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バレンシア公式テスト2日目 ロッシ「まずは負けた理由を分析してから」
インテリマーク編集部
2006年11月3日

2007年のMotoGP800ccクラス初年度に向けての公式テストが、11月1日から2日間の日程で、2006年シーズン最終戦の行われたバレンシアで行われた。2日目となった11月2日のこの日は終日雨が心配される曇りがちの天候だったが、幸い軽く小雨が降った程度で、殆どのセッションではドライ路面が保たれたようだ。
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2日目の気温は21度、路面温度は20度と、初日のテストよりも10度低い路面状況となっている。

■2日目は5ワークスと1サテライトの参加

2日目の11月2日も初日のテストに引き続き、カワサキを除く5ワークス・チーム(ホンダ、ヤマハ、スズキ、ドゥカティー、イルモア)が新型800ccマシンのテストを実施した。各チームのワークス・レギュラーライダーがテストに参加する中で、ヤマハ・ワークスのコーリン・エドワーズだけは、今回の2日間の合同テストには参加していない。

サテライト・チームでは、初日にRC211V(990ccマシン)にブリヂストン・タイヤを装着してテストを行ったグレッシーニ・チームは当初予定の通り2日目には参加せず、2006年度仕様のデスモセディチ990ccマシンにブリヂストンタイヤを装着するダンティーン・チームのみがこの日は走行している。

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      (写真は初日にブリヂストンタイヤを装着したグレッシーニ・ホンダのマシン)

■スズキは2007年度仕様のシャシーもテスト

今回の2日間は2006年度990ccマシンのシャシーに800ccエンジンを搭載してのテストとなったリズラ・スズキ・チームだが、バレンシア最終日のこの日は新開発の800cc専用シャシーも同時に試している。
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■2日目はギャリー・マッコイがイルモアに合流

また、イルモアは初日にテストを行ったアンドリュー・ピットとジェレミー・マクウイリアムスに加え、2006年度の最後の2戦に同チームと共にスポット参戦を果たしたギャリー・マッコイがこの日から参加し、3人ライダー体制でのテストとなった。

■その他のバレンシアでのイベント

日付は最終戦翌日の10月30日と31日にさかのぼるが、バレンシア・サーキットではMotoGPバイクの試乗会が催され、各分野で活躍した実績を持つ多くのライダーたちがこれに参加している。
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2006年度SBK(世界スーパーバイク選手権)でランキング2位を獲得したテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドと、BSB(ブリティッシュ・スーパーバイク選手権)で年間タイトルの座に輝いたHMプラントホンダの清成龍一選手もHRCからの招待を受けてこのイベントに参加し、RC211V(990cc)でバレンシア・サーキットを走行している。
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トスランドはダニ・ペドロサのマシン、清成選手はニッキー・ヘイデンのチャンピオンマシンで走行した。ちなみに、清成龍一選手は2007年度もHMプラント・ホンダのライダーとして、BSBに参戦する事が決定している。
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また、チーム・ロバーツのオーナーであるケニー・ロバーツ・シニアは、息子(ロバーツ・ジュニア)のバイクを借りて、KR211Vでのキング走行を披露した。
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その他にも、ケビン・シュワンツとランディー・マモラが、クリス・バーミューレンとジョン・ホプキンスが2006年シーズンを戦ったGSV-Rにそれぞれ跨り、往年の走りを見せるなど、古いGPファンにとっては胸躍るシーンの数々が展開されたようだ。

■合同テスト2日目の走行結果

以下に、バレンシア合同テスト2日目の走行結果を示す。

990ccマシンでのタイム

   ・アレックス・バロス プラマック・ダンティーン 1分33秒20(60周) 

800ccマシンでのタイム

 1位)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ 1分32秒66(67周)
 2位)クリス・バーミューレン リズラ・スズキ 1分32秒69(88周)
 3位)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ 1分32秒94(50周)
 4位)ケーシー・ストーナー ドゥカティー・マルボロ 1分32秒940(68周)
 5位)ロリス・カピロッシ ドゥカティー・マルボロ 1分33秒011(75周)
 6位)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ 1分33秒03(60周)
 7位)バレンティーノ・ロッシ キャメル・ヤマハ 1分33秒78(59周)
 8位)ジェレミー・マクウィリアムス イルモアSRT 1分35秒90(31周)
 9位)アンドリュー・ピット イルモアSRT 1分36秒40(45周)
 10位)青木宣篤 リズラ・スズキ 1分37秒30(-周)

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初日はヤマハ・ワークスのバレンティーノ・ロッシが800ccと900ccの両方でトップタイム(800cc:1分33秒10、900cc:1分32秒7)をマークしたが、2日目のトップタイムは初日のロッシの両タイムを上回るダニ・ペドロサの1分32秒66だった。

■今後の合同テストと参加チームの予定(年内)

