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ブルノ合同テスト、2日間の内容
インテリマーク編集部
2007年8月25日

チェコGPを終えて2007年シーズンの3分の2が経過し、残り6戦となった終盤戦に向けて、MotoGPクラスの各チームはブルノ・サーキットにレース翌日の8月20日からの2日間も滞在し、今後のレースに向けてタイヤ選びや新型パーツのテストなどに余念がなかったようだ。
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ここでは、チェコGPの翌日から2日間の日程で行われたブルノ合同テストの結果と、各チームのテスト内容を紹介する。


■天候が若干崩れた2日間のブルノ合同テスト

好天に恵まれたレースウイークとは異なり、8月20日は午後4時30分から雨、翌日の21日の午前中は前日の雨の影響から路面が濡れており、各チームは全ての時間をテストに使用する事はできなかったようだが、ほとんどのチームは路面がドライに保たれた時間中に大量の作業を忙しくこなし、全てのテストメニューを消化する事ができたようだ。


■初日はグレッシーニ・ホンダ以外の全チームが参加

今回のブルノ合同テスト初日には、ブルノからレースには復帰したものの、まだアッセンでの大腿骨の骨折が完全には完治していないトニ・エリアスと、アメリカGPの予選で転倒し、ブルノ初日のフリー・プラクティス中に首のヘルニアの痛みのためにレースをキャンセルしたマルコ・メランドリの2名が所属するグレッシーニ・ホンダを除く全てのチームが参加している。
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■初日のみの参加はコニカミノルタ・ホンダとチーム・ロバーツ

参加したチームの中で、合同テストを初日のみで終えるチームは、中野真矢選手の所属するコニカミノルタ・ホンダ・チームと、カーチス・ロバーツの所属するチーム・ロバーツの2チーム。

■合同テストでもホフマンの代役はシルバ

なお、アメリカGPで骨折した左手のひらが完治していないプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンは今回のテストを欠場しているが、代わりにブルノでホフマンの代役を務めたスペイン人ライダーのイバン・シルバが、1日目のみテスト走行に参加している。ホフマンのチームメイトのアレックス・バロスは2日間を通してテストに参加した。
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■開発ライダーの岡田選手と青木選手も参加

レギュラー・ライダー以外のには、HRCの岡田忠之選手、スズキの青木宣篤選手という2名の開発ライダーも今回のブルノに参加している。


■大量の新型パーツをテストする各ワークス・チーム

ブルノ合同テストの恒例通り、今年のブルノでも各ファクトリー・チームは残るシーズン終盤戦および来シーズンに向けての改良型、および新型のパーツ類をテストしており、多くのデータを収集する事ができたようだ。
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各チームの発表によれば、ドゥカティー・マルボロは次戦のミサノからの利用を検討している新型フェアリング、レプソル・ホンダはブルノのレースから投入した新型シャシーと改良型エンジン、フィアット・ヤマハはニューマチック・バルブの採用が噂され 、ミサノからの投入が予想される新型エンジン、カワサキはブルノから投入されたエンジンパーツの完全版となる最新型エンジンと新型シャシー部品、スズキは新型エンジンとサスペンションまわりのテストを実施している。


■初日のテスト結果

以下に、午前は晴天となったものの、午後からは分厚い雲に覆われ、夕方4時30分からは雨に見舞われたブルノ合同テスト初日の走行結果を示す。全ライダー走行時の気温は26度、路面温度は34度、湿度は44%だった。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ デスモセディチGP7 1分56秒901(-周)★予選タイヤ
2) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ GSV-R 1分57秒66(-周)
★予選タイヤ
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ デスモセディチGP7 1分58秒254(50周)
★レースタイヤ
4) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ GSV-R 1分58秒42(-周)
5) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分58秒425(76周)
6) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分58秒55(66周)
7) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ デスモセディチGP7 1分58秒767(50周)
8) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分58秒81(51周)
9) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分58秒84(-周)
10) カルロス・チェカ SPA ホンダLCR RC212V 1分59秒07(-周)
11) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチGP7 1分59秒100(62周)
12) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分59秒20(66周)
13) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分59秒407(-周)
14) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分59秒760(54周)
15) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1 1分59秒82(-周)
16) イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン デスモセディチGP7 1分59秒913(53周)
17) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1 2分00秒06(-周)
18) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 2分00秒31(-周)
19) 岡田忠之 JPN HRC RC212V 2分00秒34(-周)
20) 青木宣篤 JPN スズキ・MotoGP GSV-R 2分00秒73(-周)


