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カワサキのフランス人ペア戦略
インテリマーク編集部
2007年1月26日

昨年末までマシン開発の不調がヨーロッパのメディアによって噂される事の多かったカワサキ・レーシング・チームだが、新型800ccマシンによる本格的な走行を初めて公開した今回のセパン合同テストにおいて、それら全ての噂を吹き飛ばすような好調な走りを世界に見せつけた。
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■世界中が注目したカワサキ800ccマシンの開発状況は良好

初日にカワサキのコンペティション・マネージャーであるミハエル・バルトレミーが「カワサキの今シーズンの不調の噂を黙らせるのには十分」と述べた通り、カワサキ2年目となるランディー・ド・ピュニエは、初日と2日目の両方で総合7位、3日目にはさらに順位を上げて総合6位につけるなど、マシンの安定性もラップタイムも良好だったようだ。

■990cc時代のタイムを上回ったランディー・ド・ピュニエ

特に注目すべきは、カワサキが今後の成長に期待するランディー・ド・ピュニエのタイムだろう。彼は990時代のセパンにおける自己ベストタイムを、今回のテスト最終日に0.5秒も上回っている。
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2007年プレシーズンテストの開始直前に、カワサキのレーシング・ディレクターである依田監督は「開発初期だからと言って高い順位を狙わない理由などない」と述べたが、その後のド・ピュニエの好調な走りは、彼の言葉が年末からのカワサキのマシン開発を通して得た自信に基づくものであった事を証明している。

依田監督は、今回のセパンでは過酷なテストメニューを全て無事に消化したと述べ、チームに対してねぎらいの言葉を贈った。


■フランス人ペアが中野選手不在の痛手を補う

そんな中、イギリスのロードレースサイトであるMCN(www.motorcyclenews.com)は、依田監督に対して中野選手のチーム離脱の影響について質問している。MCNが紹介した依田監督のコメントを以下に引用する。

「真矢の不在が少し不利に働いてるのは事実でしょうね。」と、2002年にヤマハのYZR-M1開発プロジェクトのリーダーだった依田監督

「彼のMotoGPでの長年の経験は、チームのMotoGP開発を進める上で重要なものでした。でも、今のチームはランディー・ド・ピュニエの育成を進めていますし、オリビエ・ジャックも多くの経験を積んだライダーですから、この2人で十分に開発は進むと考えています。」
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ド・ピュニエの成長を深く願うカワサキが選んだ彼のチームメイトは、ド・ピュニエにとって同郷の大先輩である経験豊かなフランス人のオリビエ・ジャックだ。確かにカワサキのこの選択は、シーズン中に大きな効果を生む正しい戦略なのかもしれない。


写真■3日間を通して良好なカワサキ

2007年初のセパン合同テストの最終日、ド・ピュニエは他の多くのチームのライダーと同様に、午前中の路面の好条件を利用して予選タイヤのテストを行っている。この時点で、今回の総合6番手タイムを記録したという。

ド・ピュニエは午後にはレースタイヤに履き替え、今回の3日間の最後のテストメニューとなったレース・シミュレーションを開始し、新型マシンのロングランにおける挙動を確認している。この結果、彼はリアタイヤの消耗に関する問題点をあげたが、3日間を通して新型800ccマシンの性能を高く評価した。

■高温多湿のセパンでもメカニカルトラブルは皆無

昨年はレースウイーク中のマシントラブルに悩まされる事が多かったカワサキ・レーシング・チームだが、今年は特にマシントラブル防止への意識が高いようだ。

高いポジションを今回のタイムシート上で維持したランディー・ド・ピュニエは、全くメカニカルトラブルとは無縁だった新型Ninja ZX-RRに感銘を受けており、また同様に、昨年末のマシンの状況を良く知るオリビエ・ジャックは、彼の想像を遙かに超えるマシンの進化と安定性に満足し、カワサキのエンジニアの冬季休暇中の努力に感謝している。


