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フランスGP初日、息を吹き返すホンダ勢
インテリマーク編集部
2007年5月19日

MotoGPにおける本格的なヨーロッパラウンドの出発点となるフランスGPが、ルマンサーキットで5月18日に初日のセッションを迎えている。
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前日までの雨は朝には上がり、この日の全クラスの午前と午後の両方はドライ・セッションに恵まれたが、路面温度は基本的に低く、時間帯によってはサーキットの一部地域に小雨が降り、路面が滑りやすくなるという場面もあったようだ。

■転倒と怪我の情報

小雨などの影響もあり、この日は各クラスで転倒者が続出している。
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MotoGP最高峰クラスのセッション中は、中国で右腕を負傷した影響から今回の母国GPを欠場しているカワサキのオリビエ・ジャックの代役を務める現役SBKライダーのフォンシ・ニエトが、慣れないカーボン・ブレーキの温度が温まる前に高速1コーナーで飛ばして午前の序盤にコースアウト、午後に入るとプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマン、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手、ドゥカティーのケーシー・ストーナー、グレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリなどがコースを外れてグラベルを走行、一部は軽く転倒したが、幸い怪我人は1人もいなかった。
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■250ccクラスのロレンソは左足小指の骨にひび

250ccクラスでは、この日の第1予選で2番手タイムを記録したフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソが高速走行中にハイサイドを喫して激しくアスファルトに叩きつけられ、左足の小指にひびが入るという怪我を負っているが、2日目のセッションにはテーピングを施して予定通り参加するという。
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なお、スペイングランプリで顔の骨や左足を骨折、肺を損傷するという大怪我を負ったジレラのロベルト・ロカテリは、今回のフランスから毎日医療検査を受ける事を条件にグランプリに復帰を果たしており、初日の予選を24位で無事に通過している。

■125ccクラスのラバトは左手のひらの骨に小さなひび
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125ccクラスでは、午後の予選のセッション残り5分のところで小雨により滑りやすくなった高速第1コーナーから次々と5人のライダーが時速200キロの速度でコース外に飛び出し、その中の数名がグラベル内に転がって痛みや脳震盪などから身動きが取れなくなるという事故が発生している。最初に転倒したカンペテーラのポル・エスパルガロは転倒時に両足首を打撲したが、幸い骨などに異常はなく、2日目のセッションには午前から問題なく参加できる様子だ。

■最も深刻なダメージを受けたのはレプソル・ホンダのラバト

写真この事故の中で最も深刻な怪我を負ったのは、前回の中国GPで表彰台を獲得しているレプソル・ホンダのエステベ・ラバトだった。ラバトは転倒の衝撃で軽い脳震盪を起こしてグラベルに転がっていたが、すぐに意識は回復している。ラバトに大きな外傷はないものの、左の手のひらの骨に小さなひびが入り、強打した胸に痛みを訴えているため、この日の午後には病院に移動して精密検査を受けたようだ。

■ラバトのフランスGPキャンセルが決定

レプソル・ホンダチームの昨日の最後の発表によれば、ラバトは2日目のセッションへの参加を希望したものの、クリニカモバイルの医師とチームがこれを許可しなかった事から、本日5月19日にはバルセロナに戻り、イタリアGPからの復帰に向けて静養する事が決定している。

なお、ラバトと同時に転倒したマルチメディア・レーシングのラファエレ・デ・ロサと、フランス人のスポット参戦ライダーに関する深刻な怪我の情報は特に入っていない。


■MotoGP最高峰クラスの初日フリー・プラクティス総合結果

以下に、フランスGP初日に行われた午前のフリー・プラクティス1と午後のフリー・プラクティス2の総合順位を示す。午前のセッション開始時の気温は15度、路面温度は15度、湿度は73%、午後のセッション開始時の気温は23度、路面温度は24度、湿度は32%だった。
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路面状況は午前中がドライ、午後はセッション開始終了15分前に小雨が降った事からドライ-ウェットの宣言がなされている。

1) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分35秒319
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分35秒467
3) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分35秒498
4) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒626
5) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分35秒746
6) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分35秒759
7) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒770
8) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分35秒818
9) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分35秒908
10) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分36秒044
11) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分36秒139
12) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分36秒352
13) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分36秒491
14) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分36秒705
15) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分36秒770
16) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分36秒795
17) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分36秒855
18) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分37秒668
19) フォンシ・ニエト SPA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分38秒827


昨年までのサーキットレコードは2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分35秒087、ベストラップは同じく2006年にダニ・ペドロサが記録した1分33秒990。


■ヨーロッパに入り勢いを取り戻したホンダ勢

写真シーズン序盤からの不調がささやかれていたダニ・ペドロサを除くホンダ勢だが、今回のフランスGP初日の結果にはその悪い面影はない。

午前のフリー・プラクティスではレプソル・ホンダのダニ・ペドロサがトップタイムを記録し、2番手にはルマンを得意とするフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシがつけたものの、3番手タイムは開幕からフロントまわりのセッティングに苦しんでいたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、4番手タイムはホンダLCRのカルロス・チェカが記録した。

午後に入ってもホンダ勢の勢いは衰える事なく、初日の総合トップはグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリ、2番手はペドロサ、3番手にはチェカとホンダ勢が初日の総合トップ3を独占している。

■ホンダはエンジン特性改善への取り組みをルマンから開始

今回からホンダは、冬季シーズン中からの課題としていたエンジン特性の変更を試みており、ホンダ・ワークスのダニ・ペドロサがマフラーなど新しい排気系システムのテストを開始している。このテストは2日目以降も続くようだ。
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■午後の走行中に蜂に刺されたエドワーズ

この日の午後のセッション中は一部で奇妙な光景が目撃されている。ホンダ勢の3名に続く総合4番手タイムを記録し、好調のフィアット・ヤマハのコーリン・エドワーズが、フリー・プラクティス中のセッション中盤、突然メインストレートを走行中にスローダウンし、ピットボードを出すチームのクルーなどに対して足を突きだし振り回すという仕草を見せた。
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これを見て困惑の表情を見せたヤマハのスタッフだが、実はこの時にエドワーズの右足のブーツの中には蜂が一匹潜り込んでおり、ピットレーンの入り口を通りすぎた段階でその事態に気付いたエドワーズは蜂と共にコースを1周する事になったという。

周回中に2〜3箇所を刺されたというエドワーズは「(毒で)死ぬことはないと思う」と走行後に語っているが、実際エドワーズはその後も元気だった。


■タイヤ選択と午後の小雨が明暗を分けた初日のセッション

写真フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは午前中には2番手タイムを記録して、昨年とは異なる今年のマシンの好調さをアピールしたものの、午後に入ると急激に調子を崩し、午前のタイムを更新する事なく11番手でフリー・プラクティス2を終えている。

■午後に極端に調子を落として暗い表情のロッシ

この日に午前のタイムを更新できなかったライダーはロッシと、午後の序盤に転倒して午前中に好調だったマシンのセッティングを元に戻すのに手間取ったレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、同じく午後の序盤に転倒してセッティングの改善作業が中断する形になったプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンの3名のみだ。

■フィアット・ヤマハチームを毎回悩ます新タイヤレギュレーション

ロッシの午後の不調の原因は新タイヤ・レギュレーションにあるという。木曜日の5時までに事前に選んでおいた31本のタイヤの中には午後の路面状況に適したタイヤを見つけられなかったというロッシは、最後までルマンの狭いコーナーに苦しみ、全く思い通りにマシンを操る事ができなかったとコメントしている。

