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オーストラリア合同テスト最終日、ストーナーが1分28秒台に突入
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インテリマーク編集部
  2008年2月2日

2日目の悪天候は去り、MotoGP合同テスト最終日となる3日目のフィリップ・アイランドは、初日と同じく完璧に近い気象条件のテスト日和に恵まれている。この日は若干風が強かったものの空は晴れ渡り、気温は19度から22度、路面温度は実際のレースウイーク中に比べればかなり高い35度だった。
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ここでは、特に怪我人も発生する事なく、各チームがオーストラリアでのテスト最後の走り込みを行ったフィリップ・アイランド合同テスト3日目の状況、ならびに全ライダーやチーム関係者の詳細コメントを紹介する。


■理想的な走行条件に戻った最終日、目立った転倒者はド・プニエのみ

理想的な天候に恵まれたオーストラリアのテスト最終日、この日は午後にランディ・ド・プニエが転倒して赤旗が一度提示されているものの本人に怪我はなく、これによりロリス・カピロッシがフル・レース・シミュレーションを中断させられるという被害を被った以外、特に大きな怪我人や全体のテストに支障を生じるような問題は発生していない。


■ホプキンスがカワサキのピットに顔見せ?

なお、2日目の午前に雨の1コーナーで転倒を喫し、骨盤付近の筋肉である外転筋の左足側にダメージを受けて直ちに帰国準備に入る事が伝えられたカワサキのジョン・ホプキンスだが、結局その日の晩はオーストラリアに滞在し、この3日目の午前中はチームのピットに少しだけ顔を見せに寄っている。
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■ホプキンスが治療を再開するのは月曜日から

カワサキ・レーシング・チームの2月1日の発表によれば、ホプキンスは月曜日に母国アメリカのサン・フランシスコの病院で医師の診断を受ける予定になっており、今後のテストへの復帰時期などの詳細が明らかになるのは、この時の検査の結果次第だという。


■4日後のセパン合同テストに参加するのは3チームのみ

今回のフィリップ・アイランド合同テストの後には、2月16日から始まるヘレスでのIRTAテストの前に、今年2度目のセパン合同テストが2月5日から3日間の日程で実施される予定になっているが、このセパンでのテストに参加するチーム数は僅かだ。
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2月5日からの2度目のセパン合同テストへの参加を表明しているチームは、今回のオーストラリアには参加しなかったフィアット・ヤマハ・チーム、およびレプソル・ホンダとグレッシーニ・ホンダの合計3チームだけであり、その他のチームやライダーは参加しない。
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■ペドロサの復帰時期は未定、ホンダはヘレスからサテライトに新エンジン投入

なお、レプソル・ホンダ・チームは今回のオーストラリアと同様にニッキー・ヘイデンのみがセパンでのテストを行う予定であり、今年1回目のセパンで負傷したダニ・ペドロサの復帰時期については現在も不明だ。
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ちなみにチーム・ロバーツを除くMotoGPクラス全チームが参加を表明している2月16日からのヘレスIRTA公式テストでは、ホンダがサテライト勢に向けても2008年型エンジンを投入する予定になっているようだ。


■最終日の結果(非公式タイム)

以下に、フィリップ・アイランド合同テストの最終日となる3日目の走行結果を、各ライダーの3日目の自己ベスト順に示す。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分28秒777(51周)
2) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分29秒734(102周)
3) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分29秒754(89周)
4) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiR・チーム・スコット RC212V 1分29秒780(90周)
5) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分29秒795(56周)
6) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分30秒216(73周)
7) アレックス・デ・アンジェリス RSM ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分30秒438(91周)
8) 中野真矢 JPN ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分30秒728(89周)
9) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒966(97周)
10) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダ・LCR RC212V 1分30秒978(115周)
11) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒983(58周)
12) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分31秒377(108周)
13) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分31秒508(75周)
14) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒957(90周)


■フィリップ・アイランド合同テスト総合順位(非公式タイム)

