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マックス・ビアッジとSBK2007年シーズンに向けての動向
インテリマーク編集部
2006年11月22日

SBK(世界スーパーバイク選手権)2007年度シーズンに向けての初の公式ピレリ・タイヤ合同テストが、スペインのバレンシアサーキットにて11月14日(先週の火曜日)から15日までの2日間の日程で行われた。
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ここでは、SBK2007年シーズンに向けての各ライダーのシート、ならびにチームのスポンサー確保の動向、1年のブランクを経てレース・シーンに復帰したマックス・ビアッジの現在までの動き、および今回のピレリ・テストの様子と各ライダーのテスト後のコメントなどを紹介する。

■トップタイムは初のSBK公式テストに参加したビアッジ

この2日間におけるレースタイヤでの総合トップタイムを記録したのは、1年降りにロードレース界への現役としての復帰を遂げたイタリア人スター、マックス・ビアッジだ。昨年末はMotoGPからSBKに復帰したばかりのトロイ・ベイリスが好タイムを連発して話題となったが、2007年シーズン冬季テストの話題の主役はマックス・ビアッジになるかもしれない。
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■SBKピレリ・タイヤ合同テストの結果

以下に、両日を通して晴天に恵まれた気温23度のバレンシアでのテストに参加した各ライダーの走行結果を、2日間の総合タイム順に示す。

レースタイヤ

 1)  マックス・ビアッジ アルスター・スズキ 1分33秒9
 2)  ロレンツォ・ランチ ドゥカティ・ゼロックス 1分34秒1
 3)  加賀山就臣 アルスター・スズキ 1分34秒2
 3)  トロイ・ベイリス ドゥカティ・ゼロックス 1分34秒2
 5)  ジェームス・トスランド テンケイト・ホンダ 1分34秒6
 6)  フォンシ・ニエト PSG-1カワサキ 1分34秒8
 7)  トロイ・コーサー ヤマハ・イタリア 1分34秒9
 8)  レジス・ラコーニ PSG-1カワサキ 1分35秒1
 9)  芳賀紀行 ヤマハ・イタリア 1分35秒3
 10)  ロベルト・ロルフォ テンケイト・ホンダ 1分36秒7


予選タイヤ

 1)  ロレンツォ・ランチ ドゥカティ・ゼロックス 1分33秒9
 2)  ジェームス・トスランド テンケイト・ホンダ 1分34秒2
 3)  加賀山就臣 アルスター・スズキ 1分34秒7
 4)  レジス・ラコーニ PSG-1カワサキ 1分34秒8
 5)  芳賀紀行 ヤマハ・イタリア 1分35秒1
 5)  フォンシ・ニエト PSG-1カワサキ 1分35秒1

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■レースタイヤの仕上がりは上々

今回の2007年仕様ピレリ・タイヤのテストでは、マックス・ビアッジがレースタイヤを履いて、今年3月のテストでトロイ・ベイリスが記録した予選タイヤでのベストラップ記録に0.15秒差まで肉迫している。攻めの走りに徹したというビアッジの気迫が伝わる結果だ。

全体的にピレリのレースタイヤの高い仕上がりが目立つテストとなったが、予選タイヤでは、逆にタイムを落とすライダーも目立つ結果となった。

■すでに2006年シーズンとは異なるライダー・ラインナップ

今回のバレンシアでは、すでに2006年度シーズンとは異なるチームで走行するライダーが何人か存在している。この日のテストには参加していないライダーも含め、現在判明している主要チームの体制の一部をここでは紹介したい。

■コーサーはヤマハ・イタリアに
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2006年はアルスター・スズキに所属していたトロイ・コーサーはヤマハ・イタリアに移籍し、芳賀紀行選手と共に今回のテストに参加している。冒頭で述べたマックス・ビアッジが、今シーズンまでコーサーの着ていたアルスター・スズキの黄色いチームカラーを加賀山就臣選手と共に身にまとっている。

