレンソが、中国GP2日目以降のセッションに参加するかどうかについては朝の容態を見て判断するとフィアット・ヤマハ・チームは発表していたが、なんと本日2日目午前のフリー・プラクティスにロレンソは出場しており、5月3日午後の予選と日曜日のレースにも出場する構えを示している。


■中国GP初日のフリー・プラクティス総合順位
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以下に、開始時の気温が23度、路面温度が20度、湿度が51%の中で行われた午前のフリー・プラクティス1、および開始時の気温が25度、路面温度が26度(50度前後に上昇)、湿度が37%の中で行われたフリー・プラクティス2の初日2回のセッションを通しての総合順位を以下に示す(各セッションそれぞれの結果は一覧表を参照)。

1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分59秒906
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分00秒163
3) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分00秒361
4) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分00秒553
5) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分00秒591
6) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分00秒607
7) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分00秒931
8) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 2分00秒964
9) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 2分00秒974
10) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 2分01秒064
11) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 2分01秒326
12) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 2分01秒504
13) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 2分01秒798
14) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分01秒913
15) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分01秒984
16) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 2分02秒026
17) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 2分02秒348
18) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分02秒480

上海サーキットのサーキットレコードは2006年(990cc)にダニ・ペドロサが記録した1分59秒318、ベストラップレコードは2007年(800cc)にバレンティーノ・ロッシが記録した1分58秒424。

■中国初日は昨年と同様にブリヂストン勢が優位に
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開幕戦から前回までの低温路面ではミシュラン勢がやや優位に立つ傾向のあった今年のMotoGPシーズンだが、今回の中国GP初日は昨年と同様にブリヂストン勢がやや優位に立ったようだ。トップ8の中をロッシ、ストーナー、中野選手などブリジストン勢6名が占めており、対するミシュラン勢ではレプソル・ホンダのペドロサとヘイデンの2名がその中に食い込んでいる。
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なお、路面温度が低かった午前中のトップタイムはバレンティーノ・ロッシが記録しているが、路面温度が急上昇した午後のセッションでロッシは自己ベストを更新できておらず、午後のトップに立ったのはドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。結局午前のタイムがこの日の総合トップにはなったものの、高温路面ではまだセッティングに課題が残る事をロッシはフリー・プラクティス2の終了後に明らかにしている。
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■中国GP1日目の各チームの概況とコメント

以下に、中国GP初日の各チームの作業内容、ならびに全ライダーのコメントなどを紹介する。

■ブリヂストンとの親和性が高まるフィアット・ヤマハ
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中国GP初日2回のフリー・プラクティスにおいて総合トップに立ったのは、今期から履き替えたブリヂストン・タイヤでの好調な走りを見せるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。ロッシのこの日のトップタイムは上海のサーキット・レコードから0.588秒差の1分59秒906。

なお、ミシュランを履くロッシのチームメイト、現時点のポイントリーダーであるホルヘ・ロレンソは、先に記した通りこの日の午前のフリー・プラクティス1の中盤に転倒して左足首のくるぶし部分を骨折しており、その時点までに記録していた総合18番手タイムとなる2分02秒480がこの日の自己ベストとなっている。

■ロッシ「今年もストーナーとのバトルになりそう、雨でもOK」

朝のセッションにおいていきなり今回の総合トップタイムを記録したロッシは、午後に路面温度が上がってからは午前中のタイムを更新する事はできなかったが、ドゥカティーのケーシー・ストーナーが記録した午後のフリー・プラクティス2でのトップタイムはロッシの午前中のタイムには0.257秒及ばず、結局初日の総合トップはロッシのままだった。
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「今日は午前中から速く走る事ができた。バイクのセッティングとブリヂストンタイヤの調子は共にとてもいい。午後はアスファルトの温度が40度以上になり、タイヤが少し滑り出したので午前のタイムを更新するのは難しかった。ただ、いずれにしても多くの選択肢の中からたくさんの種類のタイヤを試す事ができたし、すごくリラックスできている。いいリズムもつかめているし、思い通りに走れる感じ」とロッシ。

