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オーストラリアGP初日ドライのトップは地元ストーナー
ウェットではヘイデンがトップ
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  2008年10月4日

2008年度MotoGPの第16戦目となるオーストラリアGPが、メルボルンから約130キロメートル南東に位置する島のフィリップ・アイランドにて、昨日の10月3日にグランプリ初日を迎えている。
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ここでは、先週の日本GP以降の新着トピックと、今週末のオーストラリアGPの舞台となるフィリップ・アイランド・サーキットの歴史や特徴、ならびに昨日10月3日に行われたMotoGPクラスの午前と午後のフリー・プラクティス総合順位や走行後の各ライダーのコメントなどを紹介する。


■突然の解雇劇を経て小山選手がKTMワークスに復帰、残り2戦への出場決定
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先週の栃木県ツインリンクもてぎでの日本GP決勝レース終了から数日後、今期の所属チームだったIPSAアランに解雇通達を受け(チームが10月2日に発表した声明はこちらの記事を参照)、今週末のオーストラリアGPには突然出場する事ができなくなった125ccクラスの小山知良選手だが、昨日10月3日の晩に小山選手は自身の公式ブログにおいて、次戦のマレーシアGPとその翌戦となる最終戦のバレンシアGPには、昨年に所属して2007年度年間ランキングの3位を獲得した古巣のチームであるレッドブルKTMに復帰して出場、すなわちKTMファクトリーからシーズン残り2戦への参戦が決定した事を、ファンに向けて報告している。

なお、アプリリアとのマシン性能差をカバーできる攻撃的な走りのライダーが必要だったとして今回の解雇理由を説明したISPAアランに、小山選手と交代する形で抜擢されたスペイン人ライダーであるエンリケ・ヘレスは、オーストラリアGP初日午後に行われた第1予選を37番手タイムで終えており、現段階では初の予選を通過できていない。


■日本GP中にグランプリ・コミッションが発表した今後のルール変更

前回の日本GP予選当日の9月27日に行われたグランプリ・コミッションの会議中に、MotoGP全カテゴリーの競技ルール変更が一部決定されているが、その内容をここでは簡単に紹介しておきたい。

■MotoGPクラスは2009年からシングル・タイヤ・ルールを導入
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以前にも報じた通り、MotoGPクラスには来期の2009年からシングル・タイヤ・ルールが導入され、タイヤサプライヤーは現在の自由競争形式ではなく参加が1社に限定される。ブリヂストンやミシュランなど、2009年以降のグランプリ出場を希望するタイヤメーカーの入札は昨日の10月3日に締め切られており、来期にどのメーカーがMotoGPクラスにタイヤ供給を行うのかは遅くともマレーシアGP直前の10月18日までに発表される模様だ。

■250ccクラスは2011年から600ccクラスに移行、シャシーは各チームの独自開発
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4ストローク化の協議が進む250ccクラスについては、6月のオランダGPの時点にはその使用エンジンの形式が4ストロークの4シリンダー、排気量は600cc以上と定義されたのみだったが、日本GP中にグランプリ・コミッションは2010年をもって現行の2ストローク250ccエンジンをグランプリから撤廃し、2011年から600ccクラスに移行する事を正式に発表している。新設される600ccクラスのエンジン・レギュレーションが詳細に決定するまでには今後も時間がかかるようだが、少なくともシャシーは各チームが独自に開発して良い事だけは今回の発表の中で明記された。

■125ccクラスはグランプリ中のマシン使用台数をライダー1名につき1台に限定
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125ccクラスについては基本的に今後も2ストローク125ccエンジンが使用されるが、マシンの使用台数については2009年から新しい制限が追加される。来シーズンの2009年からは1回のグランプリ中に使用できるマシンをライダー1名につき1台に限定する事が今回発表されており、費用面などからスペアマシンを毎回十分に用意できていないチームにとっては朗報となりそうだ。


■2008年度オーストラリアGP3日間のスケジュール

昨日の10月3日より開催されている今週末のオーストラリアGPのタイムテーブルは以下の通り。なお、10月5日の決勝当日は夏時間スタートのため時差が+2時間となるので注意が必要だ。
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10/3(金) 時差:+1時間
  09:00 125cc FP1
  10:00 MotoGP FP1  日本時間:9:00
  11:15 250cc FP1
  13:10 125cc QP1
  13:55 MotoGP FP2  日本時間:12:55
  15:10 250cc QP1

