MotoGP 速報ニュースサイト インテリマーク
最新ニュース 2007年冬季データ 2007年のMotoGP年間予定、及び各クラスのレース結果 2007年のMotoGP各クラスのポイントランキング インテリマークフォーラム/2輪ロードレースカレンダー/MotoGP天気予報/世界サーキット時計 運営/お問い合わせ
元のページに戻る
中国初日、予想外のドライセッション
インテリマーク編集部
2007年5月5日

昨日の5月4日より、中国の上海サーキットにてMotoGP第4戦目となる中国グランプリが開催された。前日までの上海は雨が多く、この日も午後からは大雨になる事が予想されていたが、幸いMotoGPクラスの初日の午前と午後のフリー・プラクティスは最後まで路面はドライのままに保たれている。
写真
■ドライは午前のみと信じて挑んだ最初のセッション

フリー・プラクティス1開始時の気温は23度、路面温度は25度、湿度は49%。湿気の多い蒸し暑い空気に包まれた午前のセッション序盤の上海サーキットの一部は霧に包まれていたが、午後に雨が降る事を恐れた多くのライダーは、セッション開始から大急ぎで日曜日のレースに向けてのドライ用のセッティングやタイヤのテストを開始している。路面の一部は滑りやすい部分もあったようだが、時間を惜しむライダーたちにはあまり関係がなかった様子だ。
写真
■午後のセッションも予想外のドライ

多くのチームは午後のセッションではウェット用のセッティングを試すつもりだったようだが、午後の最初に行われた125ccクラスの予選が終了しても雨が降り始める事はなく、MotoGPクラスのライダーがコースに出た時に空は大きな雲に覆われていたが、結局最後まで雨が降り出す事はなかった。
写真
フリー・プラクティス2は良好な路面のドライ・セッションとなり、気温24度、路面温度26度、湿度36%の午後の上海サーキットでは、予想に反して得られた貴重なドライ路面に喜ぶ各チームは午前に引き続きレース用セッティングの改善を進めており、参加したライダーの全員が午前の自己ベストタイムを更新している。


■オリビエ・ジャックが右腕を負傷

なお、今回の中国初日のセッションではMotoGPクラスのライダーに怪我人が出てしまった。カワサキ・レーシング・チームのオリビエ・ジャックは、午後のセッション残り17分の時点で最終コーナーを激しく攻めながら転倒し、右のひじから手首にかけての部分がバイクの下敷きとなって大きく切り裂かれるという不運に見舞われた。
写真
■ジャックの手術は成功

ジャックは自分の足でそのままコース内のメディカル・センターに移動して診察を受けたが、すぐに手術が必要と診断された彼は上海市内の病院に移動し、傷口の縫合手当を受けている。ジャックの傷は、当初フランスに戻っての再手術が必要になる事が心配されていたが、幸い皮膚移植が必要なほどに深刻な状況ではない事がクリニカ・モバイルの医師立ち会い後の検査で判明し、外傷の治療はこの日に上海で受けた1回の縫合手術のみで全て完了したようだ。

■母国グランプリでの復帰を目指してリハビリに専念

ジャックは中国GPの残りの2日間をキャンセルし、本日5月5日の午後にはスペインのバルセロナの病院に移動して、回復に向けてのリハビリ内容などを本人の専属医師と相談し、2週間後に開催される母国グランプリであるル・マンからの復帰を目指すという(ジャックの怪我に関する記事はこちらを参照)。


■中国GP初日のフリー・プラクティス総合順位

以下に、中国GP初日のMotoGPクラスにおける午前と午後のフリー・プラクティス総合順位(FP1+FP2)を示す。
写真
1) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒204
2) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分01秒303
3) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒333
4) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒346
5) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 2分01秒365
6) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分01秒390
7) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分01秒409
8) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 2分01秒460
9) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 2分01秒771
10) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 2分01秒881
11) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分01秒896
12) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒991
13) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 2分02秒051
14) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒114
15) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分02秒242
16) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 2分02秒564
17) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分02秒768
18) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分02秒818
19) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 2分02秒977


