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あえて新たなる挑戦、雪山でベールを脱いだGP9
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  2009年1月19日

MotoGPのドゥカティー・マルボロ・チームとF1のフェラーリ・チームが、イタリアのスキー・リゾート地で先週行った毎年恒例のプレス・スキー・ミーティングにおいて、初日の1月13日(火)に行われたニッキー・ヘイデンケーシー・ストーナーの記者会見に続き、2日目となる14日(水)の午前中はドゥカティー・コルセのCEOでありドゥカティー社のゼネラル・ディレクターを務めるクラウディオ・ドメニカリが会見の席に着き、ドゥカティーの2009年度マシンであるデスモセディチGP9の技術仕様の一部を語った。
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■ついにベールを脱いだデスモセディチGP9、ドゥカティーが誇る技術的改革の内容

また、デスモセディチGP9の最新マシンは、その翌日の15日(木)にマドンナ・デ・カンピリオの美しい山脈を背景にベールを脱ぎ、世界中のプレスが見守る中、その姿を初めて公式に披露した。ここでは、ドメニカリCEOの1月14日の会見でのコメント、ならびにドゥカティーが15日に発表したデスモセディチGP9の諸元一覧などを紹介する。
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■クラウディオCEO「さらなるマシン性能の向上を狙い、あえて設計を変更」

例年通りにここマドンナ・デ・カンピリオにおいて、2009年に向けてのイベントが開催できた事を大変に嬉しく思います。
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昨シーズンは、わたしたちや他のチームが何度も素晴らしい瞬間を奪い合うという大変に刺激的なものであり、同時に非常に難しい1年間でした。記録だけを見れば、わたしたちはレースにおいて6回の勝利、予選では9回のポールポジション、そして8回のレース中のファーステストラップを残していますけどね。
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もし仮に、2年間の厳しい状況から返り咲いたバレンティーノの調子があそこまで良くなければ、昨シーズン中のような勝利強さを彼が改めて取り戻していなければ、わたしたちは2年連続のタイトル制覇を成し遂げる勢いを十分に確保できていた筈です。

いずれにしても、ケーシーのここまでの素晴らしい実績を振り返るにつけ、彼がまだ若干23歳である事を考えれば、今後もさらに成長を続けていく能力に満ち溢れている事は明らかですから、昨年が残念だったという気持ちさえ忘れれば、2008年の内容には満足できる訳ですし、来るべきシーズンに向けての期待も高鳴ります。
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2009年に向けては、わたしたちは多くの新しい事を準備していますが、その1つ目と言えるのが新しいバイクのGP9です。GP9はシャシーの特性に大きな変更が加えられており、具体的にはドゥカティーの伝統だった金属製の格子型シャシーをカーボンファイバー製のフレームに置き換えた事ですが、これによりエンジンの上部はステアリングコラムの高さにまで持ち上がりました。

この変更点は、わたしたちが検討を重ねながら長期に渡ってのテストを繰り返してきた部分です。初回のテストを実施したのは、わたしたちの新しい試みを常に最初に試験する役割のヴィットリアーノ(グアレスキ)ですが、彼が新しいバイクの仕組みに好印象を持った後は、レギュラー・ライダーたちにも昨年のバルセロナでテストをしてもらいました。
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ドゥカティーは金属製格子型フレームを用いてMotoGPクラスを一度制覇している訳ですが、あえてその流れに大きな設計変更を加えるのは、ここまでに抱えているいくつかの問題点を解消するためにも、MotoGPバイクの分野におけるさらなる大きな前進をわたしたちは狙っているからこそです。

GP9の他の部分の改良点で最も大きなものと言えるのは、エンジン管理システムの進化でしょう。新しくなった吸気口まわりの組合せ方とマッピングによってパワー出力特性はよりフラットなものとなり、信頼性も向上しています。また同時に出力限界値についても向上しており、現時点においても昨年と同様かそれ以上のパワーを確保できています。
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2009年に向けてのその他の新しい出来事はニッキーをチームに迎えた事です。彼との協調は最初からとてもスムーズでしたよ。ニッキーは決して諦める事を知らないライダーですから、わたしたちのモットーにも完璧に適合していますからね。
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彼はケーシーの理想的なチームメイトと言えるのではないかと思います。彼らなら前向きなチーム意識を育んでくれる事を私は確信しています。

バレンシアでの初日のニッキーはわたしたちが思っていた以上に苦戦した事もあり、最初のうちは控えめな態度でしたが、12月のテストではファーステスト3番手のタイムに僅か100分の2秒差にまで詰め寄ったんです。この結果にはわたしたちも本当に満足しましたね。


■デスモセディチGP9の主要諸元

ドゥカティーが1月15日に発表したデスモセディチGP9(DUCATI DESMOSEDICI GP9)の主要諸元は以下の通り。
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エンジン

・形式:L型(V型90°)4気筒デスモドロミックDOHCエンジン
・バルブ数:4バルブ/1気筒
・排気量:799cc
・最大出力:200馬力以上
・最高速度:310km/h以上
・トランスミッション:カセットタイプ6速ギアボックス(ギア比の変更可)
・クラッチ:乾式マルチプレート・スリッパークラッチ
・駆動方式:ファイナルギアによるチェーン駆動
・点火方式:マニエッティ・マレリ製間接方式エレクトロニック・インジェクション、バタフライバルブの上方に4本の噴射ノズル付きスロットルボディーを収納。スロットルはEVO TCFシステム(スロットル制御とフィードバック機構)により操作。
・イグニッション:マニエッティ・マレリ製
・排気システム:テルミニョーニ製
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燃料および油脂類

・ガソリン:Shell Racing V-Power
・潤滑油:Shell Advance Ultra 4
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シャシー

・フレーム:カーボン・ファイバー製シャシー
・スイングアーム:アルミニウム鋳造製
・サスペンション:オーリンズ製倒立フロントフォークおよびオーリンズ製リアショック・アブソーバー/プリロード・アジャスター(伸側および圧側の調整機構付き)
・ブレーキ:ブレンボ製320mmカーボンフロントディスク2枚と4ピストン-キャリパー、およびブレンボ製スチールリアディスク1枚と2ピストン-キャリパー
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タイヤ

・メーカー:ブリヂストン
・サイズ:16.5インチ(フロントとリア共に)
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バイクの総重量

・乾燥重量:148kg
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