続いて、今回のフィリップ・アイランドでの3日間の総合順位を以下に示す。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分28秒777
2) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分29秒566
3) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分29秒734
4) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分29秒754
5) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiR・チーム・スコット RC212V 1分29秒780
6) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分30秒216
7) アレックス・デ・アンジェリス RSM ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分30秒438
8) 中野真矢 JPN ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分30秒728
9) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒869
10) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒966
11) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダ・LCR RC212V 1分30秒978
12) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒983
13) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分31秒274
14) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒623
15) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒786

フィリップアイランドのサーキットレコードは2005年にマルコ・メランドリ(990cc)が記録した1分30秒332、ポールポジション・レコードは2006年にニッキー・ヘイデン(990cc)が記録した1分29秒020。

ちなみに800cc初年度となる2007年のフィリップアイランドのレース中のファーステストラップは、バレンティーノ・ロッシ(800cc)が記録した1分30秒801、予選タイヤでのベストラップはダニ・ペドロサ(800cc)が記録した1分29秒201。


■各チームのオーストラリア最終日の状況とコメント

以下に、フィリップ・アイランドでのMotoGP合同テストの最終日を終えた各チームの概況、ならびに全ライダーと一部チーム関係者のコメントを紹介する。

■総合トップはドゥカティーのケーシー・ストーナー

前日のテスト2日目にもトップタイムを記録し、続く3日目には前人未踏の1分28秒台という過去の990cc時代の予選タイムさえも上回る総合トップタイムを記録したのは、2007年度のMotoGPチャンピオンであるドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。
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■昨年のポールタイムを0.5秒近く上回ったストーナー

今年もプレシーズンから好調のストーナーが今回記録した1分28秒777は、非公式タイムではあるにしても、ダニ・ペドロサの昨年のポールポジション・タイムを0.424秒も上回っている。

ストーナーはこの日の全51周回中の25周目に予選タイヤを装着して今回のタイムを記録しているが、レースタイヤでの走行ペースも非常に速く、連続して23周走行したこの日のレース・シミュレーションでも安定して1分30秒台前半を連発し、最後まで1分31秒台に入る事はなかった。なお、この日は路面温度が想定よりも高めだったため、ストーナーはこのシミュレーションを予定よりも3周早く終えている。

■メランドリはレースタイヤで1分30秒後半の好タイム

また、前回のセパンまではホンダのマシンから乗り換えたばかりのドゥカティー・デスモセディチへの順応が進まず苦しんでいたチームメイトのマルコ・メランドリは、このオーストラリアからは自身のライディング・スタイルとベース・セッティングを見直す事で順調にタイムを上げてきており、今回のオーストラリアでも予選タイヤを最後まで装着する事なくマシンのセッティング作業を通じて感触の改善に努め、最終的にはレースタイヤで総合9番手タイムの1分30秒869を記録した。

明らかに調子を取り戻しつつあるメランドリは、この最終日はレースシミュレーションを含めて108周回を走行、3日間全体の成果にも深い満足を得る事ができた様子だ。


総合トップ)ケーシー・ストーナー 1分28秒777 「GP8は昨年のマシンと大差ないから有利」

写真今日はブリヂストンの新型タイヤでレース・シミュレーションを行いました。予定の周回よりも3周早めに走行を終える事になりましたが、それでも本当に調子良く走れていました。路面温度は過去のレースの時よりも高めでしたから、それも良かったんでしょうね。

仮にそれが原因だとしても、タイムは一貫して1分30秒台前半のままでしたし、ブリヂストンが日本ですごく優れた仕事をしてきてくれたのは間違いありませんよ。それに予選タイヤについても去年の時と同じようにすごく満足しました。

バイクが2007年型と大きく違わないのもいいですね。なぜならシーズン開幕に向けて最高のベース・セッティングを見つける事が今の段階でもできるからです。

新しいバージョンのエンジンは出力特性が良くなっていますね。特に低速域が良くなっているおかげで以前よりも安定して速いタイムを出す事ができますし、これはタイヤを長く持たせる上でもいい事です。