ちなみに、上海のサーキットレーコード(990cc)は2006年にダニ・ペドロサが記録した1分59秒318、ベストラップレコード(990cc)は同年にやはりダニ・ペドロサが記録した1分59秒009であり、初日の結果を見る限り、トップスピードに劣る800ccマシンでは、ロングストレートを2本持つ上海での990cc時代の記録を上回る事は難しそうな気配だ。


■初日のトップタイムはジョン・ホプキンス
写真
MotoGPカレンダーの中での最長距離となる1202メートルのロングストレートを有する上海サーキットでは、カタールのロングストレートを制して開幕戦の勝利を得ているドゥカティーが初日から有利と噂されていたが、実際に1日目のセッションで総合トップタイムをマークしたのはリズラ・スズキのジョン・ホプキンスだった。

■ホプキンス「明日がどんな天気でも関係ない」
写真
ホプキンスは午前に2番手タイム、午後にはトップタイムを記録しており、念願の初表彰台獲得を得意の上海で実現しようとする意気込みは相当に強い様子だ。また、ホプキンスは午後に1セットのタイヤしか使用しておらず、ブリヂストンタイヤのレースでの耐久性と、自身の日曜日の決勝に向けての走行ペースの高さに自信を示しているという。

「まず最初にブリヂストンに御礼が言いたいです。セッションの開始からすごくいいタイヤを提供してくれましたからね。今はすごく乗れてる感じですが、まだ改善箇所が数点あるのでそれを明日行います。みんなのタイム差がほとんどありませんから、コンマ1秒をさらに削り取るようにチームと頑張ります。明日はどんな天気であろうと前に出て見せますよ!」とホプキンス。

写真■午後に雨が降らなかった事に感激するバーミューレン

また、この日は総合12番手につけたホプキンスのチームメイトのクリス・バーミューレンは、初めて経験した昨年の上海はレースウイーク中のセッションが殆どウェット・コンディションとなり、ドライとなったレースも3周を走行後にリタイアしている事から、ほとんど経験できなかった上海のドライ路面を、この日の午前と午後の両方のセッションで経験できた事に大変満足している。

「自分のライディングをしっかり研究していいライン取りを見つける事ができました。今は最終区間の2つのコーナーでタイムを落としているので、明日はそれを解決して全体のペースを上げていくつもりです。」とバーミューレン。


■ドゥカティー勢はコーナリング性能とエンジン出力特性の改善に専念

なお、午前のセッションではドゥカティーのケーシー・ストーナーが前評判通りにトップタイムを記録していたが、午後にはレース・シミュレーションを中心としたロングランをこなしたストーナーは、ホプキンスから僅か0.256秒差の総合8番手タイムで初日のセッションを終えている。
写真
■ストーナー「今の段階でもマシンはすごく乗りやすい」

「トルコの時のセッティングから始めましたが、大きな変更は加えていません。明日はもっとコーナリングが楽にできるよう調整したいと思います。リアのグリップも改善したいですね。午後は調子よくロングランができましたのでタイヤに不安はありませんよ。今の段階でもマシンはすごく乗りやすいです。」とストーナー。
写真
ちなみに、今回、トップのホプキンスから総合14番手のトニ・エリアスまでの14名が1秒以内のタイム差の中にひしめいており、今期のMotoGPクラスの競争の激しさが今回の中国GP初日の結果にも表れる結果となった。
写真
■カピロッシ「125ccクラスのような僅差の争い」

初日の総合5番手タイムを記録したストーナーのチームメイトのロリス・カピロッシは、今回の僅差のタイム争いはまるで125ccクラスのようだとコメントしている。

「まるで125ccクラスのようにタイム差がないですね!午前はあまりマシンからいい感触が得られませんでしたが、午後にチームがセッティングを改善してくれたので助かりました。今日はフロントまわりの重量バランスの調子に時間を費やし、今は気持ちよく乗れるようになっています。エンジンの出力特性の部分に関しては明日も業を続けるので、雨に降られたくないですね。決勝は天気予報通りに晴れて欲しいです。」とカピロッシ。


