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朝の路面温度が46度を超えた2月セパン合同テスト2日目
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インテリマーク編集部
  2008年2月7日

午前に路面が濡れていた初日とは打って変わり、厳しい陽射しとなったMotoGP合同テスト2日目のセパン・サーキットは朝から路面温度が46度に上昇、日中の気温は39度、路面の最高温度は60度近くにまで到達している。
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ここでは、灼熱地獄さながらの走行条件となったマレーシア合同テスト2日目、2月6日のセパン・サーキットでのMotoGPレギュラー・ライダー5名の走行結果とテスト内容、ならびにコメントなどを紹介する。


■2日目に目立った転倒者はなし、デ・アンジェリスは朝から頭痛

この2日目は特に目立った転倒者は出ていないが、初日に午前と午後の2回に渡り転倒したグレッシーニ・ホンダのアレックス・デ・アンジェリスは、その影響からこの日は朝から頭痛に苛まれており、午前中はクリニカ・モバイルで簡単な治療を受けている。

幸いデ・アンジェリスは治療後すぐに体調を回復して2日目の作業を再開しているが、完全な体調とは言えなかった事からこの日は前日に抱えていたフロントのチャタリング改善を目的としたセッティングの調整に集中し、激しいタイムアタックは控えた様子だ。


■2月セパン合同テスト、2日目の走行結果

以下に、路面状況は終日ドライ、気温39度、路面温度57度、湿度53%のセパン・サーキットで行われたMotoGP合同テスト2日目(2月6日)の走行結果を、各ライダーのこの日の自己ベスト順に示す。
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1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分00秒472(70周)
2) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分00秒900(90周)
3) 中野真矢 JPN ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒049(59周)
4) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分02秒396(55周)
5) アレックス・デ・アンジェリス RSM ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒646(57周)
6) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分03秒513(-周)
7) ヤマハ・テストライダー JPN ヤマハ・テスト・チーム YZR-M1 2分05秒647(-周)
8) 芹沢太麻樹 JPN カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分06秒027(-周)
9) ヤマハ・テストライダー JPN ヤマハ・テスト・チーム YZR-M1 2分06秒244(-周)

セパンのサーキットレコードは2007年(800cc)にケーシー・ストーナーが記録した2分2秒108、ベストラップレコードは2006年 (990cc)にバレンティーノ・ロッシが記録した2分00秒605。2007年(800cc)のポールタイムはダニ・ペドロサが記録した2分1秒877。

今回の2日目は、ホルヘ・ロレンソを除く4名のレギュラー・ライダーが予選タイヤをセッションの終盤に装着しているが、グレッシーニ・ホンダの2名は前回のオーストラリアと同様に予選タイヤの性能を引き出す事ができておらず、レースタイヤでのタイムと大きな違いはなかった。

なお、先日は報じられなかったが、今回のセパン合同テストにもヤマハの開発ライダーを務める藤原儀彦選手と吉川和多留選手の2名が参加しており、この日は2名のタイムが公開されている。


■各チームの概況とコメント

以下に、セパンでの2日目のテストを終えた各チームの状況、ならびに関係者のコメントなどを紹介する。

■2日目も全く不満のないブリヂストン・フィアット・ヤマハ、
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2日目に入り、初日に引き続きブリヂストンとのタイヤテストを重ねる傍ら、サスペンションと電子制御マッピングの調整、ならびに時折新型のカウルなども装着して、様々なマシン・セッティングを忙しくテストしたバレンティーノ・ロッシは、初日のタイムは0.172秒更新する事はできなかったものの、2日目も5人のレギュラー・ライダーの中のトップタイムとなる2分00秒472を記録している。

この2日目のタイムもロッシ自身が2006年に990ccマシンで記録した予選タイヤでのベストラップ・レコードを0.133秒上回っており、ロッシは初日と同じくこの日も全周回数の最後から2周目(69ラップ目)に今回のタイムを記録した。

なお、ロッシは初日に引き続き今回も予選タイヤを装着してこの日の自己ベストを記録しているが、それまではレースタイヤで一貫して2分1秒台という速いペースでの走行を繰り返していた。

■ロッシ「予選タイヤでのアタック中にミス」

最も自分に合うレースタイヤが決まり、翌日のロングランもそのタイヤで行いたいとするロッシは、この日に前日の自己ベストが更新できなかった件について、疲れ切っていたので最後にミスをしてしまったと説明している。
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「今日も引き続き好調な1日でしたね。終日いいペースとリズムがつかめていました」とロッシ。