今期は芳賀選手のチームメイトとして活躍したアンドリュー・ピットの来期のシートの行方は現在も不明だが、11月初旬にバレンシアで行われたMotoGPの合同テストにイルモアのライダーとして参加していた事は周知の事実であり、同チームと来期に向けて交渉中である事が知られている。
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■ライダー1名と冠スポンサーが変わったテンケイト・ホンダ

2006年はテンケイト・ホンダでジェームス・トスランドのチームメイトだったカール・マガリッジは、同チームからWSSクラスに参戦すると言われていたが、結局マガリッジはSBKに残る事を選択してチーム・ベルトッチ・ホンダ(2006年はチーム・ベルトッチ・カワサキだった)に移籍しており、今回のテストには参加していない。

テンケイト・ホンダはマガリッジに代わり、ロベルト・ロルフォをトスランドのチームメイトに採用しており、トスランドとロルフォの2名はこの日のテストに参加している。

■たばこブランドに変わりモータースポーツ界に進出するIT企業

また、2年間にわたりテンケイト・ホンダのスポンサーを務めたJTI(日本たばこインターナショナル)のたばこブランドであるウインストン(Winston)は、同じくJTIのブランドであるキャメルが今後もMotoGPやその他のモーター・スポーツをサポートする事が懐疑的とされる中で、2007年シーズンからSBKを始めとするモーター・スポーツ界でのスポンサー活動から撤退する事を公式に表明している。

ヨーロッパでのたばこ広告規制が加熱する中で、アリーチェ(ALICE)やコニカミノルタ、およびその他の通信事業を主体とするIT企業がモーター・スポーツに参入する傾向が強くなりつつあるが、2007年シーズンからテンケイト・チームを支えるスポンサーもやはりIT企業だ。

今後テンケイト・チームの冠スポンサーとなるのは、台湾の液晶モニターメーカーとしてユニークなデザインの小型テレビなどを主力商品とするハンスプリーBV社(Hanspree BV)。

ハンスプリーのWebサイトはこちら

■ハンスプリー・ホンダ・テンケイト・チームの誕生

同社は台湾の液晶ディスプレイメーカーであるハンスター社により2002年に設立され、米国ディズニー社や米プロ野球(MLB)とライセンス契約を結ぶ等、独自のデザイン性を追求した付加価値の高い製品を作る事で知られており、現在までに百種類以上の液晶テレビを商品化している。

ハンスプリーは台湾のみならず欧米にも市場を拡大しており、MotoGPのコニカミノルタと同様、ヨーロッパで人気の高いモータースポーツを通して、新たな国際的な市場や顧客の開拓を狙うものと見られている。

2007年よりハンスプリーはホンダ・ヨーロッパの冠スポンサーとして、テンケイト・ホンダチームのSBKとWSSの両チームと、世界モトクロス選手権のM1クラスとMX2クラスで戦うチーム・ホンダ・マーチンの活動を支援するという。

■クリス・ウォーカーはBSBのリズラ・スズキに

また、今シーズンまでカワサキPSG-1のライダーとしてアグレッシブな走りを見せたクリス・ウォーカーは、現在までにBSBのリズラ・スズキチームへの移籍を済ませている。

この結果、2007年シーズンのカワサキPSG-1はウォーカーの抜けた2名ライダー体制となり、2006年に引き続きレジス・ラコーニとフォンシ・ニエトは正式に同チームの2007年ライダーラインナップにエントリーされた。この2名は今回のバレンシアにも参加している。

■シェーン・バーンはヤマハ・フランス?

クリス・ウォーカーの移籍が決定したリズラ・スズキ・チームで、2006年のBSBを戦ったシェーン・バーンは、MotoGPのイルモアとの交渉が一時期は噂されていたが、現在はSBKのヤマハ・フランスと交渉中である事が報じられている。

■ノリックの2007年に向けての動向は現在も不明

ヤマハ・フランスは今期は2名ライダー体制でSBKに参戦する事が決定しており、すでに中冨伸一選手との2年目の契約は済ませているが、2007年シーズンの動向が不明なノリックこと阿部典史選手の後任ライダーはまだ決定していない。なお、もう一人のヤマハ・フランスのライダーだったセバスチャン・ジンバートは、すでにWSSクラスへのカテゴリー変更が決定している。