現在までに判明している今後の年内のテスト予定と、参加を現時点で表明しているチーム名を以下に示す。

 セパン 11月15日-17日

  ・レプソルホンダ
  ・グレッシーニホンダ
  ・ヤマハワークス(エドワーズのみ)
  ・リズラスズキ
  ・カワサキ


 ヘレス 11月28-30日

  ・レプソルホンダ
  ・コニカミノルタホンダ
  ・ドゥカティーマルボロ
  ・ヤマハワークス
  ・リズラスズキ


■2007年に向けてデータを収集するヤマハ・ワークス

990ccマシンでのタイトル完全制覇が期待された2006年シーズン、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンに990cc最後の年に年間王者の座を奪われたヤマハのバレンティーノ・ロッシは、800ccクラス初年度となる2007年シーズンでの最高峰クラスタイトル奪還を目指し、ヤマハの新型800ccマシンの調整を11月1日から開始している。

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(写真提供:motogp.com)

ロッシは800ccマシンの初走行を今年のブルノ戦翌週の2日間の合同テストでも披露していたが、この時は初日に4周したのみで、その翌日には天候が崩れている。日本GP翌日のテストでもロッシは900ccでの走行を中心に行っており、今回のバレンシアがロッシにとっては実質的な初の本格的な2007年度仕様のマシンへの取り組みとなった。

ロッシは800ccマシンの本格的なセッティングに取り組んでおり、ヤマハのエンジニアに多くのデータを提供しているとの事だ。初日にロッシは最終戦で敗れた理由を分析するために990ccマシンを使って何周か走行し、その後は800ccに乗り換えて1日目のトップタイムをマークしている。

なお、今回のテストには参加していないコーリン・エドワーズは、2週間後のセパンから彼にとって初となる800ccマシンでのテストを開始するという。

■ロッシ「まずは負けた理由を分析してから」

バレンティーノ・ロッシは、最終戦で敗れた原因の分析を行う為に990ccでの走行を初日に行ったと述べ、結果として800ccマシンとの比較が楽になったとコメントしている。

「日曜日のあんなに悲しい日の後に2日間の休みがもらえて良かったです。今はもう気持ちは落ち着き始めましたけど、本当は数週間以内に次のシーズンが始まって欲しいくらいですよ!」とロッシ
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「今回のテストは旧型になった990ccバイクで何周か走行するところから始めました。なんで負けたかを分析しておきたかったもんですからね!で、過去の事を考えるのはそこまでにして、やっと新しい作業に取りかかる事にしました。」

「990ccの感覚が身体に残っている状態で、すぐに新型バイクに乗り換えて試す事ができたのは本当に良かったと思います。比較して異なる点を理解するのが楽でした。」

「新しいバイクは今の時点でもかなりの仕上がり状態だと思います。この初期の開発段階にしてはいいレベルですよ。これに乗るのは3回目ですが、試す度に毎回良くなってます。スタッフが日本で頑張ってますからね。エンジンのセッティング以外、まだあまり大きな変更は加えていないと聞いていますが、今回も少し速くなってます。」

「昨日は自分たちが最速ラップを刻めたので嬉しかったですね。ただ、今日は色々と違う事を試したのでタイムはかなり落ちましたが、それについては特に心配はしていません。今の段階で重要なのは、できる限り多くのデータを収集して、バイクへの理解を深めていく事です。」

「今回のテストはかなり役に立ちました。新型バイクへの取り組み意欲は既に自分の中では高いし、次回にヘレスで乗る時はさらにマシンも良くなってる筈ですよ!」

■ミシュランの新型タイヤを試すレプソル・ホンダ

2日目もRC212Vでの走行を精力的にこなしたレプソル勢は、忙しい1日を過ごしたようだ。チームのメカニックとエンジニアが慌ただしく作業する中、ニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサの2名のライダーは、ドライ路面が保たれた殆どの時間をコース上で過ごし、安定した周回を重ねている。
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この日に両ライダーは、RC212Vのセッティングをバレンシアのコースに合わせる事に集中し、同時にミシュランの持ち込んだ800cc向けの新型タイヤのテストも行った。

■ヘイデン「これから家に戻ってパーティー」

2日間のテストで初のRC212Vを経験したニッキー・ヘイデンは、新しいバイクの性能に満足したようだ。800cc向けのタイヤは、エッジの形状に変更が加えられるだろうとヘイデンは言う。

写真「新しいバイクは本当に素晴らしいですよ。ホンダは間違いなくいい仕事を続けていますね。」とヘイデン

「まだ加速時に少しグレムリンたちが悪さをしますが、テストはとてもうまくいきました。今日はもう少しタイムを速くしたかったんですが、加速時に2速から3速に入れる時に少し戸惑う感じなので、テストをさらに進める前に、この問題を詳細まで把握する必要があります。」

「シャシーはすごくいいですね。このバイクの方が確実にコーナーでスピードが出ますから、タイヤのエッジ部分の形状はかなり変更されると思います。」

「これから家に戻ってパーティーです!」

■ペドロサ「家に帰れるのが嬉しい」
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低温のウェット路面では多くの周回をあまり行わない傾向にあるダニ・ペドロサは、バレンシアの2日目が終日曇りで殆ど雨が降らなかった事に感謝している。