■最後のタイムアタックを雨に妨害されたヘイデンと中野選手
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ニッキー・ヘイデンは好調だった午前と同様のフロントまわりの好感触を午後のセッション終盤には取り戻したようだが、残り10分のところで雨が降ったためにタイムアタックの中断を強いられ、順位の改善には至らなかった。
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なお、今回も中国GPに引き続きホンダ勢の中で最も苦しんでいるコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手だが、今回のフランスGPに向けてミシュランがチームに持ち込んだフロントタイヤからは良い感触が得られているとの事だ。中野選手はヘイデンと同じく午後のセッション終盤のタイムアタックを計画していたが、やはり最後の雨の影響で総合17番手からの脱出はならなかったが、2日目以降に向けては明るい兆しが得られているという。


■各チームの作業状況

以下に、MotoGP最高峰クラス初日のそれぞれのチームの作業内容などを紹介する。
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■ルマンでの2連覇を目標とするグレッシーニ・ホンダ

写真この日の総合トップタイムを記録したマルコ・メランドリと、トップから0.5秒差の総合8番手タイムを記録したトニ・エリアスを擁するグレッシーニ・ホンダチームは、ルマンでは理想的なスタートが切れたと喜んでいる。チームオーナーのファウスト・グレッシーニは「ルマンでは表彰台の一番高いところを狙う」とコメントしており、その意気込みは極めて高い。

メランドリはエリアスは、共にチームがルマンに向けて用意したマシンのベースセッティングと、ブリヂストンが今回持ち込んだ新しいタイヤには大きく満足しているようだ。

■メランドリ「予選に期待」

メランドリは「チームがいいベースセッティングを用意してくれたおかげで朝からマシンの感触がいい。フロントフォークまわりの作業が功を奏してフロントの感触が向上しているし、ハードブレーキングの多いこのサーキットで重要なバイクのハンドリング性能は最高の状態。2日目にはいいグリッド位置を確保できるだろう」と述べ、予選での高い成績への期待を示した。

■ルマンでもブリヂストンタイヤに好感触を示すエリアス

初日の8番手となったエリアスも「去年のルマンではたくさん問題を抱えていたので今回の結果は嬉しい。まだ改善の余地はあるので翌日も作業を継続したい。タイヤの調子はすごくいい」とコメントし、初日のマシンとブリヂストンタイヤに好感触を示している。


■基本的には2名揃って好感触のレプソル・ホンダ勢
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午後にニッキー・ヘイデンが転倒してその後はタイムを上げる事はできてはいないものの、2名揃ってレプソル・ホンダ勢はルマンに良い感触を初日に持つ事ができている。
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■ペドロサ「ドライ用のいいセッティングができた」
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午前中にはトップタイム、午後には2番手タイムを記録したダニ・ペドロサは、ホンダが用意した改良型の排気系システムのテストに取り組むみながら、今年の800ccマシンで初めて走行するルマンにセッティングを合わせるべく、作業を行ったようだ。ペドロサは「軽いロングランも行ったがペースは一貫していたし、午後の終盤に雨は降ったもののほとんどの時間に路面は乾いていたので、いいドライ用のセッテ写真ィングができた」と、初日の作業内容に満足を示すコメントを残した。

■午後には低迷したが明るいヘイデン

また、午後にタイムを更新する事ができなかったニッキー・ヘイデンは「午前は走り始めた時から自分の理想に近いバイクに仕上がっていたし、ミシュランタイヤの調子もすごく良かった。午後も同じタイヤを履いてタイムアタックをしようと思ったが、フロントを失って転倒してしまった。その後はフロントの感触が戻ったところで雨が降ってしまったが、午前は楽しく走れたので明日には同じ状態に戻っていると思う」と述べており、以前のように初日の順位低迷を大きく嘆くようなコメントは残していない。


■第2戦の母国GP以上にルマンで好調のチェカ

午後のセッションの大半をタイムシート上のトップで過ごし、タイムシート上の総合3番手で初日の走行を終えたホンダLCRのカルロス・チェカは、ホンダのマシンがルマンのようなコンパクトなサーキットには合っていると感じたようだ。
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■チェカ「ホンダのマシン特性にルマンは合っている」