「最初に何本か別のタイヤも試しましたが、そのおかげで今気に入っているタイヤが自分たちにとって最高の1本だと分かりました。だから明日はそのタイヤでロングランを行うつもりです」

「今日は少しだけサスペンションや電子制御マッピングの調整も行いました。他にはスタートの練習を10回以上はやったと思いますが、この分野にも少し改善が見られています。後は冷却システムの効率化に期待が持てる新しいカウルも試しましたが、これにはいい効果が得られました」

「一番最後に予選タイヤをまた試しましたが、アタック周回中に小さなミスをしてしまいました。その時にはものすごく疲れていましたからね。でも、今回もすごく好調に終わる事ができました」
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■ブリビオ監督「明日のロングランで自分たちの仕上がりレベルが分かる」

ブリヂストン側のフィアット・ヤマハ・チームの監督を務めるダビデ・ブリビオは、ここまでの進捗状況については大変に満足しており、後は最終日のロングランを成功させるだけと述べている。

「現段階ではすごく好調と言えますし、ここまでの進展状況にはとても満足しています」とブリビオ監督。

「明日はロングランを完了できるように集中します。その結果により、自分たちがどのくらいのレベルに到達できているかがはっきりしますからね」

「今日はとてつもなく熱い1日だったの作業は困難を極めましたが、この条件にもかかわらずバレンティーノは本当に良くやってくれたと思います。今はヨーロッパに戻る前の最終日がうまくいく事を祈るだけです」


■レプソル・ホンダはセパンでの作業を全て完了、満足するヘイデン
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気象条件さえ良ければプレシーズン中は1日あたりに100周回近い走行量があたり前というレプソル・ホンダの2006年度チャンピオン、休みなく開発に勤しむニッキー・ヘイデンは、ドライの時間が少なかった初日にも80周回を走行していたが、朝から路面温度は45度以上、日中は60度近くになるという灼熱地獄と化した2日目のセパンでも精力的な走り込みを見せ、この日は90周回を走行している。

朝早くからコースに出てすぐに速いペースをつかむ事ができたというヘイデンは、初日に引き続き2台のワークスRC212Vに搭載した新旧シャシーの比較検証を行い、同時にミシュランの新しいコンパウンドのテストを終え、今回のセパンで予定していたテスト作業の全てをこの日に完了している。なお、ヘイデンがこの日に予選タイヤで記録した2分00秒900はトップのロッシに次ぐ2日目の2番手タイムだった。
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この2日間のテストを通じてHRCは、新型シャシーの仕様改善が進み、実際のレースウイーク中の条件に近い厳しいセパンに合うセッティングを見つける事ができたとしており、またミシュランも同様に、宿敵ブリヂストンが得意とするセパンで優れた性能を発揮するタイヤを確認できた様子だ。

不満の多かったフィリップ・アイランドとは異なり、好調のままこの2日間を終えたニッキー・ヘイデンは、3日目の合同テストには参加せずにこれから母国のアメリカに戻り、次回のヘレスIRTAテストまでの9日間の休息に入るという。

■ヘイデン「新型エンジンのテストに入る準備は整った」

この2日間は新型シャシーの開発を中心とした評価テストをHRCと共に行ったニッキー・ヘイデンは、シャシーの状態はここまでに改善されており、次回のヘレスIRTAテストから新型エンジンのテストに集中するための準備は整ったとコメントしている。

「そんなに悪くない順調な2日間のテストでしたね。HRCもエンジニアたちも、チームは今年の初日から自分のためにものすごく一生懸命に作業を進めてくれていますよ」とヘイデン。
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「今日は1つの事だけには作業を集中せずに、シャシーの比較テストとミシュランタイヤのテストの両方を行いました。路面温度が過去にない高さだったので、タイヤに関してはその走行条件からいいデータをいくつか収集する事ができています」

「いいリアタイヤが見つかり、エッジのグリップがとても良くなっています。今回試したフロントもいい感じでしたが、結局は前回のテストで使ったフロントタイヤに戻しました」

