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大波乱の最終ラップ、F1最終戦ブラジルGP決勝レース概況 元のページに戻る
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  2008年11月8日

昨年に引き続き今年も年間タイトルの決定戦となった2008年度F1最終戦、シーズン第18戦目となるブラジル・グランプリが、ブラジルのインテルラゴス・サーキットにて11月2日に今期最後の決勝レースを迎えている。
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■今年もチャンピオン決定戦となった最終戦ブラジルGP

前回の中国終了時点にポイントリーダーであるマクラーレンのルイス・ハミルトンとランキング2位につけるフェラーリのフェリペ・マッサとの差は7ポイントとなり、地元期待のマッサが今回のレースで優勝しても、ハミルトンは5位以内に入れば初のF1年間タイトルを決められるという優位の立場で今期最後のレースに挑む事となった。
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ここでは以下に、2008年シーズンのタイトル決定戦となったF1ブラジルGP決勝レースの結果と概況、ならびに上位6名のドライバーのコメントなどを紹介する。


■F1第18戦ブラジルGP決勝レース結果

レース開始時に通り雨、その後すぐに路面は乾いたもののレース残り7周のところで再び雨が降るという、リスクを冒さずに安定した順位だけを着実に確保したいマクラーレンとハミルトンにとってはあまり嬉しくない不安定な路面条件に見舞われたこの日のレース結果は以下の通り。
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F1ブラジルGP決勝レース結果(気温:24度〜27度、路面温度:24度から30度)
1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1:34:11.435(71周)
2) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1:34:24.733(71周)
3) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1:34:27.670(71周)
4) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR3 1:34:49.446(71周)
5) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1:34:50.342(71周)
6) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1:34:55.803(71周)
7) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1:35:06.509(71周)
8) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1:35:19.898(71周)
9) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1:35:31.101(71周)
10) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1:34:22.761(70周)
11) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1:34:48.519(70周)
12) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1:34:51.339(70周)
13) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1:35:01.806(70周)
14) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR3 1:35:05.349(70周)
15) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1:35:20.589(70周)
16) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1:34:31.247(69周)
17) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1:34:42.834(69周)
18) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1:35:09.395(69周)
-) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 (0周走行)
-) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 (0周走行)


■ハミルトンの年間タイトルが決定!レースに勝ったマッサはランキング2位
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最終的に2008年シーズンを制したのは、今回地元でのポール・トゥ・ウインを達成したフェリペ・マッサを1ポイント差のランキング2位に抑え、F1デビュー2年目にしてフェルナンド・アロンソの記録を破り史上最年少のチャンピオンに輝いたマクラーレンのルイス・ハミルトンだった。
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また、この日に3位を獲得したフェラーリのキミ・ライコネンは、週末を通してセッティングに苦しみレースを11位に終えたBMWザウバーのロバート・クビサと同ポイントとなり優勝回数の差からランキング3位に浮上、クビサは最終戦で順位を1つ落とす結果となりランキング4位でシーズンを終えている。以下に、今年度のポイントランキング最終結果を示す。
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2008年度ドライバーズ・ランキング最終結果
1) ルイス・ハミルトン [GBR] [マクラーレン・メルセデス] 98
2) フェリペ・マッサ [BRA] [フェラーリ] 97
3) キミ・ライコネン [FIN] [フェラーリ] 75
4) ロバート・クビサ [POL] [BMWザウバー] 75
5) フェルナンド・アロンソ [ESP] [ルノー] 61
6) ニック・ハイドフェルド [GER] [BMWザウバー] 60
7) ヘイキ・コバライネン [FIN] [マクラーレン・メルセデス] 53
8) セバスチャン・ベッテル [GER] [トロ・ロッソ] 35
9) ヤルノ・トゥルーリ [ITA] [トヨタ] 31
10) ティモ・グロック [GER] [トヨタ] 25
11) マーク・ウェバー [AUS] [レッドブル] 21
12) ネルソン・ピケ [BRA] [ルノー] 19
13) ニコ・ロズベルグ [GER] [ウィリアムズ] 17
14) ルーベンス・バリチェロ [BRA] [ホンダ] 11
15) 中嶋一貴 [JPN] [ウィリアムズ] 9
16) デビッド・クルサード [GBR] [レッドブル] 8
17) セバスチャン・ブルデー [FRA] [トロ・ロッソ] 4
18) ジェンソン・バトン [GBR] [ホンダ] 3
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2008年度コンストラクターズ・ランキング最終結果
1) フェラーリ 172
2) マクラーレン・メルセデス 151
3) BMWザウバー 135
4) ルノー 80
5) トヨタ 56
6) トロ・ロッソ 39
7) レッドブル 29
8) ウィリアムズ 26
9) ホンダ 14