■復調するメランドリと、初日の結果に不満のエリアス

総合2番手タイムは、今期からタイヤサプライヤーをミシュランからブリヂストンにスイッチしたグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリが記録し、トップのホプキンスと共にブリヂストンタイヤの中国に向けての仕上がりの高さをアピールしている。メランドリはトルコ翌日の合同テストで仕上げたベースセッティングを今回の中国ではほとんどそのまま使用しており、その完成度は高いようだ。

■メランドリ「今回も課題は予選」
写真
「トルコで中国のためにセッティングを仕上げてきたので、今日は最初からバイクの調子がいいです。特にフロントの感触を再認識できました。バイクにまた楽しんで乗れるようになり嬉しいです。自分の課題は予選ですから、明日はいいタイムが出せるようにこのまま作業を続けていきます。みんなのタイム差が殆どありませんから、日曜日のレースは激しくなりそうですね。」とメランドリ。

■エリアス「いいタイヤは確保してある」

前々回のスペインでは4位、前回のトルコでは2位表彰台を獲得して好調だったメランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、この日の総合14番手という順位には満足していない様子だが、トップとのタイム差は1秒程度なので、目標とするセッティングからはそれほどかけ離れている状態ではないとコメントしている。
写真
「今日は色々なセッティングをテストしましたが、まだ納得のいく状態ではないので、明日はトルコの時の状態にマシンを戻して作業をやり直す予定です。レースに一番良さそうなタイヤはもう分かっていますから、明日と決勝当日のために初日はそれを使わずに取っておきました。マシンのセッティングを進めたいので、明日はドライになって欲しいですね。」とエリアス。


■レプソル・ホンダが2名揃っての好タイム

また、今期は何かと不調が囁かれたホンダ勢だが、今回の2番手タイムを記録したメランドリに続いて、3番手と4番手には昨年度の上海では決勝でワンツーフィニッシュを遂げたレプソル・ホンダの2名、ダニ・ペドロサとニッキー・ヘイデンがつけており、ホンダ勢が着実に調子を取り戻しつつある傾向も見える。
写真
■ペドロサ「予選がウェットにならないで欲しい」

ペドロサは、「今日は普段通りの金曜日って感じでした。タイヤをテストし、ギア比を調整して、マシン全体のセッティングを行っています。990ccの時より若干タイムは遅くなっていますが、マシンのパワーの差は乗っていてそれほど感じませんね。去年はここでポールポジションを取っていますから、予選がドライになってくれればいい結果が期待できると思います。ドライになって欲しいですね。」と述べ、予選がウェットにならない事を祈っている。
写真
■ヘイデン「ヘレスの初日午前も4番手だったから油断はしていない」

今回の4番手につけたディフェンディング・チャンピオンのニッキー・ヘイデンは、今期はプレシーズン中からマシンのセッティングに苦しみ、開幕戦から前回のトルコGPまで1度も表彰台を獲得する事ができていないが、前回のトルコ翌日のテスト後には、すでに復調に向けての自信がうかがえるコメントを残していた。
写真
久しぶりにレースウイーク初日の走行を上機嫌で終えたヘイデンは「マシンのセッティングもタイヤの方向性もかなり順調ですが、まだ安心はしていませんよ。ヘレスの時も午前中の調子は良かったですからね。とにかく今回はチームの頑張りにちゃんと応えたいです。」と述べ、2日目以降に向けても全く油断する様子は見せていない。
写真

■ストレート以外の場所でタイムを稼ぐフィアット・ヤマハ

フィアット・ヤマハチームは、ドライでは苦手意識のある上海サーキットで、初日から納得のいくセッティングができた事を喜んでいる。
写真
■ロッシ「1ミリ単位で争うような戦い」

写真午前中には3番手タイムを記録し、午後のセッションを終えた時点では初日の総合6番手につけたバレンティーノ・ロッシは、午後は確実に雨が降ると予想していた事から、午前中にこの日の全ての作業を集中して行っていた様子だ。なおロッシは、初日の午後が予想外のドライとなった事で、現在はドライとなる事が予測されている決勝当日のレースに雨がずれ込んだのではないかと心配している。