前回のチェコGPでドゥカティーのケーシー・ストーナーがブルノで記録した800ccマシンのファーステストは1分58秒301。同じくストーナーが記録した800ccマシンでの予選ポールタイムは1分56秒884。


■初日の各チームのテスト内容とコメント

以下に、1日目のテスト内容を公表している各チームの状況やコメントなどを紹介する。

■新型フェアリングを試すドゥカティー

初日は朝から雨が降り始める直前までの時間を有効に活用する事ができたというドゥカティーのケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシは、ブリヂストンの多くの新型タイヤをテストする傍ら、ミサノからの投入が予想される新型フェアリングの評価を行い、揃って好感触を得る事ができた様子だ。
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■ストーナー「タイヤと新型パーツの全てに満足」

初日に予選タイヤでは1分56秒901、レースタイヤでは本人がレース中に記録したファーステストタイムを上回る1分58秒254を記録したケーシー・ストーナーは、まだいつから新型フェアリングを実戦投入するかは決めていないとしながらも、開発の方向性には自信が持てるとコメントしている。

「今日は仕事がはかどり忙しかったですね。それほど多くの周回を走った訳ではありませんが、新しいパーツの非常に重要なテストをうまく行う事ができました。」とストーナー。
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「新しいフェアリングを試しましたが調子はすごくいいです。結果は良好ですし、おかげでシーズン残りのレースに向けても期待が持てますね。同時の多くのタイヤのテストも行い、リアにすごく気に入ったものが2本ほど見つかりました。」

「新しいフェアリングは午後に試しました。その時は新品のタイヤがなかったので古いものを使用しましたが、1分58秒7のペースで安定して走る事ができましたし、すでに17周回を走り込んだ後でも1分58秒9のペースを維持できましたので、効果はすごく得られていると思います。」

「フェアリングにも、今日のテスト内容の全てにも満足できました。ただ、実戦でいつから新しいフェアリングを使用するかは決めていません。もう少し情報を集めておく必要があると思いますからね。ただ、方向性としては間違っていない筈です。」

「予選タイヤでは1分56秒901を記録しましたが、そんなに悪いタイムではないと思います。ですから、今日のチームとの作業にはすごく満足しています。」

■カピロッシ「レースウイーク前日の失敗を証明」

新タイヤレギュレーションによるレースウイーク前日のタイヤ選びに失敗した事が前回のレースの敗因だったと述べていたロリス・カピロッシは、この日に試したレースタイヤでは1分58秒767を記録しており、タイヤさえ正しければより速く走れた事を証明している。
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「今日はセッティングや他の多くの作業を行える時間に恵まれました。」とカピロッシ。

「先週の木曜日にタイヤ選びの方向性を間違えていたのは確実です。レースウイーク中には使えなかったフロントタイヤを今日試したら、昨日のレースよりもかなり速く走れましたからね。」

「また、バイクのセッティングについても改善が進みました。新しいフェアリングは今後のレースに期待が持てますし、面白くなりそうですよ。他には気に入った新しいタイヤを何本か試しましたが、それについてはもう少し作業を続ける必要があります。」


■リズラ・スズキは終盤戦に向けて新型エンジンをテスト
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シーズン残りの戦いに向けてさらなるマシンの改善に取り組んだというリズラ・スズキのジョン・ホプキンス(1分57秒66)とクリス・バーミューレン(1分58秒42)、ならびにスズキの開発ライダーである青木宣篤選手(2分00秒73)は、今回のテストで初めて使用する新型エンジンとサスペンションのセッティング、ならびに多くのブリヂストンタイヤのテストを忙しく実施している。


■ブルノから投入したパーツを再検証するレプソル・ホンダ

レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサは、ブルノから投入されたRC212Vの新型パーツの数々を、レースウイークに引き続きテストし、検証作業を行ったようだ。
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1日目の午前中にニッキー・ヘイデンはレースでも使用した新型シャシーのさらなるセッティング改善を進めており、午後には雨が降り出すまでミシュランタイヤのテストを精力的にこなし、レース中の自己ベストを0.3秒上回るタイムの1分58秒425をレースタイヤで記録している。

ペドロサは初日に新型シャシーと新型エンジンのセッティングに集中し、ブルノから投入された改良型パーツ類のより深い理解に努めて1日を終えており、レース中の自己ベストを0.4秒上回る1分58秒55のタイムを記録している。なお、ペドロサはミシュランタイヤのテストは2日目から実施している。