「他のライダーよりもストーナーがちょっと速いみたいなので、去年と同様に今年も彼とのバトルになるかもしれない!自分たちのバイクはトップスピードがさらに上がっているので、ここの長いストレートではそれが重要になる。コーナリング速度もいい」

「問題は日曜日の天気がどうなるかだけ。恐らく今日とは全く違う走行条件になるだろう。レースは当然ドライの方が嬉しいが、自分たちはウェットでもすごく好調だと思っている」

「ロレンソの転倒はとても残念。本当にひどい転び方だった。彼が日曜日のレースを走るのに十分な状態にまで回復できる事を願っている」

■ブリビオ監督「日曜日は雨だろうけど・・・」

ブリヂストンを履くフィアット・ヤマハのチーム監督を務めるダビデ・ブリビオは、「この日は最初からすぐに細かい作業を開始する事ができた。あとはセッティングに微調整を加えながら明日の予選と日曜日のレースに向けてのタイヤを選ぶだけ。気温と湿度が高い時のバイクのセッティングに関してはまだ作業が必要だが、日曜日のレースはウェットだろう。まあ、そうならない事を祈るけどね!」とコメントしており、この日の午後のような高温多湿のドライ・コンディションの場合にはまだ課題が残る事を明かしている。


■ドゥカティー、息を吹き返すストーナーとうなだれるメランドリ
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この日の総合2番手タイムは、過去2戦はフロントまわりの接地感が乏しいセッティングの改善が進まずに苦戦していたドゥカティーのケーシー・ストーナーが午後のフリー・プラクティス2で記録した2分00秒163だった。

また、ドゥカティーの得意な上海に期待の大きかったチームメイトのマルコ・メランドリは、この日の午前中はエンジンまわりのテクニカル・トラブルに苦しみ、午前のタイムシートの最後尾に名前を記す事になったが、午後には問題を解消して午前のタイムを3秒近く上回る初日の総合14番手タイムの2分01秒913を記録している。

■ストーナー「フロントの感触を取り戻した」

現時点のランキング4位につけるケーシー・ストーナーは、過去2戦中の課題だったフロントの接地感不足を中国では初日のうちに解消する事ができたとしているが、まだ2日目以降にも作業は残ると説明している。
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「ここではかなり快適に走れる。過去2戦はプラクティスの時から調子が悪かったが、それでもレースの結果は本来であればもっと上が狙えたと思っている。いくつかの理由からそうはならなかったが」とストーナー。

「あの時には何をやってもうまくいかなかったが、今週はまた調子を取り戻す事ができた。ここではフロントの感触がすごくいいし、ゆっくりと自身を回復する事もできているので、この調子のまま残りの2日間も作業を進める事ができると思う」

「リアのグリップも着実に良くはなってきているが、この点についてはまだ完璧からはほど通り状態。去年はいくつかのサーキットで高速カーブのコーナリングに苦労したので、今後もまだ作業を続けていく必要がある」

「明日は1台のバイクに大きなセッティング変更を数点加えるつもりなので、それがラップタイムの改善につながる事を願っている」

■メランドリ「今日は役に立たない1日」

この日は午前中にエンジンまわりのトラブル、午後までにはその問題を解消したものの、その後は電子制御関連のトラブルにも見舞われたというマルコ・メランドリは、上海の1日目は全く思い通りに作業を進める事ができなかったとコメントしている。
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「残念ながら、今日は2点の問題が発生して作業が中断し、計画していた作業を全て終わらせる事ができなくなった」とメランドリ。

「午前中はコースのいくつかの部分でエンジンの出力が最大域に達しないという問題が発生し、その原因を追及する事にしか時間を費やせなかった。午後はバイクの重量配分の調整に取り組んだが、その時にマシンがとまってしまった。原因はくだらない小さな電子制御系の問題だったが、そのせいで自分のリズムが壊れてしまい、タイヤのテストをする時間がなくなってしまった」

「ただ、非常に少ない役に立たない周回しか今日はできなかったにしても、ここでは何をどうすれば良いかをすでに理解できているし、バイクの改善を進める上で必要なデータも過去の2戦に比べれば十分にあると信じている」