「6番手という順位はあまり嬉しくありませんが、トップとの差は0.18秒しかないのでそれほど悪くない結果だと思います。みんなが僅差のタイムを出しているので、今回のレースも激しいバトルになりそうです。今シーズンはコーナーを攻める時には1ミリ単位の注意力で差を競うような感じですね。」とロッシ。

「すでにM1の感触はすごくいいですよ。トップスピードはまだ少し足りない感じですが、他の部分で自分たちの強みを発揮できる事は今日のタイムが証明しています。まだレースタイヤの選択肢には候補が2〜3本残っている状態ですので、明日にもまだ色々試す予定です。今日は雨にならなくて幸運でしたが、それが日曜日に延びただけなら残念ですね。でも、ドライで毎回レースができれば最高ですが、ここでは以前にウェットのレースで勝っていますし、今年のマシンはウェットでも速い筈ですから、今は様子見です。」

■エドワーズ「明日の天気次第」
写真
また、この日の総合7番手につけたロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズも、タイヤの最終選択はまだ行っていない様子だ。

「今日はエンジンまわりの調整を午後の最後に試しましたが、まだそのセッティングでは数周しか走れていないので、明日もその作業を継続します。レースタイヤはいいものを見つけましたが、まだ何点か確かめたい事があるので最終決定はしていません。明日に予定通りの仕事ができるかどうかは天気次第ですね。」とエドワーズ。


■トップスピードは諦めるチェカ

2005年のドゥカティー時代には、上海サーキットでの2輪におけるトップスピード記録の時速342.9キロをバックストレートで記録していたカルロス・チェカだが、今期のホンダLCRの800ccマシンでは、最高速度によるアプローチを最初から考えていない様子だ。
写真
■チェカ「集中すべきはコーナリングとブレーキング性能」

初日の総合10番手タイムを記録したチェカは「ロングストレートのサーキットで今回の結果には満足するべきでしょうが、さらに改善は続けたいですね。コーナリング速度がもっと上げられるように、タイヤ側面のグリップ力とリアの安定性がもっと欲しいところです。ライバルたちと比べてトップスピードが低い事についてはホンダも理解している事ですし、今更驚きませんよ。ですから今の作業の中心はブレーキング性能とコーナリング性能の向上です。」とコメントしており、高速ストレート以外の場所でタイムを縮める事に意識を集中している。

■少しでもトップスピードを改善してチェカを助けたいLCR

しかしながら、LCRのメカニックは、チェカが本来であればこだわるトップスピードを少しでも上げられるように努力を続けており、この初日には空力性能を高めるためにカーボン製のデフレクタ(風よけ)をマシンに取り付けたようだ。なお、残念ながらこのデフレクタからは効果が得られなかったため、2日目には大型のフロントスクリーンの装着と、フェアリング(カウル)の取り付け位置の見直しも行うという。


■マシンの大幅な進化に自信を示すカワサキとド・ピュニエ

初日を総合11番手で終えたランディー・ド・ピュニエは、この日はトルコ翌日の合同テストで試した改良型のシャシーとリア・サスペンション、および今回の中国から初めて試す新型エンジンを搭載したマシンに大変な好感触を示している。
写真
■カワサキのトップスピードがホンダ並に

この新型エンジンの採用により、カワサキのNinja ZX-RRはエンジンの出力特性がよりスムーズになって乗りやすさが増しており、さらにはトップエンドの回転域がさらに上がった事で、カワサキのマシンが従来苦手な範疇としてきたトップスピードが大幅に改善されている。

実際に、ド・ピュニエは午前のセッションでは、ドゥカティーの4台がトップスピードのトップ4を独占する中、それに次ぐ5番手となる時速320キロを記録している。これは午後のホンダのデータと比較しても全く遜色のないトップスピードと言える。

