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スリックタイヤも使用、F1カタルニア合同テスト4日間の内容
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インテリワン編集部
  2008年4月25日

F1の合同テストが4月14日より、スペインのバルセロナに位置するカタルニア・サーキットにて4日間の日程で行われている。ここでは、2009年からのレギュレーション変更により復活の可能性が高くなったスリック・タイヤのテストと、今週末の4月25日から同サーキットにて開催されるスペインGPに向けての調整が行われたカタルニア合同テスト全4日間の概況、ならびに各チームの作業内容やコメントなどを紹介する。
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■スーパーアグリを除く全10チームが参加

このカタルニア合同テストには、今年の2008年シーズンにエントリーしている全11チームのうち10チームが参加しているが、スーパーアグリF1チームのみ、開幕直前から交渉が続いていたマグマ・グループとのスポンサー提携の話が破綻した事から、資金面の問題が解決できずに今回のテストをキャンセルしている。
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■スーパーアグリがマグマとの資金交渉の決裂を発表

4月16日のスーパーアグリF1チームからの公式リリースによれば、同チームは2008年中のチーム運営資金の獲得に向けてコラボレーション契約をする予定だった自動車業界ビジネスを支援するヨーロッパの企業体であるマグマ・グループとの交渉は事実上決裂した事を明かしており、スーパーアグリが今後のF1での活動に向けての資金目処が全くたたなくなってしまった事をこの時点では正式に発表している。

■スペインGP参加に向けて交渉は継続中

なお、その後スーパーアグリF1チームは、今回のテストに引き続き今週末に開催されるスペインGPをキャンセルする可能性も報じられていたが、4月24日に発表されたチームの公式リリースの内容は、現在もスーパーアグリが資金難解決に向けての交渉を続けている事を強調しており、その中で鈴木亜久里代表は「バルセロナを楽しみにしている」とコメントしている。


■ブルデーが新型マシンを大破、トロ・ロッソは最終日の予定をキャンセル
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今回のカタルニア合同テスト3日目となる4月16日から2日間の日程でテストに参加していたトロ・ロッソは、彼らにとって初日の作業となる4月16日に、ようやくチームの2008年型マシンであるSTR3での走行を披露する事になったが、この日はセバスチャン・ブルデーがその新型マシンを大破しており、ブルデー本人に怪我はなかったものの、チームは事故原因の調査のために当初予定していた最終日の4月17日のテストはキャンセルしている。

■今週末のスペインGPは予定通りSTR2Bを使用、STR3はトルコから

なお、今回の事故により遅れる可能性はあるが、トロ・ロッソはSTR3の実戦投入は第5戦目のトルコGPからを計画しており、今週末の第4戦スペインGPには開幕からここまでのレースと同様に、昨シーズンのシャシーをベースとしたSTR2Bで出場する。


■4日目のみ悪天候に見舞われたカタルニア合同テスト
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今回のテスト4日間の天候については、4日目が雷雨やひょうの降る終日雨の悪条件に見舞われてはいるものの、他の3日間は初日の夕方に若干小雨があった以外は終日ほぼドライの路面に恵まれている。

■各チームはスペインGPの準備作業と来期のスリックタイヤ検証を実施

今回のテストはシーズン開幕後のテストとなるため、各チームが1日に2台ずつ走行していた冬季テスト中とは異なり、規約により各チームは1日に1台のマシンのみでテストを実施しており、この条件下において、各チームは今週末のスペインGP以降の戦いに向けての2008年型タイヤの評価を行う中、来期からのスリックタイヤ復活に向けての2009年型タイヤのテストも同時に行うという忙しい作業メニューをこなした。
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■ブリヂストンは2008年型タイヤと2009年想定タイヤの両方を提供

このテストにブリヂストンが持ち込んだ2008年型タイヤは、スペインGPで使用するハードとミディアムのコンパウンドのタイヤだった。ちなみにカタルニアはタイヤに厳しいサーキットであり、ハードのコンパウンドには最も固い種類のものが持ち込まれたようだが、これら2008年型タイヤについてのテスト結果は全般的に大きな問題はなく、性能面の評価も良好だった様子だ。

