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ヘレスIRTAテスト250ccクラス2日目、青山博一選手がトップタイム
インテリマーク編集部
2007年2月21日

前日に引き続き、MotoGP250ccクラスの今年初のIRTAテストが、スペインのヘレス・サーキットで2月20日に2日目を迎えたが、この日は前日の晩から午前にかけて降り続いた雨の影響で、路面状況はウェットともドライともつかない中途半端な状態になり、多くのチームはテストをほとんど進める事ができなかった様子だ。
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■最悪の路面状況となったヘレス250ccクラスIRTAテストの2日目

夜から降り続いた雨は午前のセッションの中盤にはやんだが、徐々に路面が乾く中でコース上の所々には多くの水たまりが出没しており、来月の開幕を目前に控えての転倒や怪我のリスクを避けたい大多数のチームは、路面が完全に乾いた夕方まで走行を見合わせていたという。

路面状況が良くなった午後4時頃には、やっと現れたドライ路面を惜しんで多くのライダーが走行を開始したが、その1時間後にはすぐに雨が再び降り出しており、この日はマシンの開発作業を進めたい各チームにとっては、あまり役に立たない1日となってしまったようだ。


■初日に転倒したフリアン・シモンの状況

初日に午前の2番手タイムをたたき出しながらも、午後のセッション開始直後に4コーナーで転倒し、自分のバイクの直撃を受けるなどして左肩を脱臼したレプソル・ホンダのフリアン・シモンは、2日目の午前中にはバルセロナのデシェウス病院に移動してMotoGPのトップライダーを多く治療している事でも有名なザビエル・ミール医師の診察を受けている。
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シモンは初日の転倒直後、クリニカ・モバイルに運ばれて脱臼した骨の位置を元の場所に戻されており、骨折の心配もないが、この日の診療では肩のまわりの靱帯に損傷がないかの検査を受けたようだ。まだ最終的な検査結果は判明していないが、今後の方針や予定はさらなる精密検査を受けてから決定するという。なお、シモンはすでにカタールで3月10日に行われる開幕レースに出場する意志は固めている様子だ。

なお、2日目は滑りやすい路面にタイヤをとられて何名かのライダーが転倒しているが、大きな怪我の情報は入っていない。


■ヘレスIRTAテスト250ccクラス2日目の走行結果

以下に、2月20日にスペインのヘレスで行われた250ccクラスのIRTAテスト走行結果を、各ライダーの自己ベストタイム順に示す。この日の気温は12度、路面温度は14度、湿度は55%、路面状況はウェット−ドライだった。
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1) 青山博一 JPN レッドブル・KTM・GP250 KTM 1分45秒250(56周)
2) アレックス・デ・アンジェリス RSM マステル-MVA・アスパル アプリリア 1分46秒045(9周)
3) ミカ・カリオ FIN レッドブル・KTM・GP250 KTM 1分46秒069(64周)
4) アルバロ・バウティスタ SPA マステル-MVA・アスパル アプリリア 1分46秒254(32周)
5) アンドレア・ドビツィオーゾ ITA ヒューマンゲスト・レーシング ホンダ 1分46秒468(20周)
6) アンソニー・ウェスト AUS チーム・シチリア アプリリア 1分46秒517(41周)
7) トーマス・ルティ SUI エミー・カフェラテ アプリリア 1分47秒002(28周)
8) エクトル・バルベラ SPA チーム・トース・アプリリア アプリリア 1分47秒058(21周)
9) アレックス・バルドリーニ ITA キーファー・ボス・ソティン アプリリア 1分47秒713(28周)
10) ロベルト・ロカテリ ITA スクアドラ・コルセ・メティス・ジレラ ジレラ 1分47秒824(13周)
11) イムレ・トース HUN チーム・トース・アプリリア アプリリア 1分47秒924(29周)
12) ディルク・ハイドルフ GER キーファー・ボス・ソティン アプリリア 1分48秒374(18周)
13) カレル・アブラハム CZE カルディオン・AB・モーター アプリリア 1分49秒103(52周)
14) アレックス・デボン SPA フォルツナ・アプリリア アプリリア 1分49秒117(117周)
15) ラタパー・ウィライロー THA タイ・ホンダ・PTT-SAG  ホンダ 1分49秒634(41周)
16) アルトゥロ・ティソン SPA ブルセンス・アプリリア アプリリア 1分50秒552(26周)
17) ホルヘ・ロレンソ SPA フォルツナ・アプリリア アプリリア 1分50秒962(32周)
18) ジュール・クルーセル FRA アンガイア・レーシング アプリリア 1分51秒514(18周)
19) アレイックス・エスパルガロ SPA ブルセンス・アプリリア アプリリア 1分56秒069(32周)
20) ファブリツィオ・ライ ITA カンペテーラ・レーシング アプリリア 1分58秒352(20周)

以下は走行を見合わせたライダー

-) 関口太郎 JPN カンペテーラ・レーシング アプリリア -分-秒-(-周)
-) ユージェーヌ・ラバティ GBR ホンダ・LCR ホンダ -分-秒-(-周)
-) 高橋裕紀 JPN ヒューマンゲスト・レーシング・チーム・250cc ホンダ -分-秒-(-周)
-) マルコ・シモンチェリ ITA スクアドラ・コルセ・メティス・ジレラ ジレラ -分-秒-(-周)
-) フリアン・シモン SPA レプソル・ホンダ・250cc  ホンダ -分-秒-(-周)
-) 青山周平 JPN レプソル・ホンダ・250cc  ホンダ -分-秒-(-周)