■初日に作業の方向性をつかんだレプソル・ホンダ
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上海サーキットをあまり好みのサーキットではないと過去数年間は揃って口にしているレプソル・ホンダの2名のライダーだが、初日にダニ・ペドロサは総合3番手タイムとなる2分00秒361、ニッキー・ヘイデンは総合6番手の2分00秒607を路面温度が高くなった午後のセッション中に記録しており、1日目の感触は共に悪くないとしている。

■ペドロサ「あとはシャシーの微調整」

この日の内容を初日としては上出来だと述べるペドロサは、2日目以降はシャシーのセッティングをさらに厳密に調整してタイムを縮めていきたいと語る。
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「今日は初日としては2回のセッション共にとても調子が良かった。ただ、パッケージ全体をここではもっと改善していく必要がある」とペドロサ。

「両方のセッションを通してシャシーのセッティングとタイヤの選択を中心的に行い、マシンの全体性能の改善に務めた。午後に走行ペースを上げる事はできたが、まだ期待通りの速さには到達できていないので、このまま作業を進めていきたい」

「明日は大きく進歩できるように頑張るつもり。シャシーの調整をさらに厳密に進めてコンマ何秒かを削り落とせるようにしたいし、いいタイヤが見つけられるようにミシュランの技術者とも密接に作業を進めておきたい」

■ヘイデン「良い方向性が見つかったのは確実」
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午後に入ってからマシンの調子が大幅に良くなったと述べるヘイデンは、この日の2回のセッションの間にチームが施したセッティング変更が大きな効果を発揮したとコメントしており、2日目以降に向けての作業の方向性はつかめたとしている。

「午後は午前中に比べればだいぶ調子が良くなった。まだ順位的に見れば十分とは言えないが、トップとの差はかなり縮まった」とヘイデン。

「午前のセッションが終わってからはスプリングを交換したり、他にも小さな変更を山のように加えたが、おかげで午後に入ってからすぐにバイクの感触が大きく上がり、より楽しんで走れるようになった。すごく快適に乗れている」
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「チームがバイクの改善をうまく進めてくれたので彼らには感謝している。FP1とFP2の間の時間にいくつかいい方向性を見つけられたのは間違いないので、このままの流れで作業を進める事ができれば明日はもっと大きく差を縮める事ができる筈」

「いずれにしても、順位を上げるにはかなりの進歩が必要だとは思う」


■初日の結果と新型タイヤに大満足のグレッシーニ・ホンダ
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サンカルロ・グレッシーニ・ホンダの中野真矢選手が、ホンダに移籍してからの公式セッションの中での自己最高位となる総合4番手タイムの2分00秒553を、この日午後のフリー・プラクティス2で記録している。また、チームメイトのアレックス・デ・アンジェリスも総合7番手となる2分00秒931を記録しており、中国GP初日のグレッシーニ・ホンダ勢は好調だ。

■中野選手「いいバランスと戦闘力の高いタイヤが見つかった」

中野選手はこの日の午前の作業の中で素早く上海サーキットに合うセッティングとタイヤを見つける事に成功しており、序盤から好調な走りを見せて午後のセッションが終わるまでに継続的に自己ベストを更新している。
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「初日の内容には満足。午前中にこのコースに良く合う正しいセッティングとバイクのバランスを見つけたので、タイムを改善しながら安定して速く走る事ができた。午後には何本か異なるフロントタイヤを試す中ですごく競争力の高いものを見つかり、おかげで激しいブレーキングでもタイヤを消耗しすぎず、コーナーへの進入も楽に行う事ができるようになった」と中野選手。

「フロントにはまだチャタリングが若干残っているので、明日はその部分の解消に取り組む予定」

■デ・アンジェリス「合同テスト中の感触を上海に持ち込む事に成功」

ブリヂストンタイヤの進化を実感する事ができたとこの日の作業を終えて述べるアレックス・デ・アンジェリスは、今回の上海にブリヂストンが持ち込んだ新型タイヤに高い好感度を示している。
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「やっとシーズン開幕時と同じポジションに戻ってこれたので、今日のフリー・プラクティスには満足」とデ・アンジェリス。