写真■ジェームス・エリソンはSBKを断念しAMA参戦が決定

なお、10月中はヤマハ・フランスと交渉中である事が明るみになっていたMotoGPのTECH3ヤマハ・チームのライダーだったジェームス・エリソンは、結局ヤマハ・フランスの要求する持参金に関する問題が合意に至らず、最終的にはAMAのコロナ・エクストラ・ホンダ・レーシングへの移籍が決定した。

■ザウスは契約更新、スティーブ・マーチンはDFXトリームに

上記以外のライダーの動きとしては、ルーベン・ザウスが2006年シーズンと同じく来年もステルリガルダ・ベリックに決定している。

フォギー・ペトローナスに所属していたオーストラリア人ライダーのスティーブ・マーチンは、今期を持って現役を引退したフランチェスコ・キリの後任ライダーとして、2007年はミッシェル・ファブリツィオと共にDFXトリームから参戦する。

■フォガティーは現在もスポンサー難

ペトローナスのSBK撤退後、2007年からの新しいスポンサーを探しているフォギーことカール・フォガティーは、SBKでの活動を継続する意志は表明しているものの、現在もスポンサーは獲得できておらず、SBK参戦の目処は立っていない。

なお、英国crash.netは11月7日の記事の中で、今年に現役を引退したフランチェスコ・キリが、フォギーのチームの運営に加わる方向にあると報じている。

■バロスを失ったクラフィ・ホンダの動向は不透明に

2007年もSBKに当然参加すると思われたアレックス・バロスの突然のMotoGP復帰により、クラフィ・ホンダチームは一人もライダーが決定しない状態が続いている。クラフィはバロスにもう1名のライダーを加えた2名ライダーで2007年シーズンのSBKを戦う準備を進めていたが、バロスのSBK離脱により計画は根底から崩れてしまう形となった。

クラフィの2007年の体制として、バロスと玉田誠選手の2名ライダー体制となる事が今年の夏頃にヨーロッパでは噂されていたが、結局は玉田選手もMotoGPでの活動を継続する事となり、今後の体制は全く見えなくなった。ただ、クラフィは2名ライダー体制で来年のSBKに臨む姿勢は崩しておらず、水面下での何らかの活動は続けている筈だ。

■ビアッジのSBK参戦までの道のり

さて、今回のバレンシアでのピレリ・タイヤ・テストで最も注目を集めたのは、公式SBK合同テストに初参加したマックス・ビアッジの走りである事に間違いはないだろう。
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マックス・ビアッジはアルスタースズキへの移籍が決定した今年の9月14日以降に2回のプライベートテストを行っており、その時に彼は初めての経験となるピレリータイヤやSBKマシンの挙動を確認しながら「まだ初心者として学ぶ事ばかり」と控えめなコメントに終始していた。しかしながら今回の合同テストでは、2007年度仕様のスズキGSX-R1000の限界を確かめるような攻め走りを見せ、熱烈なファンやチームの期待に応えるかのように、SBKのサーキットレコードを上回る輝かしいトップタイムで公式デビューを飾っている。

■1年越しのMotoGPからSBKへのカテゴリー転向

2006年シーズンはMotoGP最高峰クラスからの移籍組として、ドゥカティーのトロイ・ベイリス、ステルリガルダ・ベリックのルーベン・ザウス、クラフィ・ホンダのアレックス・バロスのSBKへの移籍が話題を呼んだが、2007年シーズンに向けてはアレックス・バロスがプラマック・ダンティーン・チームからMotoGPに復帰し、それと入れ替わるようにマックス・ビアッジがアルスター・スズキ・チームに1年越しの移籍を果たした事が最大のニュースとなった。

昨年末はマックス・ビアッジのMotoGP離脱後の去就に関する噂が飛び交い、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)やF1など、4輪レースへのカテゴリー変更も実しやかにささやかれていた。しかしながら、結局この時はビアッジにとって本命と言われたSBKアルスター・スズキとの交渉が成立に至らず、2006年シーズン中は人気の少ないサーキットでモタードの練習にあけくれる中、各種モータサイクル・イベントに参加するなどして、浪人生活を過ごした事が報じられている。