今回はすごくいいテストでしたが、今はこれから数週間休める事と、ジムでトレーニングをできるのが嬉しいです。肩の調子は大丈夫ですよ。今まで思い通りにトレーニングができていないのでちょっと力が入りにくいし痛みもありますが、今からはトレーニングもしっかりできますからね。


総合9番手)マルコ・メランドリ 1分30秒869 「次回のヘレスに期待」

最終日は自分とまわりのスタッフにとっては本当に忙しい1日になりました。
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今日もバイクのバランス改善に取り組み、それから何本かタイヤをテストしました。フロントはかなりいい感じですが、リアにはまだ若干グリップ面で問題を抱えています。今の段階ではまだ新しいタイヤでも古いタイヤでも結果に大きな違いはありませんので、この分野に関してはまだ大きく改善の余地がありそうですね。

午後はロングランを行いました。タイムにはそれほど目覚ましいものはありませんでしたが、色々学ぶ事はできています。今は正しい方向に進んでいますし、次のヘレスのテストではさらに前進できる事は間違いありませんよ。

今からしばらくはリラックスできるので、これは自分にとってはいい事です。この2週間は本当に忙しかったですからね。


■この3日間で開幕に向けての自信をつけたTECH3ヤマハ

2名のライダーが揃って好みとするフィリップ・アイランドでの3日間のテストを、TECH3ヤマハチームは順調に終える事ができたとしている。

■エドワーズは初日のトップタイムを更新できずに総合2番手

コーリン・エドワーズは初日の予選タイヤでの自己ベストをこの日の予選タイヤでは更新する事はできずに最終日のタイムシート上の5番手で全ての作業を終えたが、初日のトップタイムは3日間総合の2番手につけている。

最終日のエドワーズはリアのグリップ向上を狙ってシャシーのセッティングに集中。その後には20周のロングランを済ませ、マシン全体の改善状況に満足して午後2時前に3日間の全ての作業を完了した。

■オーストラリアの3日間を通して実力を見せたトーズランド

また、得意のフィリップ・アイランドではSBK時代に見せた実力をいかんなく発揮したジェームス・トーズランドは、最終日の予選タイヤでもその好調さは変わらず、1分30秒台を切った5名のライダーのうちの1人に入ってこの日のタイムシート上の3番手という上位の結果を残した。なお、トーズランドの3日間総合の順位は、先輩のMotoGPライダーの多くを上回り15人中の4番手だった。

トーズランドは27周のレース・シミュレーションを一貫して1分31秒台のハイペースで走行し、この中で新しいフロント・フォークと新しい電子制御システムの評価を行っている。ちなみにトーズランドのレースタイヤでの自己ベストは1分31秒012。


総合2番手)コーリン・エドワーズ 1分29秒566 「ミシュランの頑張りには触発される」
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このタイヤがどのくらいの性能を発揮できるかミシュランにデータを提供するためにロングランを行いました。今回の20周回の合計タイムでは去年のレースよりも20秒速く走れていますから、これはかなりいい結果だと思いますよ。

このサーキットはちょっとだけ変わっていて、いいタイムを狙う場合には多くの時間をタイヤの側面を使って走る事になるコースなんです。もっとタイムを上げるためにミシュランが努力を必要としているのも、まさにその部分です。

でも、今の自分の意欲は以前よりもずっと高くなりました。チームとヤマハも頑張ってくれていますが、ミシュランがずっと激しく頑張り続けている様子を見ると、さらにやる気が大きく高まりますね。全員が自分と同じくらい自分のために頑張ってくれています。

誰もが必死に忙しい日々を過ごしてくれていますから、このチームには本当に満足しています。このセパンとフィリップ・アイランドでのエキサイティングな6日間を終えてみて、今はカタールでの開幕戦がすごく楽しみになっています。


総合4番手)ジェームス・トーズランド 1分29秒754 「笑顔になってしまう」

すごく嬉しいですね。良く知っているこのサーキットに来るのをずっと楽しみにしていましたし、その経験を活かす事で順位がどれだけ変わるのかを確認できて良かったです。厳しい状況が続きましたから、こうして自分の名前が上位にあるのを見ると、顔がどうしてもにやけちゃいますよ。