「チームやブリヂストンと一緒に先週のエストリル合同テスト中に進めた作業内容にはとても満足していたが、上海のようなサーキットにあの時の好調さをそのまま持ち込めて本当に良かった。これは以前と比べてタイヤが非常に大きな進歩を遂げた証拠と言える」

「まだ作業は進めなければならないが、トップのライダーから1秒差以内につけられたのですごく嬉しい。今日集めたデータを活用すれば、明日はもっと改善が進んでさらに速く走れるようになる事は間違いない」

■グレッシーニ監督「久しぶりに満足」
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サンカルロ・ホンダ・グレッシーニのチーム監督を務めるファウスト・グレッシーニは初日の2セッションを終えて、「2名のライダーが揃って上位に食い込むのは冬季シーズン以来の事なので本当に満足。今シーズンの戦いに向けてかなりいい兆候が得られていると思う。過去数戦よりもチームが高い熱意で初日から作業に挑んでいる事は明らか」と、開幕以後久しぶりに満足を示すコメントを残している。


■カワサキ、得意の上海で勢いに乗るホプキンス、やや自信を回復するウエスト
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日曜日の中国GP決勝レースではMotoGPクラス参戦100回目の最年少記録を樹立する事になるカワサキのジョン・ホプキンスは、この日の午後のセッションにおいて総合5番手タイムの2分00秒591を記録している。昨年はMotoGPクラスでの初表彰台を獲得した上海でホプキンスは今年も好調な様子だ。また、今シーズンは不調続きのアンソニー・ウエストは、この日の午前中に初日の総合15番手となる2分01秒984を記録し、午後にはこのタイムを更新する事ができなかった。

■ホプキンス「ここは大好き。自信もある」

2006年には4位、昨年の2007年には3位表彰台をリズラ・スズキ時代に中国GPで獲得しているジョン・ホプキンスは、カワサキのNinja ZX-RRで初めて実際に上海サーキットを走ってみて、そのコースレイアウトとマシンの相性が良いとの印象を持った様子だ。この日は上海での自分の走りにセッティングを合わせる事から作業を始めたとホプキンスは語る。
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「今日はマシンのセッティングをこのサーキットでの自分の好みの形に合わせる作業に取り組んだ。ここは大好きなコースだし、常にいい成績が残せている」とホプキンス。

「午後には日曜日のレースでの耐久性を調べるために、ブリヂストンタイヤの組み合わせを何種類か試してみた。他にも色々なパーツを試したが、良好な結果を持って初日の作業を終える事ができたと思う」

「すごく自信がある。レースをできる限りいい位置からスタートできるように、明日の予選では高い結果を残しておきたい」

■ウエスト「ラップタイムは良くないが・・・」

初日はカワサキのエンジニアと共に、今期の不調の原因を探るためにライディング・ポジションの見直しを行ったアンソニー・ウエストは、この日は若干の進歩が得られたと以下の通りコメントしている。
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「今日のラップタイムはそんなに良くはないが、いくらか進歩は得られたと思うし、それぞれのセッションの終盤にはタイムを縮める事はできているので、これがさらに改善が進む兆候である事と、このまま速く走れるようになる事を願っている」とウエスト。

「今の一番の問題点はエンジン出力の特性とコーナー出口のトラクション。そのために大きくタイムをロスしている感じがする。今晩はデータを分析してその解決策を探り、さらに改善が進められるようにしておきたい」

■金子テクニカル・マネージャー「いいベースセッティングがすでにある」
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カワサキのテクニカル・マネージャーを務める金子直也氏は初日の上海での作業内容について「今日はレースに向けてのセッティングに取り組んだ。ジョンに関しては前回のエストリルからそれほどマシンに変更を加える必要はなかったので、すでにいいベースセッティングが仕上がっている事に自信が持てた。アンソニーに関しても、ゆっくりだが彼は自信を回復しつつあるし、ラップタイムは決して良くはないにしても進歩は得られている。今晩はデータを分析して明日に向けての改善の方向性を探る予定」と説明。