写真「今日はずっと路面がドライのままだったのでラッキーでしたね。たくさん周回をこなす上では完璧なコンディションでした。」とペドロサ

「基本的に今日はミシュランの何本かのタイヤテストを行いながら、昨日に引き続いてバイクのセッティングをよりこのサーキットに特化した形にする作業を行いました。」

「いい成果は得られましたが、まだ早期の段階ですので、2007年シーズンが始まるまでには多くの作業やテストをこなしていく事になると思います。」

「とりあえず、今は家に帰るのが楽しみです!」

■大幅なセッティング変更を行ったドゥカティー

ケーシー・ストーナーという若き才能溢れるライダーを、ベテラン・ライダーのロリス・カピロッシを擁する2007年のライダー体制に加えた新生ドゥカティー・チームは、この日もデスモセディチGP7(800ccモデル)で快調に走行を重ね、初の2007年に向けての本格的な合同テストを終えた。
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2日目のロリス・カピロッシは、GP7のエンジンとシャシーのセッティングに集中している。また、新チームメイトのケーシー・ストーナーは、ドゥカティーのマシンに馴染むべく多くの周回を2日間を通してハイペースでこなし、この日は初日のタイムを約0.5秒上回る1分32秒940を記録してマシンへの適応能力の高さを改めて示した。

■カピロッシ「800ccのみに集中できて嬉しい」

2006年シーズン中は990ccクラスでのレースウイークの合間に800ccマシンの初期テストを行っていたロリス・カピロッシは、今回からは800ccのみに集中できる事が嬉しいとコメントしている。
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「この2日間のテストは重要でした。レースウイーク中ではできないような大幅なセッティングの変更を、マシンに施す事ができました。」とカピロッシ

「この開発初期の段階には、多くの異なるセッティングを実験する事が大切なんです。レースウイークに入ってからでは手遅れですからね。これまでのテストみたいに990ccマシンと交互に試す必要がなくなり、やっと来年使う800ccマシンの開発にのみ集中できる事が嬉しいです。」

■ストーナー「ドゥカティーはパワフル」

念願のワークスチームへの移籍を実現したケーシー・ストーナーは、ドゥカティーの800ccマシンとブリヂストン・タイヤを今回初めて経験し、デスモセディチのパワフルなエンジン特性に満足している。次回のヘレスでのテストが待ちきれないとストーナーは語る。

「初のドゥカティーGP7での2日間のテスト内容には本当に満足しました。」とストーナー
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「全てうまくいきましたし、自分としての成果にも満足です。バイクとタイヤの新しいパッケージにも慣れてきましたし、第一印象も悪くありません。もっと時間を使ってさらにバイクに慣れれば、自然な形で思い通りに乗れるようになるでしょうね。」

「800ccは250ccのライディング・スタイルに近いと思います。コーナリング速度が出ますし、ブレーキング時も990ccより攻める事ができます。」

「このドゥカティーはすごくパワフルですから、今年最後のテストを行うヘレスのコースに戻るのが今から待ちきれません!」

■リズラ・スズキ、2日目は新型シャシーも同時にテスト

冒頭にも述べた通り、初日のテストでは2006年度仕様のシャシーに800ccエンジンを搭載したマシンでのテストを行ったリズラ・スズキは、2日目のこの日も初日のマシンでのテストを継続する傍ら、ジョン・ホプキンスと同チームのテストライダーである青木宣篤選手は、800cc専用のシャシーを使用した完全な2007年度プロトタイプ車両のテストも同時に行っている。
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この結果、ホプキンスと青木選手は新型シャシーと990ccエンジン用シャシーとの性能差を共に把握し、今後の開発を進める上での貴重なデータを収集する事ができたようだ。

■青木宣篤選手「ジョンとクリスの結果に満足」

日本でスズキの新型800ccマシンの開発を先行して行ってきた青木宣篤選手は、リズラ・スズキのレギュラー・ライダー2名が、バレンシアでの公式テスト2日目のタイムシートの2位と3位に名前を連ねるという高い結果に満足している。
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「日本では800ccマシンで既に長距離の走り込みを行っています。」と青木選手

「ジョンとクリスがこのバイクでどのくらい走るかを確認できたので、ここでの初の公式テストに来られて満足です。二人ともいい結果を残したので、ここまでバイクを仕上げる作業に参加できた事を嬉しく思います。」

■ダンティーンはブリヂストン・タイヤのテストを継続

11月2日にアレックス・バロスとアレックス・ホフマンの2名ライダー体制を公式発表したプラマック・ダンティーン・チームは、昨日に引き続き2006年型ドゥカティー・デスモセディチGP6サテライト仕様車(990ccモデル)にブリヂストンタイヤを装着し、今回のテストからMotoGPシーンに復帰したアレックス・バロスによる走行テストを行った。
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アレックス・バロスは、今回のテストがマシンの基本的な感触を確かめるのに役立ったと述べ、同時にブリヂストンタイヤの高い性能に満足したとコメントしている。

なお、新生プラマック・ダンティーンの2名のライダーが初めて揃い、800ccエンジンを搭載しブリヂストンタイヤを履くデスモセディチGP7での走行を披露するのは、来年1月のマレーシアでのメーカー合同テストとなる。


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