■ヘイデン「月曜日にタイムを上げても無意味だが満足」

月曜日にタイムを上げても手遅れだが、初日の結果には満足できるとヘイデンは語る。

「今日のテスト・セッションはうまくいきました。」とヘイデン。
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「午前中はいくつか新しいパーツを試したり、新型シャシーのチューニング作業を行いました。午後には色んな種類のミシュランタイヤのテストを主に行い、その時には1分58秒台を何周も連続して記録する事ができています。」

「もちろん月曜日にタイムを上げても少しばかり手遅れなのはいつもの事ですが、それでも今日はより安定して速く走る事ができましたね。」

「午後は雨が降り出すまでタイヤのテストを続けて、そこで今日の作業は終わりました。あとは明日の天気次第です。」

■ペドロサ「大きな改善効果は見られないがアイデアはある」

写真レースウイークから今回のテストを通して、HRCの新型パーツからあまり効果が引き出せない事に悩むペドロサは、飛躍的な改善は見られないにしても、初日の検証作業から得られたデータが今後に役立つ筈だと語る。

「今日はレースウイーク中には試せなかったRC212Vの新しいパーツ類をテストする事に集中しました。」とペドロサ。

「今日はそれほど飛躍的な変化が結果として得られていませんし、その差は微妙ですね。ただ、今回のテストを通して重要なデータが集められたのは間違いないと思います。大きく物事が前進するような事はありませんでしたが、今後の大幅な改善に向けてのアイデアはすでにいくつかあります。」

「シャシーとエンジンの作業を中心に行いましたので、今日はまだタイヤのテストができていません。明日の天気が良くなるようでしたら、今の作業を続けながらタイヤのテストを行うつもりです。」


■今回の合同テストにかける窮地のフィアット・ヤマハ

やや他のファクトリー勢に比べてトップエンドのパワー不足に悩むフィアット・ヤマハ・チームは、マシン全体のセッティングならびに今シーズンの課題であるミシュランタイヤ、およびミサノからの投入が噂される新型エンジンを含むいくつかの新型のパーツ類のテストに集中している。
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バレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズの2名ともに1日目は大量のミシュラン・タイヤのテストを実施し、その中でバレンティーノ・ロッシのみ新型エンジンの検証作業も行ったようだ。この日にロッシは1分59秒20、エドワーズは1分58秒81のタイムを記録している。

■ロッシ「それほど速くなったとは思えない」

今回から初めて試した新型エンジンについて、ロッシはあまり速くなった印象はないとコメントしており、まだ焦らずに2日目以降も検証作業を続けたいとしている。

「今日は新しいエンジンを試して25周回くらい走りました。」とロッシ。

写真「第1印象として、それほど速くなったような感じはしません。ただ、いずれにしてもまだこの作業は始めたばかりの第1段階ですから、もっと時間を使って理解を深め、うまく活用できるようにしていく必要があります。少なくとも明日もどこかでこの作業は再開する予定です。」

「タイヤまわりのテスト作業もいくらか行いましたが、ここまでに見つかった特別な事は何もありません。新しいフロントを何本か試し、リアも何本が試そうとしたところで雨が降り出したので、作業を終える事ができませんでした。」

「明日は終日通して時間を使えるといいですね。まだやるべき作業がたくさん残っていますし、自分たちにとって今回のテストはものすごく重要なんです。」

■エドワーズ「奇跡的な改善策はまだ見つからない」

1日目は大量のミシュランタイヤのテストとマシンのセッティング改善を行ったエドワーズは、この日に試したタイヤについては、まだ飛躍的な改善結果は得られていないとコメントした。

「ミシュランは今日のテストのためにたくさんの新しいタイヤを持ち込みました。おそらく合計で4本のフロントタイヤと5本くらいのリアタイヤを、雨が降り始めるまでに試したと思います。」とエドワーズ。

「残念ながら、まだ奇跡と言えるような解決策は見つかっていない感じですね!今の自分たちは難しい状況にありますが、本来の力が取り戻せるように、ミシュランの支援作業には110%の姿勢で取り組む構えです。」

「タイヤ以外にはオーリンズの新しいサスペンションや、スターティング・システムなど電子制御システムの調整を行いましたが、こちらの方はすごく調子が上がっている印象を持ちました。」

「明日もまだテストがありますから、残りの作業が全部終わらせられるように、路面がドライに保たれる事を祈ります。」


■カワサキはライダー・フレンドリーなハイパワー・エンジンをテスト
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1日目にカワサキのランディ・ド・ピュニエ(1分58秒84)とアンソニー・ウエスト(1分59秒407)は、最新型エンジンの評価テストをメインの作業として行い、並行して大量のブリヂストン・タイヤのテストを行う中、新しいシャシー部品の様々な組み合わせを試してバイク全体のバランス改善を実施したようだ。