10/4(土) 時差:+1時間
  09:00 125cc FP2
  10:00 MotoGP FP3  日本時間:9:00
  11:15 250cc FP2
  13:10 125cc QP2
  13:55 MotoGP QP  日本時間:12:55
  15:10 250cc QP2

10/5(日) この日から夏時間のため時差:+2時間
  08:40 125cc WUP
  09:10 250cc WUP
  09:40 MotoGP WUP  日本時間:7:40
  13:00 125cc レース
  14:15 250cc レース
  16:00 MotoGP レース  日本時間:14:00

■フィリップ・アイランドのレース周回数とラップレコード

フィリップ・アイランド・サーキットにおける過去のラップタイム記録は以下に示す通り。レース周回数はMotoGPクラスが27周、250ccクラスが25周、125ccクラスが23周となる。

MotoGPクラスのサーキットレコード(レース中)は2005年にマルコ・メランドリが990ccマシンで記録した1分30秒332、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にニッキー・ヘイデンが990ccマシンで記録した1分29秒020。なお、800ccマシンでのポールポジションタイムはダニ・ペドロサが2007年に記録した1分29秒201。

250ccクラスのサーキットレコード(レース中)は2004年にセバスチャン・ポルトが記録した1分33秒381、ベストラップレコードは2004年にセバスチャン・ポルトが記録した1分32秒099。

125ccクラスのサーキットレコード(レース中)は2006年にアルバロ・バウティスタが記録した1分36秒927、ベストラップレコードは2007年にミカ・カリオが記録した1分36秒625。


■フィリップ・アイランドの歴史と特徴

オーストラリアGP初日の結果を掲載する前に、まずは今週末の戦いの舞台となるフィリップ・アイランドの歴史と特徴を紹介する。

フィリップ・アイランドは、メルボルンから約130キロメートル南東に位置する島であり、この島の公道を使って初めてオートバイレースが行われたのは 1920年だった。当時はこの島への移動手段は船しかなかったが、現在は橋や道路が整備されており、自動車などで直接乗り入れる事が可能になっている。

フィリップ島はかつては19キロメートルという長距離周回の公道サーキットとして利用されており、当時の路面は砂だらけだった。数々のレースが行われる中、その公道コースが修復不能なほどに老朽化した事から、その代わりとして1980年代後半に建設された12のコーナーを持つ4,448キロメートルの新しいレース専用コースが、現在MotoGPで使われているフィリップ・アイランド・サーキットだ。


■最も強風が厳しい時期に行われるオーストラリアGP
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フィリップ・アイランドは、多くのライダーが「最も好きなサーキット」として位置づけている事でも知られる人気の高いサーキットだ。オーストラリアGPは毎年、南半球の季節では冬から春にかけての時期にグランプリが行われるため、路面温度が極めて低く、海からの強い季節風が走行中のライダーを襲う事でも有名だが、その程度の事ではこのフィリップ・アイランドの魅力は衰えないという。

■敵は突風とかもめ?
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なお、強風はオーストラリアGPが開催される9月と10月が特に激しく、毎年サーキットに面する太平洋側からの突風に煽られて転倒しそうになるライダーが続出しており、場合によっては同じく海側から飛んできたかもめとライダーが衝突するケースも多い。


■多くのライダーが愛するオートバイレースに適したコースレイアウトと美しい外周

フィリップ・アイランドは今や古いタイプのサーキットに位置づけられ、ガードナー・ストレートの名称を持つメイン・ストレートには近代サーキットによく見られる観戦用の巨大メイン・スタンドは存在しない。ちなみにガードナー・ストレートから続く1コーナーの名称はドゥーハン・コーナーだ。
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イギリスのドニントン・パークと同様に起伏のある緑の丘に囲まれたコースは、明るく輝く真っ青な海に面しており、グレーの路面が鮮やかな濃い緑や青と調和して、美しいサーキット全体の外観を作り出している。

多くのライダーがフィリップ・アイランドを好む理由には、GPカレンダーの中で最も美しいとされるその全景に加え、コース・レイアウトが非常にテクニカルであり、最近では数少なくなったオートバイレース向きのサーキットであり、F1を最優先とした設計ではない事があげられるようだ。