■ブラジルGPレース概況(全71周回)、突然の雨によりレース開始は10分遅れ
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全車両がスターティング・グリッドについた直後に降り出した雨により、この日のレースは予定時刻から10分遅れてスタート。ドライタイヤを装着してのピットレーンスタートを選択したBMWザウバーのロバート・クビサを除き、レース開始時には全ドライバーがウェット・タイヤを装着した。


■ホールショットはマッサ、後方4番手につけるハミルトン
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シグナルが消えると同時に1コーナーを先頭のマッサ、2番手のトゥルーリ、3番手のライコネン、4番手のハミルトン、5番手のベッテル、6番手のコバライネンが通過し、そこでアロンソがコバライネンを捕らえて6番手に浮上、コバライネンは7番手に後退。


■クルサードは現役最後のレースを1コーナーでリタイア、巻き込まれた中嶋選手
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その後方の15番手付近では、今回が現役最後のレースだったレッドブルのデビッド・クルサードが1コーナー進入時にウィリアムズのニコ・ロズベルグに背後から接触されてスピン、その横を通りかかったウィリアムズの中嶋一貴選手を巻き込んでグラベルに沈み、ここでクルサードはそのまま今回のレースと現役を同時にリタイアした。
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■最後まで走りきった中嶋選手「車両のダメージが大きかった」

クルサードに衝突されてコースから押し出された中嶋選手はすぐにレースには復帰したものの、車両のダメージが大きく、レース終盤までペースを上げる事ができなくなってしまう。17位チェッカーを受けた後に中嶋選手は「第1コーナーの出来事が大きく影響し、ひどく残念なレースになってしまいました。あの時に車体とサスペンションが深いダメージを受けてしまい、ペースを大きく落としてしか走れない状況でした」と無念のコメントを残した。
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■路面が乾いた後も安定した走りで5番手以内をキープするハミルトン
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事故処理のためのセーフティー・カーが数ラップ後にコースから外れた後、徐々に路面は乾き始め、次々とドライバーがピットに戻りタイヤをドライに交換。上位ドライバーの全員が最初のドライタイヤに履き替えた44ラップ目時点の順位は、先頭がマッサ、2番手がベッテル、3番手がアロンソ、4番手がライコネン、5番手がハミルトン。

その後もハミルトンはリスクを一切冒す事なく安定してトップ5圏内を維持し、上位ドライバーが予定のピット作業を全て終えた残り10周の60ラップ目の順位は、単独トップがマッサ、2番手にはアロンソとその背後に迫る3番手のライコネン、大きく間をあけて4番手のハミルトンとその背後に5番手のベッテル、6番手はコバライネン、7番手はグロック、8番手にはトゥルーリが続く。
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■突然の雨でグロックが4番手に!ハミルトンのタイトルに突然の赤信号

ハミルトンのトップ5入りと年間タイトルがほぼ確実に見えた残り7周の65ラップ目、ここで小雨が降り始め事態は急変する。次々とほぼ全ドライバーがピットに戻りウェットタイヤに履き替える中、トヨタのグロックとトゥルーリの2名だけはドライタイヤのまま走行を継続。残り4ラップの時点の順位は先頭がマッサ、2番手がアロンソ、3番手がライコネン、4番手がグロック、5番手がハミルトン、6番手がベッテルとなり、さらに残り2ラップに入ったところでベッテルがハミルトンを交わし5番手に浮上。
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■焦るハミルトン、ベッテルを抜き返せず6番手のまま最終コーナーに進入