写真コースの知識を使って全く同じラインを常に通る事ができたので、バイクに関する情報をより正確にチームに提供する事もできました。ここ以外の他のサーキットでは、ラップタイムの改善を狙うのと同時に、自分の乗り方を見つけるのにも時間を使っているんですよ。

レースシミュレーション中の自分のラップタイムには満足ですが、スーパーバイクのレースよりも周回数が5周か6周多いので、その時にはなんだか不思議な感じがしました。それだけの距離に身体が慣れていませんからね。でも、決して調子は悪くありませんでしたし、最後まで走っても疲れすぎるような事もありませんでした。

全てがいい経験になりましたし、全てがうまく噛み合った感じです。この順位ですから、飛行機の中ではぐっすり眠る事ができると思いますよ。自分のメカニックの1人は、イギリス人ライダーが最終的にタイムシートの上位につけるのを見られるなんて嬉しいと言っていましたね。少なくともここで一番良かったのは、自分がどんどん速くて強いライダーになってきている事ですよ。

今はヤマハから新しいパーツがいくつか届くのを待っている状態ですから、今後の改善の余地もまだ大きいと思います。ミシュランについても同じ事が言えますしね。全員がものすごく頑張ってくれていますし、自分も波に乗れていると思います。


■レプソル・ホンダ、今週の作業内容には納得できないヘイデン

この最終日にはケーシー・ストーナーに続く2番手タイム、オーストラリアの3日間総合では3番手タイムとなる1分29秒734を予選タイヤで記録したニッキー・ヘイデンだが、まだ開幕までには多くのやるべき作業が必要だとしており、予選タイヤ以外には今週の作業内容についてあまり満足できる事がないとしている。
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最終日にヘイデンはシャシー・セッティングのチューニングを行い、レースタイヤの評価テストを実施してミシュランに多くのデータを提供した様子だ。

■ヘイデンは次回のセパンに参加、ペドロサの復帰時期は不明
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なお、レプソル・ホンダ・チームは4日後の2月5日より行われる今年2度目のセパンでの合同テストに参加する予定だが、まだ現時点においては年明けのセパン合同テスト初日に右の手のひらを負傷したダニ・ペドロサの復帰時期については明らかになっていない。


総合3番手)ニッキー・ヘイデン 1分29秒734 「今回は気に入る部分がなかった」

そんなに悪くない結果では終わりましたが、レースタイヤで速く走れていたらもっと嬉しかったでしょうね。正直に言ってしまえば、ここでの数日間はかなりフラストレーションの溜まるものでした。

初日は4回目にピットを出たあたりで31秒台に入りましたが、それ以降はずっとあまり速く走る事ができていません。予選タイヤで調子が良かったのは除きますけどね。少し袋小路に入ってしまった感じです。自分の気に入るようなレースタイヤも結局はあまり見つかりませんでした。
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去年のここのレースではかなり苦しみましたが、それでも何か自分の望む方向性のものはその時に見つかりました。でも今週は一切そういう事もなかったので、バイクと自分とタイヤの組み合わせの全てについて満足できたとは到底言えません。

ここではニューマチック・バルブ・エンジンと従来仕様のエンジンの両方を新しいシャシーに組み込んでテストしましたが、ミシュランと一緒に多くのタイヤテストを行った時には従来型のエンジンのみ使用しています。

シャシーからはいい効果が若干得られていますが、今回のまわりの速さの中では十分とは言えませんでした。これからセパンに戻って2日間のテストを実施し、その後は数日休んでからまた頑張り続けたいです。


■MotoGPマシンに好感触のJiRチーム・スコット、課題は予選タイヤ

MotoGPマシンでは小排気量時代には苦手だったフィリップ・アイランドに好感触を示したJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、この最終日には何種類かのタイヤの組み合わせをロングランとショートランの中で検証し、それぞれのマシンの挙動に関する理解を深める事ができたとしている。
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セッティングの方向性をつかみ、ホンダRC212Vの感触にも満足がいくようになったと述べるドヴィツィオーゾは最終日の4番手、総合では5番手タイムとなる1分29秒780を記録して、3日間の全ての作業を終えた。