■マシン性能は重要、ただしライダーの技量はさらに重要
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近年のF1誘致を最優先に作られたサーキットはF1の最高速度を前提に設計されたコースレイアウトが多く、エンジンパワーを中心としたマシン性能に勝敗が左右される事も少なくない。

それに対し、フィリップ・アイランドはオートバイで走行する際にライダーが爽快に感じる多くの高速カーブが、あまり多くはない低速カーブとブレーキングゾーンで結ばれるという、ライダーの技量を試すようなコースレイアウトとなっており、ライディング能力がラップタイムに影響を与える事から、腕に自信のあるライダーたちにとっては挑戦しがいのあるサーキットとなっている。路面の起伏と走行ラインも変化に富んでいる。

■米国のラグナ・セカに近い特性を持つテクニカル・サーキット
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コースレイアウトは全体的に非常にテクニカルだ。長い下り坂からスタートした後は、最後まで連続した12のコーナーが流れ良く続き、再びコントロールラインのある下り坂のストレートに戻ってくる。見方によってはアメリカGPが行われたラグナ・セカに近いタイプのサーキットと言えるだろう。

1コーナーのドゥーハン・コーナーと最終コーナーの2つは世界有数の高速左コーナーであり、これらはMotoGPカレンダーの中でも最速の部類に入る超高速カーブとしても知られている。なお、途中の2つのヘアピンでは激しいブレーキングが必要となり1速ギアを使用するが、メインストレートのガードナーでは6速を使用するなど、非常にメリハリが激しくライダーには技量だけではなく体力も要求される。


■激しい接近戦となるフィリップ・アイランドでのセッティング
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他のサーキットでは小排気量クラスと比較してあまり接近戦にはなりにくいMotoGPクラスでも、毎年のようにレース終盤まで見ごたえのある接近戦が群衆となったライダーにより争われるのがフィリップ・アイランドにおけるオーストラリアGPの特徴だ。

必要とされるセッティングの方向性としては、フィリップ・アイランドはストレートから1コーナーの進入にかけては時速320kmに達するため、フロントまわりのバランスセッティングが不可欠だという。また高速ロングコーナーが多く、高速S字区間での素速い切り返しなども必要とされるため、マシンの高いハンドリング性能が重要となる。

タイヤに関しては、左コーナーが多く、タイヤの側面に荷重がかかっている時間が非常に長い事から、左側面エッジのグリップが重要となるようだ。天候が悪い場合にはタイヤ右側の温度がなかなか上がらないため、右コーナリング時にはその点の考慮も必要とされる。


■昨年のオーストラリアGP決勝レース結果
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ちなみに昨年のレース結果は、その前戦の日本GPにおいて初の年間タイトルに輝いたばかりだったドゥカティーのケーシー・ストーナーが2007年シーズン9回目の勝利を獲得。ストーナーに続いて2位チェッカーを受けたのは日本GPでのレース優勝に引き続き表彰台を獲得したドゥカティーのロリス・カピロッシであり、シーズンを制覇したドゥカティー・ワークスがオーストラリアGPも完全制覇している。カピロッシから約3秒遅れて3位表彰台を獲得したのはフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ、4位となったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、2回連続のポールポジションの両方で表彰台を逃すという悔しい結果に終わっている。


■オーストラリアGP初日(10月3日)のMotoGPクラス結果と概況
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ここからは、現アリーチェ・チームのトニ・エリアスが来期からのグレッシーニ・ホンダへの復帰を発表した翌日となる10月3日に行われたオーストラリアGP初日のMotoGPクラスにおける2回のフリー・プラクティス総合順位、ならびにその概況を紹介する。

■初日の午後はウェット、天候は2日目以降に回復の兆し

この日は午前中が良好なドライ・コンディションとなったものの、正午には強い風と雨に見舞われて温度条件が10度ほど下がり、午後は気温13度、路面温度15度という低温のウェット・セッションとなった関係から、午後にタイムを更新するのは事実上不可能となり、初日のフリー・プラクティス総合順位は午前のフリー・プラクティス1(FP1)での結果がそのまま引き継がれている。