最新型エンジンは、ライダーにとっての乗りやすさと扱いやすさを一切損なう事なく、トップスピードをさらに得られるような改善設計がなされており、ランディー・ド・ピュニエは好感触が得られたとしている。


■ドゥカティーから新型パーツを提供されたダンティーン

プラマック・ダンティーンのアレックス・バロスは、1日目のテストではマシンのセッティング改善、およびブリヂストン・タイヤのテストに集中している。この中でバロスはバイク全体のバランス・セッティングが大きく改善できた事を喜んでおり、レース中の自己ベストを0.83秒上回る1分59秒100を記録した。なお、バロスは2日目にはドゥカティーから提供された新型パーツを試す予定だとこの日にコメントした。
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ホフマンの代役として今回のテストに参加したイバン・シルバは、ドゥカティー・デスモセディチとブリヂストンタイヤにより慣れる事に集中してテスト走行を繰り返しており、今後の代役参戦の可能性に向けてマシンの理解を深めた様子だ。タイムもレース中のタイムを約1秒上回る1分59秒913を記録している。

■バロス「特にヨーロッパ以外のレースで役に立ちそう」

大量のブリヂストンのテストメニューを全てこなすために、バロスは早めにコースに出て、1日目のテスト作業を開始したとコメントしている。

写真「ブリヂストンが多くのタイヤを持ち込んでいたので、今日の午前中は作業を早めに開始しました。」とバロス。

「今日はリアタイヤのコンストラクションとコンパウンドの組み合わせにテスト作業を集中しましたが結果はとても良好です。今後のレースで役に立ちそうですし、特にヨーロッパ以外でのレースに使えそうです。」

「2種類の違う種類のタイヤから好感触が得られたのでとても期待が持てますし、自分の自信にもつながりました。今日は予選タイヤも試したかったのですが、雨が降り出したのでそれはできていません。」

「明日もテストに1日が使えますので、天気が良ければ今日の続きから作業を開始します。他にはドゥカティーから提供されたいくつかのパーツも試しておきたいですね。」

■シルバ「今後の参戦チャンスに向けてマシンの理解を深めた」

今回のテストを通じてドゥカティーのマシンとブリヂストン・タイヤの性能の高さに改めて驚いたというイバン・シルバは、予定していた全ての走行を終えて、今後のMotoGPクラス参戦のチャンスに期待を示した。

写真「今日はデスモセディチからより好感触を得られるようになろうと時間を費やしました。テストがレースウイークと大きく違うのは良く分かっていましたが、とてもリラックスした雰囲気でしたし、レースの時のようにアドレナリンは分泌されませんね。」とシルバ。

「今日は多くの周回を走り込みましたから、バイクについて多くの事を学び、理解を深める事ができたと思います。昨日と比べるとラップタイムもだいぶ良くなりました。」

「前にも言いましたが、とにかくバイクとタイヤの両方の良能の性能がものすごく高いので、乗るときにはかなりのプレッシャーを感じますね。」

「MotoGPのレースでの目標は完走する事でしたが、もしまたチャンスがあればその時も同じです。今回の機会を与えた下さった全ての関係者の方々に感謝の気持ちを伝えたいと思います。」


■チャタリングを解消できなかったコニカミノルタ・ホンダ
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レース中にはチャタリングが悪化したために他のライダーと戦う事ができなかったとするコニカミノルタ・ホンダと中野真矢選手は、今回のテストで予定していた全ての作業を完了したものの、最大の目標としていたチャタリングの問題解決には至らなかった様子だが、タイムはレース中の自己ベストを0.69秒上回る1分59秒760を記録している。

■中野選手「新型マシンへの理解は少し深まった」

写真この日、中野選手は54周回の走行の中で、チェコGPから初めて提供された改良型RC212Vの評価および様々な検証作業を行う中、午前中には新型シャシーとサスペンションのセッティング調整、午後には新しいミシュランのフロントタイヤを試しており、改良型マシンへの理解はレースウイーク中よりも深まったとしている。

「前回のレースで苦しめられたチャタリングの問題を根本的に解決する事はできていませんが、今日の作業を終えるまでにバイクのセッティングをいくつかの点で改善する事ができたと言えますし、いいフロントタイヤを選択できたと思います。」と中野選手。