■ド・ピュニエ「苦手だった分野が改善された」
写真
ド・ピュニエは「今回の順位にはまだマシンの改善状況が反映されていませんが、新型エンジンは性能が確実にアップしています。特にトップエンドの回転域が上がっているので、他のチームに負けていた分野もこれなら大丈夫ですよ。トップスピードがすごくいいですね。今日はサスペンションのセッティングに集中しました。予選とレースに向けて今の作業を続けますが、現段階のセッティングにもすごく自信がありますので、明日はもっとタイムを上げられます。ここは予選が重要ですしね。」と述べ、抜本的な改良がなされたカワサキのマシンを高く評価している。


■新タイヤレギュレーションの直撃を受けるチーム・ロバーツ

トルコの合同テストで仕上げたベースセッティングをそのまま使用し、午前中に12番手タイムを記録してマシンに好感触を示していたチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアは、午後にはセッティングに調整を加える事でさらにタイム改善が得られる事に期待していたという。
写真
しかしながら、今期からの新レギュレーションによるレースウイーク中のタイヤ本数制限の影響から、午後には本来使いたかったレースタイヤの使用を我慢する必要性に迫られたロバーツ・ジュニアは、マシンの改善状況を正しく把握する事ができずに順位を落とす結果に終わったようだ。

限られた人数でレースウイーク中の結果を利用してオリジナルのマシンを開発するチーム・ロバーツのようなチームにとって、今年のタイヤレギュレーションは厳しい状況を生みやすいのかもしれない。


■出遅れるコニカミノルタ・ホンダ

上海の初日に最も苦しんだのは、午前と午後の両方のセッションで最後尾の19番手から脱出する事ができなかったコニカミノルタ・ホンダチームと中野真矢選手だろう。
写真
コニカミノルタ・ホンダ以外の全てのチームは、前回のトルコGP翌日の合同テストに参加して上海サーキットを想定したベースセッティングを準備していたが、コニカミノルタ・ホンダチームだけはその合同テストに参加していない事もあってか、以前に試した事のない新しいセッティングをこの日の午前中にチームは何種類か試したようだ。

■午後にはセッティングをやり直し

しかしながら、全てのセッティングに良い効果が得られず、結局午後には中野選手の希望によりトルコのレース時のセッティングに戻した事で状況は改善の方向に向かったが、午前中の時間を無駄にした影響は大きく、他のチームのタイムにこの日は追いつく事ができなかった。
写真
■モンティロン「チームの技術力と努力を信じる」

チームオーナーのジャンルカ・モンティロンは「シンヤが100%本気で攻められるようにするために、今晩はHRCと共同で全てのデータを分析します。チームの技術力と努力を信じていますし、何があろうと予選までに状況を必ず改善します」とコメントすると同時に、一度に多くの変更を加えすぎたかもしれないという言葉を付け加えている。

■中野選手「予選で挽回したい」
写真
初日の走行を終えた中野選手は「午前は新しいセッティングを探すのに苦しみ、いい方向性をつかむ事ができませんでした。フロントタイヤからもいい感触が得られていません。午後には以前のセッティングに戻して改善は進みましたが、午前の時間を無駄にしたのが大きく、順位を上げるには至りませんでした」と初日の結果には落胆の色を見せるものの、「ここのコースレイアウトは良く理解していますから、予選では挽回できます。明日は最大限の努力をします。」と前向きな姿勢は崩していない。

■ベルナルデッレ「ギア比の調整が裏目に」
写真
また、チームの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは「今日は構造が新しくなったミシュランのフロントタイヤを使用しましたが、今回のセッティングでは効果が得られない状態でした。また、ロングストレートでの加速が自分たちのマシンはあまり良くないのでギア比に調整を加えましたが、ストレート以外の場所では余計にシンヤがマシンを扱いにくい状況になってしまったようです。」とコメントしている。


関連記事


最新のニュース一覧へ 元のページに戻る
インテリマーク - Copyright (c) IntelliMark All Rights Reserved. -
UA_ZOZOTOWN
ZOZOTOWN