トップのメランドリから0.179秒差のチェカは、「ヘレスの時のようにトップから僅差につけられたし、今回のプラクティスはうまくいったと思う。ホンダのマシンはブレーキング性能が良く、短いストレートにマシンの特性があっている。それに今回は選んだタイヤもすごく良かった。まだもう一種類のタイヤを明日はテストするので、フロントまわりの感触がより高まるように作業を進めるつもり」と走行後に語っている。

なお、チェカは小雨が降り出したセッション終盤にもピットから飛び出して走行を続けている。「ルマンの感触をよりしっかり得るために走ってみた」とチェカ。


■フィアット・ヤマハ「まだまだ作業は必要」
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午前には2番手タイムを記録したものの、新タイヤレギュレーションの影響から、午後には路面状況に適したタイヤが見つからずに最後まで苦しんだフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、この日はセッティングの正しい方向性を見つける事ができなかったという。ロッシは午後には11番手にまで後退し、初日の総合順位は7番手となった。
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■持ち込み期限ぎりぎりに追加したタイヤがあたったエドワーズ

その一方で、チームメイトのコーリン・エドワーズは、木曜の夕方5時に締め切られるタイヤ選択期限の残り数分間に追加したレースタイヤがあたり、この日の午後には総合4番手タイムを記録している。

エドワーズは「もし明日以降も今日と同じ路面条件なら、今回は最良のタイヤ選びができていると思う」と述べ、午後のセッション中にはブーツの中に入った蜂に足を数箇所刺されたものの、初日の結果には満足といった様子だ。

■ロッシ「全く思い通りに走れない」
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最後までセッティングに苦しんだロッシは「新タイヤレギュレーションが不利な状況をここでは生んでいる。最後まで問題を改善できなかったし、まだいいレースタイヤも見つかっていない。路面の感触はかつて経験した事もないような感じで、全く思い通りに走れない」と暗いコメントを残す一方で、「コーリンは自分よりも少し速く走れているので、そのデータを参考にさせてもらって明日はいい方向性をつかみたい」と2日目への期待も述べている。
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■ルマン初日のトップスピードはリズラ・スズキ
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初日のトップスピードで最速記録を出したのは、リズラ・スズキのGSV-Rだった。ジョン・ホプキンスはこの日の1コーナーを時速287.7キロという速度で通過しており、ラップタイムでは総合5番手につけた。
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■ホプキンス「一晩ぐっすり寝たらさらに速くなる」

初日のホプキンスはレースに向けてのハンドリング調整に集中しており、2日目以降も改善は進む様子だ。「今日はたくさん仕事したね。色々試してその度にタイムも伸びた。中国のセッティングで最初は走り始めたけどあまりうまくいなかくて、その後はチームと頑張ってセッティングを見直し大きく前進する事ができた。自分のライディングも含めてさらに改善を進めるつもり。一番ぐっすり寝たら、さらに激しく攻められるようになる筈!」と、中国GPで念願の表彰台を獲得して勢いに乗るホプキンス。
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■バーミューレン「最後の雨が残念」
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また、ホプキンスのチームメイトのクリス・バーミューレンは、この日はマシンのセッティングをルマンに合わせる事に集中し、トップのメランドリの1秒差の総合13番手タイムを記録している。バーミューレンは「バイクのセッティングが良くなったところで雨が降り始めたので残念。もっと改善したいし、明日は必ずタイムを上げられる」と述べ、初日の仕上げのタイムアタック直前に雨に降られた事を述べている。
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■ドゥカティー「思ったほど苦戦していない」

ルマンでは簡単には勝てないと事前に述べていたドゥカティー勢だが、現在のランキングトップにつけるケーシー・ストーナーは「思ったほど苦戦しなかった」と初日の感想を述べている。チームメイトのロリス・カピロッシも午前中にはいくつかの問題を抱えていたが、午後にはセッティングの良い方向性をつかんでおり、翌日以降には期待が持てるようだ。
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初日の総合6番手につけたケーシー・ストーナーは、最初はリアが跳ねるという問題を抱えたが、リアのサスペンションを調整することでその問題は解消し、ブレーキについても思い通りの調整ができたと、この日の作業内容には満足している。