「必要なテストは全て終える事ができましたので、おかげで新しいシャシーの挙動に関する理解は以前よりも少し深まりました。今日のテストはチームにとって有意義でしたし、次戦のミサノに向けては不可欠なものだったと思います。」

■ベルナルデッレ技術監督「問題解決はミサノに持ち越し」

写真コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、次戦のミサノでも、チャタリングの解消を最優先に作業を進める必要があると説明した。

「今日は改良型バイクの調整を進め、コース上で実際にその効果を確認する事ができました。」とベルナルデッレ。

「今回のテストは自分たちにとって非常に重要でした。次戦のレースが行われるサーキットは全面的に改修が施されており、過去にグランプリが行われた時とは状況が大きく異なっていますからね。」

「シンヤが素速くコースに馴染めるように、ミサノでは彼がよく理解しているここまでに仕上げたセッティングをベースに作業を開始する事が重要です。」

「今日は性能面でのいくつかの改善を進める事はできましたが、チャタリングの問題を根本的に解決するような方法は見つかっていません。次戦のグランプリの中で解決しなければならない一番重要な課題はまだ残ったままです。」


■2日目のテスト結果

合同テストの2日目は、夜通しの雨の影響で午前中はウェット・コンディションになったものの、午後には路面が乾き、その後は夕方までドライ路面が保たれている。
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2日目の全ライダーの走行結果は以下の通り。ドライとなった午後の気温は25度、路面温度は34度、湿度は47%だった。

1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチGP7 1分57秒924(27周)
2) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ GSV-R 1分58秒40(-周)
3) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分58秒49(-周)
4) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分58秒70(72周)
5) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ GSV-R 1分58秒74(-周)
6) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチGP7 1分58秒84(-周)
7) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分58秒86(50周)
8) カルロス・チェカ SPA ホンダLCR RC212V 1分59秒13(-周)
9) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分59秒23(59周)
10) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分59秒28(-周)
11) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分59秒35(69周)
12) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチGP7 1分59秒616(22周)
13) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1 2分01秒77(-周)
14) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1 2分01秒92(-周)


2日目の参加者は全員がレースタイヤでタイムを記録している。なお、ドライ路面になった午後は風が強かったせいもあり、初日のタイムを更新できたライダーは少なかった。

■2日間の総合タイム
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参考までに、今回のブルノ合同テストの2日間の総合タイムを以下に示す。

1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ デスモセディチGP7 1分56秒901★予選タイヤ
2) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ GSV-R 1分57秒66
★予選タイヤ
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ デスモセディチGP7 1分57秒924
★レースタイヤ
4) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ GSV-R 1分58秒42
5) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分58秒425
6) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分58秒49
7) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分58秒55
8) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ デスモセディ GP7 1分58秒767
9) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分58秒81
10) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチGP7 1分58秒84
11) カルロス・チェカ SPA ホンダLCR RC212V 1分59秒07
12) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分59秒20
13) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分59秒28
14) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分59秒760
15) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1 1分59秒82
16) イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン デスモセディチGP7 1分59秒913
17) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1 2分00秒06
18) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 2分00秒31
19) 岡田忠之 JPN HRC RC212V 2分00秒34
20) 青木宣篤 JPN スズキ・MotoGP GSV-R 2分00秒73


前回のチェコGPでドゥカティーのケーシー・ストーナーがブルノで記録した800ccマシンのファーステストは1分58秒301。同じくストーナーが記録した800ccマシンでの予選ポールタイムは1分56秒884。


■2日目の各チームのテスト内容とコメント

以下に、2日目のテスト内容を公表している各チームの状況やコメントなどを紹介する。

■全ての結果に好感触を示すドゥカティー

ドゥカティーのケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシは、2日目にはブリヂストンの新型レースタイヤのテストに集中しており、午後のドライ路面を利用して全てのテストメニューを予定通りこなす事ができたという。
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ストーナーは終日安定した速いペースで周回を重ねており、2日目にもレース中の自己ベストを上回る1分57秒924を記録している。カピロッシはこの日にブリヂストンの16インチのリアタイヤを試して好感触を得ているが、まだ実戦投入に踏み切るレベルには至っていない様子だ。カピロッシの2日目のタイムは1分59秒616だった。

■ストーナー「2日目にフェアリングの効果を実感」

初日にはまだ新型フェアリングの実戦への投入時期は分からないと述べていたストーナーだが、風の強かった2日目に走行してみて、新しいフェアリングの効果の高さを再認識する事ができた様子だ。