■2日目からの飛躍に絶大なる自信を示すリズラ・スズキ
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日曜日のレースに向けてのセッティング調整とタイヤ探しに集中したリズラ・スズキの2名の中国GP初日のタイムは、ロリス・カピロッシが総合8番手の2分00秒964、クリス・バーミューレンが総合12番手の2分01秒504だった。なお、今回リズラ・スズキのピットにはスズキの2輪エンジン設計部長を務める西河雅宏氏が加わっており、中国GPのレースウイークを通してチームスタッフと共に日曜日のレースに向けての準備を共に過ごす予定となっている。

■カピロッシ「今週は素晴らしい週末が過ごせそう」

中国GPの初日に正しいセッティングの方向性と好感度の高いレースタイヤを見つける事ができたというロリス・カピロッシは、日曜日のレースに向けて以下の通り自信のコメントを残している。
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「今日はすごく自分たちにとっては良好な1日だった。多くの事を試す中でバイクのいいセッティングを見つける事もできた」とカピロッシ。

「午後にはフロントに若干柔らかめのセッティングを施した。まだ完璧な状態ではないが、明日に行うべき作業の方向性を見つける事はできたと思う。レースタイヤに関してはまだ100%の確信はないがいいものが見つかっているので、明日はそのタイヤでたくさん走り込みレースでの実用性を検証する予定」

「上位の連中とのタイム差は大きくないし、今日は最後の2周でミスを数回しているので実際はもっと速く走れる。今週は素晴らしい週末になると思うよ!」

■バーミューレン「明日試すタイヤが楽しみ」

この日の午後、あまり気に入らないタイヤを装着して行ったロングランの最中に1日目の自己ベストを記録したクリス・バーミューレンは、ロリス・カピロッシが初日に試して好感触が得られたというブリヂストンの新型タイヤを2日目に試す事を楽しみにしている。
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「今日はバイクのセッティングに関してすごく多くの事を試したが、午後には非常に大きな進歩が得られた」とバーミューレン。

「午後は一度もタイヤを変えずに同じタイヤで走り続けたが、バイクのセッティングを何回か変えた時に期待通りのグリップを得る事ができなくなったので、恐らく理想的なタイヤではなかったんだと思う」

「今日の嬉しいニュースはロリスが今回使用したタイヤをまだ自分が試していない事。自分も同じタイヤを持ち込んであるし、ロリスはそのタイヤを装着してから大きな進歩が得られたみたいなので、明日にそれを試した時にどのくらいの違いが出るか今から楽しみ」

「今週は自信があるし、いいレースができる事を楽しみにしている」

■デニング監督「西河氏にいいところを見せたい」
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リズラ・スズキのチーム監督を務めるポール・デニングは、「そんなに悪い1日じゃなかった。ブリヂストンとスズキの両方が上海とは相性がいいように思う。非常に速いライダーたちとのタイム差を削るにはさらに細かな作業が必要だが、両方のライダーが今後に向けて明確なプランを持ち自信を示しているので、明日は大きく前進できる筈。また、今回の西河氏の日本以外での初めてのMotoGPウイークへの参加を大変に嬉しく思っている。今週は彼にいいところを見せて、将来はもっとチームに来てもらえるように頑張りたい!」


■午後は高温路面に若干苦しんだJiRチーム・スコット
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午前中は上海のコースレイアウトに合うセッティング探しに集中し、午前のフリー・プラクティス1終了時点はタイムシート上の4番手につけていたJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、午後には50度にまで急上昇を続けた路面温度に合うタイヤ探しを行う中で、エンジン制御システムの調整にも取り組んだが、この時には午前のタイムを更新する事はできなかった。午前中に記録した2分00秒974がこの日の自己ベストとなったドヴィツィオーゾの初日の総合順位は9番手だった。

■ドヴィツィオーゾ「午後に速く走れなかった事が不満」

写真この日の午後はミシュランタイヤのテストを中心的に行ったドヴィツィオーゾは、午前中に記録した好タイムを午後の高温路面では再現できなかった事については満足できていない様子だが、基本的なマシンのセッティングの仕上がりについてはすでに高いレベルにあるという。