■ストーナー「今後も大きな問題は起きないと思う」
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ストーナーは「ここではもっと苦しむと持っていたけどマシンの状態はすでにとてもいい。コーナーからの切り返しがうまくできるような最高のセッティングができていると思う。あとは少しの微調整をフロントに加える事と、リアのトラクションが少し増すような工夫をするだけ。レースの距離を走り込んだが何も問題は発生していない。路面温度が明日以降に変わるようなら別のタイヤを使用する事になるが、準備してあるタイヤを使えば特に大きな問題に見舞われる事はないだろう」と自信ありげだ。

■カピロッシ「最終区間の改善に集中する」
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ストーナーのチームメイトであり、この日は総合11番手につけたロリス・カピロッシは、「午前に抱えた問題は午後にいくつか解消できて非常に速く走る事ができた。最後のアタック中に雨が降り始めたので残念だが、作業がいい方向性に進んでいるのは間違いない。最終区間がまだ遅いのでその部分に焦点をあてた改善は必要だが、いずれにしてもすでのバイクの感触はいいので残りの2日間に向けて自信はある」と走行後にコメントしており、ワークス・ドゥカティー勢はルマンでも初日から好調な様子だ。
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■初日の内容に満足するバロスと絶望するホフマン

プラマック・ダンティーンのアレックス・バロスは、総合順位こそ10番手だったものの、この日の作業は大変に満足できるものだったようだが、レギュラー・ライダーの最後尾となる総合18番手を記録したチームメイトのアレックス・ホフマンにとっては、ルマンの1日目は最悪といえる内容だったようだ。
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■良好なセッティングを2日目以降は結果に反映したいバロス

バロスは「いいベースセッティングが見つかり満足。今までとは異なるジオメトリを試し、バイクを自分のライディング・スタイルに合わせた。タイヤテストについても期待の持てる結果だった」と述べ、マシンの仕上がり状況にほぼ満足といった様子だ。しかしながらバロスは、「問題はラップタイム。もっとタイムは縮める必要がある」とつけ加えており、2日目以降はマシンの上向き調子を結果に反映する構えだ。
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■ホフマン「今日の事は忘れたい」

午前からセッティングに苦しみ、セッティングを変更した直後の午後のセッション序盤にいきなり転倒したアレックス・ホフマンは「もう今日の事は忘れたい」とコメントしている。
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■一部湿った路面に予想以上に苦しむカワサキ

中国GP以降、カワサキはマシンのトップスピードに自信を示しているが、今回のルマンでは安定しない路面状況に若干苦しむ様子を見せている。
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ランディー・ド・ピュニエは午前中にタイヤを1セット、午後のセッション終了間際には2セット目を試しており、ブリヂストンタイヤのルマンでのグリップにも好感触を示しているが、午後はコースの一部が湿っていた事もあり、あまりタイムを伸ばす事ができなかったという。

■ド・ピュニエ「ルマンは簡単じゃない」

この日の総合12番手となったド・ピュニエは「ルマンは簡単じゃありません。リアのセッティングに苦しんでいて、コーナーの出口付近で大きく暴れるような状態。これが原因で今は簡単に方向を変えられない。ただ、今はあまり自信が持てていないが、不満がある訳ではない。午後にはセッティングが少し改善されたので、特に最終区間でタイムが出せるように明日は作業を続けたい。」とこの日にコメントしており、まだZX-RRのセッティングが思い通りに進んでいない事を明かしている。
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しかしながら、ド・ピュニエはブリヂストンタイヤには満足しており、「レースタイヤにはすごく満足。性能は一貫しているし、走り込んだ後の最終ラップに自己ベストが出せる」と述べ、日曜日の母国レースに向けては自信をのぞかせた。