「かなり満足です。」とストーナー。

「今日は以前のカタルーニャ合同テストの時と同じように、バイクのセッティング改善が大きく進みました。さらに嬉しかったのは新しいフェアリングです。今日の午後は少し風が強かったんですが、それでもいいリズムに乗れて速いラップタイムを記録できましたからね。」

「この2日間は本当に自分たちにとって有意義だったと思います。」

■カピロッシ「16インチタイヤについては今後も作業が必要」
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16インチのリアタイヤの効果については、感触は悪くないものの、完全には納得できていない様子のカピロッシだが、今回のテスト全体を通しての結果には満足しており、彼にとってはホームGPとなる次戦のミサノが楽しみだと語った。

「今日はタイヤとセッティングのテスト作業に集中して走り込みました。ブリヂストンの16インチのリアタイヤも試しましたが感触は悪くありません。ただ、16.5インチの時と同じ走りを実現するには、もう少しフロントまわりのバランスを調整していく必要はあると思います。」

「いずれにしても今回の結果は良好です。来週のミサノのレースが楽しみですね。」


■今後のマシン開発に自信を示すリズラ・スズキ
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初日に引き続いて新型エンジンのテストを行ったリズラ・スズキのジョン・ホプキンスとクリス・バーミューレンは、2日間のテスト結果には大変満足しており、次戦のミサノ以降のレースに向けて、スズキのエンジニアが日本に持ち帰る有益なデータを大量に収集できたとしている。2日目のホプキンスのタイムは1分58秒40、バーミューレンのタイムは1分58秒74だった。

■デニング監督「ノブが参加してくれたのでテストがはかどった」

リズラ・スズキのポール・デニング監督は、今回収集した多くのデータをベースに、シーズンの残りのレースではさらに強さを発揮できるようにしたいと、終盤戦に向けての期待を示している。

写真「日曜日の活躍には興奮しましたが、ライダーとチームの全員はすぐに翌日から仕事に戻りました。」とデニング監督。

「テストは全体を通して今後に期待が持てるものでしたね。残りのシーズンに向けて明確な方向性をつかむ事ができたと思います。」

「ノブ(開発ライダーの青木宣篤選手)が今回のテストに参加してくれて本当に良かったです。テストを開始した新しい部品について、異なる視点からのアドバイスをもらう事ができましたからね。」

「今回の結果を分析し、シーズンの残りはさらに強くなって戦いを挑みたいと思います。今のバイクとライダーが大変に好調なのは十分に証明してきましたから、残りのレースでは現在の方向性を維持しながらさらに進歩を遂げたいですね!」


■新型エンジンに満足するカワサキ

2日間の合同テストを通して、Ninja ZX-RRの最新型エンジンのテストを集中的に行ったとするカワサキのランディ・ド・ピュニエは、カワサキの今後のマシン開発に必要なデータと合わせて、ブリヂストンに提供できる有益な情報を大量に収集できたとしている。ド・ピュニエの2日目のタイムは1分58秒49だった。
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また、過去数戦のドライの予選では慣れないMotoGPクラスの予選タイヤに馴染めず苦しんだアンソニー・ウエストは、今回の2日間を利用して、心おきなくブリヂストンの予選タイヤを装着して走行練習を行う事ができた様子だ。ウエストの2日目のタイムは1分59秒28。

■金子直也テクニカル・マネージャー「開発の方向性をつかめた」

予定どおりに全ての2日間のハード・スケジュールを効率良くこなす事ができたと喜ぶカワサキの金子直也テクニカル・マネージャーは、ライダーに取っての扱いやすさを重視した新型エンジンの初のテスト結果には満足できたとコメントしている。

「2日間を通して非常に作業のはかどる合同テストでした。2名のライダーが多くの周回をこなしてくれたおかげで、予定していたメニューは全てこなす事ができています。」と金子氏。

「この2日間の最大の目標は、Ninja ZX-RRの最新バージョンのエンジンを評価する事と、シャシー部品のこれまでとは異なる組み合わせ方をテストする事でした。2名のライダーは揃って改良型エンジンに好感触を示していますし、2人とも日曜日のレースのそれぞれの自己ベストを上回るタイムを記録する事ができています。」

「異なるシャシー部品の組み合わせ、ならびにスイング・アームやサスペンションのセッティングのテストでは、バイク全体のバランスを向上させる上で明確な将来の開発の方向性をつかむ事ができました。」
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「また、ブリヂストンタイヤの厳しいテストメニューも全て終わらせ、良好な結果を得る事ができています。今回のデータはブリヂストンの開発プログラムに反映され、カワサキだけではなく、彼らのユーザーである全てのMotoGPチームに有益な結果をもたらす事でしょう。技術面での協力体制とはそういうものですからね。」