なお、雨のFP2におけるトップタイムを記録したレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンをはじめ、新型ウェットタイヤを試したミシュラン勢がやや好調だったが、現地の天気予報によれば予選が行われる2日目と最終日の決勝レースは晴天に恵まれる可能性が高い。


■初日のフリー・プラクティス総合順位
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以下に、気温22度、路面温度27度、湿度41%のドライ・セッションとして行われたMotGPクラス初日午前のFP1(=初日総合順位)の結果表を示す。なお、コース上に大量の水が溢れるウェット・セッションとなったFP2の結果はこちらの一覧表を参照の事。

1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒094
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分30秒764
3) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分31秒043
4) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分31秒051
5) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分31秒070
6) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒161
7) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分31秒221
8) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分31秒235
9) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分31秒248
10) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分31秒277
11) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒284
12) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分31秒368
13) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分31秒532
14) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分31秒719
15) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分31秒803
16) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒814
17) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分32秒211
18) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分32秒415

■初日の目立った転倒者はデ・アンジェリスとド・プニエの2名
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雨の低温路面となりタイヤが温まりにくくなった午後のフリー・プラクティス2において、サンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスと、ホンダLCRのランディ・ド・プニエが転倒しているが、幸い2名は特に大きな怪我は負わなかった。


■オーストラリアGP初日を終えた各チームの概況およびコメント
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各チームのオーストラリアGP初日の概況ならびに各ライダーのコメントは以下に示す通り。


■ドゥカティー、母国GPを迎えたストーナーが初日のトップ
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午前が良好な晴天のドライ・コンディション、午後にはコースに大量の水がたまるフル・ウェットとなったオーストラリアGP初日の総合トップタイムである1分30秒094を記録したのは、地元オーストラリア出身の2007年度チャンピオン、ドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。

■ストーナーを含む歴代オーストラリア人チャンピオンにトロフィー授与
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この日にホームGPを迎えたストーナーは昨シーズンとなる2007年度の功績を称えられ、同胞オーストラリア人の元最高峰クラスチャンピオンであるミック・ドゥーハンとワイン・ガードナー、ならびに晩年はオーストラリアに永住した事でも知られる故バリー・シーンの息子のフレティー・シーンと共に、MotoGPの商業権利元であるドルナ社から歴代オーストラリア人チャンピオンに向けてのレプリカ・トロフィーを贈呈されている。

なお、ストーナーのチームメイトであるマルコ・メランドリは終日正しいセッティングを見つけるのに苦しみ、1分31秒803の15番手タイムでオーストラリアGPの初日を終えている。

■ストーナー「ミックやワインと共に並べて光栄だった」
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「午前のドライでは全てが本当にうまくいった。すぐにいいセッティングが見つかったし、バイクの感触も良かったのでいきなり激しく攻める事ができた。ウェットに関しては解決が必要な問題をリアに若干抱えているが、レースがドライならまだいくつかの点で改善を進める必要はあるにしても必要な準備は整ったと思う」とストーナー。

「ただ、今日はトラクションが完全とは言えず、調整した内容も直接的には効果を生んでいないので半分くらいしか満足はできていない。明日は必死にその問題解決に取り組むつもり」

「今日はミックやワインの横に並び、世界チャンピオンとして特別なトロフィーをもらう事ができて本当に光栄だった。ワインのレースを生で見る事は幼すぎて無理だったが何本もビデオを見てきたし、ミックについてはその活躍をリアルタイムで見ながら自分は成長してきた。彼らの不屈の闘志は自分に大きな影響を与えてきたし、それは今の自分のレース人生の中で不可欠なものとなっている」

「また、フレディー(シーン)に会えたのも嬉しかった。バリー・シーンはイギリスとオーストラリアだけではなく世界中のライダーに影響を与えたライダーだし、今回フィリップ・アイランドに来ているライダーの全員が彼に特別な思い入れを持っていると思う」

■メランドリ「進展なし」
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「いい初日とは言えない内容だった。今年は何度も同じような状況を経験してきたが、セッション毎に気象条件が変化すると作業は余計に進みにくくなる」とメランドリ。