■フォンシ・ニエト「MotoGPマシンにすごく興奮」

生まれて初めて最高峰の800ccマシンを経験するオリビエ・ジャックの代役のフォンシ・ニエトは、想像以上のGPマシンの重量の軽さに驚いているようだ。初日の午前はマシンに慣れる事から開始したカワサキの現役SBKライダーのニエトは、カーボンブレーキの温度が上がる前に1コーナーを飛ばし、曲がりきれずにグラベルに飛び込んでいる。
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チームの配慮のおかげで肩の力を抜いて走れているというニエトだが、まだGPマシンでのコーナーリングには苦労している様子だ。しかしながらニエトは「午前はとくかくMotoGPマシンに興奮した。とにかくすごいし楽しい。今日驚いたのはカーボンブレーキとタイヤの軽さ。まだ方向転換に自信が持てないし、自分のブレーキングについても、もっと改善する必要がある。今日の自分のタイムはとても遅かったが、明日に向けてまだ改善の余地があるし、さらに速く走れるようになると思う。」と述べ、楽しみながら2日目以降はタイム改善に挑戦していく姿勢を見せている。
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【お詫びと訂正】5月16日のプレビュー記事の中で、オリビエ・ジャックの代役のフォンシ・ニエトはアンヘル・ニエトの次男と記載いたしましたが、次男ではなく甥の誤りでした。記事を訂正の上、謹んでお詫びを申し上げます。


■2日目に大きな期待を示すコニカミノルタ・ホンダ

今回のルマンでホンダ勢が復調する中、午前と午後のセッションの両方を16番手で終え、初日の総合順位は17番手と落ち込んだコニカミノルタ・ホンダチームの中野真矢選手は、最後のタイムアタックを午後の雨に妨害されて順位の挽回はならなかったが、今回ミシュランがチームのために持ち込んだタイヤには好感触を示している様子だ。
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結果としてタイムは伸びなかったものの、チームはRC212Vのマシンバランスの改善に終日取り組んでおり、チームスタッフはタイヤまわりを含む全体の改善度合いを、2日目には結果で示したいと考えている。

■ホンダライダーがトップ3に入ったのは良い兆し

チームオーナーのジャンルカ・モンティロンは、「今日は新しいタイヤのテストをしながらマシンバランスの向上を狙い、それに時間を費やした。セッション終盤の小雨のせいでシンヤはタイムアタックをできていない。」と述べると同時に、「トップ3をホンダのライダーが獲得できたのは素晴らしい。自分たちの状況が良くなる兆し」とコメントし、ホンダ全体の復調傾向に今後への大きな期待を示している。

■ミシュランがタイヤ接地面の構造を改善
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また、チームの技術責任者を務めるジュリオ・ベルナルデッレは、「ミシュランのタイヤが少し良くなってきたので明日に期待が持てる。今はメインストレート後の複合コーナーに問題を抱えており、コーナーの中央付近でタイムを落としているが、今晩はデータを分析してその点をシンヤのためにも改善したい。明るい点はシンヤがフロントタイヤに好感触を示している事。ミシュランはフロントの接地面の構造を今までのものから変更しており、側面の硬さに段階的な変化を加えてきたが、それがここでは功を奏している。明日は日曜のレースのためにいいグリッドが得られるように全力で挑みたい」と述べた。

■中野選手「コーナーに進入しやすくなった」

初日の順位を総合17番手で終えた中野真矢選手は、この日の午前に初めて装着したミシュランの新型フロントタイヤが気に入った様子だ。
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「新しいフロントタイヤはいい感じ。おかげでフロントまわりのマシンの感触が向上し、コーナーに進入しやすくなった。まだ機敏に曲がる事ができていないし、十分なグリップも得られてはいないが、これを改善するアイデアもすでにあるので、明日の朝は今までとは異なるサスペンションのセッティングをフロントとリアに試す予定」と、中野選手は初日のセッション終了後にコメントしている。


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