■ド・ピュニエ「もてぎとセパンで真価を発揮しそう」

大量の作業を忙しくこなしたというランディ・ド・ピュニエは、今回試した新型エンジンは、中低速サーキットに分類される次戦のミサノでは効力を発揮しにくいかもしれないが、今後のもてぎやセパンなどの高速サーキットにおいては、必ず真価を発揮するだろうと予測している。

写真「2日間を通してすごく忙しいテストでした。色々な多くの事を試しましたからね。でも、かなり価値のある作業だったと思います。」とド・ピュニエ。

「ブルノのレースで使用した改良型のクラッチと同様に、最新型のエンジンは間違いなく大きな進化を遂げています。タイヤのテストに関しては、レースタイヤのフロントとリアのいい組み合わせを見つける事ができたので、日曜日の自分のラップタイムを今回上回る事ができました。これはかなり期待の持てる部分ですね。」

「今回進めたいくつかの改善作業は、次戦に向けてはそれほど大きく役には立たないと思います。自分の印象ですが、ミサノはかなり狭いサーキットですからね。ただ、もてぎやセパンみたいな高速サーキットでは、性能が向上している部分を大きくアピールできると思いますよ。」

「ですから全体を通してみればこの2日間は有意義でした。」

■ウエスト「予選タイヤの練習ができて嬉しかった」

新型パーツの評価を通して、Ninja ZX-RRの挙動への理解を深める事ができたというアンソニー・ウエストは、苦手としていた予選タイヤの練習をする機会に恵まれた事に満足しており、後は実戦での経験をさらに深めていくだけだとコメントしている。
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「このサーキットには何か自分と相性の悪い部分があったので、これだけ長い時間のテストができるのは有り難いです。ただ、タイヤやシャシー部品の評価テストのなどにはやはり今回も苦しむ事になりましたね。」

「2日間を通して800キロメートル以上の距離を走り込んだと思いますので、かなり大変な作業でした。でも、シャシーやタイヤを取り替える事でバイクの挙動やラップタイムにどう影響するか、確実に自分の理解を深める事はできました。」

「それに多くの予選タイヤを、通常の予選のセッションの時のようなプレッシャーを感じる事なくテストできたのは嬉しかったです。本当に予選タイヤのグリップはすごいと思います。レースタイヤであれだけスロットルを早めに開けたら、気がつく間もなく限界なんて超えてしまうでしょうからね。」

「おかげで今は予選タイヤをうまく使う方法が身につきました。まだ改善の余地は大きく残っていますが、あとは経験を増やしていく事が重要だと感じています。」


■有意義な2日間を過ごしたレプソル・ホンダ勢

レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサは、2日間を通してのテストは作業がはかどり大変に有意義だったとしており、新しいシャシーとエンジン、および大量に試した新しいミシュランタイヤについては、今後に役立つ多くのデータを収集できたとしている。
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この日の午前中、ヘイデンはフロントとリアのサスペンション調整を行い、午後にはミシュランのレースタイヤのテストを再開し、1分58秒70のタイムを記録している。ペドロサは基本的に2日目はミシュランタイヤのテストに集中しており、1分59秒23を記録して全てのテスト・セッションを終えた。

■ヘイデン「シーズン前半と比べれば飛躍的な進歩」

テスト・セッションの大半をタイムテーブルの上位で過ごす事ができたというニッキー・ヘイデンは、今シーズン前半の不調を思えば、今回の合同テストで得られた結果は格段の進歩だとコメントしている。

写真「今回はいいテストになりました。ブルノでのレースウイークも全体的に納得のいく内容でしたしね。」とヘイデン。

「セッションの大半はラップタイムで上位につけていましたし、今シーズンのここまでに過ごした状況を思えば大きな進歩だったと思います。」

「今日はフロント・フォークのセッティングとリアのショック・アブソーバーのテストを行い、エンジンの調整にも何回か変更を施しました。他にはミシュランと何本かのタイヤをテストしています。」

「取り立てて大きな進歩はありませんでしたが、テストは有意義でした。休みなくここでの5日間を忙しく頑張ってくれたチームには感謝しています。」

■ペドロサ「データが次戦のタイヤに反映される事を期待」

2日目のほとんどをミシュランタイヤのテストに費やしたペドロサは、今回収集した膨大なタイヤのデータが、次戦のミサノで使用するタイヤの開発に反映される事を期待している。