「問題点は以前と何も変わらず、両方のタイヤから接地感が得られないので思い通りに走る事ができていない。明日には走行条件が安定する事を願っている」


■フィアット・ヤマハ、ロッシは年間タイトルを決めてからの走行初日に2番手タイム
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この日の5日前に2008年度の年間タイトルを獲得したばかりであるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、過去に最高峰クラスで5回の勝利を記録した得意のフィリップ・アイランドにおいて、オーストラリアGP初日の総合2番手タイムとなる1分30秒764を記録している。
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また、ブリヂストンユーザーのロッシとは異なりミシュランを履くチームメイトのホルヘ・ロレンソは、午後には最近自信をつけたウェットでの好調な走りでタイムシート上の5番手につけたが、初日の総合順位は午前のドライで記録した1分31秒235による8番手となった。ちなみにロレンソは250ccクラスでの年間タイトルを、過去2年連続してフィリップ・アイランドで決めている。

■ロッシ「チャンピオンになっても勝利への意欲は一切衰えない」
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「今日は年間タイトルを獲得してからの初仕事だったが、勝利への意欲は今でも全く衰えていない。ここでもいい結果が残したくて仕方がない」とロッシ。

「午前のドライ・セッションにはとても満足できた。午後のウェットでもそれほど悪くはなく、いいリズムをすぐにつかむ事はできた。ただ、まだ完璧とは言えない状態だし、タイヤに関してブリヂストンと一緒に少しやるべき事が残っている。このサーキットは特にタイヤの左側にかかる負担が大きく、今の段階ではリアがかなりスピンしている」

「また、午後のウェットの時にはコーナー進入時にタイヤの接地感が不足してそれほど速くは走れていないので、もし今後雨になる事があれば作業が増えそう。まだ明日も様子を見るが、気象条件の変化によっては集中する作業の項目を変えていく必要がある」

■ロレンソ「ミシュランのウェットタイヤが好調」
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「今日は午前と午後の走行条件が大きく異なる奇妙な1日だった。ここは大好きなサーキットなので、125ccや250ccの時と同様にMotoGPマシンでも速く走れるか知りたくて、M1に乗るのが今回とても楽しみだった」とロレンソ。

「午前中は多くのミシュランタイヤを試したが、午後はウェットだったので新しい事をいくつか試す機会になった。ミシュランはウェットならこのサーキットではすごく強そうなので、今日と同じ気象条件がレースウイークを通して続けばかなりいい戦いができると思う」

「ドライの場合はもう少し速く走れるようにする必要があるが、ラップタイムとデータを見る限り、晴れても同様のいい戦いはできる筈」


■ドライでは好調、ウェットでは不調のサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ勢
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雨が降り出した午後、転倒したデ・アンジェリスが11番手、中野選手が15番手と、ウェットでのバイクの感触には苦しんだ様子のサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ勢だが、ドライだった午前中には2名が揃ってマシンに好感触を示しており、初日の総合順位は午前に1分31秒043を記録したデ・アンジェリスが3番手、1分31秒221を記録した中野選手は総合7番手につけている。

■デ・アンジェリス「前回の日本GPでは失っていた感触を取り戻した」
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「日本で失っていた感触を今回は取り戻す事ができたので、午前中の作業内容には本当に満足できた」とデ・アンジェリス。

今日は試しておきたい事が色々あったが、ドライ・セッションが1時間しかなく、不幸にして午後のウェットでは転倒してしまったので、まだ明日も作業をこのまま続ける必要はある。天気予報によれば明日は晴れそうなので、今から明日の進歩が楽しみ」

■中野選手「ドライなら今でもいい感触」
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「ドライだった午前中の作業には満足できているが、午後は雨で作業が難しくなった。タイヤには何種類かの調整を施したが、ウェットでのバイクの感触についてはもう少し改善を進める必要がある」と中野選手。

「セッティングの方向性を決めなければならないので、明日の気象条件がどうなるか、これから様子を見ていくつもり。まだもう少しセッティングをつめる必要はあるが、ドライなら今でもとてもいい感触が得られている」


■JiRチームスコット、ドライでもウェットでも好調なドヴィツィオーゾ
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初日の総合4番手タイムとなる1分31秒051をドライの午前中に記録したJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、雨になった午後にも安定した速いペースで走行しており、ウェットではタイムシート上の2番手につけている。