ベッテルに交わされても5番手をキープできると思っていたハミルトンにチームから無線が入り、最悪の事態にやっと気が付いたハミルトンは慌ててベッテルを猛追。ハミルトンは多くのバックマーカーに囲まれながら、最終ラップに入ってもベッテルの前に出られないままチェッカー目前の最終コーナーを迎えてしまう。


■ハミルトンが土壇場の5位浮上!レース優勝はマッサ、2008年度の王者はハミルトン!
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マッサがトップでチェッカーを受け、逆転タイトルの可能性にフェラーリのピットが歓喜に震える中、数台のバックマーカーに混ざり最終コーナーでドライタイヤと格闘するグロックの横をベッテルとハミルトンが通過。ベッテルはマッサ、アロンソ、ライコネンに続き4位でチェッカー、そして土壇場で5位のポジションを取り戻したハミルトンも続いてチェッカーを受けた。
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■ブラジルGP決勝レース上位6名の詳細コメント

最後に、ブラジルGP決勝上位6名のドライバーのレース直後の詳細コメントを紹介する。
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■レース優勝)フェリペ・マッサ 年間ランキング2位

とてもエキサイティングな1日だったと思います。今日の自分たちは全ての流れを完璧にコントロールしていましたし、後続の車を引き離す事もできていました。
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コントロールラインを通過した後に、ハミルトンが5位でチェッカーを受け、1ポイント差で彼が年間タイトルを獲得したと知らされました。スポーツである以上、事実は受け入れるしかありませんし、ルイスを称えたいと思います。ポイントを最も多く獲得したドライバーがチャンピオンに値する訳ですからね。

この素晴らしいシーズンを通して自分を必死に支えてくれたチームの全員を誇りに思います。また、チームにとって非常に重要なコンストラクターズのタイトルは獲得しましたから、自分たちがやってきた内容にはチームとして満足するべきです。今期はかなり浮き沈みの激しいシーズンでしたから、いい瞬間からも、ミスをした悪い瞬間からも、多くの事を学びました。
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再び地元の観衆の前で優勝もできましたから、今回のインテルラゴスからは胸をはって離れる事ができますよ。忘れられない1日になりそうです。今からは家族と友人、それにチームを称えたいと思います。自分たちは本当によくやりましたからね!
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■レース2位)フェルナンド・アロンソ 年間ランキング5位

今回の2位にはとても満足です。レースは難しいコンディションでしたが、おかげで優位性を確保する結果になりましたからね。
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自分たちはできる限りの事をしたつもりです。チームは的確なタイミングで正しい判断を下していましたし、最終的にはライコネンを背後に抑えたままチェッカーを受ける事ができました。

チームにとって素晴らしい結果でした。最高の形でシーズンを締めくくる事ができたと思います。
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■レース3位)キミ・ライコネン 年間ランキング3位

チームがコンストラクターズ・タイトルを獲得できた事を嬉しく思います。またフェリペについては、僅か1ポイント差でタイトルを逃す事になり残念です。ただ、これがレースですから、受け入れていかなければなりません。
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チーム代表に就任しての1年目を過ごしたステファノ(ドメニカリ)のためには本当に満足できる結果でした。彼が大変なプレッシャーを感じながら、それに打ち勝とうとしていた事はよく知っていますし、今回の結果はその彼の努力に相応しいものです。

今回のレースは、自分にとってはそれほど楽しいものではなかったですね。スタート直前に路面が濡れてしまったので、特に最初の3つのコーナーはとても慎重に走り、ミスを犯さないようにだけ気をつけました。
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その後に装着した1セット目のドライタイヤがひどいアンダーステアを引き起こしたので、上位のドライバーと同じペースを維持するのはとても大変でした。ただ、2セット目のタイヤを装着してから状況は徐々に良くなり、前方のアロンソとの距離を縮める事ができています。

それから再び路面がウェットになった時には、彼にかなりのところまで接近しましたが、フェリペがタイトルをかけて争っているので一切リスクを冒さないようにとの指示がチームから入ったので、その後は彼への追撃を諦めました。
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自分にとってはあんまり良くなかったシーズンも、やっとこれで終わりを迎えましたから、来年には全ての点で挽回できるように頑張りたいと思います。


