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2月セパン合同テスト、初日から年始の雪辱を果たすロッシ
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インテリマーク編集部
  2008年2月6日

今年3度目となるMotoGP合同テストが、年明け最初の合同テストの舞台となったマレーシアのセパン・サーキットに再び戻ってきた。ここでは、2月5日から3日間の日程で開催されている今年2度目のセパンでのMotoGP合同テスト初日の模様を紹介する。


■前日の雨に影響を受けた1日目のセパン・サーキット
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テスト初日となった2月5日のセパンは終日晴天に恵まれているが、この前夜にサーキットは豪雨に見舞われていた事から、午前中は路面が汚れて湿った状態にあり、転倒のリスクを避けたい多くのライダーは午前11時過ぎまで走行を見合わせ、本格的に全てのライダーが走り出したのは午後遅くに路面状況が改善されてからだった。

また、この日の朝は医療用のヘリコプターがサーキットに到着するのが遅れてセッションの開始時刻が予定よりも遅くなった事から、テストの終了時刻は当初の午後6時から午後6時25分まで延長されている。


■参加は4チーム、レギュラー・ライダーは5名のみ
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今回のテストには、4日前のフィリップ・アイランド合同テストに参加しなかったフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソの他には、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、ならびにグレッシーニホンダの中野真矢選手とアレックス・デ・アンジェリスの3名がオーストラリアから引き続き休みなく参加しており、レギュラー・ライダーはこの5名のみとなっている。

また、この3チーム以外には、1月のセパンで初披露したスクリーマー・エンジン搭載マシンなどのテストを目的に、カワサキも芹沢太麻樹選手とオリビエ・ジャックという2名のテストライダーを今回のテストに投入している事から、この数日間は合計4チームの総勢7名のライダーがテストを行う予定だ。
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■初日の転倒者は2名、怪我人はゼロ

初日は2名の目立った転倒者が出ているが、幸い怪我人は1人も発生していない。

グレッシーニ・ホンダのアレックス・デ・アンジェリスは、まだ誰も走っていない午前の濡れたコースに1番乗りに飛び出したが、9周目を終えて10周目の1コーナーに飛び込んだ直後にフロントタイヤを汚れた路面に滑らせて転倒している。路面が乾いた夕方3時過ぎにはデ・アンジェリスは再びコースに復帰して元気な走りを見せたが、夕方の6時10分には再び転倒。この2回の転倒でもデ・アンジェリスは全く怪我を負わなかったが、マシンは大破して再び走行する事は不可能となった。

また、デ・アンジェリスの2回目の転倒とほぼ同じ頃にレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンも15コーナーで転倒を喫しているが、ヘイデンも全くの無傷のままこの日の作業を終えている。


■2月セパン合同テスト、1日目の走行結果

以下に、2月5日のセパン合同テスト初日の走行結果を、各ライダーの自己ベスト順に示す。この日の最高気温は31度、日中の路面温度は46度、湿度は58%。路面状況は午前がハーフウェット、午後遅くに完全ドライとなっている。
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1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分00秒300(64周)
2) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒949(80周)
3) 中野真矢 JPN ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒317(55周)
4) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分02秒654(57周)
5) アレックス・デ・アンジェリス RSM ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分03秒231(41周)
6) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分03秒655(55周)
7) 芹沢太麻樹 JPN カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分06秒974(55周)

セパンのサーキットレコードは2007年(800cc)にケーシー・ストーナーが記録した2分2秒108、ベストラップレコードは2006年(990cc)にバレンティーノ・ロッシが記録した2分00秒605。2007年(800cc)のポールタイムはダニ・ペドロサが記録した2分1秒877。

なお、今回トップタイムを記録したバレンティーノ・ロッシのみがこの日に予選タイヤを装着している。


■各チームの初日の状況

2月セパン合同テスト初日の各チームのテスト状況、および全ライダーのコメントなどを以下に紹介する。

■いきなりベストラップ記録を上回るブリヂストン・フィアット・ヤマハ
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マレーシアでは今年2度目となる合同テストの初日に、いきなりセパンのベストラップ・レコードを上回ったのは、課題としていたブリヂストンの予選タイヤでこの日のトップタイムとなる2分00秒300を記録したフィアット・ヤマハ(ブリヂストン)のバレンティーノ・ロッシだった。