長い期間と多くの不可解な点を残したビアッジのSBK移籍だが、簡単にこれまでの経緯を、今回のバレンシアテストの情報を紹介する前に以下に振り返ってみたい。

■MotoGPカワサキへの移籍が失敗し、路頭に迷ったビアッジ

ビアッジがホンダ陣営から放出される形となった2005年の終わり、彼はハラルド・エックル監督率いるMotoGPカワサキ・レーシング・チームへの移籍成功を確信していたが、年末にブリヂストンが供給量の限界から3台目のカワサキにタイヤを提供できない事が判明し、ビアッジのMotoGP残留の望みは途絶えてしまった。カワサキにとってもビアッジにとっても、これは予想外の事態だったと、当時のエックル監督は語っている。
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MotoGPの残りのシートが全て埋まってしまった後、ビアッジはSBKを主催するFGSportsや、アルスター・スズキおよびホンダ・ヨーロッパなどのから熱烈なラブコールを受け、SBKにカテゴリーを変更する事がほぼ確実と見られていた。しかしながら、ビアッジの2006年度SBK参戦が実現する事はなかった。

■政治的および金銭的問題、ならびにチームの不協和音

2006年シーズンにビアッジのSBK参戦が実現しなかった理由には様々な憶測が飛び交っている。最も多く語られているのは、ビアッジがMotoGPなみの高価なトラクション・コントロール・システムを自分のマシンに装着する事をアルスター・スズキ・チームに要求する等、金銭的な折り合いがつかなかった事だ。

またその他には、当時はすでにアルスター・スズキがトロイ・コーサーと加賀山選手が2006年シーズンの契約を済ませていた事も、思惑が思い通りに進まなかった理由の1つと言える。今年初旬の冬季テスト中にトロイ・コーサーがビアッジの移籍話に関して厳しい発言を残したり、それに対してアルスター・スズキのオーナーであるフランソワ・バッタは「コーサーとの友情が壊れてもビアッジを獲得したい」と発言するなど、チーム内での不協和音も見え隠れした事から、当時のタイミング的に考えて、いかにバッタの熱意が強くとも、ビアッジの2006年シーズンにおけるアルスター・スズキへの移籍はそもそも難しいシナリオだったのかもしれない。

■熱烈なビアッジのファン、フランソワ・バッタの執念が実を結ぶ

結局トロイ・コーサーが不調の2006年シーズンを終え、2007年に向けては芳賀紀行選手の所属するヤマハ・イタリアに移籍した事で、熱烈なビアッジ信者とも言えるフランソワ・バッタの希望通りに、ビアッジはSBK2007年シーズンを、加賀山就臣選手と共にアルスター・スズキ・チームのライダーとして戦う。

■アルスター・スズキは2007年シーズンに向けて快調なスタート

話を先週バレンシアで行われたピレリ・タイヤ合同テストに戻そう。

今回の公式テストより、アルスター・スズキのライダーラインナップは、現在のSBKの話題の中心人物となったマックス・ビアッジと、先日の全日本JSBにスポット出場し、見事に凱旋優勝を果たしたばかりの加賀山就臣選手の2名体制となった。
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2名のライダーは2007年仕様のコロナ・エクストラ・アルスター・スズキGSX-R1000を今回初めて試し、ビアッジはベイリスの持つ予選タイヤでのベストラップである1分33秒758に迫る1分33秒9というレースタイヤでのトップタイム、加賀山選手はレースタイヤ(1分34秒2)と予選タイヤ(1分34秒7)の両方でそれぞれ3番手という好タイムを記録し、初の公式テストを終えた。

ちなみに、ビアッジのレースタイヤでの今回のタイムは、予選タイヤでトップのロレンツォ・ランチと同タイムだ。ビアッジは予選タイヤでの走行は今回行っていない。

■ビアッジ「最大限に攻めてみようと思った」

SBK公式テストのデビューを総合トップタイムで飾ったマックス・ビアッジは、今回のテストでは新仕様のマシンで限界走行を行い、スズキの日本人スタッフに有益な情報を渡したかったと、2日間のテストを終えた後にコメントしている。