■ドヴィツィオーゾ「午後の大半はトップにつけていた」
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「今日の結果は良かったと思う。ウェットでは最初から安定して速く走れていたし、セッション終盤にピットに戻るまではタイムシート上のトップにつけていた。今回は冬季テスト中のウェット用データを活用した事でいい初日を過ごす事ができた」とドヴィツィオーゾ。
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「ドライでも調子は悪くないが、もう少し改善はできる筈。ラップタイムは冬季テストの時とそれほど変わらないにしても、今日はあの時と比べて路面温度がだいぶ低かった。午後はミシュランと何本か新しいウェットタイヤを試し、良好な結果が得られている」


■ホンダLCR、危うく怪我を免れたド・プニエ

ミシュランタイヤのテストに集中していた午後のウェット・セッション終盤に転倒、危うくミサノで骨折した右手首を再び痛めるところだったというホンダLCRのランディ・ド・プニエは、この日の総合5番手タイムとなる1分31秒070をドライだった午前中に記録している。幸いこの日のド・プニエに新たな怪我はなかった。
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■ド・プニエ「手首を再び痛めるところだった」

「午前中のドライでは一貫して速く走れた。パッケージ全体のいいセッティングを見つける事ができたし、自分の走行ペースにもとても満足できていた。ただ、午後に入ってからは路面条件が大きく変わってしまった」とド・プニエ。

「午後のセッション序盤にはいいタイムを出せていたが、リアのウェットタイヤが柔らかすぎたのでピットに戻り、硬めのタイヤに履き替えてコースに出た直後、8コーナーでミスをして転んでしまった。タイヤが十分に温まっていない時に激しく攻めすぎた事が原因。チームには申し訳なく思うし、自分の手首も危ないところだった」


■レプソル・ホンダ、ヘイデンがレインでのトップタイムを午後に記録
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ブリヂストンに履き替えてから3戦目となる今回のオーストラリアGP初日、ランキング2位のストーナーを11ポイント差で追うランキング3位につけるレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、午前のドライではこの日の総合6番手タイムとなる1分31秒161を記録、最初はやや慎重に走ったという午後のウェットでは8番手タイムを記録した。
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また、ミシュランタイヤを履くチームメイトのニッキー・ヘイデンは、午前のドライでは初日の総合11番手タイムとなる1分31秒284と順位はあまり上がらなかったが、雨となった午後にはウェットにおけるトップタイムを記録している。

■ペドロサ「ケーシーが速いのでもっとペースを上げたい」
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「今日は有益な1日だった。バイクの調子が良好なので、ここまでにかなりの自信を感じている。もちろんまだ必死に作業を続ける必要はあるし、午前中はケーシーがものすごく速かったので、自分もレースに向けて特にドライでの走行ペースを上げなければいけない」とペドロサ。

「今回はこのサーキットで特に重要となるバイクのバランス調整に集中した。ウェットでは最初は注意深く走ったが、セッション終盤には少し激しく攻めて走れるようになったし、周回を重ねる度にタイムは良くなっていった。ただ、順位を上げるにはもう2〜3周走れる時間が欲しかった」

「いずれにしても今日の内容にはとても満足できているが、ドライ用のセッティング作業をさらに進めるために、明日はもっといい天気になって欲しい」

■ヘイデン「ウェットタイヤの調子はいいが、もっとドライで走行したい」
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「午前中は11番手タイムに終わりあまりいい結果じゃなかったが、午後は終始いいペースで走れてウェットでのトップタイムを記録できた。マシンの感触はものすごく良かった」とヘイデン

「今日のレインでの自己ベストはドライだった午前の自己ベストから僅か7秒しか離れていないので、今回のミシュランのレインタイヤは本当に良好だと思う。ただ、午前に抱えていた問題を解決するためにはもっとドライでの走行時間が欲しいところ」
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「ドライではトラクション不足に苦しんでいる。トラクションが得られなければどこにも進んで行けない。バイクのセッティング案はまだいくつかあるが、午後のウェットではそれを試す事ができなかったので、明日はその作業ができる事を願っている。ドライでも速く走れるようにするにはまだ多くの作業が必要なので、明日の気象条件を確認してから頑張り続けたい」