「シャシーも今はいい状態になりましたので、次回のテストで新しいエンジンをテストする準備はこれで整いました」

「ここまではかなりの忙しさでしたね。ビッグ・ショー(シーズン開幕)が始まる前に、また次回のヘレスでも頑張ります」


■今回も予選タイヤでは不調のグレッシーニ・ホンダ

グレッシーニ・ホンダの2名のライダーは、この日は初日のタイムをレースタイヤで更新してはいるものの、フィリップ・アイランドでの最終日と同様に、夕方に装着した予選タイヤではこの日のレースタイヤでのタイムを上回る事が揃ってできなかったようだ。

2日目の中野真矢選手は初日に仕上げたベースセッティングから作業を開始し、午前中にサスペンションを調整してからブリヂストンタイヤのテストを本格的に開始している。この中で中野選手はNissinのブレーキパーツを試して満足のいく結果を得ているが、タイヤに関しては初日ほどに納得のいくタイヤの組み合わせが見つからず、日中の路面温度の高さの影響もあり予選タイヤとレースタイヤのタイムに大きな差がなかったとしている。中野選手のこの日の自己ベストは、レースタイヤで記録した3番手タイムの2分02秒049だった。
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また、チームメイトのアレックス・デ・アンジェリスは、前日の2度の転倒の後遺症から朝は頭痛に苛まれていたが、午前中にクリニカ・モバイルで治療を受けた後で体調は回復している。体調が完全ではない事からこの日は激しく攻めて走るのを控えたというデ・アンジェリスは、2日目も初日に引き続きセパンで悩まされているフロントのチャタリング解消を目指してシャシーのセッティングに終日取り組んだが、この日は大きな改善効果を得る事はできなかった。なお、デ・アンジェリスもこの日の夕方には予選タイヤを試しているが、中野選手と同じくレースタイヤでのタイムを上回る事はできていない。デ・アンジェリスのこの日の自己ベストは、レースタイヤで記録した5番手タイムの2分02秒646だった。

いずれにしても、現在のグレッシーニ・ホンダ勢の課題は、予選タイヤの性能を今後いかに引き出すかにあるようだ。

■中野選手「予選タイヤへの取り組みが今後も必要」

2日目はタイヤの組み合わせがうまくいかなかったとするものの、マシンの感触は初日と比べてだいぶ良くなったという中野選手は、今後はブリヂストンの予選タイヤの性能を引き出すための対策が必要だとコメントしている。また、ホンダのサテライト勢はここまでに2007年型エンジンを使用しているが、来週のヘレスからの提供が予定されている2008年型エンジンへの期待感が中野選手には若干ある様子だ。

写真「今日は昨日と同じベースセッティングから作業を始めて、サスペンションに変更を加えてからブリヂストンタイヤのテストを開始しました」と中野選手。

「バイクについてはだいぶ快適に感じるようになりました。自分のホンダのマシンは完全に最新型ではなくエンジンは2007年仕様ですが、全体的な内容にはとても満足しています。Nissinのブレーキは完璧ですし、バイクのセッティングも良くなりました」

「ただ、タイヤについては昨日よりもいい組み合わせが見つかっていません。特に予選タイヤですが、今はレースタイヤで走った時とあまり差がないので、この分野にしっかり取り組んで改善していく必要があります」

「ここでのテストはあと1日ありますから、明日はもう少しいい結果を期待しています。明日は新しいブリヂストンタイヤを何本か試して、自己ベストを更新できるように頑張りたいです」

■デ・アンジェリス「でも自信はある」

前日の転倒の影響からこの日は体調が優れず、あまり激しい攻めの走りは控えたというアレックス・デ・アンジェリスは、2日目はマシンのセッティング改善を思い通りに進める事はできなかったとしているが、今後に向けての自信をそのコメントの中で示している。

「午前中は少し頭痛があり気分も悪かったんですが、クリニカモバイルのドクターに診てもらってからはすぐに回復しました。ただ、この影響もあり今日はあまり激しく攻めて走る気にはならなかったので、明日の最終日にもっとしっかり走りたいと思います」

「今日は主にシャシーの改善に取り組みましたが、昨日の問題を解消する事はできていません。このコースではチャタリングがひどく発生していて、安定していいラップタイムを維持する事ができないんです」

「セッション終盤にはブリヂストンの予選タイヤを試しましたが、タイヤの性能をうまく使う事はできませんでした。シンヤと同じですが、自分も予選タイヤからいい感触が得られず、レースタイヤでの自己ベストを更新する事ができていません。でも自信はありますよ。今晩はデータを分析して明日の作業の方向性を考えたいと思います」