写真「バレンシアのコースは曲がりくねっていますし、いつも息つく暇が全くありませんよ。次から次へとシケインが連続的に現れます。」とビアッジ。

「自分の好きなコースじゃありませんが、バイクを自分に合わせる作業は楽しかったですね。」

「SBKのカテゴリーにはスペシャリストと呼べるライダーがひしめいていますが、ここではまだ自分は新顔ですし、スーパーバイクの乗り方に身体を合わせていく必要もあります。」

「今日は多くのテストをこなしながら、二つの事に集中しました。1つはバイクを自分の思い通りにコーナーへの進入ができるようにして、スムーズに走る事、二つ目は長距離を走り込んだ時にタイヤの挙動がどう変わるか確かめる事です。」

「今回はこのバイクで最大限に攻めてみましたので、日本の技術者たちに多くのデータを提供できたと思います。彼らがさらにバイクを改善するのに役立つ事をしたかったので、それはうまくいったと思いますよ。」

■加賀山選手「レースタイヤの方が速かった!」

加賀山就臣選手は2日目に軽い転倒を喫したが、特に怪我を負う事もなく、順調に2日間の公式テストを終える事ができたようだ。予選タイヤではレースタイヤでの自己ベストを上回る事ができなかった加賀山選手だが、今回のテスト結果には満足し、次回のテストに向けて更なる期待を示している。

「ブレーキングでフロントを失い、今日は軽く転んでしまいましたが、怪我がなかったので自分にとっては運が良かったですね。」と加賀山選手。
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「ただ、メカニックたちにはかなりの仕事を増やしてしまい、時間も大きく無駄にしました。余分な作業を与えてしまったメカニックたちには申し訳ない事をしました。」

「今日は新しいバイクに乗り、何種類ものセッティングを試しながら、終日それらの調整を行っていました。終盤には予選タイヤを試しましたが、レースタイヤよりも遅かったんですよ!」

「今回のテスト内容にはとても満足しました。新しいバイクでいい仕事ができましたし、チームにたくさんデータを渡す事もできましたから、次回はさらに進歩が見られる筈です。」

■ドゥカティー、2007年にチャンスをつないだランチ

写真2007年に向けての初のテストでトップタイム(予選タイヤ:1分33秒9)と2番手タイム(レースタイヤ:1分34秒1)を記録したロレンツォ・ランチは、2日間を通してタイムシート上のトップ3に名前を刻んでおり、期待はずれに終わったドゥカティー・ワークスのライダーとして1年目のシーズンを埋め合わせるように好調な走りを見せたようだ。

なお、ランチは既にドゥカティー・ゼロックスとの2年目の契約は済ませている。

■MotoGP最終戦で優勝を果たしたベイリスは再びバレンシアに

2006年からSBKに復帰し、の歴代最年長チャンピオンとなったドゥカティー・ゼロックスのトロイ・ベイリスは、10月末に行われたMotoGPのバレンシア最終戦に古巣のドゥカティー・マルボロ・チームからセテ・ジベルナウの代役としてスポット参戦し、熾烈な優勝決定戦を終始自分の背後に従えての独走優勝を飾ったばかりだ。

その最高の思い出の場所となったバレンシアでのテストで、ベイリスはアルスター・スズキの加賀山選手と同じ3番手タイム(レースタイヤ:1分34秒2)を記録している。
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今回のドゥカティー・チームは新仕様のバイクではなく、ベイリスが世界チャンピオンを獲得した2006年仕様のマシンでテストを行ったようだ。

写真■2年目のテンケイト・ホンダでタイトルを狙うトスランド

2006年シーズンをランキング2位の好成績で終えたジェームス・トスランドは、MotoGPチームへの移籍も噂されたが、早期から本人が自身のホームページでテンケイト・チームへの残留意志を示していた通り、2007年シーズンはハンスプリー・テンケイト・ホンダ・チームでSBK参戦を継続する事が決定している。