■悪天候となった2日目のトップタイムはKTMの青山博一選手

この日のトップタイムはKTMからの参戦2年目となる青山博一選手が記録した1分45秒250であり、濡れた路面の影響から初日のチーム・トースのエクトル・バルベラのトップタイムを約1.8秒下回っている。2番手には初日に3番手につけていたマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス、3番手には250ccクラス1年目となるKTMのミカ・カリオがつけた。
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他の多くのチームが転倒を嫌って走行を見合わせる悪条件の中、KTMの2名はトップタイムの青山選手が56周、3番手のミカ・カリオは64周という、他のチームと比較して圧倒的に多い周回数を走行しており、この日はフル参戦2年目のKTMがマシン開発への高い意気込みを示す結果となっている。

また、初日の記録が2日間の総合トップタイムとなったバルベラは2日目の8番手、昨年度チャンピオンのホルヘ・ロレンソは2日目の17番手、昨年度ランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾは2日目の5番手タイムを記録している。

■一部のチームは昨年のウェット用セッティングで走行

なお、多くのライダーが雨の中での走行を見合わせる中、アプリリアから公式にサポートを受けているチームの一部は、今回のテストのために用意された新型パーツの利用を断念し、昨シーズン仕様のウェットタイヤと当時のセッティングを施したマシンでの走行を重ね、データを収集したようだ。

■高橋選手、青山周平選手、初日に転倒した関口選手は走行を見合わせ

昨シーズン中の怪我の影響により体調がまだ完全とは言えないヒューマンゲストの高橋裕紀選手と、初日に転倒して左腕と両手、ならびに腰の右側に打撲を負った関口太郎選手は、この2日目は転倒のリスクを避けてマシンには全くまたがらなかった様子だ。高橋選手はこの日はチームの判断により、クリニカ・モバイルの物理療法士から昨シーズンの最終戦で4箇所を骨折した右足のリハビリ治療を受けていたという。
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なお、この日に走行を終日見合わせたのは上記の2名だけではなく、レプソル・ホンダの青山周平選手やジレラのマルコ・シモンチェリなど合計6名のライダーが、不安定な路面状況での転倒のリスクを避けて1度もコース上には姿を現さなかったようだ。
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■マステルMVAアスパル、この日2番手のデ・アンジェリスは体調不良

マステルMVAアスパルチームの2名のライダー、昨年度250ccランキング3位のアレックス・デ・アンジェリスと昨年度125ccチャンピオンのアルバロ・バウティスタは、悪天候となった2日目もタイムシート上でも2番手と4番手の好位置につけた。
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しかしながら、この日は初日にインフルエンザによる体調不良を訴えていたチームトースのエクトル・バルベラと同様に、2番手タイムの1分46秒045を記録したアレックス・デアンジェリスも、発熱による体調不良を訴えていた様子だ。さらにデ・アンジェリスはこの日の夕方に軽い転倒も喫しているが、幸い怪我はないという。

■デ・アンジェリス「熱っぽくて身体がだるい」

2日目のたった9周の走行の中で2番手タイムを記録したアレックス・デ・アンジェリスは、この日は朝から体調が悪く、夕方に路面が乾いた時に初めて走行を開始したが、1時間も走らないうちに降り出した雨の影響で転倒し、そのままテストを中断した様子だ。

写真「今日は体調があまり良くありませんでした。熱があって身体がだるいんです。」とデ・アンジェリス

「それに路面状況もあまり良くなかったので、午後に路面が少し乾いた時を選んで走ったんですが、1時間もしないうちに雨が降り出してしまい、運悪くそこで軽く転んでしましまいた。大した事はなかったんですが、かなり気持ち的には嫌な転倒でしたね。」

「希望通りに仕事を進められなかったので、今日は1日を無駄にしてしまった感じです。ただ、今はもう次回のカタールでのIRTAテストと開幕戦の事だけ考えるようにしています。」

■バウティスタ「雨は残念だが今回は自信につながった」
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悪条件にもかかわらず32周の走行を重ね、最終日の4番手タイムとなる1分46秒254を記録した昨年度125cc写真チャンピオンのアルバロ・バウティスタは、2日目の雨は残念だったとしながらも、テスト全体を通してマシンには好感触が得られ、250ccフル参戦初年度に向けての自信につながったとコメントした。

「また雨になっちゃいましたね。」とバウティスタ

「少なくとも昨日は1日中ドライ路面を確保できましたから、色々収穫はありました。今回のテストで期待が持てたのは、バイクに乗る度に少しずつでも速くなった事です。これは重要な事ですし、自信にもつながりました。」

「ここでは旧型と新型のシャシーを比較していい結果が得られました。自分にとって一番良かったのは、安定したペースで走行ができて、かつトップのライダーとのタイム差も小さかったことです。」


■ヒューマンゲストはドヴィツィオーゾのみが走行

チームメイトの高橋裕紀選手がこの日の走行を見合わせてリハビリに専念したため、2日目にテストを行ったヒューマンゲスト・ホンダのライダーは、昨年度ランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾの1名のみだった。
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■ドヴィツィオーゾ「最悪のコンディション」

悪天候のために全くテストが進まなかった事を悔しがるアンドレア・ドヴィツィオーゾは、3月10日の開幕レースに向けた残りの準備を、2月28日から始まるカタールでの小排気量クラスのIRTAテストで行いたいと語った。

写真「今日は一番なって欲しくなかった状況になりました。」とドヴィツィオーゾ

「昨晩は雨が降り続いたので今日はウェットセッティングのテストをしようと考えていましたが、午前のセッションの途中で雨はやんでしまい、水たまりが所々にある危険なコース状況になってしまいました。」

「午後4時30分頃には他のライダーたちが走り続けてくれたおかげでほぼドライ路面になり、自分も走り始めたんですが、2周した途端にまた雨が降り出してピットに戻らざるを得ませんでした。」

「だから今日は何にもテストができていません。2月28日から始まるカタールでのテストを待つしかないようですね。」


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