■カワサキの年明け2度目のテストは再びマレーシア

カワサキ・レーシング・チームは、1月30日からオーストラリアで行われる合同テストには参加しない。従って、彼らの次回のテストは、再びセパンで行われる2月5日からのメーカー合同テストだ。


■ド・ピュニエ「現時点のマシン性能を見せる事ができた」

初のセパンでの本格的な800ccでの合同テストにおいて、並み居る強豪ライダーを抑えてブリヂストンの予選タイヤで総合6番手タイムを記録したランディー・ド・ピュニエは、カワサキの新型Ninja ZX-RRの性能を、今回の3日間で証明する事ができたと語る。

「全ての点において今年最初のテストは良好でした。」とド・ピュニエ
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「新しいバイクには感動しましたね。たったの6週間でよくカワサキのエンジニアはここまでやったと思います。かなりたくさん走り込みましたが、全く何も問題が発生しなかったので、テストメニューに集中する事ができました。これはシーズンのこの時期では一番大事な事だと思います。」

「このテストを通して全体的に、今回の進歩にはとても満足しています。今朝(最終日)はセパンでの自己ベストを更新できましたし、午後のレースシミュレーションも序盤は好調でした。ただ、最後の何周かはラップタイムが落ち始めたので、この部分が次回のテストで集中して改善すべきところですね。」

「まだ開幕戦までに9日間をテストに使えますから、このまま厳しい作業を頑張りたいと思います。ただ、現時点の性能はかなり出ている事を、この3日間で証明して見せる事はできたでしょうね。」


■ジャック「次回は2人で速く走れるようにしたい」

今回のセパンのテストではタイムアタックを控えめにし、初めて一緒に仕事をする彼の新しいスタッフとの仕事の進め方を検討したオリビエ・ジャックは、3日間で仕上げたベースセッティングには大いに満足しており、次回のセパンではランディーと2人で速く走りたいとコメントしている。

「テストは最初からいい驚きの連続でした。この短い6週間でカワサキはいったいどんなすごい仕事の進め方をしたんでしょうね。」とジャック
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「11月最初の短いテストの時に比べたら、とてつもなく良くなっていますよ。おかげで3日間のセパンはいいコンディションのまま最後まで楽しめましたし、バイクを大きく改善できました。ベースセッティングもかなり仕上がり、次回のテストに向けていくつか細かい調整もしましたので、今後も改善は進むと思います。」

「今日(最終日)はランディーがバイクの速さを見せつけましたね。それと、この3日間を通して新しいクルーと自分が行った作業が、次回は2人揃って速く走れる結果につながるように期待しています。」

「もちろん、まだ作業をこのまま続けて、同時にモチベーションも高く維持する必要はありますが、それさえ出来れば、最初のレースで何人かの人たちを驚かせる事になると思います。」


■依田一郎監督「何よりも結果が証明している」

カワサキのレーシング・ディレクターであり、今シーズンからはチーム監督も兼任する依田一郎監督は、年初の明るいテスト結果を受け、2名のライダーとレーシング・チーム、およびカワサキのエンジニアを高く評価した。

「11月の最初のシェイクダウンから今回のセパンでのプレシーズンテストまでは非常に短い時間でしたが、カワサキのエンジニアはバイクを高いレベルに仕上げてくれたと思います。今回の結果が何よりもそれを証明しています。」と依田監督
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「ここでは2名のライダーが本当に頑張ってくれましたね。オリビエはMotoGP(の実戦)から離れて長いにもかかわらず、走りのペースとチームとの仕事の両面において素速く適合していました。またランディーは、彼のセパンでの自己ベストを上回った事からも分かりますが、新しいバイクをいきなり乗りこなしています。」

「今年最初のテストでは、いい結果を持ってセパンを離れる事ができます。また、すでに次回のテストに向けての目標は定まっています。ランディーがレース・シミュレーション終盤のリアタイヤのグリップを何点か指摘してくれていますが、それも次回の3日間のテストで集中して行う課題の1つです。」


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