気になる2009年型のスリックタイヤについてだが、合同テストにおいてF1各チームがスリックタイヤを実際に装着してのテストを行うのは、昨年末の12月に行われたヘレス合同テストから数えて今回が2回目となる。ブリヂストンは今回のテストには3種類のコンパウンドを用意し、この4日間のテスト期間中に各チームに対して9セットずつ提供している。

■2009年の空力レギュレーションと合わせてのスリックタイヤ検証
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なお、2009年にはウイング・サイズの縮小化によるダウンフォース・レベルの引き下げや、タイヤ・ウォーマーの使用禁止など、タイヤの性能に大きく影響する新たなレギュレーションの施行がいくつか検討されているため、昨年末のヘレス合同テストと同様に各チームは今回のテストでもその2009年のレギュレーションを想定した空力セッティングを用いてスリック・タイヤのテストを行った様子だ。
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ブリヂストンはこの4日間に使用したスリックタイヤの性能評価には満足できる結果が得られたとしている。

■次回の合同テストはトルコGP後にポール・リカール

ちなみに次回のF1合同テストは南フランスのポール・リカール・サーキットにて、トルコGPの後となる5月14日から5月16日までの3日間の日程で行われる。


■カタルニア合同テスト、4日間の総合順位
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以下に、4月14日から4月17日までの期間に行われたカタルニア合同テストの総合結果を、4日間を通しての各ドライバーの自己ベスト順に示す。

1) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分18秒483
2) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分18秒613
3) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分18秒928
4) ミハエル・シューマッハ GER フェラーリ F2008 1分19秒323
5) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分19秒424
6) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分19秒721
7) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分19秒785
8) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分19秒841
9) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分20秒392
10) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分20秒452
11) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR3 1分20秒715
12) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分20秒849
13) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分20秒867
14) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分20秒870
15) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分20秒981
16) アレックス・ブルツ AUT ホンダ RA108 1分21秒059
17) ペドロ・デ・ラ・ロサ ESP マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒566
18) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分21秒913
19) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分22秒431
20) ビタントニオ・リウッツィ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒846
21) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分23秒589
22) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分23秒619
23) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分24秒873


■各1日単位の走行結果
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以下に、合同テスト4日間の各1日単位の走行結果を示す。

1日目(4/14)、気温15〜23度、路面温度15〜25度、ドライ(夕方にウェット)

1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分18秒613(77周)
2) アレックス・ブルツ AUT ホンダ RA108 1分21秒059(75周)
3) ペドロ・デ・ラ・ロサ ESP マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分21秒566(103周)
4) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分21秒679(105周)
5) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分21秒913(91周)
6) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分22秒193(59周)
7) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分22秒431(72周)
8) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分22秒590(93周)
9) ビタントニオ・リウッツィ ITA フォース・インディア VJM01 1分22秒846(91周)

※マッサのタイムは2009年仕様のスリックタイヤ、今期仕様のタイヤでは1分22秒007

2日目(4/15)、気温12〜19度、路面温度15〜34度、ドライ

1) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分18秒928(79周)
2) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分19秒721(79周)
3) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分20秒283(113周)
4) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分20秒392(89周)
5) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分20秒452(97周)
6) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分20秒616(119周)
7) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分20秒800(103周)
8) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分20秒870(112周)
9) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分20秒981(98周)

※バリチェロ、フィジケラのタイムは2009年仕様のスリックタイヤ

3日目(4/16)、気温11〜22度、路面温度13〜34度、ドライ

1) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分18秒483(100周)
2) ミハエル・シューマッハ GER フェラーリ F2008 1分19秒323(83周)
3) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分19秒424(102周)
4) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分19秒785(112周)
5) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分19秒841(65周)
6) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分19秒920(140周)
7) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分20秒591(102周)
8) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR3 1分20秒715(71周)
9) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分20秒849(87周)
10) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分20秒867(89周)

※アロンソ、シューマッハ、スーティルのタイムは2009年仕様のスリックタイヤ

4日目(4/17)、気温11〜18度、路面温度14度〜24度、ウェット(午後にはひょうと雷雨)

1) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分21秒953(37周)
2) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分23秒589(34周)
3) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分23秒619(33周)
4) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分24秒715(32周)
5) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分24秒873(41周)
6) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分24秒927(62周)
7) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分26秒100(61周)
8) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分32秒150(18周)
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■各チームの状況

以下に、各チーム単位に4日間の作業内容、ならびにドライバーや関係者のコメントなどをまとめて紹介する。

■ルノーF1チーム、アロンソが4日間の総合トップに
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カタルニア合同テスト4日間の総合トップタイムとなる1分18秒483を記録したのは、テスト3日目に2009年仕様のスリックタイヤを履いた地元スペインの英雄、INGルノーF1チームのフェルナンド・アロンソだった。今回、ルノーF1チームはアロンソが2日目と3日目の2日間、チームメイトのネルソン・ピケが初日と最終日の2日間のテストをそれぞれ担当している。ピケの自己ベストタイムは初日に記録した総合18番手タイムの1分21秒913。

■初日と2日目はスペインGPに向けてR28の改良パーツをテスト

初日にピケはスペインGPに向けての準備作業を行う中、R28のいくつかの改良パーツのテストと評価、ならびに終日マシンの調整を加えて今週末のスペインGPに向けてのセッティング作業を実施。「路面コンディションが良く、大きな問題が発生する事のない有益な1日だった」とピケ。
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2日目のテストを担当したアロンソは、改良パーツのテストをピケから引き継ぎ、新型エンジンカバー、最新サスペンション部品などの評価を実施している。「車の感触が良く、かなりの進化が見られるし、戦えるレベルになってきている」とアロンソ。

■3日目にスリックタイヤを試したアロンソが総合トップタイム

写真3日目も引き続きテストを続けたアロンソは、終日R28のセッティング作業に取り組み、この日に装着したスリックタイヤで4日間の総合トップタイムを記録している。年末のヘレス合同テスト開催時には今期の所属チームが決まっていなかったため、今回のテストにおいて初めて2009年仕様のタイヤを試す事になったアロンソは「スリックタイヤのテストは楽しかった。すごくグリップがいい」と上機嫌だった。

■ピケの4日目はウェット・セッティングが中心

悪天候の最終日の4日目のテストを担当したピケは、雨のために午前中に予定していたスリックタイヤのテストを実施する事ができず、この日の作業計画は大幅に変更を強いられる事となった様子だ。ウェットタイヤのテストが中心となったピケは「今日は雨のために限られた内容のテストしかできずに残念だったが、テスト全体を通してみればいい内容だったし、スペインGPに向けていい形で準備を整える事はできたと思う」とコメントした。

■クリスチャン・シルク「スペインGPに向けての準備は順調」

今回のテストにおいてルノーのチーフ・エンジニアを努めたクリスチャン・シルクは、「いい1週間だった。来週のレースに向けての準備も順調に進んだ」と、予定の全てのテストを終えた直後に語っている。


■フェラーリ、マッサが初日に総合2番手となる好タイムを記録
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アロンソに次ぐ総合2番手タイムの1分18秒613を記録したのは、初日に2009年仕様のスリックタイヤを履いたフェラーリのフェリペ・マッサだった。今回のテストにフェラーリは、初日と2日目の2日間にはマッサ、3日目にミハエル・シューマッハ、あいにくの雨天となった最終日の4日目には昨年度F1チャンピオンのキミ・ライコネンを起用している。

■マッサは初日に新型エアロの検証、2日目はスペインGPを想定した作業
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初日にマッサは今週末のスペインGPに向けてのセッティング作業を行う中で新型のエアロパーツのテストを実施し、午後には2009年仕様のスリックタイヤを装着して4日間の総合2番手タイムを記録した。マッサは2日目にはスペインGPのレース・セッティングに重点を置いた作業を行っている。

■3日目にシューマッハは2009年に向けてのデータ収集、タイムは総合4番手
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3日目のテストを担当したシューマッハは2009年のダウンフォース規約を想定した空力セッティングを施してF2008の評価作業を実施。この中でブリヂストンの様々な種類のスリックタイヤを履いて走行している。なお、シューマッハはこの時に4日間総合4番手タイムの1分19秒323を記録。