「このサーキットはスピードとスリルがあって大好きなので、なんとかタイヤエッジのグリップが得られるようにしたい。それさえ実現できればドライでも速くなると思う」


■2日目以降に自信を示すリズラ・スズキ
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GSV-Rとの相性の面で、フィリップ・アイランドには苦手意識をここ数年持ち続けているリズラ・スズキ・チームだが、この日の午後のウェットにおける3番手タイムを記録したクリス・バーミューレンは、マシンの改善状況に確かな手応えを感じた様子だ。リズラ・スズキ勢の初日の総合順位とタイムは、ロリス・カピロッシが総合9番手となる1分31秒248、ホームGPを迎えたクリス・バーミューレンが総合14番手となる1分31秒719だった。
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■カピロッシ「2日目以降に向けての作業の方向性はつかめた」

「午前中はそれほど悪い状況じゃなかったと思う。セッティングを数ヶ所変更しただけで、このサーキットに合う調整の方向性はつかめた気がした」とカピロッシ。
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「ただ、午後には気温がひどく下がってタイヤがなかなか温まらなくなりグリップを思い通りには得られなくなってしまった。調整を色々試みたが、これに関して正しい解決策を見出す事は今回できていない。もっと柔らかめのタイヤにして、タイヤにより荷重がかかるセッティングにしていく方法を今は考えている」

「今回のような走行条件はあまり有り難くない。ただ、明日は気温は今日と同様に低くなりそうだが雨は免れそうなので、その予報が当たってくれると嬉しい!」

■バーミューレン「明日はもっといいタイムが出せる」
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「過去の2年間に比べれば今回の初日はかなり好調だったと思う。チームとファクトリーの全員が今年序盤の冬季テストからここまでに必死に頑張り続けてきた事と、新型シャシーのおかげで、どんなコンディションでも今のバイクの調子はいい」とバーミューレン。

「今日の午前中にはあまりいいタイムは出せなかったが、これは今回持ち込んだ中でもあまりグリップの良くないタイヤを選び、その1セットを使用し続けてセッティングの改善作業に取り組んだ事が原因」

「午後の雨の中でも同様の作業を行い、すごくいいベース・セッティングを見つける事ができたので、明日はもっといいタイムが出せる筈!」


■ヤマハTECH3

日曜日の決勝レース当日には28歳の誕生日を迎えるヤマハTECH3のジェームス・トーズランドは、雨のフリー・プラクティス2では17番手と低迷したものの、ドライだった午前中には初日の総合10番手となる1分31秒277を記録しており、場合によってはトップ3入りも可能だったとコメントしている。

また、日曜日には2003年の初出場から数えてグランプリ最高峰クラスおける自己通算100戦目を迎えるコーリン・エドワーズは、午前のドライでは初日の総合12番手となる1分31秒368を記録、午後のウェットではトップ10入りを果たしており、この日はドライとウェットのどちらのコンディションにも自信を持つことができたという。

■トーズランド「総合トップ3からの差は僅かコンマ数秒」
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「午前中はとても調子が良かったので満足できた。1本のリアタイヤを使い続けたが、今日のトップ3からコンマ数秒しか離されていない。コーナーからの脱出時にグリップが得られるようリアのサスペンションを調整してからマシンの調子はさらに良くなった。あのセッティングが仕上がった時にいいタイヤを装着していれば、恐らく今日の総合トップ3には入れたと思う」とトーズランド。

「ただ、雨になってからは何一つ進展は得られていない。色々調整を施したが、コーナー脱出時の問題を解決できる兆しは得られなかった。マシンのバランス調整が正しくできておらず、スロットルに軽く触れるだけでリアが激しくスピンしてしまう」

「天気予報によれば明日はドライになりそうなので、少なくとも今日の午前中の方向性で作業を進める事はできそうだが、今後ウェットになるようなら新しいセッティングを試していく必要がある」

■エドワーズ「2日目以降の天気がどうなっても自信は持てる」
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「今日は2回のセッションのどちらも調子が良くなり始めると時間切れになるという変な日だったが、ドライの時にはレースでは使えそうもないタイヤを装着していいタイムが出せたので、これはいい兆候だと思うし、順位はそれほど良くはなかったが朝からそれなりに満足できた」とエドワーズ。