今回トスランドは新型のスイングアームとトラクション・コントロールの新しい制御プログラムを導入してテストを行い、2番手タイム(予選タイヤ:1分34秒6)と5番手タイム(レースタイヤ:1分34秒2)を記録した。

■ロルフォはバイクの基本セッティングに集中

トスランドの2007年シーズンの新しいチームメイトとなるロベルト・ロルフォは、初のテン・ケイト・ホンダのマシンを自分に合わせる事に2日間集中し、総合10番手タイムの1分36秒7をレースタイヤで残している。

■2名体制のカワサキPSG-1

カワサキのフォンシ・ニエトは、今回のテストで新型のフロントサスペンションを試しながら、6番手タイム(レースタイヤ:1分36秒7)と5番手タイム(予選タイヤ:1分35秒1)を記録している。

ニエトのチームメイトのベテラン、レジス・ラコーニは、8番手タイム(レースタイヤ:1分35秒1)と4番手タイム(予選タイヤ:1分34秒8)を記録した。

■ヤマハ・イタリア、最強コンビが初の合同テスト
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ヤマハ・イタリアには、アルスター・スズキからの移籍を遂げた2005年度の年間タイトル保持者であるトロイ・コーサーが、芳賀紀行選手のチームメイトとして、今回のテストに参加している。

芳賀選手は2007年仕様のヤマハ・イタリアYZF-R1を2日間通してセッティングし、コーサーは2006年マシンと2007年マシンを乗り比べながら、様々なセッティングを試したようだ。また、2名のライダーは揃って07年仕様のマシンの現段階での仕上がりの高さに驚いている。

■芳賀選手「07年仕様は最初から調子がいい」

今回のバレンシアで07年仕様のヤマハ・イタリアYZF-R1を初めて調整した芳賀紀行選手は、今シーズンに使用した06年型に比べ、初期段階での仕上がりの高さに満足のいった様子だ。

「昨日は07年仕様のバイクの慣らし運転から始めました。」と芳賀選手。
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「06年バイクの時と比べると、いいスタートが切れたと思いますよ。今の状態でもいい仕上がりのバイクになってます。とは言っても、まだ最初の一歩を踏んだにすぎませんけどね。」

「今回のテストで、今後自分たちに必要になる事がだいぶ理解できましたし、次のカタールでは更に良くなる筈です。バイクの感触はフロントもリアまわりも今までとは違いますね。コーナリング性能が06年仕様よりも少しいいと思いました。」

「07年型エンジンの感じは悪くないです。まだレース用に1つの仕様しかありませんが、前よりも扱いやすくなっています。マッピング(エンジン制御)については、まだいくらか調整が必要です。」

■コーサー「バイクの完成度が高いので、後は頑張るのみ」

10月25日にヤマハに移籍後初となるプライベート・テストをムジェロで行ったトロイ・コーサーだが、07年型のマシンをテストしたのは今回のバレンシアが初めてだ。

コーサーも芳賀選手と同じく07年仕様のバイクの完成度の高さに満足し、すでに06年型の最終形よりもいい状態だとコメントしている。

「今回は新しいスイングアームを試し、バイクの車高の調整を色々実験しましたが、それを思えば今回のタイムはそれほど悪くない結果だったと思います。」とコーサー。
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「初日は新しい方のバイクには殆ど触れなかったので、今日が初日みたいなもんですしね。」

「新しいバイクに終日初めて乗ってみて、次回のカタールでのテストに備える上でいくつかいいデータが収集できました。新しいバイクの方が06年仕様の最終形よりも、全体的に少しいい状態に仕上がっていると思いますから、後はもう頑張るだけです。」

「06年型は少し繊細すぎる感じですが、新型の方は今でも乗りやすいです。07年型はブレーキング時の安定性が高くなっていますね。06年型も本当いいいマシンなんですが、やはり安定性の高さでは新型です。」

「スロットルまわりの調整は今後も必要ですが、07年のエンジンは中回転から高回転域まで一気に吹け上がりますので、より直線的に出力が増します。」

「開発中の最新タイヤもいくつか試しましたが、フロントもリアもだいぶ改善が進んでいましたので、とても満足です。」


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