「路面温度が高くなった午後には速く走れていないので、今日の内容にはあまり満足できていない。ただ、走行ペース自体はすごく安定しているので、もっと速く走れるようにはなると思うし、改善の余地は残っている。一番の問題だったのは午後のセッション中に路面温度が大きく変化した事。」とドヴィツィオーゾ。

「バイクのバランスにはとても満足できている。サスペンションに関して何も問題は見つかっていないし、ハード・ブレーキングからコーナリングに入っても一切チャタリングは発生しない」

「今日は色々多くの種類のタイヤを試しておきたかった。実際にそれを様々な温度条件の中で行う事ができたので、判断に可能な材料を広範囲に収集する事ができた。明日はレースに向けてのセッティングの微調整に作業を集中するつもり」

■ムラローニ監督「予選とレースでは高い結果が残せる」
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JiRチーム・スコットのチーム監督を務めるチラーノ・ムラローニは、「初日からテクニカル面に関していい仕事ができたので、アンドレアは他の部分の作業に入る事ができた。アンドレアは安定して速く、MotoGPバイクで走る上海のコースにも素早く適応しているので、明日の予選と日曜日のレースは高い結果が残せるだろう」と、2日目以降の戦いに向けての自信を示している。


■初日は上海サーキットの特性にやや苦しんだTECH3ヤマハ
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開幕以後の各セッションで好調な走りを見せ続けるTECH3ヤマハの2名だが、中国GP初日はやや苦戦気味だ。上海サーキットの特性に合わせてミシュランが持ち込んだ新型タイヤと相性が良くない様子のコーリン・エドワーズはフロントの接地感不足に苦しみ初日は総合10番手の2分01秒064、初めて走行する上海サーキットの独特なコースレイアウト学習に苦しむジェームス・トーズランドのこの日のタイムは総合13番手となる2分01秒798だった。

■エドワーズ「上海スペシャルタイヤに苦戦」

今回はミシュランが、ロングストレートからのハードブレーキングが重要となる上海サーキットの攻略を前提とした通常よりも剛性が高く放熱性の高いタイヤを持ち込んだ事から、冬季シーズン中から大いに気に入っているスタンダード仕様のタイヤが使えず苦しんでいるエドワーズは、初日の問題点を以下の通り説明している。
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「今日はグリップを得るためにバイクのセッティング調整に時間を費やした。今年はいままでにこんな苦労は必要なかったが、今回はフロントの感触に少し問題を抱えてしまっている」とエドワーズ。

「このサーキットは温度変化が激しい事やハード・ブレーキングの必要な区間が多い関係から、ミシュランがいつもとは違うフロントタイヤを今回は用意してきたが、今日はそのタイヤに苦戦してしまっている。放熱性を高めた剛性の高いコンストラクションに馴染む必要があるが、今はそのために思い通りのライン取りができていない」

「今の問題のほとんどはフロントから来ていると思うが、それが原因でリアにも悪影響が出てしまっている。リアのグリップはもっといい筈だが、フロントの接地感不足からコーナリング速度を上げる事ができず、それをコーナー出口のアクセルで補ってしまう事からリアの消耗が激しくなっている」

「ホイールベースを変えてみたら調子は良くなったので、今晩はコンピューターを使ってミシュランと相談しながら様子を見ていきたい。ここでは5種類のリアタイヤを選択したが、今日はそのうちの3種類しか試していないのでまだ手のうちはあるし、明日はもっと改善を進められると思う」

■トーズランド「難しくはないが、学習に手間がかかるサーキット」

中国での走行をこの日に初めて経験したジェームス・トーズランドは、上海サーキットはレイアウトの学習自体は難しくないが、1ラップが長いために学習に時間がかかると説明している。
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「このコースはそれほど学習が難しいコースではないが、2〜3個所ほど深い知識が必要な場所がある」とトーズランド。