総合5番手)アンドレア・ドヴィツィオーゾ 1分29秒780 「予選タイヤ装着時にリアが振動」

写真今日は全てのタイヤ素材と自分たちのテクニカル・パッケージの相性を評価するのにすごく適した1日でした。ミシュランと一緒に多くの作業に取り組み、ものすごくたくさんの種類のコンパウンドのテストを終わらせています。

ミシュランとはとても満足できるいい関係ですよ。彼らはこっちから出す情報に対してものすごい速さで対応してくれますし、お互いの関係は今後もいい状態のまま続くように感じています。

レースタイヤでの自分の走行ペースはすごくいいんですが、ソフトタイヤを履く時の予選用のセッティングでは少し振動が発生して苦しんでいます。コーナー進入のブレーキング時にその症状が出ますから、予選タイヤを履いて速いタイムを出そうとしても努力が無駄になってしまいます。今抱えている課題の主な部分はそこです。

全体的に言えるのは、まわりのレベルがものすごく高い世界ですから、もっと力をつけたいです。上位のライダーたちから離されたくありませんからね。


■ジャンニ・ベルティ JiRチーム・スコット・テクニカル・コーディネーター

写真この3日間のテストには大変に満足しています。今回の結果から、チームの全員が大変に頑張っている事と、正しい方向性をつかめている事が分かりますからね。

アンドレはバイクの感触をより多くつかめるようになってきました。また、彼はテスト・ライダーとして見ても能力が高い事を示しており、チームやホンダ、HRC、ミシュランなどに対して多くの情報を提供してくれています。そのおかげで、全員がバイクのセッティングを進める上での正しい方向性をつかむ事ができているんです。

ピットの中にいるチームのスタッフもRC212Vについてより詳しくなってきていますよ。このバイクはレーシングマシンとしてとても満足ができるものですしね。セッティングの観点から見ても、わたしたちはかなりいい部分にまで到達できていますし、今日タイヤに関する作業に集中できたのもそれが理由です。

今日はショートランを繰り返す中で何回かのロングランとミディアムランも行い、レースに近い走行条件で異なる種類のタイヤがそれぞれにどんな反応を示すのかを確認しましたが、まだ予選タイヤについては安定してタイムが刻めるように改善を進める必要があります。

この3日間のうちの全ての問題を解決するには至りませんでしたが、若干雨もありましたし、バイクについては多くの事を学ぶ事ができました。今回もテストの結果が良かったので、今は全員が次のヘレスでのテストを楽しみにしています。


■リズラ・スズキはフィリップ島の攻略に向けて万全か?
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スズキのマシンがここ数年苦手とするフィリップ・アイランドでの作業を終えたリズラ・スズキ・チームは、今回の3日間の激務を通し、サーキット攻略に向けてのマシン改善の方向性は明確に定まったと、チームの公式プレスは説明している。

フィリップ・アイランドだけではなく、他のサーキットでも有益となる情報を多く収集できたとするリズラ・スズキ勢の最終日のタイムシート上の順位は、クリス・バーミューレンが総合6番手にまで上昇、新チームメイトのロリス・カピロッシは総合の13番手だった。

■バーミューレンは昨年の記録を更新、カピロッシはシミュレーションを中断
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この日にバーミューレンは、今回の予選タイヤでは昨年度のオーストラリアGPで記録した自身の予選タイムを1.5秒上回り、レースタイヤでは昨年の11月末のプライベートテスト時の最速ラップも更新している。

なお、ロリス・カピロッシはこの日にレースシミュレーションを行っていたが、他のライダーの転倒時にレッドフラッグが提示されたため、今回はそのロングランを途中で諦めざるを得なかったという。


総合6番手)クリス・バーミューレン 1分30秒216 「ここでの苦労が実を結ぶ筈」

今日はバイクにいくつか期待できる部分が見つかりました。が、フィリップ・アイランドの攻略に向けては若干課題が残ります。このサーキットはやっぱり自分たちには手強いサーキットみたいですね!