「今日は基本的にミシュランのタイヤテストに時間を費やしました。」とペドロサ。
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「コンストラクション(タイヤ断面構造)とコンパウンドの色々な種類をテストして、レース終盤のグリップ性能が向上できないかを今日は試しました。」

写真「午前中はサーキットの路面が濡れていて風も少しあったので、1日の全ての時間をテストに使う事はできていません。ただ、天気予報では終日雨だったので、午後にドライ路面に恵まれたのは幸運でしたね。タイヤをテストするのにはいい日になってくれました。」

「特に大きな進歩が得られた訳ではありませんが、今日得られたデータはミシュランにとって有効なデータになる筈ですし、ミサノのレースで使うタイヤの開発に役立つものだと思います。」

「ミサノでは一度もレースしたことがないので、早く行ってみたいですね。」


■飛躍的な進歩は得られなかったフィアット・ヤマハ

午後に路面が乾いてから2日目のテストを再開したフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズは、ミシュランタイヤと新型エンジンの両方について、あまり目立った進展は得られなかったとしているが、ヤマハとミシュランに向けての重要なデータを多く集める事はできた様子だ。ロッシの2日目のタイムは1分59秒35、エドワーズのタイムは1分58秒86だった。

写真■ロッシ「ミサノまでのヤマハの頑張りに期待」

ミシュランタイヤのテストと並行して新型エンジンを2日間に渡りテストしたバレンティーノ・ロッシは、2日目には若干だが期待の持てる結果が得られたと述べ、日本にデータを持ち帰ってミサノに向けてエンジンの改良を続けるヤマハのエンジニアの今後の頑張りに期待したいとしている。

「今日も多くのミシュランタイヤのテストを引き続き行い、異なる種類のタイヤに色々なコンパウンドを試しました。」とロッシ。

「まだ奇跡と呼べるようなタイヤは見つかっていませんが、ミシュランには今後の何戦かに向けて役立つ大量の情報を提供する事ができたと思っています。」

「今日も一日の中で何回か新しいエンジンを試しましたが、状況は昨日よりも若干ですが良くなりました。ただ、まだ多くの作業は必要でしょうね。いずれにしても、チームのエンジニアには重要な情報をいくつか提供する事ができましたので、彼らは今後に向けての開発作業を進めてくれる筈です。」

「2日間は大量の作業をこなしました。今回ここで得られた情報を元に、ヤマハとミシュランは可能な限りの努力を続けてくれる筈ですから、次戦のミサノに向けての準備は整うと思います。」

■エドワーズ「着実に作業を進めていくしかない」
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ミシュランタイヤのテストを2日間に渡り集中して行ったエドワーズは、一気に状況が好転するような材料は今回のテストでは見つけられなかったとしながらも、いくつかの進展は得られた様子だ。

「今日も1日タイヤのテストに時間を費やしました。フロントタイヤに関してはすごく満足できています。」とエドワーズ。

「以前とは異なる方法論で結果を導きましたが、どうやら使えそうな雰囲気ですので、この分野に関しての知識が深まったように思います。また、リアに関しても、もう少し作業を続ければよくなりそうなタイヤが見つかってはいますので、結果的に今日はいくつかの進展がありました。」

「一晩で状況が一変するとは思いませんが、着実に作業を進めて今後の様子を見ていくしかありません。スターティング・システムのマッピング調整も昨日に引き続き行いましたが、この結果にはすごく満足しています。」

「これから自宅に戻って何日か休みますが、ミサノの現場で改善状況を確認する事になるでしょうね!」

■ブリビオ監督「改善結果をミサノで確認したい」

フィアット・ヤマハ・チームのダビデ・ブリビオ監督は、今回のブルノ合同テストではシーズンの終盤戦に向けての非常に重要なデータを収集できたとしており、次戦のミサノでのマシンとタイヤの改善状況に期待したいとコメントした。
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「チームは大量の作業をこの2日間でこなしましたし、レースウイーク中の忙しい作業に引き続き2名のライダーも多くの周回を走り込みました。」とブリビオ監督。

「シーズンの残りの戦いに向けてブルノのテストは毎年非常に重要なものになりますが、今年も例外ではありませんでした。特にミシュランタイヤのテストには多くの選択肢を試しましたので、今回得られたデータが今後の状況を改善する良い材料になる事を願っています。」

「来週に向けてヤマハとミシュランの両方が必死に作業を進めてくれますから、サンマリノでまた状況を確認する事になると思います。」


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