■担当の4日目が終日の悪天候に見舞われた不運のライコネン
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雨の最終日、担当日の4日目があいにくの天候となってしまったキミ・ライコネンは終日ウェットタイヤで走行しており、やや路面が乾いたセッション最後の1時間のみドライタイヤを装着する事が可能だった。


■新型エアロパーツの仕上がり期待を抱くホンダ
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写真アロンソとマッサに次ぐ総合3番手タイムの1分18秒928は、2日目にスリックタイヤを装着したホンダのルーベンス・バリチェロが記録している。ホンダ勢は、初日がテスト・ドライバーのアレックス・ブルツ、2日目と3日目の2日間はバリチェロ、最終日の4日目はジェンソン・バトンが担当した。

■初日はブルツ「いいタイミングで作業に戻れて嬉しい」

初日にアレックス・ブルツは2009年度に向けてスリック・タイヤの評価、ならびにRA108のセッティング調整を実施している。「今日はスリック・タイヤをテスしながら、基本的なセッティングと今後の開発に必要な設計条件などを模索した。チームがここまでの3戦を通して多くの進歩を成し遂げた直後にまた作業に戻ってこれて嬉しい」とブルツ。

■バリチェロはスリックタイヤを装着して2日目に3番手タイム

2日目にバリチェロは新型パーツの評価を行う中、スリック・タイヤを履いて4日間のテストの総合3番手タイムを記録、3日目の午前中はエアロパーツ関連のテストを実施し、その後はマシンのセッティング作業を行っている。「新しいエアロパーツを今回初めて試したがかなり今後に期待が持てると思う。全体的にスペインGPに向けてうまく作業を進める事ができたので、次戦でのポイント獲得に期待」とバリチェロ。
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■悪天候のためバトンはウェットで僅か42周回「ついてない・・・」

4日目のテストを担当したバトンは悪天候のために午前中はインストレーション・ラップの1周回のみ走行、午後にはウェットタイヤで41周回のみ走行して今回のテストの全ての作業を終えた。雨に見舞われた不運を嘆くバトンは「自分の走る日に雨なんて本当についてない。ウェットタイヤでしか走行ができなかったのでデータを集める事もままならなかった」とバトン。
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■スティーブ・クラーク「タイヤウォーマーがなくても大丈夫だった」

ホンダのヘッド・エンジニアを務めるスティーブ・クラークは、この4日間のテストを終えて「今回の大きな改善点は新型のエアロパーツだが、他のチームと比較してどこまで競争力を上げる事ができたかはスペインGPで実際に戦うまでは分からない。来年の規約ではタイヤウォーマーの使用が禁止され、ダウンフォースのレベルも引き下げられるが、今回のテストでは気温が暖かかったためにタイヤウォーマーがなくても大丈夫だったし、スリックタイヤのテストを楽しむ事もできた。来年は面白い事になりそう」と今回の作業の感想を語っている。


■フォース・インディアは初日から3日間の日程でテストを実施
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フェラーリのミハエル・シューマッハからコンマ1秒遅れの総合5番手タイムとなる1分19秒424を記録したのは、合同テスト3日目にスリックタイヤを装着したフォース・インディアのエイドリアン・スーティルだった。今回3日間のみのテストを行ったフォース・インディアは、初日がテスト・ドライバーのビタントニオ・リウッツィ、2日目がジャンカルロ・フィジケラ、3日目はスーティルが作業を担当している。

■初日のリウッツィ「2009年仕様はダウンフォースが少なく難しい」
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初日のテストを担当したリウッツィは、午前中は2008年型のエアロパッケージ、午後には来年のマシン開発に向けて2009年仕様の空力パッケージとスリックタイヤのテストを実施した。2009年に向けて開発中のエアロとブリヂストンのスリックタイヤを試したリウッツィは「ダウンフォースが減っているので運転は難しくなったが、ブリヂストンが優れたタイヤを開発しているのは分かった。1ラップあたりのタイヤの性能は非常に高い。ロングランの時の性能はあまり良くなかったが、まだ開発には時間がある。2008年仕様と2009年仕様のどちらの作業にも満足できたので、これはとても良い兆候」とコメント。