写真ただ、この3日間を通して広範囲に渡るテストをたくさん行いましたし、考えられる全ての角度から色んな事を試しましたので、今後役に立つ明確な方向性はいくつか見つけています。

タイムは去年の11月にここで走った時よりも良くなっていますから、これは間違いなく進歩があった証拠ですよ。スズキが施してくれた全ての事にも効果は得られているので、それも大きな進展と言えますしね。

何本か予選タイヤも試しましたがすごくいい感じでした。予選の分野は間違いなく自分が頑張らなきゃいけないところですから、個人的にはかなり励みになる結果でしたね。

次のテストのために今度はスペインに向かう事になります。開幕が近づいている中でまだいくつか頭を悩ます部分もありますが、シーズン開幕までのあと残り数回のテストの中では必ず大きな進歩が得られる筈です。

今回のフィリップ・アイランドは結構きついものがありましたが、ここでの改善内容は他のサーキットで強さを発揮していく上でも必ず役に立つと思います。


総合13番手)ロリス・カピロッシ 1分31秒274 「もっと上の順位を狙っていたのに」

今日はきつい1日でしたし、少し苦労しましたね。ロングランがほぼ終わりに近づいた時に、不幸にしてレッドフラッグが提示されてしまい、やりたい事を全て終える事ができなくなりました。
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まだフィリップ・アイランドではやり残した事がたくさんありますし、タイムシート上の順位についてもずっと上の方に行きたかったですよ。チームが今週を通して必死に頑張ってきた効果を全く結果として反映する事ができていないと思いますしね。

日本から届いた多くの新しいパーツをテストしましたが、いいものもあれば悪いものもありました。

これからヨーロッパに移動しますが、ここオーストラリアで学んだ事は今後の自分たちの強さとして必ず反映される筈です。


■グレッシーニ勢はレースタイヤを用いて総合7番手と8番手

オーストラリアの2日目を2名揃って高い順位で終えたグレッシーニ・ホンダ勢は、最終日の3日目は終日をタイヤテストに費やす中、ベースセッティングの改善を進める事ができたとしている。
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■グレッシーニ・ホンダの課題も予選タイヤ

写真3日間を通しての総合7番手タイムでフィリップ・アイランドでの最終日を終えたアレックス・デ・アンジェリスは、マシンの感触に自信が持てるようになったと述べ、4日後に参加する今年2度目のセパンでの合同テストにおいて、ここまでの成果を発揮するのを楽しみにしている様子だ。

また、最終日を総合8番手タイムで終えた中野真矢選手は、この日はタイヤテストを中心としたレース・シミュレーションを実施している。

■2名揃って予選タイヤではタイムを更新できず

なお、2名はこの日に予選タイヤも試しているが、最終的に記録した自己ベストはどちらもレースタイヤ装着時のものだった。レースタイヤでは揃って速いペースで走れているものの、予選タイヤを装着した場合にはまだ問題があるため、チームは今後の課題としてこのブリヂストンの予選タイヤへの取り組みを上げている。


総合7番手)アレックス・デ・アンジェリス 1分30秒438 「もっと調子は上がる筈」

今日は多くの周回をこなし、その中でレース・シミュレーションも行いましたが、今回は自分のレース経歴の中でも一番辛いと思えるセッションでした。
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でも、最終的には昨日のタイムを少し更新できましたし、これは自分たちが高いレベルにある証拠だと思います。ブリヂストンからの協力もあるので、すぐにもっと調子は上げられると信じています。

まだ多くの作業が残ってはいるのは分かっていますが、すでに自分がトップライダーである事はここまでに証明したので、ものすごく満足できています!