■初日から前回のセパン最終日の雪辱を果たすロッシ
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今回のセパン参加レギュラー5名のうち、前回のフィリップ・アイランド合同テストに参加しなかったのはフィアット・ヤマハ勢のロッシとホルヘ・ロレンソのみだが、ロッシは12日ぶりに戻ってきたセパンで2006年に自身がYZR-M1(990cc)とミシュランの予選タイヤで記録したベストラップ・レコードを0秒305秒上回って見せている。

ロッシは1月のセパンではレースタイヤでは好調だったものの、その最終日に予選タイヤを装着した時には良い感触を得る事ができずに、ミシュランの予選タイヤでその時の総合トップにつけたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンから1秒099遅れとなる2分01秒425を記録、順位はミシュランを履くチームメイトのロレンソよりも3つ低い総合7番手という、やや強引にブリヂストンを選択したロッシにとっては屈辱的とも言える結果に終わっていた。

■予選タイヤにおける懸念事項を1日目に解消

当時のロッシは「まだソフトタイヤに課題がある」と述べていたが、今回は路面条件が改善された夕方のセッション終了間際にブリヂストンの予選タイヤで1月のヘイデンの総合トップタイムを0秒026秒、1月の自己ベストは1秒125上回っており、初日から前回の懸念事項を一気に解消する動きに出た様子だ。

■ロッシ「ブリヂストンの使い方が分かってきている最中」

昨年のバレンシア最終戦で負傷した右手の調子も良くなり、前回よりも全てが順調だと述べるバレンティーノ・ロッシは、今はまだブリヂストンについて学習中であり、使い方が徐々にわかってきた段階だと以下の通り説明している。

写真「今日はチームにとって好調な1日でしたし、自分としても本当に楽しめましたね」とロッシ。

「今回はバイクのセッティング作業に集中して、タイヤに合うようにサスペンションとマシンのバランスを調整しましたが、すごくいい感触が得られるようになり、レースタイヤと予選タイヤの両方のラップタイムが前回よりも良くなりました」

「タイヤの変更は大きな出来事ですが、バイクの変更に比べればそれほど大げさなものではありませんよ。ただ、バイクの乗り方をどう変えていくか、それを理解していくのには時間がかかるものなんです。今はまだ学習中ですし、ブリヂストンの性能をうまく使うにはどうしたらいいかがさらに分かってきている最中ですね」

「前回に比べると体調もかなり良くなりましたし、おかげであの時よりもうまく乗れますから、今はすごくいい状態にあると思います」

■ブリビオ監督「1日目から狙い通りの結果」

ブリヂストン側フィアット・ヤマハのチーム監督を務めるダビデ・ブリビオは、ロッシの右手の怪我が回復してきた事で、以前よりも走りの調子が全体的に上がってきていると語る。

「いい日になりましたね。今回のタイムが示す通り、狙い通りの結果が得られました」とブリビオ監督。

「午前中は路面がひどく汚れていましたが午後には改善され、バレンティーノはレースタイヤと予選タイヤの両方で前回よりも速く走る事ができています。それに彼の体調も良くなっていますから、走りの調子も全体的に上がっていますね」

「明日もこのままテストを続けますが、いいスタートが切れた今日よりもさらに調子が上がる事を願っています」


■レプソル・ホンダは今回もヘイデンのみ、ペドロサの復帰時期は不明

写真1月のセパン合同テスト初日に右の手のひらを骨折したダニ・ペドロサが現在もバルセロナの自宅でリハビリに励んでいるため、今回のテストも4日前のフィリップ・アイランドに引き続き、レプソル・ホンダ・チームはニッキー・ヘイデンの1名のみにRC212Vの開発を託してセパンを訪れている。

なお、ペドロサは2月16日から始まるヘレスでのIRTAテストから開発作業に復帰できるよう願っている様子だが、正確な復帰目処については現在も不明だ。

■初日の作業は新旧シャシーの比較検証が中心

この日のヘイデンは新旧シャシーの比較テストを重点的に実施しており、その中でミシュランが開発中の新型タイヤの評価も行いながら、フロントとリアの様々なタイヤの組み合わせを検証している。