「また、雨になってからはさらに気分良く走れるようになったので、今回はいくつか進歩が得られたと思う。ただ、ラップタイムは悪くないにしても、今のパッケージにはまだ何かが不足しているので、また雨になるようなら感触をさらに上げられるようにアイデアをいくつか試す予定」

「このサーキットはタイヤ左側面の摩耗が激しい事で有名であり、今回ミシュランは恐らく自分たちの選択肢の中でも一番硬いタイヤを1種類用意してきたが、今の自分は右側面からの接地感があまり得られていない。問題があるのはたった2つの右コーナーだが、ラップタイムには若干悪影響が出てしまっている。自分の普段の雨の中でのスムーズな走りができない状態」

「セッション終盤にはシャシーに調整を加え、フロントの感触は大きく改善されたが、リアにはもう少しいい感触が欲しい。いつもリアの滑りを改善するためにフロントの調整に時間を使っている感じはするが、天気がどうなろうとも自信はある」


■アリーチェ・チーム、概ね好感触のギントーリ、ドライでの不調を嘆くエリアス
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午前中はシルバン・ギントーリが1分31秒532の初日総合13番手タイム、来期のグレッシーニ・ホンダ入りが決定したばかりのトニ・エリアスが初日の最後尾となる1分32秒415の総合18番手タイムと、ドライ・コンディションでは期待通りの順位が得られなかったアリーチェ・チームの2名だが、雨となった午後のセッションではギントーリが7番手、エリアスが9番手を記録し、揃ってウェットではトップ10圏内につけている。

■ギントーリ「トラクションさえ改善できればいい戦いができる」
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「今日はウェットでもドライでもすごくいいリズムがつかめた。これなら週末の残りがどんな気象条件になってもいい戦いができそうなので、とてもいい兆候だと思う」とギントーリ。

「午後は色々な調整を施したが、ウェット用のいいセッティングを見つける事ができた。あとはトラクションさえ改善できればいいレースができると思う」

■エリアス「厳しい現実、ドライではタイヤに自信が持てない」
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「午前中はあまりタイヤに満足できなかった。タイヤに自信が持てないので、最大限まで攻め込む事ができていない。あまり悲観的な事は言いたくないが、今回はこれが現実だし、かなりのハンデになると思う」とエリアス。

「午後のウェットでは少し状況は改善されて順位も上がったが、まだ第2区間を攻める上で感触が不足している」


■深刻なリアのトラクション問題に揃って苦しむカワサキ勢
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午前のドライと午後のウェットの両方でリアのトラクション不足に苦しんだカワサキの2名の初日の総合順位とタイムは、ジョン・ホプキンスが総合16番手タイムの1分31秒814、地元グランプリを迎えたアンソニー・ウエストは総合17番手タイムの1分32秒211だった。

■ホプキンス「改善の兆しは見えたが今日は時間切れ」
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「フィリップ・アイランドでは高速コーナーを楽に走れるようにしなければいけないのでブレーキ・セッティングの妥協点が難しい上に、タイヤエッジで低速コーナーを曲がる時の安定性も確保する必要がある」とホプキンス。

「今日は間違った方向性で作業に着手してしまい、午前中はコーナー脱出時のトラクション不足に苦しんだが、セッションが進むにつれて若干の改善はできた。でも午後が雨になってしまったので、そのまま進歩を続ける事ができなくなった」

「まだウェットでのリアのグリップには問題を抱えているが、明日がウェットでもドライでも、今後のセッションに向けて何をどう修正すればいいのか正確に把握できたので今は満足している」
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■ウエスト「得意の雨でも速く走れず悔しい」

「午前中はずっと同じ問題を抱えていた。スロットルに軽く触るだけでタイヤがスピンしそうになる。特にスピードに乗る事が重要なメインストレートに向けての左コーナーからの加速など、コーナー脱出時にタイムを大きくロスした事が残念だった」とウエスト。
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「午後は同じような問題が発生した上に、低速コーナーではバイクが先走るような状態になるなど、ブレーキン時の安定性に問題があった。普段なら自分はウェットの時にはタイムシートのもっと上位に進出するのに、今日はそれらの問題が解決できず悔しかった」

「ただ、今日は2回のセッションが全く別ものと言っていいコンディションだったので、明日以降に天気がどうなろうとも正しいセッティングの方向性はつかめる筈」

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