「今日はスタートの練習を8回行いました。MotoGPバイクは250ccバイクと全く異なりますから、早くこれに慣れてもっとうまくスタートができるようになりたいですね!」

■グレッシーニ「最終日を乗り切る必要がある」

グレッシーニ・ホンダのチーム・オーナーを務めるファウスト・グレッシーニは、年明けからほとんど休みなくテストを続けてきたライダーとチームの全員が疲労困憊状態にあると述べながらも、今回のセパンでの作業をあと1日、何としてもやり遂げる必要があると語った。ちなみに、年明けから3連続のテストに全て参加しているのはレプソル・ホンダとグレッシーニ・ホンダの2チームのみであり、レプソル・ホンダはこの日に作業を終えている事から、グレッシーニ・ホンダが最もハードなスケジュールをIRTAテストまでにこなす事になる。

「この2日間はスタッフを含め大変に疲労困憊気味です。ライダー2名とチームの全員は必死ですが、今回の作業は大変に重要なものですから何としてもやり遂げる必要があるんです」

「全員が大変に疲れていますが、それでも結果は良好ですし満足のいくものですから、みんなの意欲は非常に高いですよ」

「中野はバイクへの素早い適応力を示していますし、彼のレースタイヤでの走行ペースはワークス・ホンダのライダーとほぼ同じです。一方、デ・アンジェリスはMotoGPバイクでデビューしたばかりですが、その優れた才能をすでに見せつけています」

「ここまでの結果には十分満足していますが、しばらくの休みに入る前の最終日に向けて、チームにはさらなる努力を要請したいと思います。来週にはスペインでヘレスIRTAテストが始まりますからね」


■年末からの課題が解決できずに焦るミシュラン・フィアット・ヤマハ

好調に改善が進んだ年末から1月までのテストとは異なり、今回のセパンでは初日からマシンのセッティング改善が全く進まずに落ち込んでいたミシュランを履くフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソだが、この日はさらにいくつかの問題が発生してしまった様子だ。
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ロレンソが抱える問題は、年末からの課題としているハードブレーキング時のフロントの感触だが、この2日目にフィアット・ヤマハのスタッフは終日を費やしてこの問題の解決に取り組んだものの、最後まで完璧と言えるような根本的打開策は見つからなかったという。

なお、それでもロレンソは前日のタイムを0.258秒は更新しており、この日の自己ベストは全体の4番手となる2分02秒396だった。

チームは最終日もこの課題に取り組み、マシンについては新型シャシーのハードブレーキング時の剛性が上がっている点を活かせるように調整を進め、ロレンソ本人はライディング・スタイルの改善に挑むという。

■ロレンソ「前回のテストと同じセッティングでも遅い」

写真IRTAテストを目前に解決できない課題が残り、2日目も引き続き落胆の色を隠せないホルヘ・ロレンソは、前回のセパンで使用したセッティングを試しても今回はタイムを縮められないとコメントしている。

「今日は本当に難しかったですね。あまり速く走れないし、前回のテストの時と同じセッティングで走ったのにあの時よりも遅いんです。まだ改善が必要ですし、明日は自分のライディング・スタイルをいくらか変えてみようかと思っています」とロレンソ。

「全体を通してずっと同じ問題を抱えたままです。新しいシャシーを使って若干改善は見られたものの、コーナー進入時のフロントの問題は変わりません」

「テスト終了後に全てのデータを確認しながら長時間のミーティングをエンジニアたちと行いました。明日の計画はこれから立てるところです。まだあと1日あるので、時間を有効に使って調子を上げてから作業を終えたいです」

■ロマノーリ「最終日には何とかしたい」

ミシュラン側のフィアット・ヤマハのチーム監督を務めるダニエーレ・ロマノーリは、最終日には新型シャシーの特性を活かして、今回抱えてしまった問題の解決策を見つけたいと語った。
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「今日は大変な作業になりました。色んな種類のセッティングをテストして若干の進歩は得られましたが、まだ大きく改善を進める必要があります」

「新型シャシーには期待の持てる点がいくつかあります。ハードブレーキング時の剛性が強化されていますから、それを活かす方向性で作業を進めるつもりです」

「ここでの最終日に、チームは必ず何らかの解決策を見つけ出せると信じています」

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