■リアのグリップ向上に満足
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前回のフィリップ・アイランドではリアタイヤのグリップが得られずに苦しみ、予選タイヤでは総合2番手につけたもののレースタイヤでは思い通りにタイムを縮める事ができずに不満げだったヘイデンだが、今回はチームのメカニックが数種類のジオメトリ・セッティングを試す中でマシン全体のバランス改善に成功しており、特にリアの16インチタイヤのエッジ・グリップが大きく増した事にヘイデンは深く満足している様子だ。

ヘイデンがこの日にレースタイヤで記録した自己ベストはロッシに次ぐ2番手タイムの2分01秒949であり、これは1月のセパンのレースタイヤでの自己ベストに0.3秒差まで迫っている。

なお、ヘイデンはセッション終了間際に15コーナーで転倒を喫しているが、幸い本人は無傷であり、翌日もシャシーの比較検証作業を効率的に進めるために、この日の走行終了後も収集したデータの分析に対して意欲を示している。

■ヘイデン「シャシーのセッティングと新しいリアタイヤに満足」

フィリップ・アイランドで抱えていた課題の一部を今回の1日目に解消できた様子のヘイデンは、この日の2008年型シャシーのバランス改善状況と、ミシュランが今回持ち込んだ開発中のリアタイヤの性能に満足している。
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「今日は遅めの作業開始になりました。昨晩からの雨の影響で最初は路面の状態が良くなかったんです。他の誰も積極的にコースに出ようとはしていませんでしたしね。みんなが揃ってコースに出てからは、少し路面の状態も良くなりました」とヘイデン。

「今日はシャシーの比較テストを行いながら、フィリップ・アイランドで学習した事を検証しました。チームのスタッフが2008年型シャシーのジオメトリを少し変えたらバイクのバランスが良くなったので、今日はいくらか進歩が得られています」

「今回はミシュランが2本のリアタイヤを持ち込んでくれたんですが、すごく気に入りましたね。1本は16インチで、もう一本は16.5インチですが、どちらもエッジのグリップがとても良くてバイクの感触が上がりました」

「明日もこのままシャシーの作業を続けながら、タイヤをもっとたくさんテストしようと思います」


■サテライト勢の中で唯一参加のグレッシーニ・ホンダ

ブリヂストンの第2のホームとも言えるセパンだが、今回ホンダのサテライト勢の中では唯一グレッシーニ・ホンダ・チームだけがテストに参加しており、3日間を通して多くのブリヂストンタイヤをテストする構えだ。

■中野選手はベースセッティングの改善状況に好感触
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ブリヂストンのタイヤテストは2日目にまわし、初日はシャシーのベースセッティングに集中して1月のセパンと4日前のフィリップ・アイランドまでに収集したデータをマシンのジオメトリに反映した中野真矢選手は、前回のセパンでの自己ベストに0.285秒差まで迫るこの日の3番手タイムの2分02秒032を記録しており、1日目の作業を順調に終える事ができた様子だ。

■果敢に朝の濡れたコースに飛び出したデ・アンジェリスは2回転倒

その一方、中野選手のチームメイトのアレックス・デ・アンジェリスは、この日の朝は誰よりも早く前日の雨の為に湿ったコース上に出て、1日目に予定していたブリヂストンのタイヤテストを開始したが、10周目に入った直後の1コーナーから2コーナーにかけての低速区間でフロントを滑らせて転倒している。本人に怪我はなかったが、これに懲りたデ・アンジェリスは転倒のリスクを避けて午前中の走行を中断、路面の状態が良くなった5時間後にやっとコースに復帰している。

しかしながら、デ・アンジェリスは夕方の6時過ぎに5コーナーへの進入時に再び転倒しており、高速走行中だったためにマシンは大破。幸いこの時にもデ・アンジェリスに怪我はなかったが、マシンのダメージが大きく1日目の作業をこの時点で終了した。この結果、初日のデ・アンジェリスのタイムは前回のセパンでのレースタイヤにおける自己ベストを1秒下回る2分03秒231に留まり、順位はレギュラーライダーの最後尾となる5番手だった。
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■中野選手「コーナー進入時の安定感が増した」

初日の作業を通していいシャシーのベースセッティングが見つかったとする中野選手は、2日目以降のブリヂストンタイヤのテストは今回見つけたセッティングのまま行いたいと語る。