■レース4位)セバスチャン・ベッテル 年間ランキング8位

流れが不規則な難しいレースでしたが、シーズンの最後を4位の好成績で飾る事ができて嬉しいですね。今回は何もミスを犯しませんでしたし、これはチームにとっても相応しい結果だったと思います。本当は表彰台が欲しいところでしたが、マッサやアロンソ、それにハミルトンと戦えて最高でした。ものすごく面白かったですよ!
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レースの終盤は自分の走りに意識を集中していました。自分がどこのポジションを走っているのかは知りませんでしたが、他のドライバーと同じようにルイスも追い抜こうと頑張り、結局うまく交わす事ができました。

最終コーナーではドライタイヤに苦しんでいたティモも交わしました。あの時には背後にルイスがつけていましたが、レインタイヤに交換した最後のピットストップ以降は自分がどこの順位を走っているのか分からなくなっていたので、まさか自分のポジションが世界チャンピオン決定の行方に影響するなんて思いもしなかったんです。

誰が周回遅れなのかを識別するのも困難な状況でしたし、おまけにすでに空が暗くなってきていたので、自分の前を誰が走っているのかさえ判断するのは難しかったですからね。

いずれにしても、一番重要だったのは5ポイントを獲得できた事です。今年は本当に素晴らしいシーズンでした。


■レース5位)ルイス・ハミルトン 2008年度ワールドチャンピオン
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ここまでの自分の人生の中でも、最もドラマティックなレースでしたね。今の気持ちを言葉で表現するのはほとんど不可能ですし、まだ言葉があまり頭から出てきません。とても長い道のりでしたが、常に家族やチーム、ならびに協力企業やファンの方々からずっと応援を頂いてきました。

チームとしてこの1年間を通し、多くの犠牲を払いながらも素晴らしい仕事を進めて来られたと思います。その全員のためにも今回の年間勝利を獲得できで本当に感激です。
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雨が降り出すまではとても快適に走れていましたし、ひたすら何事もなくレースを終える事だけに気持ちを集中していました。小雨が降り出してからもリスクは一切冒したくありませんでしたが、ところが、セバスチャンが自分を追い抜いていった時に、彼を抜き返さなければならない事を無線で知らされたんです。とても信じられない気持ちでした。

一番最後の最終コーナーでティモを交わす事ができて、とにかく本当に良かったです。今回が人生の中で最も厳しいレースだったとは言いませんが、それに近いレースだったのは間違いありません。
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無線で何度も「これでもう大丈夫か?本当に大丈夫か?」と思わず叫んでいましたが、チェッカー・フラッグを受けてから1コーナーに進入して、やっとチームから自分が世界チャンピオンになった事を知らされました。天にも昇る気分でしたね。


■レース6位)ティモ・グロック 年間ランキング10位

最終ラップを気楽に走っていたなんて、とんでもない話ですよ!まったく状況は逆だったんです。今回の最終ラップはここまでにフォーミュラ1で経験してきた中でも一番大変な1周回でした。ドライタイヤが全くグリップしないので、コースから外れないように走る事だけでもほとんど不可能に近い状況でしたからね。
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4位のポジションを維持しようと必死に攻めの走りをしていました。実際のところはラップタイムを見てもらえば分かります。あの時にドライタイヤで走っていた他のドライバーはヤルノだけですが、最終ラップは彼よりも自分の方が速かったんですよ。

最後にドライタイヤを選択した事については、自分はトヨタのためにレースをしていただけですし、正しい判断だったと思っています。

正直、ルイスが自分の真後ろにいたなんて全然知りませんでした。チームからはセバスチャン・ベッテルが背後に迫っているので順位を奪われないように頑張れとの連絡をもらいましたが、あの時の自分は車をコース上に維持する事だけで精一杯だったんです。

それにルイスが自分を追い抜いた事さえレースが終わるまで知りませんでした。最終ラップの時には3台か4台の車に抜かれましたが、コース上で何が起きているのかを把握し続けるのはかなり難しかったです。

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