総合8番手)中野真矢 1分30秒728 「ブリヂストンを信じる」

今日も色んなバイクのセッティングを試して頑張りました。自分たちのRC212Vはすごく性能の高いマシンですから、今年のシーズン中には高い成績が残せるようになると信じています。
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今日はレース・シミュレーションの他に予選タイヤのテストも行いましたが、今はブリヂストンから新しいタイヤが提供されるのを期待しているところです。彼らの総合的な支援は強く信頼できますよ。


■ファウスト・グレッシーニ グレッシーニ・チーム・オーナー

チームにとってこの3日間は非常に有益なものだったと思います。バイクの性能は高く、2名のライダーは揃ってレースタイヤで速く走れる事を示してくれました。

ただ、予選タイヤに関しては満足いく結果が得られていませんので、今後はこれを課題として必死に取り組む必要がありますが、ここまでのテストを通して多くの素材を試す事はできていますので、どの方向性に進むべきについての理解は深まりました。

全体的に見れば、チームの頑張りとライダーたちのここでの結果には非常に満足できています。これからマレーシアに移動しますが、非常に意欲は高いですよ。IRTAの前の最後の冬季テストですからね。


■対策を練るアリーチェ・チーム

前日までの2日間を通してチームのライダー2名が揃って最後尾からの順位を上げる事のできなかったアリーチェ・チームだが、前日までのデータ分析を進めたチームは、最終日の朝からは以前とは異なるタイプのレースタイヤを選択しており、これが功を奏して午前中の時点で2名は2日目までの自己ベストを揃って更新している。
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また、午後に入ってから2名は予選タイヤも試しており、この時にはトニ・エリアスが3日間総合の10番手タイム、シルバン・ギントーリは総合12番手タイムを記録した。


総合10番手)トニ・エリアス 1分30秒966 「いい方向性はつかめた」

全体的に見て改善が進みました。まだ準備は完全には整っていませんが、この3日間で達成した内容には満足してヨーロッパに戻る事ができます。今後に向けてのいい方向性はつかめたので、このまま頑張り続けたいです。

今日の前半はシャシーのセッティングにいくらか調整を加えましたが、この時にはいいバランスが見つかっています。午後は予選タイヤを何本か試しましたが、感触はとても良かったですね。


総合12番手)シルバン・ギントーリ 1分30秒983 「朝からすぐに好調だった」

いい方向性が今日のテストからはつかめてきましたし、数周を走っただけで昨日の自己ベストを更新する事もできています。かなり速く走れてましたよ。

多くのタイヤを試しましたが、その中で自分の好みのフロントタイヤも見つかりました。今日の進歩はものすごく大きかったので、この調子で今後も作業を続けるつもりです。

今回の自己ベストは予選タイヤで記録しましたが順調に走れました。多分もっと激しく攻めても大丈夫だったとは思いますが、何かミスをして危険な目には会いたくありませんからね。


■セルジオ・ヴェルベーナ アリーチェ・チーム・サーキット・エンジニア

今日の午前中はレース用のセッティングでコースに出て、すぐに昨日のタイムを1秒更新しました。

ここまでの自分たちの状況を見直し、以前とは異なるタイヤを試す事にしたんですが、そのうちの1種類は2名のライダーにうまく適合したようですので、良い解決策が見つかってとても満足しています。

それから午後の遅くに何本か予選タイヤを試した時にはさらにタイムを縮める事ができたので、今日はうまくいったと思いますし、満足してスペインに戻る事ができそうです。


■オーストラリアは苦しい3日間となったホンダLCR

前回のセパン合同テストでの好調さとは異なり、オーストラリアでは前日までの2日間を通してマシンから好感触が得られていないホンダLCRのランディ・ド・プニエは、3日目となるこの最終日にももどかしい1日を過ごした様子だ。
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■マシンの感触は上がったが、タイムには反映されず

この日にド・プニエはトラクションの改善を狙い、電子制御システムの調整ならびにサスペンションとタイヤを組み合わせをテストしており、最終的にレースタイヤでの感触は良くなってきたとしているが、予選タイヤに課題が残る事からフィリップ・アイランドでの順位は総合の11番手に終わっている。