「今日はRCVのジオメトリ調整を何回か行い、このコースに合ういいシャシーのセッティングを見つける事ができています」と中野選手。

「今回見つけたセッティングのおかげでコーナー進入時の安定感が増しました。明日のテストでは今回の調整値をベース・セッティングとして使用し、ブリヂストンのタイヤテストを行う予定です」

■デ・アンジェリス「明日はシートの上で作業を終えたい」

走りに熱中するうちに路面状態の悪さを忘れて2回の転倒を喫してしまったというデ・アンジェリスは、2日目は納得のいかないフロントまわりの感触を改善し、ちゃんとシートの上で作業を終えたいと語った。

「午前中の路面は理想的とは言えない状態でした。汚れたアスファルトの上で滑って転んでしまい、いい結果を残す事ができていません。最初からマシンのフロント部分にあまりいい感触が得られていなかったので、午前中はその改善作業をしていたんですが、その最中に転びました」とデ・アンジェリス。

「それからしばらくは路面の状態が改善されるのを待ってからコースに戻りましたが、走り始めたらまた熱くなってしまい、攻め込みすぎたところでまた転びました・・・今日は地球に埋まって終わる以外に方法がなかった感じです」

「コーナー進入時にスロットルを大きく開けすぎたんだと思いますが、今晩は計測データを分析してもっと深く原因を調べておくつもりです。バイクは大破して部品が散乱しましたが、怪我をしなかったのは本当に幸運でした」

「明日はフロントまわりの感触を改善できるように可能な限り多くの周回数を走り込んで、RCVのこのサーキットでの挙動を理解したいと思っています。それに今度はちゃんとシートの上で作業を終えたいですね」


■初日は改善効果が得られなかったミシュラン・フィアット・ヤマハ
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ミシュランタイヤを履くフィアット・ヤマハ・チームは、この3日間の目標は、YZR-M1のセッティングにチューニングを施し、開幕に向けてさらにマシンの完成度を高める事だとしているが、1日目はやや難しい状況だった様子だ。

■初の進展なしに落ち込み気味のロレンソ

ロレンソが現在の課題として掲げているのはフロントまわりの感触の改善だが、この日に前回のセパンで仕上げたセッティングから作業を開始したチームは1日目にはこの問題を解決するには至っておらず、ロレンソは若干落胆しているという。

しかしながら、チームは初日の作業を通して多くの情報を収集できたとしており、翌日はミシュランのタイヤテストを再開する傍ら、1日目のデータを活用してフロントのセッティング改善に取り組みたいとしている。

終日レースタイヤで走行し、初日の4番手となった今回のロレンソのタイムは、1月のセパンでのレースタイヤにおける自己ベストからは1秒遅い2分02秒654だった。

■ロレンソ「作業は進んだが問題は解消できていない」
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フロントの感触に自信が持てない事からコーナー進入時の速度が上げられないとするロレンソは、2日目以降は1日目とは異なるアプローチでこの問題の改善に乗り出したいとコメントしている。

「1日目の作業は予定通りに進めましたが、残念ながら前回のテストで抱えていた問題を思い通りに解消する事はできていません」とロレンソ。

「一番の課題はコーナー進入時のフロントまわりの感触ですが、この部分にはもっと自信が必要なので、何か解決の糸口をつかむにはまだ作業がいりそうです」

「今日の作業を通していくつかアイデアは浮かんだので、明日はもう少し違う方向性から対策を試してみるつもりです。この分野についてはもう少し進歩が得られると嬉しいです」

■ロマノーリ監督「改善のヒントとなるデータは十分に集まった」

ミシュランタイヤを使用するフィアット・ヤマハのダニエーレ・ロマノーリ監督は、この日は進展が得られなかったものの、今後の改善案を組み立てる上で必要な情報は十分に収集できたと語る。

「今日は思うほどの進歩は得られませんでした。ホルヘはまだフロントの感触に若干自信が持てない様子ですし、このためにコーナー進入時の速度が十分に得られない状態です」とロマノーリ監督。

「ただ、今日の作業が全て無駄になったという訳ではありません。エンジニアたちは多くのデータを収集する事ができていますからね。チームで今晩それらを分析してから今後の作業計画を立て、明日はそれに従って作業を開始します」

「バイクは前回のテストの時と同じ状態ですが、今の目標はセッティングをより良くする事と、ホルヘの走りに影響を及ぼしている問題を解消する事ですので、今後も作業を続けながら最善を尽くします」

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