■フィジケラは2日目に総合6番手タイム
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2日目の作業を担当したフィジケラは、2008年仕様のタイヤでは1分20秒7、2009年仕様のスリックタイヤではチームメイトのスーティルに次ぐ総合6番手タイムの1分19秒721を記録している。今回のテストを終えたフィジケラは「車はバルセロナのテストの時よりも飛躍的に良くなっているが、これはシーズンが開幕してから導入された新型パーツの効果が大きい」と語った。

■3日目に好タイムのスーティル「首の筋肉が痛くなった」
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テスト3日目にスーティルは、今週末のスペインGPに向けてのセッティング作業を行っていた午前中にクラッチのトラブルに見舞われて時間をロスしているが、最終的には全ての作業予定を完了する事ができており、午後には2009年仕様のスリックタイヤを2本試す中で総合5番手タイムを記録。「今日はとても満足。今年初めてスリックタイヤを試したが、大変な好感触が得られている。グリップが非常にいいので、首の筋肉が痛くなった」とスーティル。

■ガスコイン「作業は全て予定通りに完了」
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3日間の日程のテストを終えたフォース・インディアのチーフ・テクニカル・オフィサーを務めるマイク・ガスコインは「全体として非常に有益なテストになった。作業は全て予定通りに完了しており、次戦に向けての調子は悪くない」とコメント。


■BMWザウバーはクビサが総合7番手
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BMWザウバーはニック・ハイドフェルドが初日と2日目、ロバート・クビサが3日目と最終日のテストを担当している。3日目にスリックタイヤを履いたクビサはこの時に総合7番手タイムの1分19秒785を記録。2日目に自己ベストの1分20秒981を記録したハイドフェルドは総合15番手だった。

■ハイドフェルドは次戦に向けての作業に集中、初日はコース上にストップ
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初日にハイドフェルドはF1.08のエアロパーツ関係の作業とマシン・セッティングを実施し、今週末のスペインGPに向けてエンジン・マッピングの調整も行っている。なお、この日の走行中にハイドフェルドはマシンのアラーム装置が作動したためにコース上でストップしているが、その修復後は計画通りに作業を進める事ができた様子だ。

2日目もハイドフェルドは初日に試したエアロパーツの調整とスペインGPに向けてのセッティング作業を継続しており、2009年仕様スリックタイヤのテストは行わなかった。

■クビサは3日目にコースオフしてフロント部を破損
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3日目からはクビサがテストを開始し、ハイドフェルドと同じくエアロパーツ関連のテストとスペインGPに向けてのセッティング作業を行っている。この日に2009年仕様のスリックタイヤも試したクビサは総合7番手タイムを記録したが、セッション終了1時間前に5コーナーでコースオフを喫し、タイヤバリアに衝突してフロント・サスペンションとフロントウイングにダメージを受けている。

最終日の4日目、クビサは雷雨の中をウェット・セッティングで走行してレイン用データを収集。セッション終盤に路面が乾いてからはスペインGPに向けてエアロパーツのセッティング作業を3日目に引き続き1時間ほど実施した。


■ウィリアムズのロズベルグは総合8番手、中嶋選手は最終日に残念な雨
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ウィリアムズは初日と4日目の2日間のテストを中嶋一貴選手が担当、チームメイトのニコ・ロズベルグは2日目と3日目に走行している。ロズベルグは3日目にスリックタイヤを装着して総合8番手タイムの1分19秒841を記録、初日に1分22秒431を記録した中嶋選手は総合19番手だった。

■初日の中嶋選手はタイヤテストとサスペンション調整

初日の午前に中嶋選手はブリヂストンとのタイヤテストを開始し、午後には今週末のスペインGPに向けてのサスペンション・セッティングを実施している。
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■ロズベルグは3日目の午前に小さなメカニカルトラブル