総合11番手)ランディ・ド・プニエ 1分30秒978 「予選タイヤに苦しんでいる」

自分にはとてもきつい1日でしたね。115周も走って多くの事を試しました。

レースタイヤのままサスペンションのセッティングを続けて、ミシュランと一緒にタイヤとの組み合わせを試しました。実際には昨日と比べてペースはすごく良くなっていますし、今日はタイムも安定していました。
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ただ、予選タイヤについてはリアのグリップが得られずにまだ苦しんでいます。予選タイヤでも速く走れるのは分かっているので、次のヘレスではこの部分に集中して作業を進めるつもりです。

スペインでは2008年型エンジンも提供されるので、今からヘレスで走るのが楽しみです。


■カワサキ、体力的に厳しいウエスト、不機嫌なバルトレミー

前日のジョン・ホプキンスの負傷とテストキャンセルにより、代わりに最終日のテスト・スケジュールを強化される事になったカワサキのアンソニー・ウエストは、この日の100周回近くの走り込みを済ませた後は見るからに疲れ切っていたと、チームの公式プレス・オフィサーは伝えている。ウエストは深い古傷のある左手首の手術を年末に受けた関係上、ここまでの筋力トレーニングは十分ではなく、体力的にはかなり厳しい最終日となったようだ。
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ウエストはブリヂストンタイヤとマシンのセッティングを評価するためにパーツや素材などの膨大な組み合わせを試し、少し精神的なプレッシャーを感じながらもこの日の作業を全て無事に終える事はできたが、地元サーキットでラップタイムを改善できずに、15名のライダーのうちの最後尾となる総合15番手に終わった事には落胆しているという。


総合15番手)アンソニー・ウエスト 1分31秒786 「すぐにジムに通う」

写真ここまでの2週間でプレシーズンテストの厳しさを自覚する事になりました。12月に手首の手術を受けたので、トレーニングに必要な時間があまり取れなくなるのは分かっていましたが、多分それでもやるべきだったんでしょうね。この2日間に要求された体力のすごさには本当に驚きました。

バイクの上で疲れてくると、セッティングとかタイヤとか、色んなコンポーネントの検証作業に集中するのが本当に難しくなってきます。だから、ええ、かなり厳しかったんですけど、それでも作業はすごく効率的に進みましたよ。

かなりの時間をいいベースセッティングを見つける作業に費やし、その部分に関しては明らかに進歩がいくつか見られましたが、まだ開幕を迎えるまでには多くの作業をこなしていく必要があります。

当然フィリップ・アイランドではいいタイムを狙っていたので、今回の結果にはものすごくがっかりです。でも、体調さえ回復すればもっと速くなるのは間違いありませんし、今の時点で必要なのは次のヘレスのテストに向けて万全な状態で挑めるようにしておく事です。

この目標を達成できるように、これからの2週間は地元のジムに通って頑張ります。今の自分がやらなきゃいけないのはそれですからね!
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■ミハエル・バルトレミー カワサキ・コンペティション・マネージャー

この2週間を見ていて、アンソニーにはいくらか目覚ましが必要なのでは、と思っています。

昨年の彼はシーズンの途中からチームに加わっていい活躍を見せてくれましたし、以前に一度も乗った事のないバイクでポイントまで獲得してくれましたが、今の彼がしているのは、MotoGPのファクトリーチームがNinja ZX-RRのようなワークスバイクを開発するのに、どれだけの作業が開幕までにあるのかを学んでいるだけです。
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12月の手首の手術に影響を受けたのは分かりますが、それを考慮したとしても、わたしには彼がMotoGPのテストがどれだけ過酷なものなのか、少し過小評価をしていたように思えてなりません。

これからの数週間に彼がどれだけのトレーニングを行うのか見ていく必要がありそうです。少なくとも、ヘレスとカタールのテストには万全な状態で挑んでもらわなければいけませんからね。

ヘレスではジョンが復帰してくれる事を願っていますが、それについては月曜日に彼がサン・フランシスコで医師の診断を受けた結果を聞いてみる必要があります。怪我は深刻なものではありませんが、正しい治療を受けておかなければ今後に問題を引き起こす可能性があるものです。

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