「ただ、40周しか走っていない段階でコーリンとは0.7秒差だし、1周に2分以上かかるサーキットでそのくらいの差なら満足できる。明日はもっと大幅にタイムを縮める自信もあるしね」

「学習を進める上で一番の問題点は路面のくぼみや盛り上がった部分。コースの攻略が難しい部分にそれがあるし、大きさも下手するとバイクが転倒してしまうくらいのサイズ。また、このサーキットは1周が長いので周回数を増やせないし、ピットに戻る回数も減るので素早く学習を進める上ではとても苦労する」

「このサーキットでいちばん厳しい場所は1コーナー。バイクを完全に倒し込んだ時にはブレーキを激しくかける事ができないので、スピードを殺しきれないままカーブ中央に到達したらバイクを起こさなきゃいけなくなるし、そうなるとコーナリング全体の速度が落ちてしまう」


■アリーチェ・チーム、惜しくもトップ10入りを逃すエリアス
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前回のエストリル合同テストの内容がこの日の作業に役立ったとするアリーチェ・チームは、トニ・エリアスが午後のセッション残り10分のところで発生した小さな電子系トラブルによりさらなるタイムアップはならなかったものの、総合11番手となる2分01秒326のタイムを記録して好調な滑り出しを見せた。一方、チームメイトのシルバン・ギントーリは午後には改善が進んだ模様だが、タイムには反映されず総合17番手となる2分02秒348のタイムで初日を終えている。

アリーチェ・チームのテクニカル・ディレクターを務めるファビアーノ・ステルラッキーニは、この日のエリアスの結果について「ポルトガルのテストでいい解決策が見つかりここ上海でも調子は上がっている。午前と午後を通して改善が進んだのは今回が初めて。チームの顔がほころんでいる」と満足のコメントを残している。

■トニ・エリアス「トラブルさえ無ければトップ10入りも可能だった」

初日11番手の結果には満足だとしながらも、トラブルさえなければトップ10入りが狙えたというエリアスは次のようにコメントしている。
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「今日はすごく改善が進んだので満足。ポルトガルのテストで正しい方向性が見つかり、今日は朝から調子が良かった。午後には1秒近くもタイムを縮めることができた」とエリアス。

「午後のセッション終盤には問題を抱えてしまい、最後の10分を走行できなかったのが残念。それがなければトップ10入りが狙えたかもしれない。ただ、今日の結果はいい兆候だと思うし、明日はもっと上位のライダーのタイムに近づきたい」

■シルバン・ギントーリ「直線だけなら信じられないほど速い」

セッション残り15分のところでいいセッティングが見つかったとするギントーリは、初日を終えて次のように述べた。
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「午後のリズムは午前のセッションよりはるかによくなった。午後のセッション残り15分のところでいいセッティングが見つかったので、明日はもっとポジションが上がる事を願っている」とギントーリ。

「ブリヂストンタイヤとサスペンションには満足。バイクは直線では信じられないほど速く、トップスピードの面ではこの日の誰よりも速い330km/hを記録する事ができた。できるだけ早くバイクの正しい乗り方を見つけたい。それができれば順位をもっと上げられると思う」


■ホンダLCRはセッティング改善に終日苦戦

この日は終日バイクから好感触が得られなかったというホンダLCRのランディ・ド・プニエは、午前中に記録したこの日の自己ベストの2分02秒026を午後に更新する事ができず、初日の総合16番手で1日目の作業を終えている。
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■ド・プニエ「最初からバイクの感触がひどく悪い」

朝の走行を開始した瞬間からバイクの感触が悪く、午後になっても問題を解消できなかったというド・プニエは、この日の状況を以下の通り説明している。

「自分たちにとっては本当に難しい一日だった。午前のセッションでは最初の1周目からバイクの感触がひどく悪く、特にフロントがよくなかった」とドプニエ。

「午後も懸命に調整を行ったが、残念ながら状況は改善されずタイムを削ることはできなかった。この結果にはがっかりだったが、チームは問題の解決に向けてミシュランやホンダと一緒に作業を進めてくれている」

「今日の結果は自分たちの本来の実力を示したものではないので、残りの2日間には自信が持てる」

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