2日目はニコ・ロズベルグがスリックタイヤを装着して走行し、2009年のマシン開発に向けてのテストを実施。引き続き3日目のテストも担当したロズベルグは、この日はスペインGPをターゲットとした作業に集中、2008年仕様のレースタイヤを主に使用してマシンのセッティング作業を行った。なお、3日目の午前にロズベルグはメカニカルトラブルに見舞われて作業時間をロスしているが、問題は短時間に解決して午後の作業は順調に進んだ様子だ。
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■最終日は悪天候のため作業時間が削られた中嶋選手

ほぼ終日の雨となった最終日の4日目にテストを再開した中嶋選手は、午前中は豪雨のためにほとんどの時間をガレージ内で過ごし、午後はインターミディエットのウェットタイヤを装着して走行している。路面が乾いた最後の1時間だけはドライ用のタイヤで走行したものの、最終日は思い通りに作業を進める事ができなかったという中嶋選手は「初日は来期に向けてスリックタイヤのテストができて非常に面白かった。最終日は残念ながら雨がひどくて午前中はガレージから出る事ができなかったが、その後はいくつかの点でいい仕事ができたので、次戦のレースが楽しみ」とコメント。


■レッドブルはスペインGPに向けての新型パーツを評価
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今回のカタルニア合同テストにおいて、レッドブルはデビッド・クルサードが初日と2日目に走行、マーク・ウェバーはその後の2日間となる3日目と4日目に走行している。クルサードは2日目に総合9番手タイムの1分20秒392、ウェバーは3日目に総合12番手タイムの1分20秒849を記録した。

■クルサードは初日からの2日間を通してスペインGPに向けての準備
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1日目、クルサードは今週末のスペインGPに向けて、午前中はRB4の一般的なシャシーセッティングおよびエアロパーツ関連の調整作業を実施し、午後には2009年仕様スリックタイヤの評価検証を行っている。翌日の2日目、クルサードはスペインGPの準備作業に集中、新型エアロパーツのテストと新型サスペンションの開発作業を行う中、ロングランとショートランを通してタイヤの評価も実施した。
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■ウェバーは豪雨の4日目を予期して作業を3日目に集中

その翌日からテストを担当したウェバーは、路面がドライに保たれた3日目にはスペインGPに向けてのセッティング作業に集中し、プライムとオプションのタイヤや新型エアロパーツの評価などを実施している。天気予報通りに豪雨となった最終日の4日目は、ウェバーは2009年仕様のスリックタイヤを試す機会がないままにウェットタイヤでの走行を行い、セッション終盤に路面が乾いてからは3日目に引き続き新型エアロパーツのテストを慌ただしく行った。
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■イアン・モーガン「新型エアロに関する多くのデータを収集」

今回のカタルニアでレッドブルのチーフ・テスト・エンジニアを務めたイアン・モーガンは「天候のために最終日の作業は短縮されたが全体を通していいテストだった。新型エアロパーツに関する多くのデータを収集する事ができたし、その結果も良好だった。今回試したパーツの何点かはスペインGPから投入する予定」とコメント。
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■マクラーレンの正ドライバーはスペインGPに向けての作業に集中

ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスは、初日のテストはテスト・ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサが担当、2日目と3日目の2日間はルイス・ハミルトン、最終日の4日目はヘイキ・コバライネンが走行を実施している。この4日間を通してのマクラーレン勢の順位とタイムは、ハミルトンが10番手タイムの1分20秒45、デ・ラ・ロサが17番手タイムの1分21秒566、雨の最終日にしか走行できなかったコバライネンは21番手タイムの1分23秒589だった。
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■初日のデ・ラ・ロサが2009年に向けての開発作業を集中的に担当

写真初日のデ・ラ・ロサは2009年仕様のスリックタイヤの評価を集中的に行い、MP4-23のセッティングを来期のダウンフォース規約に可能な限り近づけてテストを実施、2009年マシンの開発に役立つデータを収集している。

■ハミルトンは2日間を通してスペインGPに向けての準備

2日目のハミルトンは今週末のスペインGPに向けての作業を主に行っており、エアロパーツなど新型パーツをいくつか装着したマシンで走行。引き続きハミルトンは翌日の3日目もスペインGPに向けてのセッティング作業を行い、改良型パーツの検証をその中で実施している。

■悪条件の最終日にしか走行できなかったコバライネン

あいにくの悪条件となった最終日のテストを担当する事になったコバライネンは、豪雨となった午前のほとんどはガレージの中で過ごし、昼食後はコースに出たものの、その40分後にはひょうが降った事から再び作業を中断。雨が弱まってからはウェットタイヤでのテストを実施し、セッション終盤にアスファルトが乾いてからはドライタイヤに履き替えての走行を行った。
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■披露したばかりのSTR3が大破、トロ・ロッソの作業は1日のみに

唯一2008年型マシンを開幕以後も投入できていないチームのトロ・ロッソは、今回のテストではトルコGPから投入予定のその新型マシンであるSTR3をようやくお披露目する事になり、合同テスト3日目の4月16日から最終日までの2日間の日程で今回のカタルニアには参加していた。
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■幸いブルデーは無傷、チームは事故原因の調査を開始

しかしながら、その16日にテストを担当したセバスチャン・ブルデーは午後にマシンを大破しており、この結果STR3がひどいダメージを受けた事などから、トロ・ロッソは予定していた最終日の作業は断念、結局1日のみのテスト参加となっている。チームはその後、事故原因の調査に取り掛かっているが、幸いブルデーには怪我はない。
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■ブルデー「パッケージは大きく進化した」

今回の合同テストの総合11番手タイムとなる1分20秒715をマシンが大破する前には記録していたセバスチャン・ブルデーは「車はすでに快適で感触はとても良かった。ここまでのレースで使用しているSTR2Bより空力性能が高く、パッケージは大きく進化した」と、マシンが壊れる前の午前のセッション終了時点にコメントしていた。
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■トヨタは大幅に改良の進んだ新型エアロパーツの性能を検証

パナソニック・トヨタF1チームは、今回のカタルニア合同テストの1日目と2日目にはティモ・グロック、後半となる3日目と4日目はヤルノ・トゥルーリをテストに起用している。この2名の4日間を通しての総合順位とタイムは、トゥルーリが13番手タイムの1分20秒867、グロックがチームメイトに次ぐ14番手タイムの1分20秒870だった。
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■テスト前半を担当したグロック「今はスペインGPに気持ちを集中したい」

初日にグロックは次戦に向けての準備作業に着手し、スペインGPに向けて大幅な改良を施したという新型のエアロパーツ類のテストを行い、2日目は初日に引き続きスペインGPに向けてのセッティング作業を行う中、ダンパーやサスペンションのテストを実施している。この2日間の感想としてグロックは「タイムシート上に結果は表れてはいないが作業内容には満足できたし今後に向けて多くのデータを収集する事ができた。2日目のセッション終わり近くには2009年仕様のスリックタイヤを試し、これについても多くの情報を得たが、まだ多くの事を学習していく必要がある。今は次戦に向けて気持ちを集中していきたい」とコメント。
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■トゥルーリは3日目のドライ路面を慌ただしく有効活用

後半の2日間の作業を担当したトゥルーリは、ドライ路面が得られた3日目には最終日の雨を気にしてテストスケジュールを変更、新型エアロパーツの検証作業やスペインGPに向けてのセッティング、ダンパーやサスペンションのテストなどをこの日に集中して行ったが、昼前にギアボックスのトラブルに見舞われて作業時間をロスした事から余計に慌ただしい1日となったようだ。豪雨となった最終日はウェットタイヤでのみ走行したトゥルーリは「3日目は昼前にトラブルが発生したので大変な1日になったが、車の調子はいいので特に心配な点はない。最終日はウェットのセッティングで少しだけ走ったが、路面が非常に不安定だったので成果を出すのは難しかった」と語った。
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■ゲルハルト・プファイファー「スペインGPに向けての準備は整った」

今回のカタルニアでテスト・チーフ・マネージャーを務めたゲルハルト・プファイファーは、「最終日の天候は予想通り残念な状況となったが、今週は全体的には非常に今後の役に立つテストを行う事ができたので、次戦のスペインGPに向けての準備も整った」と4日間の感想を述べている。
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